2021年12月27日(月)

 映画鑑賞の備忘メモ第8弾は、故・森田芳光の監督作品と、故・松田優作の主演映画&ドラマを何本か。

 

 まずは森田芳光監督作品から。

 

 

・「それから(1985年)」(森田芳光監督) 3.5点(IMDb 7.0) 日本版DVDで再見

 予告編 (長いヴァージョン) https://www.youtube.com/watch?v=FKNuUPT1e8o

 (短いヴァージョン) https://www.youtube.com/watch?v=2QoZhP907Lc←削除されリンク切れ

 

 

 初見時にたちまち魅了された映画で、それまで「の・ようなもの」や「家族ゲーム」を撮っていた森田芳光が漱石の原作を見事に映画化しえているのに良い意味で驚かされたものである。梅林茂の音楽も素晴らしく(★)、今作がなければ後のウォン・カーウァイの「花様年華」もなかったかも知れないと言えばさすがに言い過ぎだろうか(個人的には勝手にそう思っているのだが)。

★ メインテーマ https://www.youtube.com/watch?v=dWNezqzb3GA

  OST全編 https://www.youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kyIv0sgshO_gozMrOJZydnBppWIbTA-Yc

 

 

 松田優作に藤谷美和子という、おそらく森田芳光以外には誰も考えつかなかっただろうキャスティングも奏功して極めて純度の高い恋愛映画として結実しており、すっかり枯れ果てて「惚れた腫れた」にとうに興味を失ってしまった中年オヤジの私でさえも、思わず引き込まれてしまう。初見時以来の思い入れを込めた上で、恋愛映画の傑作だと断言したくなる作品である。

 そして今作で使われている台詞の多くは確か漱石の原作通りだったはずで、「こころ」や「行人」は愛読していたにもかかわらず、森田監督版の映画を初めて見た当時は恥ずかしながら私は原作の「それから」を読んでおらず、映画鑑賞後慌てて読んでみて漱石の原文が活かされた筒井ともみの脚本にも感心した。

 しかも登場人物たちの台詞を始め、漱石の文章が少しも古びていないことに驚愕したものだった(再確認のために、近いうちに原作を再読してみたいと思うが、積ん読本が溜まりに溜まっているので、いつになることやら)。

 

 

 私は映画やテレビの映像や音声の質に余りこだわらない方なのだが、それでも今作はDVD化されたものでも画質はお世辞にも良いとは言えず、今夏亡くなった前田米造が映像を手掛けた作品であることもあり、是非4Kデジタル修復で本来の色調や明るさを再現して欲しいものである。

 監督の森田芳光はこの後どんどん変な方向に行ってしまい、かろうじて「(ハル)」(1996年)や「39 刑法第三十九条」(1999)などの佳品があるものの、「初期は良かったのに・・・・・・」と思い続けたまま、結局「家族ゲーム」や今作を超える作品を撮れずに、61歳という若さで死んでしまった(その後、以下の作品を見直してみて、「39 刑法第三十九条」こそが最高傑作だと思うに至った)。

 

 

・「家族ゲーム(1983年)」(森田芳光監督) 3.5点(IMDb 7.1) 日本版DVDで再見

 予告編 (長いヴァージョン) https://www.youtube.com/watch?v=k7Eqf6UTMNI←削除されリンク切れ

 (短いヴァージョン) https://www.youtube.com/watch?v=Z4OJlPn5xi8

 

 原作未読。故・森田芳光の(余り熱心な観客ではないものの)おそらくは最高傑作である(上記の通り、その後「39 刑法第三十九条」こそが最高傑作だと思い直した)。

 俳優たちの存在感もそうだが、主人公たちの住む川(海?)沿いのマンションなどのロケーションも素晴らしく、だだっ広い野原の夕景やマンションから見渡す遠景、松田優作の乗る船からマンションを遠く見上げるシーンなど、どれも目を惹く(キャメラは当然、前田米造)。

