下駄箱の肥やし
前回書こうと思っていた事を今日仕事中に思い出した。ほとんど『週記』になっている日記なのですが、(しかも『お知らせ』となっているが実はブログ!笑)思い出した時に書かないと忘れてしまうので、生徒さん達に伝言です。
最近、生徒さん達から『買ったけれど、きつくて履けない靴って何とかなりますか?』とか、『色がはげちゃって履く気がしなくなった靴があります』などと、下駄箱や押入れの中で、寂しく心細い気持ちでひざを抱えて居る靴達が沢山いることを再確認しました。私も遠い昔にそんな靴達を沢山持っていました。
そんな靴たちは、どんどんお教室に持って来てください。何とかしましょう!この間、色の剥げた靴を持って来てくれた生徒さんは、綺麗にポリッシュして見違えるように『履ける靴』に変身させました。時々、トップ・ピースを付け替えている生徒さんもいますが、BWSは靴の工房ですよ!!靴の事だったら何だってしちゃいましょうよ!履かれないなんて靴が可哀想ですよ。
とてもキツイ靴、ゆるい靴、痛い靴、糸がほつれてしまった物、その他のどんな問題がある靴も何とかして見ましょうよ!私が見て『これは。。。どうしたものだろう?』って思う靴もあると思いますが、皆で知恵を出し合って試行錯誤するのもよいではありませんか!
ただし、寿命が来てしまって、直すのが不可能ではないけれど、一から作るのと同じ位労力が必要な物もありますので、その場合はしっかりご家族の方たちを呼んで、『宣告』しなくてはなりません。そして、過酷な努力で乗り越えるか、安楽死させてあげるかは「あなた次第」です。
買ったのに靴ずれがひどくて、一度しか履いていない。。。なんて靴は修正してみましょう!そうする事によって、自分で木型を作るとき、デザインするときの注意点もよく分かりますし、原因を追究する事がとても勉強になりますから。
さあ、”下駄箱の肥やし”を”明日の主役”にさせましょう~。
桜満開。
桜満開! 朝の通勤で通る桜並木も気分が上がって良いけれど、仕事帰りに見る夜の桜も電燈の明かりに照らされて妖艶で素敵です。この季節は散歩にも最高ですね。家のベランダも草花が溢れていて、毎朝お水を与えながら、私は元気を貰っています。
このところ仕事の忙しさMAXが続いていて、高血圧と腱鞘炎に悩まさせられながらも、仕事以外にしたいことも沢山あるし、見たい映画も行きたいライブも読みたい本も沢山あって、一週間ぐらい今すぐにでもお休みが欲しいのですが、今年は果たして取れるかな?今から夏の計画をし始めれば、少しはお休み取れるのではないかと、9月辺りまでのスケジュールを立てていたら、『そういえば、昨年は8月にオープン・デイと12時間耐久靴作りをしたな~』と思い出しました。
今年もやります!『オープン・デイ』!8月10日(日)にします。あまりに先の話なので、今週生徒さん達に伝えても皆さん『シーン』としているので、『ちょっと!聞いてるの?!』と今週は5回も言いました(笑)。オープン・デイは展示会をメインに行いますので、今作っている靴をそれまでに仕上げよう!と、少しは気合いを入れていただけるとありがたいです。。。。それから、今年も『体験コーナー」を設置したいと思いますが、何か良い案などある方はお早めにお伝えください。こちらも早めに準備を始めて、ゆとりを持って開催できたらと思います。昨年は徹夜をした人も数名おりましたが、お互い無理の効く年齢でもないのですから(笑)、ゆとりを持って計画を立てましょうね!
