設立2年未満の会社の苦労
9月3日
先週相談のあった案件で、設立2年以内のため、資金調達に非常にご苦労されている会社がありました。
この会社は、東京に本社を持つ会社で、
地方の政令指定都市の著名病院の隣接した立地に、調剤薬局をつくる予定で、
この店舗開発費、保証金も含めて4千万円を調達したいと言う相談の案件でした。
この案件で、何よりも問題は、会社が設立後2年以上経っていないので、銀行や主力リース会社からの調達が難しい点です。
更に、もともと介護系のコンサルを事業の中心においている会社ですが、
1期目の決算上の売上高が1千万円、当期赤字が約1千万円、
今期の売上予定が7千万円前後で、塁損は一掃できる予定の会社ですが、
なにぶんボリュームが小さく、今期の決算が確定した来期に銀行融資を検討したとしても、
無担保融資と考えた場合は、最近銀行が積極的になったとは言え、
常識で言えばマックス2千万円が限度と思われます。
しかし、2~3行に同時に打診すれば4千万円の調達は不可能ではありませんが、
何と言っても総意本の額が小さいので、4千万円を融資で調達して店舗開発にこの資金を使うと、
今回の調剤薬局の事業が大成功したとしても、自己資本比率がかなり悲惨な数字となり、
格付けが一時的には急降下しますので、新しい事業の利益が留保されるまでは、
特に銀行融資は、かなり厳しいものとなります。
また万一、新事業が予定より業績が下回った場合は、
来期の決算を考えた場合、かなり財務内容が悪くなりますので、
融資の借り増しどころか、融資条件が悪くなったり、間違えると貸し剥がしに遭う可能性さえ出てきてしまいます。
通常このような場合は、リース会社の審査が通るようなら、
設備や什器備品などはできるだけリースで対応するのが良く、
この方法で自己資本比率の低下を防ぎます。
しかしながら、始めにも触れましたように、この会社は設立後1年半で、銀行融資もリースも困難ですので、
この新規ビジネスが、具現性に乏しかったり、利益が読みにくい事業であれば、
新規事業の断念をお薦めするところなのですが、
既存の事業もそれほど確立されておらず、事業性も少し?なので、
むしろこの新規事業の方が、ある意味、キャッシュフローを考えれば、
この会社にとって大きな発展のきっかけになる可能性が高いと思われ、
今回の資金調達のコンサルをお引き受けすることにしたわけです。
ではどのような方法を考えるかと言いますと、
単純な銀行融資やリースの可能性はないと言う前提で考え、
まず社長の人脈での直接金融でいくら集められるかをポイントとします。
現時点では社長の親族から500万円は確定していると言うことなので、
この資金を中心に出資金500万円の有限会社から、資本金1000万円の株式会社に改組し、
その後1500~2000万円を少人数私募債で調達し、残額の1000~1500万円を社長個人の与信で審査する簡易リースや、銀行系あるいは大手ファイナンス会社の低金利のビジネスローンで調達する方法が現実的なところになります。
しかし、社長個人の資金調達力や与信が低い場合は、この作戦も絵に描いた餅となりますので、
次の策としては、個人投資家の登場となります。
個人投資家には開発費4000万円を投資効率10%(年)の投資案件と考えてもらい、
つまり店舗自体を、投資家が賃貸をして、内装設備などもすべて持って、
この店舗をこの会社に家賃400万(年)で貸す方式を考えます。
投資家にとっては、病院のレベルは高いですし、
担保としては調剤薬局の保険料収入が考えられるので、
比較的安心な投資案件になると考えられます。
実はこの方式をサービスにしているファイナンス会社もあるのですが、
条件があまりにも厳しいので、必要な場合は、今回は手作りでこのスキームを作る事となると思います。
それにしても、確かに、現在までの財務内容は良いとは言えませんが、
現在の事業の状況で2期の決算が終われば、この会社の社長に金融上のトラブルが特になく、
調達コストをある程度覚悟さえすれば、問題なく4000万円の資金調達は可能と思います。
このように会社設立後2年間は資金調達の選択肢が非常に限られることと、
設立後2期目の決算内容が、3期目からの資金調達の基礎となるので、予想以上に重要であることをぜひご認識いただきたと思います。
起業家の大切なことの中で、直接金融の調達能力は最重要な資質です。
銀行融資のことにポイントを置いた、このブログと連動するCDです。
融資にとって確認会社は
9月2日
確認会社で会社を設立された方も多いと思いますが、
銀行からの融資にとって、確認会社であることがどのような影響を与えるかを実例でご案内したいと思います。
先週、確認会社で設立されたヘアサロンを運営する会社の融資を、
2期の決算を完了したことを受けて、