 

 今作で最も印象的な家族が横並びで食事をとる斬新な食卓風景(下の写真)や、父親役の伊丹十三の目玉焼きチューチュー(下の写真2番目。動画は→https://www.youtube.com/watch?v=OyyAr3KG3FE)、大事な話があるとわざわざ駐車場にとめてある自家用車まで行って話をする主人公夫婦(3番目の写真)など、ユーモラスでありながら当時の日本の家族関係や住宅事情などを的確に捉えたシーン満載なのも見どころである(上の目玉焼きチューチューの動画の中で伊丹十三が口にする「バット殺人」も、当時の殺伐とした親子関係を象徴する事件だが、今作を初めて見る若い観客たちにその意味が理解出来るだろうか)。

 

 

 

 こんなに固くちゃ、チューチュー出来ないじゃないか。

           大事な話は車の中で

 

 しかし同時代の風潮をいち早く捉えていただけに、この40年近くの間に風化・劣化してしまった部分もあり、初見時には5点満点で間違いなく4点は付けていただろうが、今となっては斬新さも薄れてしまい3.5点がせいぜいである。

 上の「チューチュー」シーンで夫に(目玉焼きの半なまの黄身をチューチュー吸って食べることが)「好きだったんですか」と素朴な疑問(あるいは当惑)を投げかけたり、夫に車中で話をしようと誘われるとウキウキ化粧しようとする(そして夫の伊丹十三に制止される)など、今作では「女優・由紀さおり」がとにかくチャーミングで可笑しい&可愛らしい(以下のサイトには「家族ゲーム」からの由紀さおりの魅力的な写真満載で、1枚拝借させて頂いた。多謝)

 https://sleepyluna.exblog.jp/17119780/

 

               このシーンでは実に真面目な顔つきで鼻毛を処理

 
 

 

・「39 刑法第三十九条(1999年)」(森田芳光監督) 4.0点(IMDb 6.8) 日本版DVDで再見

 予告編 https://www.youtube.com/watch?v=jXDdrtfgpzc

 森田芳光の最高傑作であり、ここ20年程の日本映画の中でも屈指の作品だろう。ただし唯一の瑕疵があるとするなら、鈴木京香と堤真一が法廷で精神鑑定のための対話を行う場面で、二人のやり取りを事前にあれほど完璧にシミュレーションすることは現実的にまず不可能であり、この点においてリアリティが欠如している点だろう。

 

 

 とにかく演出、脚本、撮影、音楽、演技のいずれにおいても間然として隙というものがなく、むしろ余りの密度の濃さに息苦しさを覚える程なのだが、しかし一方でこれほど純度の高い傑作を作り得た森田芳光という監督が、他の多くの作品において、観客を唖然・呆然とさせるようなとんでもなく拙劣な演出をたびたび行ったことが不思議でならない。

 

 

 映画評サイトなどを覗いていると、現実にこんな裁判官や弁護士はいないといった批判が少なくないのだが、フィクションにおいて現実そのものを描くことだけが「リアリティ」の表現ではなく、岸部一徳や江守徹、杉浦直樹、樹木希林、吉田日出子などの名優陣によって、現実以上のリアリティが確保されていると私は思っている。

 

 

 見終えた後に原作(永井泰宇)が存在することを初めて知り、そのうち読んでみたいと思っているところだが、今作の高い完成度は大森寿美男の脚本に負うところが大きく、原作がそれを凌駕する程の作品なのか興味深い。

 

 

 

 

・「(ハル) (1996年)」(森田芳光監督) 3.0点(IMDb 7.3) 日本版DVDで再見

 予告編 https://www.youtube.com/watch?v=x3PDJgc3x7Y

 

