*スピササイズ32a: 「タイパ」を手放す1 | *Blay典子の世界日記*

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四半世紀のリゾート暮らしを卒業後、ディープなフランスで生活しています。父が他界した2004年から始めたスピリチュアルな学びや、浮世離れした日常から見えて来た世界、多文化の中で学んだ事、フランスの田舎暮らしなどなど、私の世界のお話を綴っています。

 ブリーブ・ラ・ガイヤードからごきげんよう、ドゥミ仙人こと☆Blay典子です。

 

ご縁をいただき、ありがとうございます。

 

約2週間のドッグシッター付き留守番が無事終わり、ブリーブに帰って来ました。

 

お留守番の話はまた改めて、お伝えしたいと思います。

 

 今日も、毎週土曜日にお贈りする

スピササイズ

 

 

初めての方の為に、スピササイズとは…

 

毎日の暮らしの中で、ひらめきと行動を意識すると共に、スピリチュアリティー(精神性)を高め、見えない世界とのつながりを深めていくエクササイズです。

 

フィットネスエクササイズのようにコツコツ続けていき、人生を思いきり楽しめるようになることが目標です。

 

できれば、1から進めていただくことがお勧めです🔽

スピササイズ19より、「手放し」をテーマにお送りしています。

 

 

これまでに取り上げた「手放し」は

 

 

スピササイズ32a

 

  「タイパ」を手放す1

 

 

 

 

日本から聞こえてきた言葉ですが、生き急いでいるようにしか見えず、日本人が危ない爆弾と感じています。

 

「タイパ」は、人間らしさを害わせる危険な行為で、すぐにでもやめるべきです。

 

 日本社会、特に都会の生活はスピード感に溢れています。

 

交通機関は分刻みで、ほぼ定刻通りに運行され、数分の遅れも許されない雰囲気があります。

 

役所から取り寄せる書類は、その場か、受取日が知らされ、間違いなく受け取れます。

 

コンビニは24時間365日開いていて、大抵のものは、いつでも買う事ができます。

 

ほとんどの店員さんが機械的なスピードで、対応してくれます。

 

自販機もそこらじゅうにあって、ボタンひとつですぐに買えます。

 

通販が翌日やって来ることも珍しくありません。

 

蛇口をひねれば湯水が出るのは、当たり前中の当たり前。

 

冷凍食品やレトルト食品などは種類が豊富にあり、レンチンですぐに食べられます。

 

外食産業やお惣菜関係も発展していて、自分で作るよりも早く、安く食べる事ができるお店もたくさんあります。

 

ネット社会になってからは、利便性はさらに高まり、ど忘れした懐かしい有名人の名前や、深い調べ物もググれば、すぐに答えを得る事ができ、いつでも買い物をすることができます。

 

お笑いや歌、CMも、どんどんスピード感を増しています。

 

日本人は、秒単位の早いやり取りに馴れていて、その速度は、年々益々、加速していると感じます。

 

 でも、それは日本の日常(もちろん日本の中にも例外はあると思います)で、私が長年住んでいた南の島も、今、住んでいるフランスも、時間がもっとゆったりと流れています。

 

現代社会から地理的に孤立している南の島では、物資は全て船で運ばれてきます。

 

週一で来る生鮮食料品を買うチャンスを逃すと、また最低1週間、我慢することになります。

 

そればかりか季節を外れた野菜や果物は、半年姿を見なくなります。

 

島からオーダーする通販は、早くても3週間、最悪届かないこともあります。

 

ネット回線も不具合をきたす事があり、3、4日使えないこともあります。

 

シャワーの湯水も、毎日普通に使えるとは限りません。

 

 フランスもかなりのんびりした国です。

 

鉄道は、フランスばかりでなく、ヨーロッパ全体的に遅れて当たり前。

 

でも、実際に電車を使ってみると、遅れる理由がわかります。

 

宅急便のような便利なシステムが無いので、皆、大きな荷物をガラガラ引きながら移動するのが当たり前です。

 

