新書野郎 -92ページ目

イスラム金融はなぜ強い

イスラム金融はなぜ強い (光文社新書)イスラム金融はなぜ強い (光文社新書)
吉田悦章

光文社 2008-10-17
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光文社もさすがにこれを門倉に書かせようとは思わなかったのだろうが、幻冬舎に門倉を持っていかれたから、本物の専門家で対抗。しかし、これで「イスラム金融本」は何冊目になるんだ。とても、そんな需要があるとも思えんけど、著者の第一弾が本邦初とか言っていたのもわずか1年くらい前の話。著者もそのイスラム金融ブームの波に乗ったのか、今年から早稲田の客員准教授だそうだ。日銀を退職した時に、これで食って行こうと思ったのか知らんが、見事な先見の明。ブームが去って、金融危機が来ても、イスラーム国家が無くなることはないから、当分は安泰だろう。まあ私の様な無産階級にとっては、イスラームとはいえ、金融である以上、そのシステムは何冊読んでもアタマには入らないものだが、日本企業でイスラム金融の先駆者となっているのが東京海上とイオンというのは興味深い。保険とクレジットというのは、それこそイスラムとは相容れない分野かとも思うのだが、形だけとはいえ、相互扶助を謳い、ダイヤモンド商品の決済を通すというのは、一つ間違えれば、日本では怪しい「ネットワーク・ビジネス」の典型になってしまう。それがイスラムで機能するのは「シャリア」のお墨付きがあるからということなのだが、日本の詐欺商法が宗教を騙るのも、無名も巨大も宗教団体はカネが先、教義は後付というお約束がまかり通っているからだろう。著者がアタマにきたという「坊さんの金融」という揶揄は、ある意味日本における宗教と金融の関係を如実に表したものと言えるのかもしれない。その意味では、著者は限定的で良いと言うのだが、イスラム金融を日本に浸透させるのは、イスラーム理解が先決かとは思う。
★★

目と耳と足を鍛える技術

目と耳と足を鍛える技術―初心者からプロまで役立つノンフィクション入門 (ちくまプリマー新書)目と耳と足を鍛える技術―初心者からプロまで役立つノンフィクション入門 (ちくまプリマー新書)
佐野 眞一

筑摩書房 2008-11
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自分の作品のダイジェスト版みたいなヤツ。
★★

イギリス式「完全禁煙プログラム」

イギリス式「完全禁煙プログラム」 (講談社プラスアルファ新書)イギリス式「完全禁煙プログラム」 (講談社プラスアルファ新書)
藤田 真利子

講談社 2008-10-21
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「イギリス式」ということで、イギリス本なのだが、例によって著者がイギリス人という以上の「イギリス式」は何もない。喫煙者でもなく、酒もクスリもやらない私が読む理由もないのだが、一応、「イギリス本」ということで。それで「イギリス式完全禁煙プログラム」はどんなもんかと言うと、タバコを吸いたいという欲求は否定せずに向き合うというもの。まあそれで禁煙できれば世話ないのだが、罪悪感に駆られることがよくないらしい。向こうの世界では「禁欲」が宗教的なイベントみたいなものだから、原罪意識を植え付けるのはダメージが大きいのだろうか。私も最初の禁煙は十代だったので、別に美味いと思って吸ってたタバコではないから難なくやめられたのだが、後に中国に行ったら、喫煙しないと「日中友好」に差し障る状況であったので再開してしまった。「中華」とかを吸っていた訳ではないのだが、セブンスターとかマルボロ(偽だったのかもしらん)も当時3元(FEC)くらいだった。洋モクを人民に分け与えることで、簡単に友好人士になれたものだ。結局その悪癖が数年間続いてしまったのだが、一大奮起して、中国に行った時に、免税店で洋モクを買って帰らずに、街で3角くらいのゴミタバコを集めて持って買えることにした。日本のファミレスとかで、フィルター無しのをゲホゲホ吸ってたら、程なくして禁煙に成功したという次第。イギリスもタバコは一箱千円くらいなんだから、日本もそのくらいにして大いに結構。その代わり救済策としてフィルター無しの中国製ゴミタバコを輸入して300円くらいで売れば良いんじゃないかな。

白川静 

白川静 漢字の世界観 (平凡社新書)白川静 漢字の世界観 (平凡社新書)
松岡 正剛

平凡社 2008-11-15
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「千夜千冊」の松岡正剛による白川静解説本なのだが、NHKのテキストからの派生本らしい。しかし、これまで白川静の研究本は一冊も出てなかったと言ってるけど、ホントかな。ここでもらしきものを読んだ気がするが、「千夜千冊」がそう書いてるんだから、間違いないんだろう。その理由は白川流が異端であったというからという訳ではないんだろうが、強烈な信者を擁する遅咲きの苦労人とっては、学界に君臨して忙殺されるより、亜流の学究生活を生涯続ける方が魅力的ではあったろう。正剛との関係は「遊」に連載を持っていたという接点だそうだが、自分の一番好きな漢字は「遊」であると白川静が言ったというのは、不器用な社交辞令の様な感じもする。ナムジュン・パイクと杉浦康平が白川静を高く評価したというのも意外だが、白川の漢字解読に芸術的センスを感じとったのだろう。その辺が学術方面による抵抗の一因なのだろうが、文献至上主義に陥った文系学問にも学者のセンスといったものがこれからは要求される時代になった。その点、中国の白川静評価なども気になるが、漢字を日本語のものにしたという意味では、功労者なのか、盗人なのかよく分からんところだ。
★★

