元三菱商事社員の絡む不正融資事件
7月26日
たぶんこのブログを読んでいただいている方々なら、
おーっと思われたと思うのですが、
100億円もの額の融資を、インチキな三菱商事の注文書を使って不正に引き出した事件がありました。
読んでいらっしゃらない方のために、読売新聞の記事をコピーします。
大手商社「三菱商事」(東京都千代田区)の社員が虚偽の注文書を作成し、都内の化粧品会社とともに、銀行から不正に融資を引き出した事件で、警視庁捜査2課は23日、この化粧品会社の社長を務める川口昌人容疑者(34)(港区元麻布3)を有印私文書偽造・同行使の疑いで逮捕した。
川口容疑者は会社の資金繰りのため、売上高をごまかすなどの手口で、複数の銀行から総額約100億円の融資を不正に引き出していたとみられ、同課で余罪の有無を調べている。
調べによると、川口容疑者は昨年9~11月、三菱商事の社員だった吉池仁容疑者(38)(昨年12月に懲戒解雇)と共謀、三菱商事が、自らが経営する化粧品会社「ティエルシィ」( 港区)から、大量の化粧品を購入するという虚偽の注文書2通を作成。銀行2行に対し、三菱商事から化粧品の代金が支払われると説明し、注文書を担保に約3億円の融資を受けた疑い。
川口容疑者は、三菱商事の虚偽注文書で計約20億円の融資を不正に引き出したほか、年間の売上高を水増ししたり、融資残高を過少に計上したりするなどの手口で、複数の銀行から不正に融資を引き出していた。ティエルシィが受けた融資は2003年12月~今年6月で総額約100億円に上っており、同課では、このほとんどが不正に銀行から引き出されたものとみて調べている。
川口容疑者は、共犯の吉池容疑者が21日に逮捕されてから、23日まで行方をくらましていた。
とんでもないことではありますが、
良くぞここまでやったなと言う印象を持ちました。
記事にも書いてあるように20億円なら、
三菱商事クラスの会社の注文書があれば確かに融資は引き出せるでしょうが、
約2年半の間で100億円の融資を引き出したとなると、
尋常な方法では困難で、
想像の域は出ませんが、たぶん1行で数十億円以上融資をした、
脇の甘い銀行もあったのではないかと思います。
上記記事の中で、この化粧品会社のURLをリンクしておきましたのでご覧下さい。
確かに私だってこの会社の本社ならともかく、
商品企画部などのある泉ガーデンタワーのオフィスで打合せをして、
インチキな財務資料を見せられて、
三菱商事の注文書などを見せられれば、信用してしまう可能性は大で、
詐欺のために用意したわけではないでしょうが、
ビバリーヒルズに海外オフィスまで用紙されていれば、
厳しいノルマで日夜駆け回っている銀行の担当者やセクションにすれば、
きっと優良会社に見えたか、ノルマのために見ようとしたのだと思います。
でもただ1点、財務資料を見たわけではないので、
確実なことはいえませんが、
資本金が1500万円であることで、私ならこの会社は「少しおかしいぞ」と思います。
なぜなら、31名の社員がいて、
泉ガーデンタワーという家賃の高いところにオフィスを構えていたり、
実態があるのかどうか分かりませんが、
海外、それもビバリーヒルズに拠点を展開しているとなると、
とてもこの資本金の会社の業態ではないと思います。
たぶん銀行ごとに、借入金過小の粉飾決算書を作っていたのだと思いますが、
多くの場合、パチンコ店や金持ちの個人オフィスでもない限り、
資本金が業態の比較して過小な場合は怪しい場合が非常に多いのに、
この辺りの初歩的なことを見抜けなかった行員は、
忌憚なく言って稚拙だし、何らかの鼻薬に浴していた可能性は大と、
勝手な想像をしてしまいます。
第一、いくら虚偽の財務資料を作っても、
大きな業態なのに、1500万円の資本金では自己資本比率がかなり低くなっていたと思うのですが・・。
しかし、これで、資本金が1億以上できれば3億円以上にして、
三菱商事は無理でも、子会社か中堅以上の企業から出資を受けているような形を取っていれば、
正直なところ見抜ける自信はないですね。
さらに調べたところ、三菱商事と組んで、実際過去にコンビニで化粧品を展開した過去があるので、
確かに三菱商事の注文書の威力は大きかったと思います。
でも銀行の担当者はプロなのだから見抜けなかったことは迂闊としか言いようがありません。
我々が見れないようなデータベースを見れるのですから、
失格と言われても仕方がないと思います。
たぶん行内処分があると思います。
また、今回の事件に対して、こんなことを理由付けにしたくはありませんが、
銀行の効率経営のため、一人の担当者が多くの会社の担当をしたり、
あるいは尋常な、到達不能とも思えるノルマが課せられていることや、
