工夫
2月21日(日)の『特別パターンレッスン』は受付を開始した金曜日に定員に達し、土曜日のクラスの人達が『教室内で言えば大丈夫かと思った』。。。と、参加できない人達が多かったですので、年内中にもう一度同じ企画を行いたいと思いますので、参加漏れしてしまった生徒さん達、どうぞお許しを。。。
今回のパターンレッスンは教室の生徒以外の方からも、驚くほど多く参加希望のメールを頂きましたが、教室内の授業の一環として行っており、スペースの問題と私の目の届く範囲内での授業になりますので、生徒以外からのお申し込みは、申し訳ございませんがお受けできませんこと、どうぞご了承願います。
それから、諸事情により2月21日から2月28日(日)に変更致しましたので、参加者の皆さまどうぞ宜しくお願い致します。
金曜日のクラス中に親指を深く切ってしまった生徒さんがおりまして、すぐ近所の病院へ行き戻ってきましたが、7針縫ったそうです。鋭いナイフを使用しておりますので、本当に生徒の皆さま気をつけて作業を行ってくださいませ。教室内でのちょっとした流血は毎回のようにありますし、生徒達も手慣れたもので、騒ぎもせず淡々と絆創膏を手際よく貼っておりますが、ちょっと手元が狂うと病院行きになりますので、ナイフを握っているときは特に慎重に注意して下さいませ。M山さん、早く傷口が治りますように!
さて、本日は木型の原型であるソリッド作りを1日しておりましたが、制作中のお客様のソリッドの小さいこと!本当に可愛らしい小さな足で、サイズを測ったら子供サイズ12インチでした。私の足も実寸は21.5センチでかなり小さいのですが、私の木型よりも一回りは小さくて、新鮮で楽しかったです。小さい靴を作るのって簡単そうに思われますが、これがなかなか難しい。木型が小さいと押さえにくく、持ちにくい。普段作っている靴は25.5センチ位が一番多いので、慣れないサイズは腿の上に固定しづらく、大きさに慣れて調子が出るまでに時間がかかります。逆に29センチ等の大きな足の場合は、それほど持ちにくいことはないですが木型が重いので、筋トレになります(笑)。それから、出し縫いのステッチがいくら縫っても終わらないので、途中心細くなってきたりします(笑)。
人の足の大きさも形もサイズも全員違い、それぞれの個性を持っておりますが、お客様によってその“個性”を活かすのか、隠すのか、のご希望も違います。
足の横幅に合わせて、ゆったり丸目のラウンドのトウ・シェープをご希望の方もいらっしゃれば、横幅の広さを目立たなくする為に捨て寸を長めにとって、細く見えるようにご希望される方もいらっしゃいます。足が小さめなのでなるべく大きく見えるようにご希望された場合は、ウェルトを幅広めのスクウェア・ウェルトにして、サイドライニングも厚めの革を入れるようにして全体的にボリュームを出すようにしたり、また、足を小さくエレガントに見せたいとご希望のお客様には出来るだけウェルトを絞って、芯材も薄めの革を使い、ウェルトも薄めの厚さのものを使ったり、ソールもエッジだけ薄くして、ソールの履き心地や耐久性を損なわず、見た目だけ華奢に見えるようにボリュームを減らしたりします。外反母趾の骨を目立たなくする工夫は昨年沢山行いましたが、一足、デザインを書いている時にお客様が、出っ張った骨がどんなものが当たっても痛いので、いっそのこと、骨の部分に革が当たらないように”くり抜く”ってどうでしょう?ってアイデア出て、パンプスの履き口の左右にくり抜きをストラップと組み合わせてデザインをしてみたら、骨には当たらないし、デザインも可愛らしいくなり、かなりイケます。これなどは、外反母趾という”個性”をいかしたデザインですね。
毎足毎足、履き手のご希望と足に合わせた靴のデザインを1から作りだすには、木型での工夫、パターンでの工夫、材料選びでの工夫、底付けの製法の選択並びに各工程での工夫が必要です。
この『工夫』は、”経験”と”技術”と”知識”と”感性”の結晶のようなものだと思います。だから、生徒さん達には『失敗してもいいから、失敗したらその理由を考えてみて!』と、しつこく質問したりしますが、失敗を失敗のままにしてたら、とてももったいないことで、失敗の理由を理解すれば、”経験”と”知識”が増えます。失敗を一つ克服すれば、一つ”技術”が上がります。”感性”は人それぞれの日常の感動がその人の体内に蓄積されたものだと思いますので、日々美しいものや感動に触れて、どんどん自分の細胞に吸収して増やしていければいいですね。”工夫”がどんどん思い浮かぶようになったら、靴作りはもっともっと楽しくなりますよね。靴作りだけからでなく、色々な日々の経験が靴作りに生かせる”工夫”を生むこともあります。どんどん積極的に人生を楽しんで、靴作りに活かしましょうね!!
