資金調達と演出力の関係 創業時編 2
7月13日
昨日の続きです。
④事業の着眼点の面白さ
やはり新規事業で興味を覚えるのは、事業の着眼点です。
もちろん大手会社の代理店的立場であっても、地元での他社に圧倒的な優位点を持っているような場合やユニークで効率的なマネジメント力のあるような場合は、事業として興味を覚えることもありますが、
やはりオリジナリティーがあり、着眼点がユニークで、
なるほど「こりゃ気が付かなかった」と膝を思わずたたいたり、目からウロコ的な驚きを与えるような事業には、非常に興味を覚えます。
もちろん、膝はたたいたものの、どうやって実現するの?と言う疑問に、
回答が無い無いづくしでは投資案件としての興味はなくしますが、
やはり事業のインパクトは重要です。
⑤社長
4つのポイントを書いてきましたが、
なんだ、やっぱりそこに戻るのかと言われそうですが、
社長自身が、一番直接金融を成功させるかどうかのポイントであることは間違いありません。
前述の4つのポイントがまったくOKであっても、
投資家へのプレゼンに遅刻したり、準備が不十分であったり、
プレゼンが、ただただ、だらだらと長いだけで何を言っているか分からなかったり、
痛い質問をされて切れて感情的になったり、
人見知りなのか、ともかく不遜であったり、感じが悪かったりしたら、
いくら主観的なことといっても、間違いなくアウトです。
長いお付き合いであれば、最初感じの悪い人だと思っても、
よくよく付き合ってみると、なかなか良い人じゃないかということもありますが、
直接金融の可否はそれほど長い眼で見てくれるとは限らず、
へらへらするのではない、明るい良い笑顔や態度で、
すぐに投資家の心を掴む社長は、直接金融成功の最大の武器であることに間違いありません。
次に私がポイントに思うのは、
依頼心の強そうな人、被害者意識の過剰な人、非を他人に押し付ける人。
このようなこと感じた瞬間、投資なんてとんでもないと思ってしまいます。
前職の時、ある地方の設立したての不動産会社に出資をする話が取引先から打診がありました。
その会社の社長とは、酒席で始めて紹介され、20代ですが、なかなかしっかりした良い人物だなと好感を持ち、後日会社に事業内容や今後の計画など、いわゆるプレゼンに来てもらうことになりました。
当時、私以外にも、不動産事業に興味のある知人の社長など、数人で話を聞くことになり、
説明を聞いていると、なかなか面白いし、事業性もあるし、何よりも社長も、社長の説明も良いんですね。
もちろん既述の4つのポイントも、今から考えるとバッチリだったと記憶しています。
ところが、プレゼンが一通り終わって、質疑応答になった時です。
買収する不動産物件の詳細の部分で気になったところがあって質問したところ、
細かい質問だったので、別に即答を期待していたわけではなかったのですが、
なんと、一緒にプレゼンに同席していた、親子ほど年上の役員を凄い剣幕で叱責しだしたのです。
確かに物件の調査に不備があったのは事実ですが、
私や一緒にプレゼンを聞いた知人たちの前で、
この調査のことだけではなく、この役員の人格攻撃とも思えるようなことまで非難中傷、
挙句の果てには、「こんな役員がいるから会社が良くならないんですよ。」なんてまで言う始末で、
全く白けてしまったのを覚えています。
ともかく社長は、何があっても全責任があるわけで、
万一、この役員の仕事振りが日常に気になっていたとしても、
少なくとも他人、それも出資を依頼している先で、人格非難のレベルまで叱責する、
この社長の非常識さと嫌な性格、
最終的には自分の非であることを他人に転化するこの態度には、
瞬時に、この社長には失望しました。
もちろん社長に失望すると、会社にも事業にも失望したのはもちろんです。
後日この出資は断わったのですが、
後で聞いたところ、何で断わられたのか分からないと言っていたそうで、
分析力までない社長だったのかと、本当に出資しないで良かったと思いました。
なかなか出資したくなる社長の要件については、様々なことがあり、書き足りませんが、
社長の一挙一動が直接金融の可否につながることは間違いありません。
それほど、社長自身のことが直接金融にとっては重要です。
この時も、社長が「調査不足で申し訳ありません。後日報告します。」とさえ言ってくれれば、
多分、私も知人も問題なく出資をしていたと思います。
でも、この会社への出資は後日しなくて良かったということが分かり、
あー、助かった!良かった!と思いました。
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資金調達と演出力の関係 創業時編
7月12日
昨日の続きです。
創業時の直接金融を、身近な方や会社に説明するする時、
会社の内容や事業計画は、どのような内容が良いのかと言う点を書いて参ります。
残念ながら、現在は自己資金を直接金融をする立場ではなくなってしまいましたが、
前職の時の経験と、今も本当に優良な会社へは、個人投資家を紹介することもありますので、
私がこの内容の会社なら個人投資家にお話ができるなと思うポイントを中心にご案内いたします。
①社長の人格、信頼性と会社内容、事業内容がバランスが取れているか?
