JR西日本の懐鉄シリーズ第3弾として、下関総合車両所で瀬戸内色への塗装変更が進められていた115系N-04編成が10月11日、本線試運転を行いました。3000番台でそろった編成としては約30年ぶりにデビュー時の装いが復活しました。

 

 

山陽本線で試運転を行う、瀬戸内色となった115系N-04編成。この姿、個人的には国鉄〜JR初期のころ日常的に見ていたため、懐かしさが込み上げてきます=新下関駅

 

 

上り試運転列車の新下関駅到着時、クハ115-3104の前面窓には「復活 瀬戸内色 115-3000代 オリジナル色」の文字が掲出されていました。職員の方が作られたのでしょうか。思いが伝わってきます

 

 

 

瀬戸内色はクリーム1号をベースに300㍉幅の青20号の帯を入れた塗装で、瀬戸内海の海と砂をイメージしています。国鉄時代の1982(昭和57)年、115系3000番台で初めてお目見えし、広島、山口の代表的な地域カラーとして2010年代半ばまで親しまれました。

 

以前の青20号の帯は塩化ビニール製粘着テープの貼り付けでしたが、今回の復活では塗装による再現になったようです。 

 

 

下関総合車両所から本線試運転に向かう115系N-04編成。グレーのスカートやベンチレーターが撤去された屋根など、国鉄〜JR初期の瀬戸内色3000番台とは細部が異なります。鉄道模型的には新たなバリエーションとも言えます

 

 

 

今回瀬戸内色に戻されたN-04編成は、クハ115-3104〜モハ115-3004〜モハ114-3004〜クハ115-3004の4両編成。82年9月13日付で下関運転所に新製配置され、93年11月19日付で広島快速色に変更されるまで、約11年間ほど瀬戸内色で活躍しました。

 

 

 

方向幕は黒地のままのようです。青帯は塗装による再現のため、見え方が以前より豪華仕様?かもしれません

 

 

編成全体を見渡しましたが、JRマークの貼り付けはありませんでした

 

 

 

N-04編成を含め、現在残っている115系3000番台は2004〜08年にかけて体質改善N30工事が施工されていて、国鉄〜JR初期の姿とは多少異なります。違いとして特に目立つのは、前面窓周辺、足回りの色、屋根上、クリアレンズになったテールライトなどです。

 

前面窓は当初は1枚タイプではなく、ガラスも金属押さえだったため、今回復活した瀬戸内色の「顔」はシンプルに見えます。また足回りも当時は黒色でしたが、現在はグレーで軽快な印象を受けます。屋根上に目を向けると、ベンチレーターが撤去され、冷房装置もAU75G形からWAU709形に変わり、現在の姿はすっきりしています。

 

 

【参考】最初の瀬戸内色だった頃の現N-04編成のクハ115-3104。当時はスカートなどの足回りが黒色で、前面窓周辺も雰囲気が異なります=小郡(現新山口)駅、1991年

 

 

 

リバイバル瀬戸内色の115系3000番台N-04編成の運行は、10月14日午前9時半に下関駅を出発する山陽本線上り岩国行きからスタートします。濃黄色ばかりの同線に新たに吹く「瀬戸内の風」は、懐かしさと新鮮さで多くの人々の注目を集めそうです。

 

 

 

【追記】

115系3000番台N-04編成は予定どおり、10月14日から営業運転に入りました。当日は多くの鉄道ファンが乗車や写真撮影を楽しんでいました。

 

下関駅で濃黄色N-05編成(左)と並ぶN-04編成

 

 

下関駅に到着したN-04編成。これから沿線でいろんなシーンを見せてくれそうです

 

 

 

 

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※姉妹ブログ「歴鉄2番線」でも115系3000番台について書いています