更には財務内容でほぼ審査が決まるような審査システムの弊害が出たとも言えます。
中小企業のビジネスローンの審査方法にも影響が出なければいいと思うのですが・・・。
ですから、他の会社にとって見れば、こんな馬鹿者会社の存在は大きな迷惑です。
私の周辺でも、
他人に成りすまして、粉飾の限りをやって、
不正融資を引き出している、大馬鹿者がいましたが、
ここまでの金額の融資は受けていないし、まだ逮捕もされていません。
今度現れたら絶対に告発してやろうと思います。
こんな愚か者のために、まともな会社の金融が正常に機能しないようなことになれば、
本当に世の中のためになりません。
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不動産担保ローンの現状
7月25日
今日の内容は入手したての情報です。
タイトルですが、
銀行や信金の不動産担保ローンを意味しているのではありません。
担保の不動産の評価を第一に審査するノンバンクのローンのことで、
以前にも説明していますが、再度ご案内すると、
事務手数料や金利は、銀行など金融機関と比較して高いものの、
借り手の属性や財務内容などの実績に関係なく、
一言で言えば、原則、担保評価さえあれば融資が可能となるローンです。
このため、
差押さえが付いたような不動産が担保でも評価さえあればOKですし、
未納があって納税証明者が取れないため、銀行からの融資がNGのような場合でもOKですし、
何よりも金融履歴に問題がある場合や、
個人や会社の実績がなくても、買取る不動産の評価さえあれば、
買取るための資金の融資を受けることが可能なローンです。
もちろん現在もコストは高いものの、
条件が合えば使い勝手の良いローンで、
実は最近の弊社の融資のお手伝いのビジネスでは、
収益の大半をこのローンを使ったお手伝いで上げたものと言っても過言ではありません。
開発系の調達や、事業再生系のお手伝いでこの種類のローンを利用しているのです。
ところが今日ある開発系の案件の調達の件で、
この分野の大手のノンバンクを訪問したのですが、
最近は金融庁からの通達で、
いくら不動産担保の評価があっても、
借入れる会社の返済能力などの属性審査を加味しろとうるさく言ってきているようなのです。
この種類のノンバンクの場合、
このような通達を100%受け入れれば、
たとえば小規模の不動産会社が、
エンドが決まっている不動産取引で、
不動産をエンドユーザーが買取れる状態にして販売するような、
数ヶ月の短期の不動産売買のビジネスができなくなってしまいます。
ノンバンクにとっても痛手ですが、
小規模の実績の少ない不動産会社のビジネスチャンスは大きく後退してしまいます。
あるいは銀行からの借り入れがトラブルになっているような場合で、
この種類のノンバンクをブリッジローン的に使って、
新しい銀行にシフトさせるような事業再生的なことも、
返済能力=属性をうるさく言えば、
このような再生も難しくなります。
本当にこの手の官の声に対して、私はジャカマシーと思っています。(`×´)
日銀が量的緩和を解除した時から、
私はこのような官の動きには注視する必要があると思っていました。
官の声には何かと過剰反応しがちな銀行やノンバンクなので、
このような声が大きくなると間違いなく、
マクロ経済的には良いのか悪いのか知りませんが、
不動産の流通が阻害されます。
更には、経済や金融の状況によっては、
市場の調整に任せておけば良いのに、
不動産に対する融資自体の量をしめる、総量規制のようなこともする懸念があるので、
これが始まったら、悩ましい状況と思っていた不動産市況も、
間違いなく調整局面になると思います。
このことについてのマクロ経済的な善悪の議論は別にして、
ともかく不動産を借入金で投資している者にとって、
本当に死活問題になり得るこの手の情報は入手次第また書いていきたいと思います。
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S興産と違法建築
7月25日
違法建築と言えば思い出されるのが、
前回のバブル期、派手に踊りまくった大阪のS興産と言う不動産会社です。
この会社は確か96年か97年に倒産するのですが、
この会社に巨額の融資をしていたのが例の住専でした。
住専は1970年代に銀行各社が出資され個人向け住宅ローンの専門会社として設立されたのですが、80年代になって、銀行本体が個人向け住宅ローンに積極的に参入したことで市場を失い、当時バブル経済に向って積極的に不動産投資していたS興産のような不動産会社への融資にシフト。
これがバブル崩壊で巨額の不良債権を持つこととなって、