特別パターン講座
ブログの更新をなかなかできず、体調を気にして下さるメールを頂いたのですが、体調も気分もとても快調です!ただ、自分のブログを年末に読み返したら、誤字脱字やスペルミス、訳の分からない支離滅裂な文章にげっそり。。。。普段ブログを書くときはガーと15分位で勢いのみで書いて、読み返しもせずにアップしているので今年はちゃんと書こう!と思ったら、全然指が進まない。。。。大体、ブログって何だ??申し訳ございませんが、私のブログは、私の独り言だと思っていただけると幸いです。
さて、2月21日(日)11:00~18:00まで、特別パターン強化レッスンを開催します。初心者&今ひとつ基礎が分からない。。。という生徒さん達を中心に、スタンダードの作り方、オックスフォード、ダービー&ブローグの作り方まで集中して行いたいと思います。参加費無料です。1月22日(金)~受付開始します。定員15名に達し次第締め切ります。
今年のイベント予定は
2月に『特別パターン強化レッスン』
3月に『靴の修正、修理&靴磨き講座』
4月に『12時間耐久靴作り』
5月に『マイケル・センプル氏による木型講座』
7月に『シューツリー作り講座』
9月に『展示会』
12月に『黒木氏によるパターン講座』&『忘年会』
を予定しています。靴に関すること全ての知識と技術を身につけれるように、今年も頑張りましょう!!
さて、最近『靴の中が冷たい!何とかならないですか?』と生徒さんから言われ、『冬なんだから。。。』と思ってみたものの、私は今まで靴の冷たさに意識したことがなかったことが判明。革底靴は通気性が良い事が長所でもありますので、冬に『靴の中が冷い』と感じることはあるかも!!と意識したら、うん、確かに朝に足を入れたとき冷たい。で、イギリスで聞いた『靴の中に唐辛子を入れると靴の中が温かくなる』という話を思い出し、生徒さんに伝えると2名試してくれました。
一人は5本指ソックスを履いているので、唐辛子が指の間に入って邪魔で、唐辛子が長く触れていた部分はヒリヒリしてきたそうです。『で、温かくなった?』と聞くと『いや。。。。ただ、ヒリヒリ。。。』(笑)。もう1名は『唐辛子が靴の中であっちこっちに動き、靴を脱ぐたび唐辛子の種が。。。』と靴を脱いで工房の床に唐辛子の種をポロポロと落とす。『で、温かくなった?』と聞くと『え~分からない。。。。。。』(笑)。小さい袋等に入れたほうがいいのだろうな~と現在、私が試し中。また結果報告しますね。良い結果が出れば流行るだろうに。。。。冬の靴中の冷えを何とかしたい!!何か良い案等がございましたら、どうぞ情報を宜しくお願いいたします。教室の『お試し隊』達がTRYします!!(笑)
工具がやってきた!ヤア!ヤア!ヤア!
というわけで、イギリスに発注していた工具が本日届きました。工具がイギリスから届く日は、誕生日とクリスマスが一緒に来ったっ!てくらいワクワクします。今回も生徒さん達の注文分と、自分用の新しい工具を色々と入手し、早く使いたくってしょうがない。設計図を描いて特注した工具は楽しみも数十倍ありますので、正月早々良い具合いに仕事にエンジンかかりそうです。
前回注文した時は税関だか、通関だかで引っかかり、連絡欲しいとファックスが届き、電話したら『これはいったい何ですか?納品書の品を全部日本語に訳してファックスしてください。』と言われ『靴作り用の工具です』って言っても取り合ってもらえず、日本語で『こばごて』とか訳しても税関の人分からないだろうな~意味ないな~とか思ったり、日本で使われていない工具の名前を訳すのって無理なので、『ワニ』とか『馬』とかに習って、『ブタ』とか『カバ』とか名前を付けちゃおうか?って悩みました(笑)。今回はスムーズに届いたので良かった良かった。
午後は友人の家具職人が仕上がった棚のBOXだけ搬入しに来たのですが、BOXだけでもかなりカッコ良く、感激しました。友人は制作にかなり大変だったようですが、私、一生大切にするわ!!早く生徒さん達に使ってもらいたいです!とりあえず、今回は生徒さん用の工具入れのこのBOX & 棚と、革を置く棚を作ってもらいました。革を置く棚は革を取り出しやすいように工夫して設計してくれたので、今までのように下の方の革を取り出すのに一苦労。。。ってのがなくなりそうです。友人の予定を聞くところによると、私が黒くペンキを塗ったテーブルに木を付けてくれて他の家具との調和をはかり、靴置きの棚をカッコ良くリフォームして、天井の電灯を倍の数に増やして工房を倍明るくし、少し下に照明を下ろし、壁のペンキを塗り。。。。。だそうです。どんだけ私の工房を手塩にかけてくれるの?他の仕事は大丈夫なの?請求書はやっぱり私のところに来るのよね?友人割引はきくのよね?などの心配もありますが(笑)、凄く楽しみです。
