(臨時営業)マーブル・アーチのその後、或いはジョージ・ハリスンのGolders Greenの歌
写真では分かりづらいが、猫と対面して嬉しいのか、愛犬は尻尾をちぎれんばかりにブンブン振り回している。奥にいるのは何かを採取しているらしい謎のオバサン。 2021年10月3日(日) 今日は亡き愛犬の月命日。 体の大きさだけでなく見た目にしても、犬というよりはむしろ猫に近いのではないかと思っていた愛犬だが、そのせいか野良猫たちにも好かれ(?)、公園などを散歩していても猫につきまとわれたり追いかけられたりすることがよくあった。 愛犬の方でも猫には親近感を覚えるのか(あるいは大して怖くないのか)、同類の犬のことは警戒&怖がって逃げ回ることが多かったくせに、猫に対しては自分の方から近づいていくことさえあった(ただし何しろ臆病な性格だったので、猫がちょっとでも攻撃的な様子を見せるとすぐさま脱兎の如く退散してしまうのだった)。 そんなことをふと思い出したことから、手元にある愛犬の写真のうち、猫と一緒に写っているものを何枚か、以下に掲げておくことにする(中には以前このブログにアップしたことのあるものや、写りが悪くてボケボケのものもあるのだが・・・・・・)。 今見返してみると、撮影した場所は様々なのに同じ猫らしい野良(ノラ)が何枚も写っていて、とりわけこの猫が亡き愛犬のことを気に入ってくれていたのかも知れないと、今更ながら気づいた。 中には10年近く前の写真もあるので、韓国の厳しい冬を毎年耐えなければならない野良猫たちの寿命もそう長くはないだろうから、もはやこの世にはいないかも知れない。愛犬とともに野良猫たちが、今もどこかで穏やかな眠りを味わっていることを心から祈るのみである。RIP. 木に登ったものの途中でどうにもならなくなった子猫をじっと見上げている愛犬(下の写真も) まるで同じ猫同士であるかのように後ろから愛犬にくっ付いて来る野良(下の写真も)* 話を変えて本題(?)に入ると、特に「懐かしい場所」と言う程ではないものの、仕事の関係で都合4年半滞在した英国ロンドンでの最後の2年余りを、私はロンドン中心部(のやや西寄り)に位置するマーブル・アーチという場所で過ごした。 進学のため子供と家人が帰国して単身赴任となったことから、それまで1年半近く住んでいたかなりオンボロな一戸建て(いわゆるデタッチト・ハウス=detached house)を引き上げ、交通の便の良い都心部のワンルーム・アパートに仮住まいすることにしたのである(下の写真がマーブル・アーチという凱旋門。当ブログの関連記事→https://ameblo.jp/behaveyourself/entry-12502039103.html以下の写真もこの記事から)。 実際にはそのマンスリー・アパートは、シャーロック・ホームズで有名なベイカー・ストリート(駅)と、かつて絞首刑の処刑場があったことでも知られるマーブル・アーチ(駅)の中間あたりに位置していたのだが、日々の通勤にはベイカー・ストリート駅を利用することも多く(会社はどちらの駅から行っても時間的に大差なかったのである)、またマーブル・アーチ側にあるオクスフォード・ストリートやハイド・パークなどに散歩や買物に出ることはあっても、この門にまで足を向けることは滅多になかった。 だからマーブル・アーチと言っても、門近くに設置されていた馬の首の銅像(上の写真)くらいしか印象に残ってはいないのだが、しばらく前に英国の日本語情報誌(ウェブ版)を見ていたら、いつの間にかこの門の真横に、600万英ポンド(約9億円)もの費用をかけて、期間限定の一大(?)アトラクション施設が作られていたことを知った(https://www.japanjournals.com/london/16200-marble-arch-mound.html)。 この施設は、新型コロナウイルスの流行によって人出が激減したウェストミンスター地区に再び観光客を呼び戻そうと、地元の区議会が立案・建設した「マーブル・アーチ・マウンド(Marble Arch Mound)」と称する人工丘なのだが(上の写真。公式サイトは→https://themarblearchmound.com/)、当初6.50ポンド(1,000円弱)の入場料でオープンしたものの、直後に未完成部分が見つかって休業になったり、余りのショボさに酷評が相次いだりしたことなどから、たちまち無料開放への変更を余儀なくされてしまった。 