なんだ、またそれかと思われるかもしれませんが、まず創業時の会社は社長ありきです。
社長の人格や信頼性は絶対的な要件であるということはご理解いただいたと思いますが、
この社長と会社の内容や事業内容のバランスが取れているかどうかはとても大きなポイントです。
どのような偉大な事業家も創業時においては、
夢は大きくても、創業時に現実的に取り組む事業は、その時の社長の力量や持っている経営資源と、
非常にバランスが取れているものです。
まず事務所を訪れて、売上など業績に比べて、
必要以上の華美で広いスペースのオフィスだと、こりゃアカンナとすぐに思います。
店舗も同じです。
投資額はいくら大きくても、華美で豪華であっても、
このことが事業をやる上で、明らかに他社との差別化になっていて、
投資額に見合う収益が上がる要因と見えていれば全然問題ではありませんが、
年商がやっと数百万円の会社が、丸の内にそれなりのオフィスを持っていれば、
私なんかは、この会社はオフィスでカマシテ、出資を仰いでいるなと疑ってしまいます。
また、事業の内容を聞いて、
資金ができれば、日本制覇できるとか、世界制覇できるとか、世界基準になるとか、
こう言う話も、この時の社長の力量や器と明らかにおかしいと思う時は、
ほとんど、投資家の紹介などする気がなくなり、早く切り上げて帰りたいなと思ってしまいます。
現在、世界基準や日本一を目指す会社のお手伝いもしていますが、
やはり現時点での、社長と会社の力量と志のバランスが取れています。
同じ大きな話でも、興味を持ってしまう会社の場合、
本当に世界基準とか日本制覇が現実的になるまでの行程が、非常に現実的で明瞭です。
さらに、資金ができたとしても、
人と物と情報のそれぞれのステージにおける確保もマネジメントも現実的でしかも戦略的です。
ところが、一発で興味をなくしてしまう会社の場合は、
資金さえ確保できれば、すべてOKという姿勢の場合が多く、
またか、止めて欲しい!時間がもったいない!と思ってしまいます。
②自社の長所や問題点を把握しているかどうか?
誇大妄想型の社長は、「凄い」、「他社にない」、「日本一」、「世界唯一」などと、
今は小さい会社だが、資金が付けばすぐに大企業になれるようなプレゼンをしがちで、
とにかく良い点しか言いません。
このような仕事をしていると、けっこう意地悪な質問がすぐに浮かぶので、
この問題点はどうするかと聞くと、ほぼ99%まともな答えが帰ってきません。
あまり追求すると、このタイプの人は切れる事が多いので、おっかないので執拗には追求しませんが、
興味を覚える会社の場合は、良い点も悪い点も、強い点も弱い点も、
100%ではなくても、ある程度理路整然と、納得のいく説明が返ってきます。
事業を進めるにあたって、現在の会社と事業の現状と現実的なポジションを把握しないで、
経営計画も戦略も立てることができないのは当然で、
ワザと弱い点などを説明し、結果として逆に、強い点を相手の脳裏に刻み込むような説明方法は、
非常に効果大なので検討の余地があると思います。
③有名な会社や人に頼っていないか?