で、友人と70個(!!)の木のBOXを運び終わった後、お互い新年の抱負など語りつつ、話題は工具の話へ。やっぱり家具職人も工具にはこだわるし、楽しみながらどんどん増やしていっているようです。工具の話をしている時って、どうしてみんな目が輝くのでしょう?この、工具を増やす楽しみは、物づくりをする者に与えられた特別な楽しみですね。たまにお客様が工具の棚をじっくり眺め、『これはどんな事をする道具ですか?』と尋ねられたりしますが、『このヒールの上のギザギザを付ける工具です』等とお答えすると『それだけの為の?』と驚かれたりしますが、そのギザギザを付けるだけの、ただそれだけの工具でも、そのギザギザを奇麗なギザギザにする為の工夫が1本の工具に凝縮されていて、ちゃんと使えるようになると感動すらしてしまいます。ギザギザうるさくてすみませんが。。。(笑)、たった1本のギザギザを付ける為に、ただそれだけの為に、こだわってこだわって作られた工具は、本当にうっとりしてしまうほど美しいです。なんでもかんでもに使える万能な工具にはない、一つのことしか出来ないからこその力強さがあります。
私の好きな映画、『グラン・トリノ』(クリント・イーストウッド主演)の中で、主役の頑固じいさんのクリント・イーストウッドが、愛車72年型グラン・トリノを丁寧にピカピカに磨き上げた後、ビールを飲みながら何時間でも愛車を見つめるシーンがあったりして、靴磨きを趣味とする人達も自分の愛靴を磨いた時のように共感できるのではないかと思いお勧めですが、彼のガレージのシーンが最高で、隣人の青年が彼のガレージ内の沢山の工具を見て驚き『こんなに沢山ぼくには買えないよ』と言うと、『おれは50年かけて集めたんだ』と、とても誇らしそうに言うシーン。壁全体に奇麗に整列された沢山の工具達。大好きな車を自分で修理しながら、自分の車を愛し、何十年も大切に扱う喜び。これって、一つの物を大切に溺愛した人にしか分からない喜びで、使い捨ての物しか知らない人間には決して知りえぬ”愛”だな~と思います。自分が使うものはどんなものであれじっくり吟味し、溺愛できる物を使いたいです。これはもはや買い物でなく、物との”出会い”ですものね。
謹賀新年
明けましておめでとうございます。
本日仕事初め。工房の掃除をして、新たな気持ちで今年の仕事に取り掛かろうと思っております。
年末はなんだか落ち込みムードで、仕事収めの日にHPを作ってもらっている友人に愚痴や悩みを聞いて貰ったのですが、『そんなの悩みじゃないですよ!お腹がすいてるだけですよ。』と言われ、工房前の増田屋さんで年越しそばを一緒に食べて元気が出てきて、その夜女友達と3人でなにかとよく行く麻布十番のタイ料理屋で忘年会をしたら、すっかり元気回復。お腹がすいてただけみたいです(笑)。毎年毎年色々なことがありますが、皆悩みながら前向きに頑張っているので、泣き言なんていっている暇があったら、初心を思い出してやせ我慢してでも頑張ろうと思いました。友達って本当に有難いです。
初詣のおみくじで『大吉』が出て、すっかりテンションアップした深大寺の帰り道、今年やりたいことが沢山出てきました。作りたい靴が沢山あって、TRYしたいブーツやレディースのデザイン等が、バーと頭に溢れてきて『靴作りたい!!』ってワクワクしてきました。今朝は工房のパソコン開いたら、お客様から新しい靴のデザイン案が送られて来ていて、お正月早々、靴を楽しみにして下さっている方々がいらっしゃるって事が嬉しくて嬉しくて。銀座で注文靴を始めたばかりの時にオーダーして下さったお客様からの修理のご依頼メールで当時の事を思い出したり。。。その後、お電話でもお客様から修理のトップピースの事で情報をお伝え頂いたり、本当にお客様に支えて頂いていることに感謝の気持ちがいっぱいで、1年のスタートが出来る幸せを噛み締めております。
今年はお教室でも生徒さんの技術の強化と向上を図りたいと力が入ります。どんどん生徒さん達の腕も上がっているし、知識も蓄積されてきているので、私もさらにそれを上回らなくてはいけませんので、今年も色々と『靴作り強化イベント』を開催しつつ、問題提議を出しながらもっともっと頭と手を使って理想の靴作りへ近づけていけるように頑張ります。お正月休み中にプリント類もお酒を飲みながらのんびり製作しておりましたので(笑)、1月8日の教室からまたビシビシと鍛えますよ!気合は充分か~?ヤル気は漲っているか~?私は準備万端だ!!