話は変わリますが、今月読んだ本がすごい。 『反米大陸』 伊藤千尋 著 集英社新書
アメリカがかつて中南米で行ってきたエゲツナイ侵略と虐殺と戦略の数々について、分かりやすくつっこんで書かれた本ですので、是非是非読んでいただきたいです。なぜ読んで頂きたいのかと申しますと、中南米に行ってきた事が、今現在アメリカが日本に行なおうとしている事と似ているのです。現在の中南米が日本の未来の姿ではないか?と。豊かな自然を持ち、ダンスと音楽が大好きで、大きなあったかい笑顔を持った中南米の国々が、貧困と麻薬や犯罪や暴動によって治安の悪い国となって行った理由が分かります。
そして、2006年の国連総会でブッシュ米大統領を指して『悪魔』と8回も呼び、各国の国連大使から長い拍手を湧き起した南米ベネズエラのウゴ・チャベス大統領を初めとしてブラジルのルーラ大統領(彼は7歳の時から靴磨きをして自分で生計を立て、クリーニング屋や旋盤工等の仕事の後労働組合運動に入り、大統領になった人!)やアルゼンチン、チリを含む南米12カ国のうち9カ国が左派政権となり、『反米大陸』となってきている。キューバをアメリカから救った英雄『チェ・ゲバラ』の強く熱い意思が南米に受け継がれて生きている。
アメリカは『民主主義』以外の国を『悪』というけれど、アメリカから自国を取り戻す『革命』後、社会主義になったキューバはアメリカからの封鎖によって物質面でこそ貧しいけれど、幼稚園から大學まで完全無料。病院も治療費も払う必要がなく、医療技術も高い。南米一の教育・福祉先進国となった。革命前は国民の3分の2が文字を読めなかったが、現在の文盲率は1.5%で、平均寿命はの50歳から74歳にまで上がり、スラムもなくなった。国民の為の国だ。生活保護を必要とする人達への補助金などをどんどん減らし、入院費が払えない為に病気を苦に自殺者も増えている日本。それ以前に自殺者が年間3万人って!日本って、なんて国なんだろう?日本とキューバどちらが豊かな国と言えるのだろうか?本当の『豊かさ』と本当の『自由』をしっかり考えなくては。
羽ばたく人々
いよいよ暖房いらずの季節になり、花粉でお悩みの生徒さん達も多いですね。私も鼻の奥が時々むずむずするので、そろそろ花粉症デビューかな?今日は生徒さんから『鼻マスク』っていう、鼻の中に入れるマスクを見せてもらったのですが、木型や革を削ったりするとのどが痛くなるくらい粉塵が出るので、『鼻マスク』は便利だな~と、早速購入しようっと!ワークショップにも数種類のマスクを置いてありますが、靴作りに使う接着剤やパテは体に良くないものがかなり含まれておりますので、皆さんも着用してくださいね。
今月は数人の生徒さんが靴の「展示会」の為の作品作りに取り掛かっていたり、友人の展示会のお手伝い等に参加したり、作った靴を置いてもらえるお店を見つけたり等、積極的に動いていて活き活きと嬉しそうな声で電話をくれたり、メールをくれたり。。。緊張やプレシャーとの戦いに挑んでいる。BWS(bench work study)の長老達は徐々に起動に乗ろうとしています!嬉しいかぎりです。
BWSは『靴職人養成所ではない』ので、「靴職人になりたいです!」と言われると、私の返答は『え~やめときなって!大変だし儲からないし、一人前になるまでに時間かかりすぎるし』なのですが(笑)、志を持ってるBWSの長老達は、私の心優しい助言もまったく無視し(笑)ここまで来た。素晴らしいではありませんか!人になんと言われたって、自分のやりたい事を貫こうって心意気が!ここまで自分の道を切り開こうとがんばっている人達を見ると、もちろん応援せずには要られない。行ける所まで、突き進んで欲しいと思います。ホント、夢は諦めずに行動し続ければ絶対叶うものですもの。
BWSの生徒さん達はみんな仕事をしながらお教室に通っている。平日は仕事が終わって帰宅後に靴作りの作業をしていたりもする。会社行って食べて寝ての繰り返しの毎日も人生。好きなことに向ってがむしゃらに生きてもそれまた人生。自分の人生を作るのは自分自身ですものね!
それから、今年卒業したBWSの生徒会長的存在だった和田さんが明大前に工房を立ち上げがんばっています。HPを覗いてみてくださいね!http://www.yo.rim.or.jp/~local/index.html 和田さんは作業も性格も繊細で丁寧だし、独特のワダさんワールドを築いていく事でしょう。楽しみ!
