「AbemaNews」でお役所言葉を解説する筆者

 

本日のサマリー

「お役所言葉」「政治家言葉」というものがあります。

「前向きに検討する」「対応を協議する」「可及的速やかに対処する」「全力を挙げて対応する」「厳粛に受け止めて」などの言葉を聞いたことはありませんか。

こうした言葉は文章としてなにも伝えていないことと同じです。

 

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コラムニストの尾藤克之です。

 

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「お役所言葉」というものがあります。「前向きに検討する」「対応を協議する」「可及的速やかに対処する」「全力を挙げて対応する」「厳粛に受け止めて」などの言葉を聞いたことはありませんか。こうした言葉は文章としてなにも伝えていないことと同じです。

 

「本件につきましては前向きに検討したいと思います」「本件についての対応を協議します」は、なにかを伝えているようでなにも伝えられていない典型になります。

 

【お役所言葉の例】         【真意】

「前向きに検討する」  →  結局はなにもしないこと。
「対応を協議する」  →  先延ばしにすること。
「可及的速やかに対処する」  →  結局はなにもしないこと。
「全力を挙げて対応する」  →  普通に対応するよう検討する。
「厳粛に受け止めて」  →  ほとぼりが冷めるのを待つ。

 

ビジネス文書で、お役所言葉が連続すると、なにを言いたいのかわからない文章になります。このような文章は、誰でも同じ理解ができる言葉に置き換えなければいけません。

 

具体的には、その言葉がなにを意味するのか明確化することです。「前向き」とはなにを基準にして判断するのか、「対応を協議する」とは具体的になにを話し合うのか、明確にするといいでしょう。

 

たとえば、「本件につきましては前向きに検討したいと思います」であれば、「本企画については導入の検討をしており1週間以内に結論を出します」と具体的な日時をいれたらわかりやすくなります。

 

また、「商品の欠品について対応を協議します」であれば、「現在、商品の1割に欠品が生じていますが3日以内に平常に戻る予定です」などと明確化すればわかりやすくなるでしょう。言葉を細分化して具体的に落とし込むことができれば、誤解のない文章になります。

 

しかし、曖昧なので言質をとられたくない人にはピッタリな言葉です。たとえば、政治家が公約をしながらあとから撤回をすることがあります。しかし、政治家は「撤回をした」とは言わないでしょう。「~を慎重に精査した上で決定した」とするはずです。

 

選挙公約でお役所言葉を多用した政治家がいました。どうすれば公約に対する本気度を確認することができるでしょうか。簡単なのは、「期日」や「数値」を入れることです。

 

<(1)お役所言葉の例>
○○の無償化については充分に検討したうえで回答する。

<修正した例>
○○の無償化については○月○日までに回答する。

 

<(2)お役所言葉の例>
待機児童問題については充分に検討し対応を協議する

<修正した例>
待機児童問題については○月○日までに対策を回答する。

 

<(3)お役所言葉の例>
パワハラの実態を究明し可及的速やかに対処したい。

<修正した例>
パワハラ問題について○月○日までに対策を回答する。

 

文章は、誰が読んでも同じ理解ができる言葉に置き換えなければいけません。大切なことは言葉がなにを意味するのか明確化することです。

 

「前向き」とはなにを基準にして判断するのか、「対応を協議する」とは具体的になにを話し合うのか。「期日」や「数値」を入れることでわかりやすくなります。

 

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まとめ記事 《①抑えておきたい基本テクニック》

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尾藤克之(BITO Katsuyuki)

コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員

※18冊目となる『伝わる!バズる!稼ぐ!文章術』(秀和システム)を出版。

 

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