今年も靴と共に、素敵な1年にしていきましょうね。では、今週お教室でお待ちしております!今年もどうぞ宜しくお願いいたします。
今年も大変お世話になりました。
昨日の『黒木氏によるパターンカッティング講座』も盛況に終わり、皆さん熱心にパターンを作り、学びも多かったのではしょうか。今回はダービーのパターンでしたが、どのようなデザインへでも応用して使える内容でしたので、今後のパターン作りに役立てて頂ければと思います。U-チップのエプロン一つとっても、木型のトウ・シェープに応じてより立体的なパターンにするような工夫や、革の良い部分を無駄にすることなく裁断できるようにパターンの角度を変えるようにしてみたり、かなり初心者には難しいことだったと思いますが、何足も作っている人達には深い内容の事も教えて頂きました。
初心者の方には、パターンの構造をなんとなくでも理解頂けたら、今後自分のデザインでパターンを作る時に理解し易いかと思いました。上級者にはパターンの奥深さとパターンで出来る可能性を知って頂き、如何にパターンでの工夫が綺麗なメイキングに繋がるかということを理解して頂けければ幸いです。
綺麗なメイキングをする為には、本当にパターンは重要です。その後のクリッキング(裁断)も革の最良な部分を如何に無駄にしないように切り取っていくか、如何に綺麗にエッジを出すか。綺麗に靴を作る為には手を抜けません。どの工程も全部に繋がっていきますので、全てが大事。
1足目を作っている生徒さんが『底付けだけでこんなに大変なのに、2足目から木型やパターンやクロージングもやるなんて、靴作りって本当に大変ですね。』と言ってましたが、本当にね~(笑)。でも、だから靴作りはとてつもなく面白く楽しい。それでいて、自分で実際に履く楽しみもあるわけですから一生費やしたくなるわけです(笑)。2足目に入っている生徒さんも、1足目で作った靴を丁寧に磨き上げ、今週修理も自分で行っていて、『もうこの靴がわが子のように可愛くて、可愛くて。。。溺愛してます』といっていました。楽しみも尽きないですね。
さて、今年のお教室は終了しました。今年は忘年会が無かったので、苦情が多く『1年が終わった気がしない!!』と言われ、私も同感。来年は絶対やりましょう。
私は今年は仕事において”やり残した感”がとてもあって、結構落ち込んでます。もっともっと突っ込んで学ばなくては!や、もっともっと時間が欲しい!等の思いと共に、『なんでこうなってしまったのか?』と解決できない問題も今年はあり、すっきりしません。来年はもっと突き詰めねばならない課題が多く出来たので、なんとか解決策を見つける試練の年になることでしょう。
今年始めは『100年に一度の不況』と騒がれていたので、私の仕事にも影響がでるだろうから、サンプルでも作りながら腕を上げて、景気回復を待ちましょう~と緩く考えていたら、夏のピーク時にはオーダーの予約が1年後まで埋まり、とにかく作って作って作って。。。としてきましたが、手を抜くことは絶対に出来ませんし、バックオーダーが多くても、一足作り始めるとその1足に没頭してできる限りの手間隙をかけたいし、その間にも修理や修正の仕事は入りますし、生徒も増大していくし。。。精神的にも肉体的にも本当に鍛えられました。作った靴が多い分、課題も増え、非力さに打ちのめされたりもしましたが、いつもそのような状況から救って頂けたのはお客様からの笑顔でした。仕上がった靴をお見せした瞬間に頂く笑顔、履いて頂いて『ほ~初めての感覚です!』と頂く笑顔、修理に靴をお持ちになってくださるお客様が靴を可愛がって下さっていたり、作った靴をお渡しして数週間後にメールで有難いお言葉を頂けたり、本当に1年1年お客様との繋がりも深まっていきますし、私の非力にお付合い頂いて最終的にお渡し出来た時には嬉しさも格別ですが、お客様にあまりご足労願わなくても1回の仮縫いで100%お渡しできるようになりたいです。その他、いつも気にかかっている靴も何足かありまして、時間を見つけてはベストな状態に持っていく為にはどうしたらよいのか?。。。。と本当に課題多し。作りたいサンプルも沢山ありますし、とにかく日々勉強。まだまだ私の冒険は険しさが続きます。