そんな訳で、皆さんのがんばりに圧倒されておりますが、私は靴職人を十数年しておりますが、これは職業というより、生き方そのものです。もっと楽な生き方沢山あるのに何でこんな人生選んだのかな~と思います。で、考えるんです。時々。もし今靴職人になっていなかったら、何していただろうって?すごく真剣に考えて、いつも行き着く先は、きっと。。。。私は。。。。。今頃。。。。。どこかで。。。。。絶対に。。。。。靴職人を夢見て靴作りを習っているだろうな~って。(笑)
靴好き
金曜日に1足目の靴が出来上がった生徒さんが木型を抜く時に『いよいよ出産だわ!』と言って、木型を抜き、涙目になりながら『うれしい~!!』を連発し、『やっぱり自分の子は可愛い!』と歓喜に浸っておりましたが、ホント、長い間かかってやっと出来上がった靴ってのは自分の子供のようにいとおしくなりますよね。私も彼女がこつこつと作り上げた経過を思い出しながら本当に嬉しくなった。つり込みが上手く出来なくて何度も指をワニで叩いては『痛い!』と叫び、何度も糸が切れたり、なかなかハリが通らなかったり。。。。先が見えなくなった事も何度もあったと思います。それでも毎週仕事帰りにお教室に来て、笑い話なども運んできつつ、諦めないで作った靴。靴自体の完成よりも、私は”全工程をやりこなした”ってことに対して、自分を高く評価して良いと思います。
他のクラスでも『この工程をもう3週もやっているよ。。。』とため息ついている生徒さんに、他の生徒さんが『あ、その工程のコツは忍耐だよ!』と助言もあったり(笑)精神面でもかなり鍛え上げたれている人達が多いい。
私も毎日靴を履いて、毎日靴を作って、毎日靴を通して色んなことを考えて、学ばさせて貰っている。靴ってのはどうしてこんなにも魅力的なのだろうか?こんなに飽きないものって、靴以外にないもの。
私が尊敬と愛情と涙をもって絶賛し、心の恋人であり(笑)、私の理想以上の男”TOM WAITS”様も大の靴好きで、彼の曲にも靴がたびたび出てきたり、インタビューでも聞かれもしないのに(笑)、靴のことを色々と語っていたりして、昔読んだ記事には『音楽と靴の相対性理論』などを熱く語っていた。トム曰く、音楽が売れている時は靴もよく売れる。。。とか確か言っていた。(インタビューでは大ぼら吹きなので、それが本当かは不明ですが。。。)トム主演のジム・ジャームッシュの映画『ダウン・バイ・ロウ』では、トムが演じるDJザックの彼女が怒って、ザックの仕事道具のレコードをバンバン窓から投げ捨ててもザックは怒らずにベットに座っているんだけれど、彼女が彼の靴を投げようとしたとたん『靴は止めろ!靴だけはやめてくれ!』って、止めない彼女に別れを告げるってシーンがある。その後、外に投げ捨てられた靴を拾って、その靴を履き、丁寧に靴を磨く。靴好きには気持ちが分かっちゃうんだな~このシチュエーション!!この映画は映画館で2回見て、レンタルビデオで数回借りてみて、ビデオを購入した後、現在DVDも持ってる(笑)ほど見た映画なんだけれど、このザックのシーンとその後のザックのよいどれ歌が大好き!
そんな訳で私の心の恋人(笑)の素敵な歌を今宵お届けします。
http://jp.youtube.com/watch?v=Z5u9ePEx7V0&feature=related 素敵。。。
平日の休息
久し振りに体中が凝り固まってしまって、ヨガをしようにも体が硬くなりすぎて上手く出来ないので、先週は少しお休みを取って、全身マッサージへ行く。マッサージは本当に”痛気持ちよく”、もっと頻繁に通うべきだな~と。だいぶ体も気分も軽くなった。
その後足取りも軽く、千駄ヶ谷の”HIRI YANAGIMCHI” 氏の新しいワークショップを訪ねる。2月に移転してきたばかりで、まだまだ色々雑務も忙しそうですが、ワークショップ内は働きやすそうに整えられてて、工房にありがちのカオス・スペースもなく、落ち着いた空気の流れる素敵な空間でした。千駄ヶ谷はあまり私に馴染みのない場所だと思っていたけれど、実際歩いてみたら、私がべスパを乗り回していた時期によく迷子になってこの辺りをぐるぐるしていたことがあった事を思い出した。夜は”オバケ・トンネル”のあたりは非常に怖い。。。。 お店なんかはだいぶ変わってしまったけれど、益々お洒落な感じに建物も変わってていい感じ。なぜかハンチング帽を被った男性の多い町だ。
その後、前々から楽しみにしてい横尾忠則さんの『横尾忠則の壷』展を見に、谷中へ。日暮里の駅で降りたのは初めてで、ワクワク&きょろきょろしながら歩いてたのですが、いきなりお寺に出くわして、すごくいい感じ!家並みも『古き良き下町』が残っていて、懐かしい暖かい感じがした。で、展示会場の『SCAI THE BATHHOUSE』は銭湯を改造して作られた美術館でその外観も素敵なのですが、中もとても小さいながら心地よく作品が見れ、なかなかよかったです。今月からは『横尾忠則の二つめの壷』展が行われるそうですので、そちらも楽しみ。3月は他にも『温泉主義』展が開催されたりと、横尾さん作品が沢山見れるので嬉しい。画集で見るより本物のを目の前で見るほうが100倍良いもの。パワーをゲット!