車両にはかなり段差の大きい階段があり、駅に停まるたびに、大きな荷物を持った人が乗り降りする為、どうしても遅れてしまうのです。

 

やむを得ない事情以外の遅れや、突然運休になる場合もあり、日本のような正確さは期待できません。

 

役所で書類を申請しても、いつ受け取れるかは不明。

 

役所からの連絡をただ待ちますが、結局来ず、2、3ヶ月後にこちらから連絡して、やっと事態が動くこともあるある。

 

私が外国人だからかと思いきや、フランス人でも同じだそうです。

 

それでも、イライラしても仕方がないと知っていて、「またか」くらいの失望はあるものの、あるあるなので、焦る人は誰もいません。

 

日本ではうまくいくのが当たり前真顔、フランスではうまくいったらラッキー爆  笑です。

 

コンビニや自販機は無く、ジュース一本でも、お店に入り、店員さんと2、3、言葉を交わして購入します。

 

日本で、ボタン1つで手に入る簡単さ、インスタントなスピード感は、どこにも見当たりません。

 

レトルト食品も日本のような多種多様さはなく、カップ麺も少なく、正直美味しくありません。

 

外食や出来合いの食品が割高で、高くてもハズレることもある為、自炊率が高く、訪問客も家でお迎えするのが普通です。

 

日本では、お腹を満たすだけにする食事も少なくないと思いますが、こちらでは「食事は時間をかけて楽しむもの」とされている気がします。

 

 私自身、日本にいた時は、スピードの速い生活が当たり前だったので、取り立てて危険性を感じるとか、特別な感覚を持つことはありませんでした。

 

が、一旦そこを離れ、迅速なサービスや欲しいものが、すぐに手に入らない生活が当たり前になって初めて、日本は息をつく暇もないくらいせわしかったことに気づきました。

 

日本の迅速かつ正確なサービスは、利用する側として爽快感さえ感じる気持ち良さがあり、コンビニや自販機、レトルト食品、お惣菜などは、忙しい日本人を支える強い味方です。

 

でも、日本の利便性からくるスピード感は、無意識のうちに、人に対しても機械的なスピードが求められていて、余裕を与えなくなってしまうと感じます。

 

家族、友人、近所、恋愛など、どんな人間関係においても、良い関係を築く為には、それなりの経験と時間が必要です。

 

植物も、種を蒔き、芽が出るまでには土の中で、芽が出てからは、それが膨み、葉をつけ、花が咲き、実がなりと、それぞれの段階で必要な時間があります。

 

食事も、一から自分で必要な食材を用意し、下準備を経て、調理して仕上げるまでには時間がかかります。

 

インスタントな世界は、思考要らず。

 

どうしても必要な時間があることを、忘れさせてしまいます。

 

便利な世界は、自分で苦労したり、工夫したりするチャンスも奪ってしまいます。

 

そこに来て、更に「タイパ」です。

 

ドラマや映画を早送りしてみることは、直接表現されていない作者や演者の真意を汲み取る時間を与えません。

 

自分では経験し切れないことを、ドラマの登場人物を通して仮体験することで、感情の幅を増やしたり、それぞれの場で必要な間(ま)の感覚を得たりしていくことができると思いますが、タイパでは、ただあらすじを追うことしかできません。

 

人間の感情や感覚が無視されています。

 

「タイパ」には、短絡的な人を増産させる危険性があります。


 車のハンドルや、スィッチなど、機械でさえ遊び(余裕)があります。

 

「タイパ」は、機械に必要な遊びを失くすのと同じです。

 

 今週は、まず、タイパを手放しましょう

 

そして、スローダウンを心がけましょう

 

本当に急がなければならない場面以外は、歩くスピードを遅くしたり、待ち合わせ時間に早めに出たりするなどして、少し余裕を持って行動してみましょう。

 

世のスピード競争から降り、本当に興味のあるものだけを取り入れて、時間をかけて楽しむことゆったりした感覚を味わう練習をしましょう

 

 ではまた次回、À la prochaine !(ア・ラ・プろシェンヌ!)