そんな気分で、昨日は仕事後大好きな友人達とJAZZ BARでライブ&忘年会があり、今年1年の溜まった”負”を吐き出そう!と思っていましたが、私のギターライブは散々でした(とほほ。。。)かなりくじけて、ギターはもう辞めようかなと。。。(苦笑)。”負”を発散できずに、更なる”負”を背負って帰りました(泣)。ま、仕事のストレスを他で発散しようとしたのが裏目に出たのでしょうね。仕事のストレスは仕事でしか発散できないよな~としみじみ。仕事と趣味って絶対違う位置にあって、仕事でくじけても本気で辞めたいとは思わない。上手く行き過ぎているときの方が引退の事とか妄想します(笑)。仕事では絶対挽回しないと今までの積み重ねが水の泡になってしまうので、何が何でも挽回したい。挽回できるともっともっと向上したいって欲が出ます。やっぱりね、靴作りは上手くなりたいもの。いい靴作りたいもの。益々靴作りに来年も没頭します!!(今年は29日まで仕事だから、年内は最後の力を振り絞ります。)
お世話になったお客様方、慣れ親しんだ家族のような生徒の皆様、新顔でまだ敬語を使う生徒の皆様、細かい事等話し合え、情報交換をして頂き、いつも刺激を下さる職人仲間の皆様、いつも私の無理難題にお付合い頂いている革屋さんや工具屋さん、資材屋さん、私のわがままにいつも振り回されているのに、着信拒否をしないでまだ友達でいてくれる友人の皆様。皆様のおかげで今年も沢山の楽しみと感動を与えて頂きました。本当に感謝しております。どうぞ来年も宜しくお願いいたします。皆様のご多幸をお祈りいたします。どうぞ良いお年をお迎え下さいませ。
今年最後
毎年毎年、1年が過ぎることの早いこと早いこと!そんなことを言ってたら、母が『ほら、年取ると動作がゆっくりになって、機敏な若い子より時間をいっぱい使うから早く感じるのよ~』と、(!!)本当なのか?本当にそんな理由なのか?母よ!!私はそんなにスローに動いていたのか????
理由はともかく、年末です。ジタバタしても、年末です。お教室は年内残すところ後一週。土曜日の普段の教室は終了しましたが、皆さん満足できる所まで進みましたでしょうか?一足目を作っている人達は、一つ一つの工程が新鮮で難しい事ですので、時間が掛ってしまいますし、何年も教室に通って下さってる生徒さん達は『早く作ることより、良く作ること!』を念頭に置くようになってきますので、復習と上達を兼ねてどうしても時間は掛かってしまいます。何度も何度も練習して、本番でよい出来になるように、コツコツと頑張っています。なんだか、毎週毎週同じ姿勢で同じ工程を行っている生徒さんを見ると、”デジャブか?”と思ってしまいますが(笑), テグスを加工して針を作り、それに自分で縒った麻糸を巻きつける工程で何度も何度も巻き直しては糸が針から外れてしまったり、糸と針の調子が良くても、穴をあけるオールが折れてしまったり。。。毎クラスハプニングは堪えません。でも、生徒全員が失敗の経験はありますので、オールが折れる音が部屋に響くと『あ~惜しかったね!あと数針だったのにね~』などと言い会いながら、クラスの団結が深まっていっているように思います。失敗で得られることは大きいですから、明るく失敗し、来年への目標を考えながら今年最後の教室も頑張って行きましょうね。
さて、12月26日(土)13:00~17:30 黒木氏によるパターン講座です。今回はダービー・パターンの作り方です。しかも、バックシームレスとU-チップのデザイン。このデザインは私が受けるオーダーでもかなり多いデザインですが、パターンの作り方は本当に色々ありますので、知識を増やす為にも、基礎を固める為にもしっかり覚えて貰いたいと思います。作ったパターンを立体として理解してもらえるように、革を裁断し、簡単につなぎ合わせるところまで進めば良いかな。。。と思います。とりあえず、時間内に進められるところまで頑張って行きましょう!