またまたその後、上野までテクテク歩いて仏像の匂いをかぎつけ、東京国立博物館へ。残念な事に楽しみにしている『薬師寺展』はまだ始まっていませんでしたが、ガンダーラの仏像など4~5世紀のものが多く見れ、目の保養が出来た。ブッダ(釈迦)は自分の像を作ることを弟子達に禁じていたのだけれど、その後4世紀位経ってから、あちこちで作られるようになった。つまりブッダの顔を知っている人は既に誰も居ない時代から作られているので、仏像の顔はまちまちだ。特に国によってだいぶ違う。パキスタンやタイなどの仏像はちょっと面長で鼻が高いのが多く、日本や中国は丸顔でほっぺたがふっくらしているものなどもあるのだけれど、そういう違いが年代や地方によってまちまちなので、自分の好きなタイプが見れたときには、長い間見とれてしまう。私は日本の仏像に好きなものが多い。
仏像を堪能した後、東洋館で大昔の陶器などを見て回る。紀元前の器や装飾品など多く見れたのですが、紀元前の人達が作った器など一つ一つ見ていると、『この器を作った人は、本当にものづくりが好きだったんだろうな~』と伝わってくる物が幾つもあった。ここまで手を入れなくても。。。と思うくらい、繊細な線を幾十にも重ねて丁寧に装飾している。根気の要る作業なのに、ところどころに描かれている人の顔が皆幸せそうな笑顔で、その器が使われていた時代の幸せ度が垣間見れた気がする。作ることが好きで、作らずには居られない人々が残したもの達が、21世紀以上の月日を越えて私に感動を与えてくれているっていうのは、なんていうか、ロマンだな。
大切なもの
今週は靴が仕上がった人が4名。お疲れ様でした!皆さん木型を抜く時は本当に嬉しそう。中敷入れて、ポリッシュしてピカピカに仕上げて履いてみて、益々笑顔が大きくなる。でも、最近はあまりにピカピカに仕上げるものだから、履いて歩きたがらない。『ちょっと歩いてフィッティングをちゃんと確かめなよ~』といっても、足元に置いた小さい敷物の上から出て歩こうとしない。靴は履いて”なんぼ”の物ですから、どんどん履いてもらいたいのにな~。
2足目を始める人達は、木型作りから始める人がほとんどなので、1足目よりも作った靴に対する愛着が増すと思いますが、道のりが長いからへこたれずに行きましょう~。忍耐力はかなりつきますから(笑)。
世の中何でもかんでも、早急、簡単になってるけれど、その分いろ~んな事を削り落として、見落として、捨ててしまっている。この間、生徒さんが自分の古くなった靴を分解して、自分の木型に釣り込みなおして作り直そうとして、分解したらビックリして言いに来た。『ユキさん!あの靴3万円以上もしたのに、インソールが分厚い紙でしたよ!!』って。インソールに革を使っている既製靴なんて、ほとんどないよ!って教えたら、余計ビックリしてたけれど。靴の中を見て、つま先の方に革のインソールを使っている所でも、踵の部分は分厚い紙を使っているのが、既製靴屋の常識。ちょっとでも、コストを落としてちょっとでも儲け多く出さなきゃってのが、彼らの仕事。靴の中身は見えないから、色んなことしてますよ。それが良いか悪いかってのは、なんとも言えないじゃない。人は安く買えれば嬉しいし、靴は使い捨てにしている人が99.9%でしょ?(もっとかも?)既製靴が現在のように発展していったのは、必然だったのでしょう。