住専各社の大半が破綻したと記憶しています。
S興産は、俳優の○宮辰夫のパトロンとしても有名でしたが、
容積率をオーバーする違法建築物を建てまくったことでも有名で、
数百棟あったビルの内、大半が違法建築であったと記憶しています。
またこのS興産の不動産取引における行儀の悪さも有名で、
私は取引をしたことがなかったので聞いた話ですが、
何人かから「参った」「二度とお断り」のような話を聞きましたので、
まず間違いないと思います。
どう言うことかと言うと、
ともかくこのS興産は、いざ不動産売買の決済になると、
難癖を付けまくって、常識を超えた金額を値切ったり、契約を破棄するのです。
決済の当日までに申し立てすれば良いような事項について、
決済日当日の席まで黙っており、
それこそ売主、金融機関、司法書士、仲介業者が一堂に会した決済の席で、
大声を上げて難癖をつけるのですから、
全くひどいもので、業界の嫌われ者でも有名でした。
これ以外にも百人以上の社員がいた会社なのに、
源泉徴収をしていなかったか、納付していなかったか忘れましたが、
源泉納付という初歩的なことさえやっていない、
常識外の会社でもありました。
ところで今日書きたかったことは、何かと言いますと、
現在は不動産を担保に融資をするノンバンクでも、
容積率オーバーなどの違法建築に対するチェックは、
まともな会社ならかなり厳しくやっていて、
銀行が出資してできた住専が違法建築王のS興産に融資していたようなこと自体、
現在とは隔世の感があるということです。
現在ネットでいろいろ調べたのですが、
S興産の借入先の詳細は出てきませんでしたが、
やはり関西のヤミ的な連中との結託が原因で逮捕された理事長の信組や、
問題の信金も、私の記憶では多額の融資があったように思います。
確か破綻した相互銀行も融資残があったように思います。
ともかく当時の銀行やノンバンクの融資は異常で、
怪しげな性風俗の入居するビルでも問題なく担保になりましたし、
大手銀行でさえ、不動産価格の120~150%位の額の融資をしていたと記憶しています。
もちろん融資において、
現在の不動産の収益還元法による適正価格のような考え方も皆無で、
たとえばその頃不動産の急激な上昇があった大阪の例で言えば、
大阪の目抜き通りである御堂筋沿いの土地が坪単価8000万円だから、
周辺の少し入ったところは坪単価6000万円だと言うようなイメージで価格が決まり、
じゃ今後の上昇期待値を考えて1億円融資しようといった、
現在では考えられないような融資が行われていたのですから、
バブル崩壊による銀行やノンバンクの不良債権が巨額になったのも頷けます。
そもそも御堂筋沿いの土地が8000万円と言うのも、
利用価値云々ではなく、東京のたとえば大手町がいくらだからといった具合で、
まったく価格の数字の根拠が何か分からない形で、
需要と供給だけで決まっていたような感がありました。
少し横道にそれますが、
バブル期、大阪の最高額の地価の場所を変えたと記憶しています。
それは確か、梅田の阪急百貨店前から、堂島の堂ビル前への変更でした。
東京は長く銀座4丁目だったと思いますが、
この当時阪急百貨店前では、銀座4丁目より地価が高くなるので、
さすがに整合性が取れないと言うことで、
大阪の場所が変更されたと記憶しています。
これなんか収益還元法の考え方の欠如の良い例だと思います。
ともかく不動産を持ってさえいれば、
銀行自身がでっち上げ的な融資をしてくれたのですから、
凄い時代であったと思います。
私も時々書いていますが、
今の不動産市場はかなりピークに達している気がしています。
しかし、前回のバブル崩壊時のようなメチャクチャな融資行われていない分、
前回のバブル期末期のように、
急に融資が全く付かなくなるような事態はないかも知れず、
その分、市場が急に崩壊するような懸念がないかもと、様々な考えを巡らせ、
今後の不動産をどのように考えるのか悩ましいのが現状です。
容積率オーバーの常習犯、S興産のような会社はさすがに現在はないと思いますが、
最近のオリックス系の会社、新生信託銀行、JPモルガン信託銀行の業務停止を見ると、
やはり少しやばい時期が近くなったかなとも思います。
日本は何でも横並び的な意識があるので、
不動産会社ならリートが良いとなると、
猫も杓子も、投資的確な不動産がなくても無理やり参入するような傾向は否定できません。
ですから他のリートやファンド、あるいは銀行やノンバンクの担保の評価で、
怪しいケースがいっぱいあるかも知れず、
これからの金融庁の検査結果が注目されます。
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