当日は黒木氏が持参して下さるデザイン・スタンダード4枚を皆さんで順番にコピーして頂き、パターンを展開していきたいと思いますので、早く来た方からすぐに作業を初めて頂き、途中に「ティーブレイク」を挟んで、黒木氏が用意して下さっている(ありがたいです。。。)イギリスのお土産争奪『あみだ大会』(今年2度目!!)を開催したいと思います。今年は忘年会ビンゴがないので、黒木氏が残念がって企画して下さいました!!パターンを切りながら、少しイギリスの風を感じて楽しんで下されば幸いです。
参加者は以下の持ち物を持参して下さいませ。
・紙を裁断する用にカッターナイフ。(またはクリッキング・ナイフ)
・シャープペンシル(0.5mm、持ってる方は0.3mmが好ましいです)
・消しゴム
・定規
・目打ち
・銀ペン
目打ちと銀ペンをお持ちでない方は教室にも数本ありますのでお使い下さい。また、パターンカッティング&クリッキングには必要な物ですので、欲しい方には当日販売も致します。お申し出くださいませ。
ワークブーツ
山あり谷ありのスピードが速く、まるでジェットコースターに乗っているようなテンションの日々。来週辺りから忘年会の予定がいくつも入っているので、荒れるんじゃないか、私?と心配ですが(笑)、平坦な日々より波乱万丈の方が面白いですね。とりあえず気持ちは穏やかに保って、良い事があっても付け上がらないように(笑)、悪いことがあっても”学び”と思い、良い方向に持っていこうと思います。
さて、先週は頭の中がワークブーツの事でいっぱいで、『FREE&EASY』のブーツ特集号数冊を生徒さん達に見せながら、ワークブーツへの熱き思いを語っていたら、今週は見事に沢山の生徒さん達が汚くかっこよいワークブーツを履いて来ていました(笑)。もう、生徒さん達の乗りの良さが大好きよ!
『FREE&EASY』ブーツ特集の良い所は、トコトン履きこまれて、汚く泥だらけのブーツも載っているところで、人が生活する上でしっかり履き込まれたブーツのかっこ良さが沢山載っています。新品のワークブーツってゴツくて堅そう。。。なだけなんだけれど、履きこまれると履いた人間の荒さや男っぷりがもろに出ます。ワークブーツを丁寧に磨いて新品のように保っているのってかなり野暮。手入れは大き目のブラシで床を掃除するかのごとく、ダッダ!と汚れを落とし、その辺に(作業場とか。。。妄想)落ちている汚いタオルまたは古新聞にミンクオイルを荒くつけて擦ってお終い。って感じで充分すぎるでしょう。でも、こっそりヒールの取替えはちゃんとしてる。。。みたいなのがラギットじゃない?(笑)
なぜ、今、大川はワークブーツなのか?別に毎日ドレス・シューズを作っていて飽きたって訳では決してなく、私の仕事靴が荒れる荒れる。。。で、足元が汚くなる作業中はスニーカーを履いていたりするのですが、スニーカーは靴紐を結び直さず履けるので楽ですし、汚れてもジャブジャブ洗えますが、足が疲れるし、革底靴に比べて蒸れるし、いい加減卒業したい。最近益々スニーカー嫌い。
靴作りはかなり汚れます。ソリッド削っておが屑まみれになり、プラ木型を削って屑まみれになり、アッパー作ったり底付けしたりで、革の屑にまみれ、インクを靴の上に落として『あ~!!』と大声を出し、シューツリーを削って最後のおが屑まみれ。。。。ワークブーツが必要です。とこトン私の男っぷりが出せる汚くカッコいいワークブーツが!!て訳で、現在目の前の仕事の山をコツコツ仕上げながら、ワークブーツとドレス・シューズの違いや、素材を考えてみたり、私だったらどのようにワークブーツを作ろうか?と思案しています。勿論、自分が履いてみて良い物だったらお客様にもお勧めできますし、本気を出して来年はワークブーツ・プロジェクトだ!!今までと用途の違う靴作りをすると、きっともっとドレス・シューズの良さも再発見できると思いますし。ワクワクです。無精ひげでも生やしたい気分です。私がサンプル靴を作るときのイメージ・キャラクターは勝手にジュード・ロウですが(笑)、ワークブーツを作る時は、スティーブ・マックイーンだな~♪
緊張と弛緩
ご無沙汰しております。師走。。。。師走。。。。今年のラストスパートに入り、毎日の仕事も1時間単位で計画立てて、一分一秒を無駄のないようにしたいと思っています。時計を一分間じっと眺めてみると分かるけれど、1分間って結構長い時間です。ゲームなどやっているとやたらと短い時間だけれど、1分間を大事にするとだいぶ生活が変わってくるように思います。無駄のない時間の使い方はとても充実して、ぐっすり眠れる。その代わり、仕事で一分一秒を大切にして根詰めて作業していると、家に帰った後、反動で緩みがひどいです。家でまったく頭も体も動きません。。。(とほほ)。緊張と弛緩のバランスを取れるようになりたいです。
さて、12月26日(土)は13:00~17:30まで黒木聡氏によるパターン講座開催です。この日は午前のクラスもお休みにして13時からの講座に備えますので、どうぞ宜しくお願い致します。途中、イギリスっぽく『ティー・ブレイク』を挟んで黒木さんへの質問なども出来るようにしたいと思いますので、パターンのこと、デザインのこと、F1のこと(笑・F-1についてかなり詳しいです)、イギリスで靴の企業で働くこと、などなどお聞きしたいことなども沢山あると思いますので、尋ねてみちゃいましょう。
それから、今年の忘年会は残念ながら開催できません。。。(涙)今年は生徒の人数がかなり増えて、とても工房には入りきれませんし、貸切でどこか借りるにも70人近く入れるところは近所になく。。。楽しみにしていた生徒さん達、本当にごめんなさい。忘年会ないと寂しいですね。。。。とりあえず、パターン講座の後、ちょっと講座受講者さん達とちこっと乾杯ということで、一年を締めくくりたいと思います。
とりあえずひさしぶりのブログですが、現在家で弛緩状態ですので(笑)これ以上無理。。。。皆さん、お教室で!