 初めて見た時にはもっと面白く感じた記憶があるのだが、歳をとって「惚れた腫れた」に全く興味がなくなったせいなのか(それでも上記の通り「それから」は恋愛モノでも気に入っているのだが)、森田芳光による脚本も良く出来た「良いお話」であるとは思うものの、それ以上の「なにか」がない不満も覚えてしまった。

 さらに深津絵里と内野聖陽演ずる主人公2人が余りに良い人過ぎて、ストーカー男や変わり者の妹などは出て来るものの登場人物間に真の葛藤がなく、単にほのぼのとした恋愛模様を漫然と眺めるには良いだろうが、どうにも物足りないのである。

 また、実はあの人はだれそれの妹でしたといった、偶然が偶然を呼ぶような場当たり的な設定もマイナス要素で、たとえ姉妹にするにしても、その関係性や出会いの仕方にもう少し工夫が必要だっただろう。

 さらに文字主体の映画を作ることに注力し過ぎたせいか、音楽は余りにテキトーで聞くに堪えない投げやり加減である。

 

 

・「阿修羅のごとく(2003年)」(森田芳光監督) 2.0点(IMDb 6.8) インターネットで視聴

 向田邦子原作、筒井ともみ脚本。

 どうしてもオリジナルのテレビ版と比べてしまうのは致し方ないのだが、各1時間弱×全7話のドラマ用に書かれた脚本を2時間強の映画に纏めるのが至難であることは理解出来るし、新聞投書の件などホロリとさせられる場面もあるものの、演出、撮影、演技、音楽等々、あらゆる面でオリジナルに遙かに見劣りするこのようなリメイク作品を見せられると、上の「39 刑法第三十九条」であれだけの演出の冴えを見せていた森田芳光という監督の、根本的な技量を改めて疑わずにいられなくなる(もっともこのドラマは私が過去に見たあらゆるドラマの中でも最上位の1本に位置する傑作なので、比較するのが酷といえば酷なのだが)。

 

 仲代達矢や小林薫、大竹しのぶ、桃井かおりといった芸達者たちが出演していながら(ついでに演技そのものは巧い訳ではないが、ドラマ版で次女役を実に魅力的に演じていた八千草薫も参加しているというのに)、いずれの俳優からもわざとらしく稚拙な演技しか引き出せていないのは演出が悪いからで、さらにドラマ版の宇崎竜童を真似たのだろう中村獅童や、常に白痴的な微笑を浮かべ続けている木村佳乃の奇妙奇天烈な人物造型などは、演技どうこう以前に(そしてユーモラスどうこう以前に)、無残としか言いようのない拙劣さである。

 

 音楽面でもブリジット・フォンテーヌの「ラジオのように」(https://www.youtube.com/watch?v=Tn_Nk_rAAaA)を漫然と繰り返すという工夫のなさで、そもそもこの曲自体がこの映画の雰囲気に合っているとも思えず、ドラマ版のトルコ軍楽(https://www.youtube.com/watch?v=ZXZMIC-Z-XA)が余りに強烈でこの作品そのものを象徴するような曲になってしまっているだけに、そうしたイメージを覆すだけの果敢さや冒険が必要だったはずである。

 

 という訳で、今作はあらゆる点において原作(ドラマ版の脚本)をものした向田邦子は言うまでもなく、ドラマ版の演出を担当した和田勉や高橋康夫などが持っていた才能やセンスが微塵も見られない駄作である。 

 

 

 続いて上記「家族ゲーム」や「それから」にも出演していた松田優作主演の映画とドラマを何本か。

 

 

・「探偵物語(1983年)」(根岸吉太郎監督) 1.0点(IMDb 6.2) インターネットで視聴

 予告編 https://www.youtube.com/watch?v=WA8rJmzXKsU

 

 「犬神家の一族」を皮切りに「人間の証明」や「野生の証明」、「蘇える金狼」、「戦国自衛隊」などまで劇場に出かけて見に行った角川映画ではあるが、薬師丸ひろ子や原田知世、渡辺典子などのチャラチャラしたアイドル路線には全く馴染めず、劇場はもちろん、その後のテレビ放映などでも一切見て来なかった。

