全国の多くの駅で見かけるつり下げ型の駅名標。鉄道風景には欠かせぬアイテムの一つですが、JR西日本管内では撤去の動きが見られます。本州西端の下関駅でも壁面に掲出する新しい駅名標が設置されており、つり下げ型は今後見納めになるようです。

 

 

下関駅のつり下げ型駅名標。7月3日に確認した時点ではまだ残っていました

 

 

つり下げ型の近くには新しいタイプの駅名標が設置されています(写真は9番線ホーム)

 

 

新しいタイプはボードのようになっていて、金属枠はビスで固定されていました(8番線ホーム)

 

 

降車専用の3番線に入る山陰線のキハ47形。4番線の新しい駅名標(写真右)は手すりに取り付けられ、やや低い位置になっています

 

 

 

下関駅のつり下げ型駅名標は、各ホームに設置されています。本州と九州の境界駅ということで、特に旅行する人には人気の被写体です。

 

九州方面の列車が発着する7、8番線の駅名標にJR九州の駅ナンバリングが追加された以外は長年変化がなかったように思いますが、最近になって新しいタイプのものが壁や手すりに取り付けられました。

 

 

下関駅7番線のつり下げ型駅名標。九州方面の列車が発着するホームには駅ナンバリングが追加されています。写真の6番線の列車は山陽本線の115系3000番台

 

 

下関—小倉間で運用される415系1500番台と9番線のつり下げ型駅名標

 

 

 

つり下げタイプの駅名標は、当然ですがホームの上の方に設置されているので、他の掲出物に埋もれにくく視認性は高いと思います。一方で構造的には、取付金具や電照関係の保守管理などに課題があります。

 

そうした中で2022年6月、山陽本線厚東駅(山口県宇部市)で駅名標の裏ぶたの落下がありました。当時のプレスリリースには「緊急点検を実施」とありましたが、老朽化、安全性などさまざまな観点から、その後の撤去の動きになっているのかもしれません。

 

 

下関駅ホームの九州寄りは昔のたたずまいが残っていて、つり下げ型駅名標が映えます

 

 

下関駅ホームからは海(下関漁港)が見られ、駅名標と一緒に撮ると港町・下関らしさが感じられます

 

 

 

つり下げ型駅名標は、私にとっては鉄道が好きになった子どもの頃から当たり前に存在しているタイプのため、デザインやフォントが変わっても、まさか本体ごと消えることになるとは思いませんでした。

 

駅名には地名が多く使われますが、特に地方では地名そのものがブランドになることがあり、駅名標には観光発信的な役割もあるかと思います。

 

毎日利用する人は意識していなくても、知らない土地に行った際には欠かせません。今後簡易的なものに変わったとしても、駅名標自体は残ってほしいと願っています。

 

 

 

【追記】

7月14日に下関駅を見たところ、つり下げタイプの駅名標は撤去されていました。この数日内に外されたと思われます。以下の記事にまとめました。

 

 

 

 

 

※姉妹ブログでは、かつて下関駅の「儀式」として有名だった機関車交換をまとめています