工夫 | ”Benchwork study Laboratory" 英国式 靴作り教室

工夫

2月21日(日)の『特別パターンレッスン』は受付を開始した金曜日に定員に達し、土曜日のクラスの人達が『教室内で言えば大丈夫かと思った』。。。と、参加できない人達が多かったですので、年内中にもう一度同じ企画を行いたいと思いますので、参加漏れしてしまった生徒さん達、どうぞお許しを。。。


 今回のパターンレッスンは教室の生徒以外の方からも、驚くほど多く参加希望のメールを頂きましたが、教室内の授業の一環として行っており、スペースの問題と私の目の届く範囲内での授業になりますので、生徒以外からのお申し込みは、申し訳ございませんがお受けできませんこと、どうぞご了承願います。


 それから、諸事情により2月21日から2月28日(日)に変更致しましたので、参加者の皆さまどうぞ宜しくお願い致します。


 金曜日のクラス中に親指を深く切ってしまった生徒さんがおりまして、すぐ近所の病院へ行き戻ってきましたが、7針縫ったそうです。鋭いナイフを使用しておりますので、本当に生徒の皆さま気をつけて作業を行ってくださいませ。教室内でのちょっとした流血は毎回のようにありますし、生徒達も手慣れたもので、騒ぎもせず淡々と絆創膏を手際よく貼っておりますが、ちょっと手元が狂うと病院行きになりますので、ナイフを握っているときは特に慎重に注意して下さいませ。M山さん、早く傷口が治りますように!


 

 さて、本日は木型の原型であるソリッド作りを1日しておりましたが、制作中のお客様のソリッドの小さいこと!本当に可愛らしい小さな足で、サイズを測ったら子供サイズ12インチでした。私の足も実寸は21.5センチでかなり小さいのですが、私の木型よりも一回りは小さくて、新鮮で楽しかったです。小さい靴を作るのって簡単そうに思われますが、これがなかなか難しい。木型が小さいと押さえにくく、持ちにくい。普段作っている靴は25.5センチ位が一番多いので、慣れないサイズは腿の上に固定しづらく、大きさに慣れて調子が出るまでに時間がかかります。逆に29センチ等の大きな足の場合は、それほど持ちにくいことはないですが木型が重いので、筋トレになります(笑)。それから、出し縫いのステッチがいくら縫っても終わらないので、途中心細くなってきたりします(笑)。


 人の足の大きさも形もサイズも全員違い、それぞれの個性を持っておりますが、お客様によってその“個性”を活かすのか、隠すのか、のご希望も違います。


 足の横幅に合わせて、ゆったり丸目のラウンドのトウ・シェープをご希望の方もいらっしゃれば、横幅の広さを目立たなくする為に捨て寸を長めにとって、細く見えるようにご希望される方もいらっしゃいます。足が小さめなのでなるべく大きく見えるようにご希望された場合は、ウェルトを幅広めのスクウェア・ウェルトにして、サイドライニングも厚めの革を入れるようにして全体的にボリュームを出すようにしたり、また、足を小さくエレガントに見せたいとご希望のお客様には出来るだけウェルトを絞って、芯材も薄めの革を使い、ウェルトも薄めの厚さのものを使ったり、ソールもエッジだけ薄くして、ソールの履き心地や耐久性を損なわず、見た目だけ華奢に見えるようにボリュームを減らしたりします。外反母趾の骨を目立たなくする工夫は昨年沢山行いましたが、一足、デザインを書いている時にお客様が、出っ張った骨がどんなものが当たっても痛いので、いっそのこと、骨の部分に革が当たらないように”くり抜く”ってどうでしょう?ってアイデア出て、パンプスの履き口の左右にくり抜きをストラップと組み合わせてデザインをしてみたら、骨には当たらないし、デザインも可愛らしいくなり、かなりイケます。これなどは、外反母趾という”個性”をいかしたデザインですね。


 毎足毎足、履き手のご希望と足に合わせた靴のデザインを1から作りだすには、木型での工夫、パターンでの工夫、材料選びでの工夫、底付けの製法の選択並びに各工程での工夫が必要です。

この『工夫』は、”経験”と”技術”と”知識”と”感性”の結晶のようなものだと思います。だから、生徒さん達には『失敗してもいいから、失敗したらその理由を考えてみて!』と、しつこく質問したりしますが、失敗を失敗のままにしてたら、とてももったいないことで、失敗の理由を理解すれば、”経験”と”知識”が増えます。失敗を一つ克服すれば、一つ”技術”が上がります。”感性”は人それぞれの日常の感動がその人の体内に蓄積されたものだと思いますので、日々美しいものや感動に触れて、どんどん自分の細胞に吸収して増やしていければいいですね。”工夫”がどんどん思い浮かぶようになったら、靴作りはもっともっと楽しくなりますよね。靴作りだけからでなく、色々な日々の経験が靴作りに生かせる”工夫”を生むこともあります。どんどん積極的に人生を楽しんで、靴作りに活かしましょうね!!