 だから今作も公開から40年近く経って初めて見てみたのだが、やはり見る価値がなかったことを再認識しただけである(同じアイドル路線でも先日採り上げた相米慎二のような例もあるので、要は監督や脚本家の力量や器量次第なのだろうが)。

 

 

 赤川次郎の原作は読んでいないし、これからもおそらく読まないだろうが(実はAmazonのKindleで安くなっていて読もうかどうか迷った末に今作を先に見てみたのであるが、映画を見たら読む気が完全に消え失せた。ただし私は赤川次郎という作家を決して低く見ている訳ではない)、少なくともこの映画を見る限り探偵モノとしてはお話にもならないプロットであり、恋愛モノとしてもやはりお話にならない幼稚で無内容な作品でしかない。

 同じ松田優作が出ている「野獣死すべし」などとは対極にある超甘々映画だが、本質的には若い女性に対する馬鹿げた妄想(とりわけ時代遅れの処女信仰)に満ち満ちた中年オヤジ目線のスケベ映画であり(もっとも主人公の薬師丸ひろ子は最後まで清純派路線で、秋川リサや坂上味和といった助演陣が代わりにヌードや濡れ場を務めている)、一言で言って完全に視聴時間の無駄だった。

 

 

 以下は「ザ・ベストテン」で主題歌を披露している薬師丸ひろ子(歌唱は口パクか? 実際に歌っているようにも見えるが、だとすれば薬師丸ひろ子の歌唱力はかなり高い)。後に自殺してしまったアナウンサーの松宮一彦が薬師丸ひろ子と松田聖子を取り違える凡ミスをしているのがご愛嬌。 

 https://www.youtube.com/watch?v=ahvFT90c7nE←削除されリンク切れ

 

 

・「熱帯夜」(1983年のテレビドラマ。脚本:早坂暁) IMDbやCinemaScapeにも点数なし。採点するとすれば、5点満点で3.0点。

 日本版の「俺たちに明日はない」(Bonnie and Clyde)を気取ったつもりだろうが、主演の松田優作と桃井かおりはブッ飛んでいて魅力的なものの、リアリティという点では全く嘘っぽい作りになっていて、結末にしても丸腰で無抵抗の犯人を警察が射殺するという非現実的なもので、もう少し工夫が出来なかったのかと呆れるしかない。

 

 

 宇崎竜童の音楽はいつもながらに素晴らしく(今更ながらだが、この人と阿木燿子の夫婦コンビが日本のドラマや映画に果たした音楽的な功績はもっと評価されるべきだろう)、桃井かおりがドラマの中で歌う歌はどれもどこか憂いを帯びていて魅力的である(演技のみならず歌にも抜群にセンスがあることが分かる)。

 どうでも良いことだが、後に実生活で松田優作の義姉となる熊谷真実が松田の妹役でケーシー高峰演ずる中年男と結婚する設定なのだが、実に可愛らしいのに驚いた。

 これまたどうでも良いことだが、「熱帯夜」という題名にもかかわらず、多少暑そうな場面が最初にちょっと出て来るだけで、その後はまるで暑そうに見えず、タイトルと内容が一致していない。

 「39 刑法第三十九条」でも偏執狂的な刑事を演じている岸部一徳は今作でもやはり変わり者の刑事役で、その原点はひょっとしたら今作にあるのかも知れない。

 



 

 

・「野獣死すべし(1980年)」(村川透監督) 3.0点(IMDb 6.8) 日本版DVDで再見

 予告編 https://www.youtube.com/watch?v=jQ8JQG-rmx8

 

 