これも危なくて投資家を紹介するなんてとんでもないと思ってしまうことなのですが、
必要以上に、有名人や有名会社の後ろ盾を協調する社長です。
会社と事業の強みは、有名人と大手会社と親しいだけなのか思ってしまうと、
何らかの理由で、もしこの会社の社長と、有名人や会社が仲たがいをしたら、
何も残らないと思ってしまい、1社依存の下請け型企業と同じリスクを感じ、
とても投資に結びつけるような会社ではないと感じてしまいます。
時々トヨタ、キャノン、ソニーなどの名前をバンバン言う社長がいますが、
私の経験では、このような会社との提携や契約をプレゼンで真っ先に説明する会社で、
まともな会社を1社たりとも知りません。
たとえ社長と個人的で密接な関係があっても、
創業者でも大株主でないサラリーマン社長と親しくたって、
いつ退任するかもしれないわけですから、
この人脈が唯一の強みのような会社に投資家を紹介するなんて、とんでもないことです。
まだまだ書き足りないので、この続きは明日に書きたいと思います。
資金調達と演出力の関係
7月11日
最近つくづく思うのは、
資金調達も経営者の演出力と非常に関係があるのではないかということです。
もちろん、演出力は資金調達だけではなく、顧客、社員、株主に対しても必要ですが、
資金調達に範囲を限ってお話をしてみたいと思います。
資金調達の種類は、その性格から、
デットファイナンス・エクイティファイナンス・アセットファイナンスと区別できますし、
また調達方法から、直接金融・間接金融と整理できます。
この中で、多数の会社にとって、まず直面するのが、創業時から2年間の資金調達だと思います。
この時期は、銀行からの融資(デットファイナンス、間接金融)は難しいので、
自己資金、知り合いからの調達(デットファイナンス・エクイティファイナンス、直接金融)と
公的資金(デットファイナンス、間接金融)にほぼ限られると思います。
この段階での資金調達の中心を、
知り合いからの調達(デットファイナンス、エクイティファイナンス)と考える必要があると思っています。
この時に必要なのが、お知り合いの方々に、快く安心して資金提供をしてもらうための、
演出力が非常に重要になってくると思います。
この時に必要な演出力と言うのは、単に話が上手いとか、表現がうまいとかいったことに限らず、
社長の人格、性格、器、リーダーシップ、知識、信頼性など、
かなり幅広い、すぐにメッキがはげないような、身体からにじみ出るような演出力を指すと思っています。
しかし、私にとって、広範囲な深い部分の話をするには力不足で、
自分でもまだ修業の身なので、日常的に体験している、
創業時の資金調達をスムーズにするための演出力と言うことに限ってお話をしたいと思います。
設立間もない時期の直接金融は、
ほとんどの場合、身近な方から資金を何らかの形で提供してもらうことが多いと思いますので、
社長の日常のお金に対する姿勢が大切であることは言うまでもありません。
普段からお金を貸しても返さないと言うことは論外としても、
お金に汚いと思われるようなことは日常からしないようにしておくことが大切です。
必要な時にはしっかり快く、支払う。しかし、必要のない無駄なお金は支払わないと言った、
お金に対してしっかりした意識を持っているという印象を与えておくことはとても重要です。
また、愚直なまでに、時間を守る、約束を守ることはもちろん、
先日も書いたように、急に応答がなくなるようなことのなく、
マメにコミュニケーションの取れる人と言った印象が、
資金提供してもらうときには、とても役立つと思います。
私も、前職の時に、何人かの方に出資など資金提供をしたことがありますが、
自分にとって用事のある時は、バンバン連絡してくるくせに、
一旦自分の体裁が悪くなったり、用がないと思うと手のひらを返したような対応をしたり、
急に音信普通になるような人には資金提供する気にはなりませんでした。
信用できないからです。
ですから、私だけかもしれませんが、会社の内容や事業の内容が大切なのはもちろんですが、
何よりも社長の人物自体を判断のポイントにしていました。
設立間もない会社に資金提供するということ自体、
いくら事業計画がしっかりしていて、将来性があり、収益性が高いと思われても、
リスクが高いことは百も承知の上でするのですから、
社長を信用しないと、また好きにならないとできるはずもありません。
会社を設立して間もない時の直接金融の可否は、
まず普段からお金としっかりした付き合いをしていて、
周囲の人たちと、誠実なお付き合いをしていることがまず基本条件ではないかと思います。
そして次に重要なことは、会社の内容と事業計画だと思います。
いくら信用していて好意を持つ人物に対した場合でも、
たとえば、急にディズニーランドを韓国にオープンするとか、
全世界で利用できる定額制の携帯電話のキャリアを設立するとか言った、
事業内容や計画が、それこそ誇大妄想ではないかと思われるような場合や、
また、明らかに社会性はあっても事業性がないような事業であれば、当然資金提供はできません。
実はこの部分の案内が、資金調達のブログで最も書かなければいけないところと思いますので、
この部分に焦点をあてた内容を明日に続けて書きたいと思います。
このブログの内容を約90分ににまとめたCDです。詳しくはアイコンをクリック願います。
