文章術のセミナーや講義をすると、

苦手意識を持っている人が多いことに驚かされます。

 

しかし、これは当然の結果です。

日本の学校では文章の書き方を教えていないからです。

なぜ苦手意識の人が多いか整理してみましょう。


現代国語は文章作成については重視されていません。
文科省のホームページには、

現代文の「目標」は次のように書かれています。

 

■文科省の指導要綱を分析してみる

 

近代以降の優れた文章や作品を読解し鑑賞する能力を高めるとともに、ものの見方、感じ方、考え方を深め、進んで表現し読書することによって人生を豊かにする態度を育てる。

 

そして指導の「内容」は次の通りです。

 

■文科省HP(現代文の指導内容)
①論理的な文章について、主要な論点と従属的な論点との関係を考え、論理の展開や要旨を的確にとらえること。

② 文学的な文章について、主題、構成、叙述などを確かめ、人物、情景、心情などを的確にとらえること。

③ 目的や内容に応じた様々な読み方を通して、文章の読解、鑑賞を深め、人間、社会、自然などについて自分の考えを深めたり発展させたりすること。

④ 文体、修辞などと内容との関係を考え、表現上の特色をとらえること。

⑤ 語句の意味、用法を的確に理解し、語彙を豊かにすること。

⑥ 文章や作品を読んで要約したり、感想をまとめたり、自分の考えを筋道を立てて話したり書いたりすること。

 

文章を伝える、作成するは、⑥に該当しますが、

①〜⑤は読解力を高める内容です。

 

文章作成スキルを高める要素が含まれていません。

漢字や文法、全体の読解力を高めることができても、

相手に伝えるための要素が圧倒的に少ないのです。


入試を思い出してください。

読解力を試す問題はあっても、

文章力を測る記述式の問題はないと思います。

 

しかも最近の試験はマークシート方式に移行していますから、

自分の文章力のレベルを知ることなく、

そのまま大学で学び社会人になっていきます。


ところが、社会に出たらどうでしょうか。

日報、報告書、企画書、議事録、論文など、書くことだらけです。

自分のレベルがわかりませんから、

うまく書けたかどうかもわからないはずです。


にもかかわらず、「書き方が下手だ」と上司から注意され、
場合によっては昇進・昇格にも影響を及ぼすようになります。

 

そして文章を書くことに苦手意識を持ち、

自信を喪失していきます。


今あなたが書くことに自信がなくても心配することはありません。

習っていないのですから書けなくて当然です。

かくいう私も専門的に習ったわけではありません。

 

■文章を書きつづければ上手くなる

 

「文章を書きつづければ上達する」という意見があります。
確かに、何事にも慣れが必要ですが、

それだけでは上達は難しいでしょう。


たとえば野球、あなたがどんなに投げ込みをしても、

ダルビッシュのようなボールを投げることはできないでしょう。

フォームをマネしても上達は見込めません。

 

ですが、ダルビッシュや田中将大を育てたコーチから教われば、

上達は早くなるはずです。

理由は、うまくなるコツを教えてもらえるからです。


私も初めから得意だったわけではありません。

たまに昔投稿したネット記事を読み直すと、

「ひどい文章だった……」と恥ずかしく思うことがあります。

 

それでも経験値が上がることで、
ある程度は慣れてくるのだと思います。


日本語学者と呼ばれる専門家がいます。

彼らは完璧な日本語を使うことができるでしょう。

しかし、仕事の現場でそこまで求められることはありません。


作家も同じです。

日本語学者に匹敵するくらい日本語を緻密に読める人は、

私の知る限りほとんどいません。

 

正しく正確な日本語のほうが伝わりやすいかといえば、

決してそんなことはありません。
少し気が楽になりましたよね?

 

このブログでは、「文章術」「読書術」「仕事術」をベースにした、

他では見られないお役立ち情報を発信していきます。

どうぞお付き合いください。

 

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尾藤克之(BITO Katsuyuki)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員