(臨時営業)Denis O'Bell こと Denis O'Dell(デニス・オーデル)死す
2022年1月3日(月) 子供の頃、1月3日という日は、祖父母と一緒に蒲田や川崎(後に有楽町や浅草)に映画を見に行く特別な日だった。 1970〜80年頃には正月三が日の間はほとんどの商店が閉じていて、映画館も1月3日が年始最初の開館日だったはずである。 だからその開館初日に正月映画を見、映画館の周辺でちょっと豪勢な食事をするというのが、祖父母と何人かの孫たちとの年に一度のイヴェントになったのである。 そうした習慣がいつから始まったのかはっきりした記憶はないのだが、映画館に見に行った最初期の映画の1本がブルース・リー主演の「燃えよドラゴン」(1973年12月公開。上のポスターはリヴァイバル時のものか?)だったから、もしかしたらこの時(つまり1974年1月3日)が最初だったのかも知れない(もっともこの映画を祖父母と共に正月に見たのか、それとも後になって祖父と2番館のようなところで見たのか記憶は曖昧である)。 祖父母と一緒に見に行った記憶が明確に残っている最初期の映画は角川映画の「犬神家の一族」(1976年11月公開)で、果たして年明けまでの長期間、上映されていたかは不明なものの、祖父母と孫たち(この時は私と1歳下の従妹)とで新年に映画を見に行く習慣がこの時に始まった可能性も棄てきれない(ただしこの映画は年明け早々に家族で見るには相当陰惨な内容ではあるが)。 1974年と1977年では時間的に開きがあるものの(私の年齢は6歳から9歳)、ともあれ高校を卒業する頃まで、この習慣は続いていくことになる。 上記の通り、映画を見に行く場所も蒲田や川崎という祖父母の家にほど近い場所から、次第に有楽町や銀座、浅草などに変わって行ったのだが、年に1度という特別な機会ということもあってか、映画を見た後で食事に行く店の格も少しずつ上がって行って、最後の何年かは、銀座にある某老舗ステーキ屋で分厚いステーキを食べるのがお決まりのコースだった(それは私たち孫にとっては、まさに年に1度きりの豪勢で特別な食事だった)。 祖母はそれから程なくして病を得て70数歳で亡くなり、祖父もさらに十数年後に80代で世を去った。既に高校に入った頃から祖父などとは映画の好みも合わなくなり、他にめぼしいものがなくて「男はつらいよ」などを見ることになった時には、既に映画通を気取っていた私はブツブツ文句を言ったりしたものだが(そのせいもあって、それ以前から我々孫チームにとってこのイヴェントの目的は、祖父母とお出かけすることよりも豪華な食事の方に重点が移ってしまっていた)、歳をとるにつれて「男はつらいよ」シリーズを見て涙を流すようにすらなった自称「元・映画通」の中年オヤジである今の私は、遠からず永遠に訣別することになる祖父母に対して、もっと鷹揚かつ親切に対すべきだったと、「先立たない」後悔を抱いているところである。 今更ながらだが(そして年始早々だが)、亡き祖父母の冥福を祈りたい。RIP. 今日は2019年6月に死んだ亡き愛犬(最初の写真と上の動画)の月命日である。 先月に続いて今回も動画をアップしてみたのだが、最後にちょっと見上げるようにチラッとこちらを見るおどおどした視線や、そのすぐ後でペロッと舌を出す姿を目にすると、私は写真を漫然と眺めている時以上に、愛犬の体の感触や匂いをありあり思い出して無性に抱きしめたくなり、いつかどこかで愛犬に再会することを心の底から熱望するしかないのである(動画のあちこちにシミのような黒い影があるのは、オンボロカメラの内部レンズの汚れ)。 そして今もどこかで(願わくは私たちのすぐそばで)、愛犬がこうして元気にチョコチョコと走り回っていることを強く願うのみである。RIP. これまた年明け早々から何だが、訃報を1件(敬称略)。 と言っても、ほとんどの人が(実は私もだが)「それって誰?」と疑問を浮かべるに違いない人物の訃報である(日本でも主要メディアではその死はまったく報道されていない)。 英国の映画プロデューサーであるデニス・オーデル(Denis O'Dell。2021年12月30日死去、享年満98歳。上の写真)。 私がこの名前を目にして思わず反応したのは、ザ・ビートルズのシングル盤「レット・イット・ビー」(上と下の写真)のB面に収録された極めて風変わりな曲である(と同時に私が個人的に最も好きな曲の1つでもある)「You Know My Name (Look Up the Number)」(★)の中で言及される人物名「Denis O'Bell」が即座に思い浮かんだからである(同曲の歌詞は本記事の最後に)。《★https://www.youtube.com/watch?v=iZndVv-jl-U ステレオ拡張版https://www.youtube.com/watch?v=iMhKWOP6EZQ)》 このデニス・オーデル(これが本当の名前)、1964年にリチャード・レスターが監督した「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ! (原題:A Hard Day's Night)」でアソシエイト・プロデューサーを務めたのを皮切りに、やはりリチャード・レスターが1967年に撮った「ジョン・レノンの僕の戦争」(原題:How I Won the War)でもアソシエイト・プロデューサーとなった上、同年末に英国BBC等で放送されたテレビ映画「マジカル・ミステリー・ツアー」でも共同プロデューサーを務めるなど、ザ・ビートルズと深い関わりのあった人なのである(下でも触れているが、その後アップル・コーなどザ・ビートルズが設立した企業でも取締役や代表を努めている)。 他にこの人が製作を担当した作品では、マイケル・チミノ監督の(興行的に歴史的大失敗をした)「天国の門」(1980年、製作総指揮。上の写真)やピーター・セラーズやリンゴ・スターが出演した「マジック・クリスチャン」(1969年、プロデューサー。監督はジョゼフ・マクグラス)があり、とりわけリチャード・レスター監督とは「Petulia」(1968年、アソシエイト・プロデューサー)や「ジャガーノート」(1974年、アソシエイト・プロデューサー)、「ローヤル・フラッシュ」(1975年、プロデューサー)、「The Ritz」(1976年、プロデューサー)、「ロビンとマリアン」(1976年、プロデューサー)、「さらばキューバ」(原題:Cuba、1979年、製作総指揮)など多くの作品で製作を手掛けている。 