血税を無駄遣いしてガラクタを作った(しかも公開期間はわずか半年程で、その後は取り壊しとなる)という批判はその後も収まらず、結局ウェストミンスター区の責任者は辞任にまで追い込まれたそうである。 この施設がどれだけショボいかは、別の日本語情報誌による以下のYoutube動画で詳しく紹介されているので、その様子をご覧いただければ一目瞭然だろう(もっとも動画作成者は立場上(?)かなり肯定的な捉え方をしてはいるのだが・・・・・・)。 https://www.youtube.com/watch?v=ZA8Cwi_2bfE 約4分 外国の大都市に比べると高層建築が少ないロンドンで、隣接するハイド・パークをはじめとする市内の風景を高所から展望できること自体は決して悪くないはずなのだが、この「マーブル・アーチ・マウンド」は高層と呼べるほど高い訳でも、(動画にもあるように、一応現代美術の展示などもあるらしいものの)他に何らかの付加価値がある訳でもないため、ただ上にのぼって眺望を楽しむだけの施設に1,000円も取られたりしたら、誰でもがっかりさせられるだけだろう(ちなみに最初に入場料を払った人たちは、その後料金を払い戻しされたそうである。めでたしめでたし)。 上述の通り、もともとマーブル・アーチに個人的な思い入れがある訳でもなく、またこの地区に税金を収めている訳でもないので、正直そこに誰が何を作ろうと私には全く無関係な「他人事」でしかない。 それでもかなりの予算を費やしてこんな変テコなものを作ってしまいながら、当事者たちがそのおかしさを事前に自覚/予想出来なかったというのは、やはり新型コロナウイルスという100年に1度の災厄によって、人々の精神がどこか不安定になり、平常心を失ってしまっていたためなのだろうかと思ったりもするのである(あるいは単に彼らが根っからの○○だったからか・・・・・・。前者であればまだ多少許せる気になるかも知れないが・・・・・・)。 最後にロンドンつながりでもう1つ。 以前このブログでも紹介したジョージ・ハリスンの傑作アルバム「All Things Must Pass」の50周年記念盤に、「Going Down to Golders Green」というデモ曲が収録されているという話題である(過去記事→https://ameblo.jp/behaveyourself/entry-12683476310.html)。 「Going Down to Golders Green」(曲)→https://www.youtube.com/watch?v=NTDH4Rh8yqc 曲を聴いてみれば分かる通り、これはエルヴィス・プレスリーの歌のパロディとなっているのだが(「Baby Let's Play House」という曲がベースらしい→https://www.youtube.com/watch?v=8BeO15HofhA)、上記のマーブル・アーチとは違い、この歌に出てくるロンドン北部のGolders Green(ゴールダーズ・グリーン。上や下の写真)には個人的に強い思い入れがあることから(わずか1年半程だったものの、上にも書いたオンボロの一戸建てに住んでいた)、かのジョージ・ハリスンがこんな歌を歌って(くれて)いたのかと、思わず嬉しくなったのである。 このゴールダーズ・グリーンは、地下鉄に乗ってしまえばロンドン中心部から30分ちょっとしかかからない便利な場所でありながら、広大な林(ハムステッド・ヒースなど)や大きな公園に囲まれた閑静な住宅街である。その一方で駅近くには賑やかな商店街があって活気に溢れてもいて、派手なところはないものの非常に暮らしやすかった。 さらに個人的には、これまた当ブログで紹介したことのある火葬場兼墓地「Golders Green Crematorium」が、私の愛読するグレアム・グリーンの「情事の終わり」(The End of the Affair)に登場したり、かのフロイトや俳優のピーター・セラーズ、The Whoのキース・ムーンなど、数多くの著名人や有名人がここに葬られていたのも、私がこの街に愛着を覚えた理由である(詳細は過去記事を参照→https://ameblo.jp/behaveyourself/entry-12502038001.html)。 