外国語学習の科学

外国語学習の科学―第二言語習得論とは何か (岩波新書)外国語学習の科学―第二言語習得論とは何か (岩波新書)
白井 恭弘

岩波書店 2008-09-19
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この手のものには珍しく異議な~し!
★★★

なにもかも小林秀雄に教わった

なにもかも小林秀雄に教わった (文春新書)なにもかも小林秀雄に教わった (文春新書)
木田 元

文藝春秋 2008-10
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小林秀雄の話じゃねえじゃん。
★★

英語の歴史 

英語の歴史―過去から未来への物語 (中公新書)英語の歴史―過去から未来への物語 (中公新書)
寺澤 盾

中央公論新社 2008-10
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親子2代で英語史をやっている人らしい。共に東大英文科出身だそうで、親子2代の東大教授というのも珍しくはなかろが、全く同じ専門というのは多くはないのではなかろうか。金田一さんとこは3代だけど、微妙に経歴や専門は違っているし。で、金田一3代目兄弟が廻り道した様に、この著者も最初、「英語」は敬遠していたそうだ。ところが父の書斎で本を探しているうちに「人生の一冊との出会い」があったとのこと。父の書斎を敬遠していたから皮肉だというのだが、なんか出来すぎた話である。心の奥底では決めていたことなのだろう。ということで、これで「父」の業績を超えたのかどうかは分からんが、かなり労力使ってそうなシロモノ。虎の巻もあるのだろけど、現代英語と古英語はもちろん、フランス語にも通じていないと難しい。もちろん、フランス語ということはラテン語、更にはドイツ語、北欧言語の知識なしでは「英語の歴史」も語れない。アラビア語、ヒンディー語、黒人英語、ケルト語といったところも参考知識が必要だろう。英語に同義語が多いというのもそうした理由からで、それはやまと言葉と、漢語が混在している日本語話者には分かりやすい話なのだが、言語学的にはそれは合理的なものではないのだろう。事実、固有語と外来語の同義語を併用し続けるという国はそう多くない。日本語の場合、カタカナと漢字という文字の理由が大きいが、英語はその辺、よく分からんな。あの特殊読み方好きが関係しているのだろうか。
★★

間宮林蔵・探検家一代

間宮林蔵・探検家一代―海峡発見と北方民族 (中公新書ラクレ)間宮林蔵・探検家一代―海峡発見と北方民族 (中公新書ラクレ)
高橋 大輔

中央公論新社 2008-11
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「中日新聞」に連載されていたものらしいが、著者自身がロビンソン・クルーソーの実在を「発見」した探険家とのこと。ということで林蔵の評伝というよりも、林蔵が辿ったサハリン、アムール川流域を著者が辿るという「探検記」がメイン。これが本人も認めている通り、ドタバタ珍道中みたいなもので、ロビンソン・クルーソー(のモデルと言われている人物)の家を発見した探険家としては、ちょっと情けない結果に終わっている。ロシア語も出来ない日本人が一人で「極東の地」に乗り込むと、どうなるかという意味では興味深いものなのだが、テクノロジーが発達した現代でも、こうなのだから、あらためて林蔵の偉大さを知らしめたといったところなのだろうか。それにしても、幾ら専門家だからといって、何も68と70の言葉の通じない姉弟を「探検」の案内役にしなくてもいいのはないかとも思う。結果的に著者には高くついた様だが、中日新聞と婦人公論でカバーできたのだろうか。後は、シーボルト事件の地図を見にライデン大学まで出掛けた話と、林蔵のアイヌ人妻の究明なのだが、やはり「ドタバタ」の部分が浮いている様な気がする。林蔵かドタバタか、どっちかに絞った方が良かったのではなかろうか。
★★

若者のための政治マニュアル

若者のための政治マニュアル (講談社現代新書)若者のための政治マニュアル (講談社現代新書)
山口 二郎

講談社 2008-11-19
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都合の悪い報道は「ステレオタイプ」で、都合の良い報道は「良心的メディア」か。
自分は非常勤を搾取、使い捨てなどせず、院生をモノ扱いしてないとでも言うのか。

民族とネイション

民族とネイション―ナショナリズムという難問 (岩波新書)民族とネイション―ナショナリズムという難問 (岩波新書)
塩川 伸明

岩波書店 2008-11
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実例主義者か。これでも新書向けに読みやすくしたつもりなんだろうな。
★★