SUSPICION SQUARE
11月28日(土)の午前のクラスのみお休みです。午後のクラスは通常通り行いますので、お間違えの無いように宜しくお願いいたします。
もう一台ミシンが増え、工房内の配置移動を行いましたが、若干広くなりミシン周りが動き易くなってホッとしました。現在、鉄と木材からなら何でも作りだしてしまう家具職人の友人が、BWS工房をまとまりのあるカッコいい工房へ変えよう!企画に取り掛かり始めてくれました。東京MODS時代べスパを乗り回し、MODS PARTYの常連だった仲なので、好みも通じ合うのが嬉しいです。30畳ほどのスペースで教室と工房兼SHOPを営業しているので、物は溢れかえっているし、SHOPとしてどうなのよ?と悩みの種でしたが、流石に本職、沢山のアイデアを出してくれて、カッコいい家具を作ってくれるとのこと。乞うご期待!
先週行われた鈴木先生の講義は『非常に勉強になり、面白かったです!』との意見を沢山頂き、今後も”ただ靴を作る”のではなく、BESPOKEの意味と、靴の核となるものを追求していきたいと思います。靴を作れる人は日本じゃ溢れかえっていますが、足を見れて木型が作れる職人は本当に少ない。良い木型があってのBESPOKEですもの。木型を成熟させる為にも、足をもっともっと知りたいですね。
話は変わって、木型作りをしている生徒さん達は、現在チゼル・トウを製作中が数名おります。一般にスクウェアな輪郭で、爪先に向かって流れるように落ちていくつま先の形を言いますが、この形も一通りではなくラウンドと同じくらい色々とあるのですが、イギリスでは俗に『Cleverly Shape』(クレバリー・シェープまたはクレバリー・トウ)と呼ばれるGEORGE CLEVERLEYお得意のシェープが有名ですが、あくまでクレバリー・シェープはクレバリーで作るものですので、他のイギリスの年季の入った職人内(特に英ロブ・笑)では、『SUSPICION SQUARE』と呼ばれています。名前の通り”若干スクエア”なトウシェープです。『CHISEL』ってのは彫刻するって意味があるから、チゼル・トウと言われると、イタリア製や日本製で見られるかなり角ばっている形の事だと私は思ってしまいます。あれはあれでカッコいいですが、あまりに角のある靴は洋服や体型を選びますので、あまり似合っている人に会える機会が少ないです。イギリスのクラッシックな、『SUSPICION SQUARE』は四角い中にも丸みがあるので、着る服を邪魔せず、長年愛用できる美しいデザインです。何故か尖った形や角ばった形は流行に左右され易いので長く履きたい方の場合は、なるべく丸みをつけるように作ると良いと思います。この辺の木型を作る場合、先端の幅を決める事と、爪先への落ち具合加減が重要ですが、靴となったときのラインより木型のラインの方がシャープに作らなければならないので、出来上がった時のイメージをしっかり持ったうえで、そのイメージからアッパーの革、ライニングの革、先芯の厚さを差し引いたシェープを木型で作る為に想像力も必要です。。大変だけれど、1足は欲しいですよね。
他にチゼルは履きたい靴じゃないけれど、なんとなくスクウェアっぽいのが一足欲しい。って場合には、木型はラウンドでウェルト(コバ)を爪先だけスクウェアにするってのがあります。これは私はかなり気に入っていて、本日履いているZIP BOOTSがそうなのだけれど、飽きないしかなり好き。靴は爪先だけでも色んなことが出来て、靴の表情を変えられるから、いろいろとチャレンジして自分だけのSPECIALな一足を作りましょうね。
鈴木先生講義 と黒木氏講座
昨日はシューベルペドーシックサービスのペドーシストの鈴木先生(http://www.ibscorp.co.jp/ )をお招きして、講義をして頂きました。鈴木先生の豊富な知識、まだ日本では解明されていなかった、足と靴に関する問題の解決法や、足の問題の根本原因などについて5時間に渡っての貴重な講義でした。『なるほど~』と頷いている人達も多く、特に自分の足に問題を抱えている人達は、自分の足の原因がだいぶ理解できたのではないでしょうか。