ただ、そうやって、どんどん工程や素材を変えていって、本来の大切な意味を見失ってしまっているんです。インソールが革であるのは、耐久性と汗の吸収性、通気性が良いのと、木型に釣り込んで、木型の底部の形を再現できるのと、返りが良い事。アッパーと縫いつけた時の耐久性もあるし、歩きの為にも、長く愛用する為にもとてもよい素材。
革の芯材もアッパーの素材もぜ~んぶそういう風に理由があって、靴の製法が成り立っているのが”ハンドソーン・ウェルテット製法”。ハンドソーン・ウェルテットの靴を誰も作らなくなったら、ピラミッドの作り方みたいに、誰も作り方がわからなくなって、ミステリーと化してしまうと思いますよ。ま、ピラミッドと比べるには大げさですけれど(笑)、今でも昔の工具を見て、どこの部分にどのように使うのかって、職人でも分からない人いますから。一度失なった技術を取り戻すのはほとんど不可能な事です。世間の軽い波に流されて、大事な物を見落とさないように、自分の大切な物は大切に守り通そうと思います。
私が大切にしているものは”幸せを感じること”。幸せって、得るものではないと思っている。日々”感じる”ことだと思っている。だから、『幸せな感じ』をくれる物、人、事がすべて私にとって大切です。靴作りのすべての工程作業をしている時に私は幸せを感じるし、私の靴を履いて下さるお客様との関係も会話も環境も幸せを感じる。生徒さん達とのお教室での空間も幸せが沢山漂っている。だから、大切に大切に守りたい。
靴ゲリラ
ひゃ~今日は一段と寒かったですね。夜は雪が5センチ位積もったし、21時ごろは辺り一面真っ白で、綺麗だったけれど、午前中のクラスなんて、暖房も全然きかなくて『みんな寝るな!寝ると死ぬぞ!』くらいの寒さでした。(笑)午後に扇風機を出して空気を回したら、結構温度が上がってきて、皆さんが帰った後にエアコンのフィルターを掃除したら、暖かい風がガンガン出てきた。。。(笑)午前のクラスの人達、ゴメンなさいね。来週は大丈夫だとおもいます。
この冬は電気代も去年に比べて随分高くなってしまったし、CO2も結構排出してしまったな~。反省。と言う事で、今年も『グリーン・ゲリラ』活動を開始しなければ!と、ポケットに”どんぐり”をいっぱい入れて出勤しています。
以前、お教室で『グリーン・ゲリラ』のことをちょっと話題に出したら、結構知らない人が多かったのですが、私は15~6年前に通っていた『気功』の先生から教えてもらって、それからずーとチョコチョコ、コソコソと活動している。私の友人にも数人いるし、日本中に密かに広まっているゲリラ隊で、色んな形で活動しているんだけれど、日本に(別に外国でもいいのだけれど)緑をゲリラ的に増やそう!という活動です。ポケットに木の実や種を忍ばせておいて、空き地や緑の少ない地域や場所を見つけたら、こっそり種を植えて木を増やすのだけれど、私は『どんぐり』専門、略して『どん専』。どんぐりは成長が早いし、大きくなるし、木の実で子供たちも遊べ、小動物の食べ物にもなる。秋に息子とどんぐり拾いに出かけるのも楽しい。どんぐりは帽子を被ったものは、見ていて愛くるしいし、帽子の上にT字の枝がくっ付いているのなんて、「ポイント10点アップ!」。息子は『穴の空いたどんぐり』を探していて、何でだろ?っておもっていたら、家に帰って穴の空いたどんぐりを箱の中に入れて翌朝見たら、箱の中に白い虫が入っていた。どんぐりの穴の3倍ぐらいの太さの虫で、どうやって出たんだろう?ってビックリしたけれど、穴の空いたものにはこの虫がほとんど入っている。ね、どんぐりって結構いいもんでしょ!