 大藪春彦原作(既読)。

 初見時の感想は、やたらと熱量だけは高いものの松田優作の演技が空回りしていた記憶しかなく、改めて見直してもやはり力の入り過ぎで見ていて痛々しい(同じことは遺作の「ブラック・レイン」(1989年)でも感じたものだが、その後一度も見直していないので、今見直したらどう感じるか不明)。

 

 

 むしろ当時は鹿賀丈史(上の写真)の狂気じみた演技の方により衝撃を受けたもので、松田優作の狂気が作り物じみているのに対して、鹿賀丈史の狂気は本物のように思えてならなかった(この俳優のことはこの映画で初めて知った)。

 


 

 さらにこの2人よりも刑事役の室田日出男(上の写真)の演技の方が遙かに巧みで、この映画で最も印象的という意味では、その美しさの絶頂期にあっただろう小林麻美の如何にも薄幸そうな顔つきが鮮烈に記憶に残っている(もっとも台詞を話すとそのカリスマ性は一気に失われてしまうので、終始黙っていた方が良かったかも知れない)。


 台詞をしゃべりさえしなければ見とれてしまう程に美しい小林麻美。以下は銀行強盗での出演シーン(特に6分20秒あたりから) https://www.youtube.com/watch?v=yvAexhb6bco

 

 松田優作演ずる主人公は、その非情かつ虚無的な佇まいにもかかわらず、ショパンやアルビノーニのアダージョ、萩原朔太郎の詩を好むという、いささかロマンチスト過ぎる趣味の持ち主なのが完全にキャラクターとは不似合いである(冒頭に出てくるショスタコーヴィッチなどの系統で終始させれば良かったのだろうが)。

 

 

 これまたどうでも良い些事だが、風間杜夫や 岩城滉一、阿藤海、林ゆたかなどのの俳優陣が東大卒のエリートには全く見えないのもご愛嬌である(上は東大の経済学部だったかの同窓会という設定)。

 

 

 今作の併映作品は、斎藤光正監督、鎌田敏夫脚本、中村雅俊と勝野洋主演の「ニッポン警視庁の恥といわれた二人 刑事珍道中」という映画で、内容は全く覚えていないし、題名からも想像出来るようにとんでもない駄作だったはずだが、恥ずかしながら角川文庫から出ていた原作まで買った読んだ記憶があり、是非とも見直してみたいものである(DVDレンタルはなく、買うとなると定価3,000円超で、Amazonの割引価格でも2,200円もするので、とても買う気になれないでいる。角川の配信サービスに入会すればレンタル価格並みで視聴出来るようなのだが・・・・・・。→その後、特定のサービスに加入しなくとも300円乃至400円で視聴出来るようになった・・・・・・のだが、まだ見ていない)。

 

 

 最後にKindleのセールで松田優作関連の以下の本を買って読んだので簡単な感想を。

 

 

・松田美智子「越境者 松田優作」(幻冬舎文庫Kindle版)

 もともと私は俳優や歌手など芸能人の私生活に全く興味がなく、それは松田優作という俳優にしても同じなのだが、在日韓国人(父親は韓国人、母親は日本人のハーフ。後に帰化)だったという出自に多少興味があって手に取ってみた次第である(ちなみに著者は松田優作の元夫人で、後に作家)。

 松田優作という人が、如何に真摯かつ情熱的に俳優という仕事に向き合い、周囲の人間を巻き込みながら俳優として(出来の良し悪しは別として)確固たる「世界」を作り上げ、最期まで疾走し続けたかということの一端を知ることが出来、なかなか興味深かった。

 上の「熱帯夜」で共演し、松田と「文学座」の先輩/後輩として交流のあった桃井かおりのインタビューもあって、自身も俳優という仕事に対して強烈な思い入れを持っている桃井の発言も非常に面白く刺激的である。

 「越境者」という題名は内容に余り合っていないようなのだが、元夫の松田優作に対して未だに客観的になりきれていない著者の思いが溢れていて、まさに愛憎相半ばする複雑な感情が読み取れる作品となっている。