繋ぐこと | ”Benchwork study Laboratory" 英国式 靴作り教室

繋ぐこと

 今日はヘトヘトだ。ワークショップの床の張替えをするので、ワークショップは人に任せて、浅草でじっくり探し物が出来る!と出かけ、ひたすら歩いた。2時間位、探しに探して欲しいものがやっと手に入り、汗だくで上野へ。そう、前回告知した『井上雄彦 最後のマンガ展』を見に。私はチケット持ってて、今日は平日で、15時30分に上野の森美術館に着いたってのに、恐ろしいほどの行列に唖然とし一瞬たじろぐ。待ち時間60分と書かれた看板を横目に行列に並ぶ。疲れた足で重い荷物を持ち、本を読みながら80分!!待って、ようやく中へ。


 いきなり、2メートルもある武蔵の迫力に、周りの人たち皆が『スゲー!!』と感嘆の声を発する。そして続く、漫画か、絵画か?日本画か?という方にはまらない画法の作品が、ストーリー仕立てでつらなる。和紙をキャンバスに見立てて筆で書かれているなじみのキャラクターに引き込まれて『バガボンド』の世界に。次々に現れる数々の絵の迫力と見せ方が私の想像を遥かに超えていて、感動と感嘆と尊敬となぜか私の敗北感が入り混じり、最後の部屋で5メートル程もあると思われる数枚の巨大な絵の前で涙が浮かんできた。すごいものを見させてもらった。としか言いようがない。見れて本当によかった。心の奥底に響く表現力と、スケールの大きさ、迫力のある繊細さ。他では味わえないExhibition。こんなに大きな事ができる人間もいるのだなーと、自分の小ささが思い知らされたけど、人間が出来る可能性に希望も沢山貰った。


 自分の領域で、ひたすら突き詰め、努力あるのみだと強く思った。『のんびり生きよう!』とか、『あるがままの自分でいいじゃない』って人は言うけれど、周りからは暑苦しく見えるかも知れないけれど、私はもがき苦しんででも何かをやり遂げたいな。それをやり遂げなくちゃ、次に繋がらない気がする。私は人間が生きている意味は、次に繋げる何かを残す為だと思っている。もちろん、人間が生きている意味に答えなんかはないけれど、私はそう思っている。井上氏は次に繋がる何かを確実に残してくれたと思う。『バガボンド』の宮本武蔵も、人を殺って殺って、殺しの螺旋を続けながら自問し続け、最後に答えを見つける。『強い人間』とは何であるかを。答えは自分の体と魂で体験していかないと見つからないのだろうな。言葉は感覚には絶対に勝てないもの。言葉で分ったつもりになったって、その人の実とはならない。生きるという事は、凄まじい。