そんな感じで平和にゲリラもしつつ(笑)、仕事では注文靴作りの合間に少しづつ進めていた『外反母趾プロジェクト』用の木型の原型も出来上がり、外反母趾の人を見つけては足を見させてもらったり、靴を作らさせてもらったりを始めている。ビスポーク靴の今後を見つめる時、オーソぺディック(矯正靴)ってのは避けて通ってはいけないなと、思います。矯正靴を作るには、医学的な事も良く知っておかなければならないし、歩行についてもより知っておかなければならない。だから、ビスポークの靴屋では請け負える範囲が狭い。身体に影響する事なので、生半可に手出ししていけない領域なので、出来ないものは『出来ない』とはっきり言わなくてはならないのだけれど、現在の矯正靴の現場にいる人からの話を聞くと、足を測定する人と木型や靴を作る人は違うし、デザインは優先順位がとても下の方にあるので、足が普通の形をしていない人は好きなデザインの靴なんて履けない。もう、マジックテープ付きの、ギブスのような靴ばかり。これはおかしいと思うのです。誰だってお洒落はしたいし、少しでも歩行を楽しむためにも、歩くのが楽しくなるような靴があったら、どんなに良いだろう。。。矯正靴製作の現場に『デザイン』性を重視する事も加えられたら。。。。こんな思いで、手始めに軽度の外反母趾の方たちの靴作りを始めているのですが、金額もぐーと抑えたいので、ハンドソーンでは無理なので、セメンテット製法を使おうと思っていますが、セメンテットだとインソールにテンションがかからないので、ハンドソーンに比べるとフィット感が数段劣るし、インソールが足裏に馴染むこともないし、作るのが簡単すぎて、作る手ごたえがなくて、私のテンションも上がらない。。。のですが(笑)
外反母趾の足を見ると、なんとかしたい!と意欲が湧きます。しかし!外反母趾の人に数人に会って話を聞いた人達の何人かが、後天性の外反母趾で、、先のとがった靴、ハイヒールの靴で痛めつけた結果なった人達で、かわいそうな足でした。しかし、もっとかわいそうなのが『女だからハイヒールは諦めたくない!』などとおっしゃる方がいたこと。私には理解不可能。ハイヒールでしか女を楽しめないって言うのは、私は何の共感も持てないもの。だから、足を見せていただいただけでしたけれど。ハイヒールっていったい何なんでしょうね。ハイヒールを履いて綺麗に歩ける人なんて本当に少ないし、ハイヒール履いて醜い歩き方している人は見苦しい以外の何者でもない。低いヒールで快活に元気良く歩いている人の方が、断然素敵なのにな。こういう、ハイヒールの幻想からも女性は解放されるべきなのにな。ベンチワーク スタディーの生徒さん達は低いヒールで快活にかっこよく町を練り歩き、『ゲリラ的』に低いヒールを広めていって下さいませ。(笑)
寝不足
ハイ。ブログを更新します(笑)。この間生徒さんとも話したけれど、最近ブログを書くのが億劫。いつもこれを書くのはお風呂のお湯をゆるゆると入れている間の15分位の間なんだけれど、最近寒いのでとっととお湯を入れて、とっととお風呂に入りたい!!そんな訳で、億劫です(笑)。億劫と一度思い始めると、何を書くのかを考えるのも億劫だし、このページを開くのさえ億劫で、パソコンに向ってもついつい現実逃避でブログを書くつもりがネットサーフィンしちゃってました。
そんな訳で、ボーとお風呂のお湯が溜まるのを待っていながらネットで色々見ていたら、お風呂のお湯が溢れたどころか、寝不足になっちゃうほど嵌って見ているものを紹介します。これ→http://video.google.com/videoplay?docid=-845461387975920288&hl=en
『Monopoly Man』!!この画像の右脇に載っているのもほとんど見てるんだけれど、すごいよ~。怖いよ~。昨年末に読んだ本『ニュートンの予言』と重なるような事もあり、9.11のこともあるし。
とりあえず、もう少し暖かくなったら靴のことをまた書けたら良いのだけれど。。。。
寒いですね。
寒い。。。ワークショップも人が沢山いるとそうでもないけれど、1人で仕事をしていると部屋が暖まるのがお昼
頃。ソールのバフがけをしようと、フィラーワックスをブラシにつけたのだけれど、ワックスが冷えすぎてブラシになかなかつかない。。。というか、全然つかない。。。とりあえず、明日は気温が少し上がるようですので、バフがけは明日に延期する事に。(こんな事ありえない!)
