イスラム金融はなぜ強い
![]() | イスラム金融はなぜ強い (光文社新書) 吉田悦章 光文社 2008-10-17 売り上げランキング : 34578 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
光文社もさすがにこれを門倉に書かせようとは思わなかったのだろうが、幻冬舎に門倉を持っていかれたから、本物の専門家で対抗。しかし、これで「イスラム金融本」は何冊目になるんだ。とても、そんな需要があるとも思えんけど、著者の第一弾が本邦初とか言っていたのもわずか1年くらい前の話。著者もそのイスラム金融ブームの波に乗ったのか、今年から早稲田の客員准教授だそうだ。日銀を退職した時に、これで食って行こうと思ったのか知らんが、見事な先見の明。ブームが去って、金融危機が来ても、イスラーム国家が無くなることはないから、当分は安泰だろう。まあ私の様な無産階級にとっては、イスラームとはいえ、金融である以上、そのシステムは何冊読んでもアタマには入らないものだが、日本企業でイスラム金融の先駆者となっているのが東京海上とイオンというのは興味深い。保険とクレジットというのは、それこそイスラムとは相容れない分野かとも思うのだが、形だけとはいえ、相互扶助を謳い、ダイヤモンド商品の決済を通すというのは、一つ間違えれば、日本では怪しい「ネットワーク・ビジネス」の典型になってしまう。それがイスラムで機能するのは「シャリア」のお墨付きがあるからということなのだが、日本の詐欺商法が宗教を騙るのも、無名も巨大も宗教団体はカネが先、教義は後付というお約束がまかり通っているからだろう。著者がアタマにきたという「坊さんの金融」という揶揄は、ある意味日本における宗教と金融の関係を如実に表したものと言えるのかもしれない。その意味では、著者は限定的で良いと言うのだが、イスラム金融を日本に浸透させるのは、イスラーム理解が先決かとは思う。
★★
