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監督ブログ  wecker

「時空警察ヴェッカー」シリーズの原作・監督 畑澤和也の個人ブログです。
現在中国広東省で活動中

毎日何度も更新してるのにまだまだ1/3にも満たない…がんばるぞっ!(何を!?)


今回は紫堂涼子。涼しい子、と書いて涼子。


オーディンション前から前回の涼子役のお二人がご出演不可能とわかっていた(本人の意思とは関係ない部分で、だと思うけど)のが、役を総入れ替えしようと決意するきっかけのひとつ。


男の子っぽく、女子にモテる王子キャラで、それなのに運動神経がない…という難しい涼子をどうするんだ…と思ってたんですが…


いた!



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涼子が来た!

オーディションの時、直感した。最初にイメージしてたメシエっぽくもあったけど…

お芝居させてみたら…メタくそで(笑)ごめん!! その不器用さが涼子だと思った!

それが倉持由香ちゃん!


実際演技なるものは初めてらしい。

なんでかセクシーグラビアを生業とされてる(悪い事ではないよ)。


でも、表情ひとつひとつがいちいちイケメンなのだ。稽古中も、みんなが涼子に惚れてました。

まさに女子高のプリンス。

芝居の中の芝居に見えた(と思う)彼女の王子様演技はべつに前作を意識したわけではなく、彼女が思うままにやってるのだ!


そしてそんな涼子が後半ボロボロに崩れていく。くらもっちも(周囲の巧い子に負けまいと)必死!

ホントに可愛カッコいい女の子になりました。

これは役と役者の幸せな出会いだと思う。


千秋楽の挨拶で一番ぐちゃぐちゃに泣き崩れ、何を言ってるのかわからなかったが、袖ではもっと大泣きしていた。子供みたいに。


これを機会に演技をする事が…もっと好きになってくれてたらいいな。

きっと彼女もいい女優さんになると思います。





公演前からは信じられない怒涛の更新(笑)

ついてきてますか~?


やっぱり終わってからの方がこういう記事は書きやすい。みんな忘れないうちに(忘れないけど)書いておきたいし。


今回はアインシュタインの花嫁…になり損ねた少女アンリエッタ・ボーアことアンリ。


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今回の物語の発想のはじめが「アインシュタインに挑む!」だったので(やはり無謀だった)、前回の神代先生にあたる存在として設定した若き日のアインシュタイン。男子禁制なのでやはりアインシュタインその人は出て来ませんが、周りにいる子はもう何人か出すつもりでした。


時間移動(先)の象徴である存在ですからね。

weckerの語意がドイツ語の「目覚まし(時計)だという事もそろそろ語りたかった。

…で、舞台はドイツ。結局アインシュタインはあまり関係なくなったけど、女の子はどこへ行っても、どの時代にいても変わらない…というのを表現できたと思う。

アンリを中心に亜美やメシエ、砂姫らがそれぞれの主張で「恋バナ」するシーンはとても好きです。

もっとやりたかったなぁ。


「ドイツ人をさがせ!」(笑)とオーディションしてて…

アルベルトハインリヒな髪型だから彼女を選んだ訳では(笑)ないです。

高田あゆみさん、あゆべぇ。

今回の座組みでは実年齢は最年長(!)になったけど、とっても可愛い、おしゃまなドイツ人になってくれました。


こういう(キャリアも実力もある)女優さんに演技指導など必要ない。

肝心なのは「キミは何度アインシュタインに告ったの?彼はなんと答えたの?」の方。何度もそんな事聞きましたね。

応えはナイショですよ。


可愛い(女子に特に人気の)衣装と相まって、みんなに可愛がられてました(最年長なのに…)


急遽入れたエンディングのダンス振り付け&ダンス指導もしてくれました。ありがとう!



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すみません!やり放題ですね。ファンの方ごめんなさい。

一度アンリをお姫様抱っこしてみたかったの(笑)。ごめんなさいあゆべぇ。


アンリの流暢?なドイツ語はフランス人の友人マチュゥ君が特訓してくれました。他のドイツ人役の方々のアドリブドイツ語にもちゃんと意味あります。


そういえば本公演をフランスから11年前にヴェッカーをフランスに招聘してくださったフランスのイベントの主催者オリヴィェ氏が観に来てくださいました。

パンフレットの対談でみんなが「フランス行きたい!」と言ってるのは彼らが直前に稽古場に来てたからです。

実は中国より古くから思い入れある(おい!)フランス。


「ヴェッカー」のフランス公演も遠い未来ではないぞ!