外反母趾などで足に強い痛みを抱えていて、病院へ行き外科手術をすることの危なさ、定期的にタコやウオノメを切り取ったりすることは、根本の原因を踏まえていないから施されてしまうことで、根本の原因を解消しない限り、足や生活にダメージを与えるだけで、再発を繰り返すことになってしまいます。骨を正しい位置に修正しながら歩けるように、靴で行えることがとても多く、また靴の重要性も今まで以上に感じました。先生の実践講義では、生徒をサンプルに足の問題を見て頂き、腰と肩の位置の曲がり具合、それによりその人の背中や肩の痛む部分をドンピシャで当ててしまうのには驚く限りでしたが、”足”だけを見るのでなく、体全体の骨を見ていかないといけませんね。
それから、モニターとして先生に足の問題を見て頂いた生徒さんは私も前から履いている靴と土踏まずの落ち方が気になっていたのですが、やはり踵に芯の入っていないフニャフニャ靴は良くないですね。足に痛みを感じてししまう人は足に靴が当たるのを避ける為に、やたらと柔らかい靴とは言いがたい、足の”包み物”を履いている方がいますが、踵をしっかり押さえないと足の歪みを益々助長してしまうことになりますので、ちゃんとした靴選びは非常に重要です。モニターさんは先生から足定板をプレゼントして頂けることになり、木型のみで支えを作るのは非常に難しい足を持った生徒さんですので、良かったな~と。
私は講義の後、夜中まで工房で講義の内容を整理しながら、今後の靴作りに如何に生かすべきかを検討していたのですが、靴作りは生涯勉強だ!と強く感じております。先生もおっしゃっておりましたが、日本の靴と足についての知識も技術も大変遅れております。専門家が異常に少ないこと、勉強できる機関自体が勉強不足なこと、卒業しても実践できる人がいないこと、靴と足に関する認識の低いこと、間違った知識が横行していること。。。日本の靴はまだまだ発展途上です。日本の”靴と足”関係の制度や資格がいたる方面に中途半端に向いているので、なかなか発展するには難しい状況だとも思います。もっと国家資格レベルで解剖学からみっちり学べる機関を作らないと歩きの為に生活に支障を来たす人々を救うことは出来ないと感じますが、鈴木先生をはじめ、日本で数人しかいないペドーシストが増え、もっと日本に足と靴に関する知識が広がることを希望しますし、我々木型から作るビスポーク職人もその知識を木型形成に役立てて、一人でも多くの人の足と歩きと生活の助けが出来ればと思います。
また鈴木先生をお招きして、より良い歩きが出来るように、より良い靴が作れるようにもっともっと学んでいきましょう!鈴木先生、本当に貴重なご講義どうも有難うございました。
さて、来月の12月26日はレディーメイドのジョン・ロブから、プロダクト・デベロップメントを担当している黒木聡さんが来日し、”パターン講座”を開催して下さいます。如何に美しい靴にする為に型紙を作るかを教えて頂きます。
現在レディーメイドのジョン・ロブで発売されている2009年イヤーモデル
こちら参照→http://www.johnlobb.com/
このパターンが凄い!!先のHPの”ビデオ”をクリックするとパターンの実態が見れるのですが、さすがジョン・ロブ!!と今回は唸りました。黒木さんから『頭の体操』にどうなってるのか考えてみて!とメールを頂きましたが、かなり面白いです。発想も面白いし、一枚革で最小のパターンでこれだけのデザインができるってのは本当に凄い。オックスフォードの基本をしっかり踏まえたうえで、オックスフォードのパターンを根本から壊してこれだけ美しいラインを生み出している。『デザインする』とはこういうことだ!と教えて貰った気がします。
木型もデザインも靴作りも、幾らでも新たな可能性があってやりたいことも尽きないです。”小さな靴”に込められることの大きさ。靴作りはたまらないです。周りの人々に刺激を受けつつ、一歩一歩成長し、最大限の事を思いっきり靴に入れ込みたいです。