今、非常に中小企業の融資に対して積極的な某都市銀行に打診しました。
財務内容を見たときも、確認会社で設立したため資本の部が薄く、
高い確率でノーと言う回答が来るとは予想していましたが、
悪い予感は的中し、自己資本が小さいことが原因で保証協会の保証付きでなければ検討できない旨の回答がありました。
決算が確定する前に財務諸表を拝見していれば、
決算をする前に増資して資本を増強することを提案していたのですが、
決算が確定してからの相談であったので、
どうしょうもなく、打診した銀行の積極姿勢に賭ける他なく、打診しましたが残念な結果となりました。
最近弊社は公的資金の支援はしないことにしていますし、
確認会社の支援も、弊社の顧客層が中堅企業の支援にシフトしていることもあって、
多くの例を把握しているわけではありませんので、
ご専門の方から見れば違った見解があるのかもしれませんが、
確認会社は間接金融の観点から見れば、
あまり良い設立方法ではないように感じています。
いつもお話をしていますように、
設立後2年間は銀行融資などの間接金融が非常に難しく、
自己資金、直接金融、公的資金での調達に頼らざるを得ない現状がありますが、
確認会社の場合は、2期の決算を終えても資本が厚くなっていないと、
今回のように、このことが直接的な原因で融資ができないことになります。
他の積極姿勢の都市銀行にも打診しましたが、
他の数字は問題ないにしても、やはり資本の部が薄いのでプロパーでの融資は困難と、
同じような回答が返って来ました。
このため、確認会社で設立された会社の場合、
2期目の決算は、その後の間接金融の可否に非常に多くの影響を与えますので、
必ず自己資本比率が最低でも15%以上を確保するように、
2期目の決算前に資本増強をしておく必要があるということをご認識いただきたいと思います。
この点でも設立後2年以内の直接金融の可否は、会社の発展に大きな影響を与えると言うことがお分かりいただけると思います。
銀行融資のことにポイントを置いた、このブログと連動するCDです。
年末の資金繰りは
9月1日
まだまだ暑い日が続いていますが、今日から9月です。
弊社の今年の夏は珍しく忙しい夏で、大型案件の成約があり、過去単月で最高の20億円を超えることができました。
しかし、8月の実績は、たまたま以前からやっていた大型案件の成約がまとまっただけで、
やはり8月は金融機関の担当者も休みが多く、弊社も本格的なビジネスは9月から再開です。
この意味で気分一新を図るために、自己満足かもしれませんがブログのデザインを変更してみました。
中小企業の経営者の皆様にとっても、本格的に事業モードに入って行く時期だと思いますが、
同様に年末の資金繰りの問題も現実味を帯びてくる時期でもあり、
資金繰りのきつい経営者にとってはこれから正念場を迎えることになります。
弊社に年末の資金繰りで相談があるのは、大体のところ、11月中旬以降、多くは12月の声を聞いてから来ることが多いのですが、残念ながら、その中の多くは時間な問題で、資金調達のご支援が上手く行かないことが多いのが残念です。
顧客の中には、自分の会社の経営内容を直視せず、
ともかく資金調達が上手く行かないと嘆いてばかりいる経営者も多いようですが、
このような方に限って、年末の資金繰りを12月の中旬になって慌てて相談にみえます。
何度も書いてることですが、きれい事ではなく、
資金繰りは最低でも半年前、できれば1年先の資金繰りを考えて行動することが非常に大切です。
前期は赤字であっても、1年間の時間があって、決算期をまたげば、今期の決算を金融機関の審査に耐えうる決算にすることも、粉飾ではなく、十分可能です。
不要資産の整理・償却、現預金のストック量の確保、短期借入から長期借入への借換、不明朗な経理処理の整理など、財務内容をアップし格付けを上げ、資金調達を本当に円滑にすることができます。
たとえば何ヶ所も融資を断わられてきた案件の場合でも、
融資をご支援できる例もありますが、
納税の問題、代表者の利益の問題、そして債務超過が何期も続いているような場合は、
忌憚なく言って現状のままではいくらやっても資金調達はできません。
このような場合でも、最低でも半年ぐらいの時間があれば、
資金調達ができるようにご支援できることも十分可能なので、
資金調達にとって、時間的な余裕は何よりも非常に重要です。
思うように資金調達のできない場合、
特に年末の資金繰りのご相談はできるだけお早めにいただければと思います。
ご相談の場合は、bhycom@aol.com までご遠慮なくいただければ、
可能な限り、大した回答はできないかもしれませんが、ご案内したいと思っています。
銀行融資のことにポイントを置いた、このブログと連動するCDです。



