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本日のサマリー

 

「的を射る」「的を得る」。正しいのはどちらでしょうか?

一般的に正解は「的を射る」だと思われます。

しかし、2013年に三省堂が「的を得る」「うまく捉える」と解釈しました。

 

皆さま、おはようございます!!

コラムニストの尾藤克之です。

 

ひらめき電球ご訪問ありがとうございます!

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社内で、Aさん、Bさんがつぎのような会話をしていました。

 

Aさん 企画部の田中くんはいつもいいことを言うよねえ
Bさん たしかに「的を得た」表現だと思います


一般的に正解は「的を射る」だと思われます。

しかし、2013年に三省堂が「的を得る」「うまく捉える」と解釈しました。
編集委員の飯間浩明氏は、自身のツイッター上で次のように述べています。

 

 

この発言は物議を醸しましたが、

私は「どちらも正解」ではないかと思います。

 

■国会での扱いはどうなっている
立法府をつかさどる国会議員はどうでしょうか。

第204回国会(令和3年)の議事録を調べると6回確認できます。

 

寺田学 衆議院 文部科学委員会 第14号 令和3年5月14日
突然聞いたこともあったかもしれませんけれども、余り的を得たような話がなかったものですから。

 

一柳健 衆議院 経済産業委員会 第12号 令和3年5月12日 
私の回答は本当に的を得ているかちょっと分からないところがあるんですけれども、私は、先ほど申しましたように、全国の大学をちょっと回っておるんですね。

 

松平浩一 衆議院 法務委員会 第18号 令和3年4月28日
そこまで言われているんです。二〇一四年の議長のこの指摘、私、これは的を得ていると思いますよ。案の定、やはり今回も即座の抗議反応ですから。  

 

足立康史 衆議院 総務委員会 第12号 令和3年4月6日 
要は、的を得た質問を、正しい、ライトパーソンに質問すれば、ちゃんとこういう質疑ができるわけです。それを、何かクイズみたいな質問とか、あるいは的を得ていない、

 

進藤金日子 参議院 総務委員会 第4号 令和3年3月16日
この政策の企画・実行に当たっての視点、これも時宜を得た、また的を得ているものというふうに評価いたしております。

 

木原誠二 衆議院 内閣委員会 第2号 令和3年2月1日 
簡潔に、的を得た答弁をお願いをいたします。

 

<新聞・雑誌では>
新聞や雑誌はどうでしょうか。紙版は「的を射る」が圧倒的ですが、電子版のニュースや雑誌は、「的を得る」という表記がさほどめずらしくないことがわかります。意外と思われるかも知れませんが、普通に「的を得る」は使用されているのです。

 

■的を得る=的を捉えるとする解釈

「的を得る」は、「的は射る」もので、「得るものではない」とする考え方があります。

しかし、これも調べると「得る=捉える」の意味から派生したことが理解できます(前述、三省堂の飯間氏ツイートを参照)。

 

ちなみに、あなたは会話ではどちらを使用しますか。

 

・君の考え方は、間違いなく「的をいている」
・君の考え方は、間違いなく「的をえている」

 

これまで、私は、会話で「的をいている」を使ったことはありません。

従来は誤用とされていても一般的に浸透している言葉はほかにもあります。

それは、もはや「誤用」とはいえません。

 

<文化庁の見解>
平成15年度「国語に関する世論調査」の結果について』(文化庁)によれば、

50%以上の人が「的を得た」が正しいと回答しています。

 

「的を射た」よりも「的を得た」の方が回答を集めているということは、

「的を得る」が一般的に浸透していることを意味しています。

 

<文章術関連のまとめ記事>

まとめ記事 《①抑えておきたい基本テクニック》

まとめ記事 《②覚えておきたい上級テクニック》

まとめ記事 《③バズらせるテクニック》

まとめ記事 《④言葉の使いかたテクニック》

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尾藤克之(BITO Katsuyuki)

コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員

※11月に18冊目となる『バズらせて稼ぐ文章術 』(秀和システム)を上梓します。

 

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