そんな感じで仕事は四苦八苦しておりますが、朝、通勤中の坂の途中で自転車を止めて、雪に覆われた”富士山”を眺める。富士山って壮大かつ綺麗だな~。って改めて思うのですが、父の実家が静岡なので子供の時に祖母の家を訪ねると、家の前にど~んと見える富士山を叔父と度々スケッチしたり、6歳の時に初めて富士山の頂上へ上ったり、富士山には思い出も多いのでなおさら、富士山の美しさに感動する。通勤途中に富士山を拝めるなんて幸せ者です。毎朝感謝。
さて、先週は1年ほど神戸から月に2回通って来ていたUさんが無事に1足作り終わりました。就職も神戸に内定したので、お教室は一旦終了。(東京勤務になったらまた靴作りに来てくださるそうです!)テーラーの勉強をしていただけあって、細かい所にも良く気がついて丁寧に作業していましたので、仕上がりも綺麗で4月から新しい職場で履くのに丁度良かったですね!住んでいる場所が場所だけに、作り終わるまで通えるかな?と心配していましたが、良くがんばりました。偉い!!今後はテーラーでパタンナーとしてお仕事されるそうですが、一つ一つ丁寧に進みながら靴を作っていましたので、きっと夢も一つづつしっかり叶えて行けるでしょう。今後のご活躍、応援しています!
現在、お教室には色々な方々が色々な所から来てくださっています。上記の神戸からのUさんが一番遠かったけれど、静岡から2名来てくれているのが、今一番遠いかな?一番近い人は徒歩3分位で(笑)、年齢は20代前半から50代後半(?)まで、、職業は求職中から外科医まで。。。本当に色々。でも、みんな『靴を作りたい!』って同じ目的持って集まって、失敗して、反省して、上達して、半べそかいて、大笑いして、靴を仕上げて、喜んで、また反省。。。って、一緒に同じ気持ちを味わえる。これがすぐに作れちゃう手芸みたいのだったら、こんなにも生徒さん同志(私も含め)が仲良くなってなかったかな?って思います。これからも、苦楽を共にがんばって行きましょう~。寒さなんかに負けないで、遠方チーム(?)もエイ・エイ・オー!!!!
Raced Lake
お教室で2週にわたり靴作りの『豆知識』として、スキンステッチの方法を説明していますが、スキンステッチは10種類以上ありますので、まだまだ続きます。実際に今すぐ使う、使わないは関係なく、知識として頭の隅においておけば、いつか役立つ日が来るのではないでしょうか?来るかな?来るといいな~。(笑)
同じスキン・ステッチのやり方でも革の厚さと糸の太さにより、レイク(モカ等と呼ばれる、甲上のU字のスキンステッチ)の表情がだいぶ変わりますし、レイクの位置によっても靴の表情が変わりますので、色々と試してみてはいかがでしょうか?既製靴のレイクのデザインの違いも会社によってさまざまですし。見て回ると面白いですよ。
Uチップやレイクは爪先から25ミリ位の位置に置かれていたのが主流ですが、十数年前にエドワード・グリーンが爪先からグーンと離した短いUチップを発表し、日本で大人気の1足となりましたが、あの靴により靴に興味を持つようになったという方と何人もお会いしているのですが、影響力のすごい靴です。バランスも良いし、カタ過ぎずカジュアル過ぎず、若い感じが新鮮でした。
革靴の年齢差が出始じめたのはここ数年のような気がします。私がイギリスに行く前は靴好き!っていう人でも”リーガル”の革靴か、お洒落な人でもクラークスのデザートブーツくらいで、ほとんどのビジネスマンが紐なしで甲に餃子のようなしわのある、何故か横に銀色の小さい金具のついた靴を履いていた。多分、日本の靴の歴史で一番売れたデザインじゃないかな?この靴は今でも電車に乗ったりすると見かけるけれど、だいぶ少なくなってきた。その代わり、若い男性のやたらと先の長く上にそり上がった爪先の靴を見かける。渋谷の109系の靴ですが、安っぽいのは仕方がないとしても、あのての靴を履いている男性を『絶対信用できない』って思ちゃうのはなぜでしょう?(笑)ちなみに、女性でバック・ストラップがヒールに落ちてしまってたり、階段を降りる時にやたらと汚い音を出して歩いている女性を見ると『この人の部屋って汚そう!』って思えるのもなぜでしょう?(笑)
話がだいぶ脱線しましたが、アッパーのデザインは木型と革の素材&厚さと、糸の太さでガラリと変わるので、まだまだいろ~んな可能性がある。お教室の長老の方達は、パターンの練習や、クロージングの練習も兼ねて、アッパーだけ色々と作ってみてバリエーションを増やす事もしていってください。底付けの種類はスクウェア・ウェイスト、ヴェベル・ウェイスト、ノウィージョン等、全部で10種類位しかないけれど、パターンは本当に色々あるし、クロージングのテクニックも細かい注意事項がそれぞれのデザインにあるから、なるべく沢山習得してもらいたいです。