昨年から配信の始まったピーター・ジャクソン監督の「ザ・ビートルズ:Get Back」の元となったテレビ映画用映像を撮影するために、ロンドン郊外にあるトゥイッケナム・スタジオを借り受けたのも、このデニス・オーデルだったそうである(「ザ・ビートルズ:Get Back」冒頭部のイントロダクションの中でこの辺りの経緯が紹介されており、デニス・オーデルはこの作品でスーパーバイジング・プロデューサーとしてクレジットされているだけでなく、作品中にも何度か登場している)。 デニス・オーデルは2003年に、ザ・ビートルズのメンバーとの思い出や、彼ら4人が設立したアップル・コー(Apple Corps Ltd.)やその傘下アップル・フィルムの取締役や代表を務めた当時を回想した「At the Apple's Core: The Beatles from the Inside」(上の写真。題名のCore=核、中心は、同じ発音のCorpsにかけている)という回想録を出版している。 https://www.amazon.co.jp/At-Apples-Core-Beatles-Inside/dp/0720611164/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=At+the+Apple%27s+Core%3A+The+Beatles+from+the+Inside&qid=1641181250&sr=8-1(この本の紹介文によれば、デニスはザ・ビートルズのメンバーたちが1968年にインドのマハリシ・マヘーシュ・ヨギのもとを訪れた際にも招待されたとのことである) 正直なところ、私は今回の訃報に接するまで「You Know My Name (Look Up the Number)」という曲で Denis O'Bell という名前を聞いたことがあっただけで、そのモデル(?)であるデニス・オーデル本人のことは全く知らなかったのだが、これを機にインターネットなどでこの人に関する情報を調べてみようと思っているところである(上記の著書もいずれ読んでみたいのだが、果たしてどうなることやら)。 ともあれ、この人の死を悼み、冥福を祈りたい。RIP.★「You Know My Name (Look Up the Number)」の歌詞(ただし聞き取り不能な箇所あり)You know my name, look up the numberYou know my name, look up the numberYou, you know, you know my nameYou, you know, you know my nameGood evening and welcome to Slaggers, featuring Denis O'BellCome on Ringo(Good evening) here we goLet's hear it for Denis, ha hey (Good evening)You know my name, better look up my numberYou know my name, that's right, look up my numberYou, you know, you know my nameYou, you know, you know my nameYou know my name, ba ba ba ba ba ba ba, look up the numberYou know my name, ha, that's right, look up the numberOoh, you know, you know, you know my nameYou know, you know you know my name,ha ha ha haYou know my name, ba ba ba bam, look up the numberYou know my name, look up the numberYou, you know, you know my name, babyYou, you know, you know my nameYou know, you know my nameYou know, (Oh let's hear it) you know my nameGo on Denis, let's hear it for Denis O'Bell, ha(My name)You know, you know you know my name(You know my name, you know my number)You know, you know you know my name(You know my number, you know my number)Prr, prr, you know my name, look up the numberYou know my name, look up the number(Me number)You know, you know my name(You know me name, look up the number)You know my name(You know my name)You know(You know my number two)You know my name(You know me number three)You know my name(You know my number four)You know my name, look up the number(You know me name)You know(You know me number two)Look up the name(You know me name, you know me number)(What's up with you? ha)(You know me name, that's right)Yeah(以下意味不明のうなり声など)