あゆべぇさん、またその時はドイツ人で(違うだろ!)。




前回残留組の砂姫ちゃん達に続き、学園組新キャスト代表として(部長だしね)まずは亜美ちゃんたちをご紹介。

前記事(さっき更新したばかり)に書いたように、今回の役は前回の役とは少し(かなり)違う。

山根亜美はいちばん変わったひとり。

科学部部長で何でもできるが、いまいち自分に自信がない。親友の葵の方が部長に向いていると思っている。それが彼女の設定。

成り行きで科学部部長をやっているが、引っ込み思案で目立たない。るり香の方が部長に向いていると思っている。これが前の彼女の設定。


今回の亜美は、ノエルサンドレ事件を経て、部長の自覚を持ったしっかりした(でもまだ自信がない)子です。1年生カルテット(そのうちご紹介)が大暴れする今回のお話しでは「抑え役」であってほしかった。


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前回シングルキャスト(アイドルとして、役者としてもベテラン?の栞菜)だったが、今回はド新人のお二人に。

権藤葵ちゃん&小泉ここちゃん。

二人とも制服が似合う(制服で来て、制服に着替えていた(笑))まだ素人っぽさが残る女の子。

何もかも初めてづくしの中、僕が稽古に合流した頃にはほかの子たちとちゃんと「お芝居」していた。

これは麻草氏のおかげであろう。もちろん、本人たちの努力もあるだろうけど。


でも、二人ともまったく同じお芝居をしていたので、亜美の「しっかりした部分」と「頼りない」部分を分けて演じてもらう事にした。


キリリとした弓道少女であるごんちゃん(権藤葵ちゃん←カッコいい名前ですね!)に、より堂々とした大きなお芝居を、正統派美少女のここちゃん(小泉ここちゃん←カワイイ名前ですね!)にちょっと頼りなげな控えめなお芝居をしてもらうようにした。

合わせて相手役のありすちゃん、小花ちゃん(この子たちはとても器用で、誰とでも合わせられる)が演じる葵も変わった。

時組、空組自体のイメージが変わった(別れた)と思う。


ダブルキャストで同じ役をこうまで変えてしまうのは演劇的に邪道かもしれないけど、僕が客ならその方が楽しいし、役者だって…女の子だって「同じ子」はいないんだから。


「ついで」のように書いてしまうが、夏沢るり香はちゃんとプトレマイオスラインには存在します。エトランゼに居なかったのは”彼女はもともといない存在だから”あるいはこの時間帯(ループしてる時間帯)にはたまたまいなかった…だけ。

ラストの学園シーンで、まこちんを連れて(亜里沙の代わりに)登場する…みたいな案もあったけど、余計お話を混乱させるだけだし、結果、これでよかったと思う。


るり香の物語はやはり「ついで」ではなく、またちゃんと物語れるべきでしょう。



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演出家目線ではなく(それもあるけど)個人的に大好きな(タイプの)ごんちゃん。

弓道姿がステキで、意味もなく劇中に入れました。


ここちゃん共々、同年齢でクラスにいたら…眩しくて声かけられないでしょうね。


お二人とも、この舞台がスタートだった事を誇れる女優さんになってください。

このブログ史上最多更新記録! あ、いやもう7月か。


今回はちょっと閑話休題、舞台がらみではありますが、プライベートな話。

…だけどアメンバー限定にはしません。


今回は(も)主催のサラスパイクアカデミーのSさん、アリスインプロジェクトのSさんにはえらいお世話になりました。

死にかけてた『ヴェッカー』というキャラクターが舞台というもしかしたら最適な「舞台」を得て、生き長らえる事ができました。

文字通り死にかけていた映画『ヴェッカーDNS』もやっと完成、公開できそうです。


そして共同脚本(最早、どこまで、どの台詞が自分が書いたのかわからない)、演出(俺が帰ってくるまでにちゃんと演劇になっていた)を手掛け、文字通り寝食を共にした愛すべき麻草郁氏。

最近本名(かれは親子代々役者なのだ)が実弟と同じとわかった。


かれはもっと活躍しているべき逸材である。

俺の演出補とかやってる場合ではないのだ。ホントは。


さて

ずっと中国に暮らしているので、実は日本の家のライフラインが止まっています。故に稽古場や劇場からしかネット使えなかった。


そこで仕方なく、人生初品川プリンスホテルに泊まったり(あの嵐のよるでした)、漫画喫茶で徹夜したり、麻草氏とサウナで寝過ごしたりしてた(笑)んですが

この年にしてワイルドな生活してたなぁ…楽しかったけど。


長年(25年来)の友人、橋本聰氏に本当にお世話になった。「一宿一飯の恩義!」byマス…どころではないんである。

泊めてもらうついで(?)に今回の舞台のエンディング(11年前の彼自身の作曲)を編曲し直してもらった。

「鬼○姫」を観て、やっぱりエンディングテーマは大事だ、作品の心だ、みんなで踊り歌うべきだ!と思って作ってもらった。

彼は今や上場企業の管理職なので、平日夜中にいきなり押しかけてやらせる事ではないんだけど(笑)

いい曲に生まれ変わりすぎて、昔のファンの方も気が付かなかったみたいけど、どうでしょう?


たまに予定もせずに会って、自分の現状なんかろくに話もせず、いきなり「いつも」の会話ができる…これが友達なんだなぁ…としみじみ思う。


友達といえば…

本人があまり書くなと言ってたので書かなかったけど、渡洋史氏が、稽古はもちろん、本番にもほぼ毎日劇場に通ってくれた。

ただ観に来るだけじゃなく、スタッフが少なすぎる(俺を入れて6人しないないのよ)のを慮って、舞台袖で役者の誘導やなんかをやってくれていた。

そのへんに行き届かない俺に変わって役者の精神ケアもいろいろやってくれていた。

あとで役者から聞いて驚いた。

「監督の友達」としか言わなかったけど、って。

渡洋史はキミたちの偉大すぎる先輩さんだよ!

念のために言っておくが、彼は今、自分の仕事でも大忙し(そのうち発表されるでしょう)で、文字通り寸暇を惜しんできてくれていたのだ。


何日目かの夜、疲労困憊の極みな頃だったが、渡氏と橋本家でメシを食い、3人で「シャリバン」の歌を歌ったり夜中まで語り合った。


最高に楽しい夜でした。


外国に居を置いている今…

公演が終わったら

こんな友達らとも…そして出演してくれた役者ひとりひとりとも

もう、会いたいからってすぐに会える距離にはいないのだ。


そう思ってひとりひとりと接していたつもり。

もっともっとみんなとも話したかったなぁ…



今こうしてみんなを回想している時間がとても楽しく、愛しい。



ヴェッカーの紹介が終わったところで先に紹介したい(トレミーとアルはあとでね)アヴァンタドール。


アヴァンタドールの名前は前にココでも話題にしたランボルギーニの新車「アヴェンタドール」から。あまりのカッコよさにミニカー3種類も買った(実車は買えないしね)。

意味はランボルギーニを象徴する「闘牛」です。


人間に品種改良され、闘うために作られた闘牛。


ヴェッカーシリーズのサブテーマともいえる「人造生命」の悲哀。

ヴェッカーでは大きく分けて

機械で出来たアンドロイドである「ドロイド」

人工生命体である「ドール」

…に大別されます。


「ヴェッカーサイト」のウルや、バルデュークも「ドール」です。

「ドール」については「キャラブック」についてた年表を見てください(見にくい!)


近日公開の映画『ヴェッカーDNS』ではこの「ドール」が主役といえる活躍をします。


アヴァンタドール・コルネイユを演じた西条美咲さんはこの映画の中でも「ドール」のひとりを演じています。彼女らは「アトロポス」とも呼ばれています。


コルネイユは彼女の生体データをもとに(「ヴェッカーシグナ」のディザイン社が創りだしたものと思われます。



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シリーズでは珍しい、悪役らしい悪役というか…悪役そのものでした。

自分を悪と認めたうえで尚、自分のすべき事、行くべき場所、あるべき姿を求めて彷徨う、もうひとりのエトランゼです。

西条さんはかなり内に入り込んで役作りをするタイプなので、芝居に関しても何度も見ているので、演技指導なんかしてません。


ただ、コルネイユが彼女の中に降りてくるのには少し時間がかかったかも。

正直ゲネプロ…初回、2回目まではまだ「来て」なかった。


最初…僕が稽古に合流するまで、彼女はコルネイユを可愛い悪ととらえて、実に楽しそうに、花魁っぽく演じてました。

これを「違うよ」と言っちゃった。観客がキミを怖がらなかったら「負け」だ!と。

それからずっと彼女はコルネイユを探してました。


3回目ぐらいからコルネイユさま(みんな彼女をこう呼んでました)が完全に降臨して、一緒に美空ひばりも(笑)降臨したかのようなお嬢っぷり、いや、悪役ぶり。


怖かったです。美咲ちゃん、どこ行っちゃったの?って感じ。公演中はずっとコルネイユさまが抜けなくて、「寄るな!触るな!」オーラに満ちてて声かけずらかったです。


西条さん…美咲ちゃんはホントにちっちゃくて(レピスより小さい)細くて、京都人らしいはんなりした可愛いコなんですよ。


アイドルとしての西条美咲を好きな方はきっと驚かれたでしょう。


でも、役者としての西条美咲の底力を見た気がしませんか?

俺は惚れ直しましたよ。


常に挑戦を続ける彼女。

さらなる挑戦を!