ここはまたロンドン有数のユダヤ人居住地区で、上の写真に写っている商店街にはユダヤ人経営の商店が何軒も立ち並び(そのためこの通りだけは、商店や飲食店だけでなく鉄道・地下鉄やバスまでも完全に止まってしまう英国のクリスマスの間にも、結構な数の店が普段通り営業していた)、金曜の夕方になると、地域内に何箇所かあるシナゴーグに礼拝に向かうユダヤ人家族の姿をよく目にしたものである(髭やもみあげを伸ばし、黒い服や帽子に身を包んだ男性たちが家族を引き連れているので、すぐにユダヤ人だと分かった。下の写真はそのイメージ←インターネットから勝手に写真を拝借した)。 ちなみに当ブログでは上記「Golders Green Crematorium」に隣接するユダヤ人墓地にあるチェリストのジャクリーヌ・デュプレの墓を紹介したこともある(→https://ameblo.jp/behaveyourself/entry-12502037971.html)。 もっともジョージ・ハリスンの「Going Down to Golders Green」からは、エルヴィス・プレスリーやアメリカ(テネシー州メンフィス)のことを連想しこそすれ、ロンドンや英国らしいイメージは全く感じられない。 歌詞(下記★参照)にしても、ゴールダーズ・グリーンを想起させるものは、せいぜい日曜のミサに自分ひとりしかいないというくだり(周囲は金曜の夕方にシナゴーグに行くユダヤ人ばかりで、日曜のミサに訪れるのはキリスト教徒の自分だけということだろう)や、ダイヤモンドの指輪が宝石商に携わる人の多いユダヤ人を連想させることくらいだろうか。 ただしインターネットから拝借した歌詞のうち、このダイヤモンドの箇所が果たして「pawing=なでる」なのか、「pawning=質に入れる」なのかがはっきりしない。インターネットでは「ダイヤモンドをなでる=pawing」の方になっているのだが、私の耳には(さらに文脈からも)「ダイヤモンドを質入れする」のように聞こえるのだが・・・・・・。 ともあれ、再び英国を訪れ、懐かしきゴールダーズ・グリーンを歩くことが出来るようになるのは果たしていつになることか。もっともコロナ禍でなくとも、出不精&飛行機嫌いの私が遠路はるばる英国まで出かけて行くには、かなりの覚悟(?)が必要となるのではあるが・・・・・・。★最後にインターネット(複数)で参照出来る「Going Down to Golders Green」の歌詞を以下に貼付しておく(ただし上記の「paw→pawn」など、一部を変更してある)。Well, I wake up every morningRushin' down to workI'm pawnin' all my diamond ringsTo keep myself, I do the muckGoin' down to Golders GreenGoin' down to Golders GreenGoin' down to Golders Green in my limousineNo curtains on my windowsNo paint up on my doorNo food up on the tableAnd no carpets on the floorGoin' down to Golders GreenGoin' down to Golders GreenGoin' down to Golders Green in my limousineOhWell, the neighbours, they all know meSmilin' when I passBut when it comes to Sunday, well, I'm the only one at massGoin' down to Golders GreenGoin' down to Golders GreenGoin' down to Golders Green in my limousineAlright, alright, yeahAt night, I don't go out muchI stay at home for peaceI try to make the most outOf my ninety-nine year leaseGoin' down to Golders GreenGoin' down to Golders GreenGoin' down to Golders Green in my limousineWell, I'm goin' down to Golders GreenGoin' down to Golders GreenGoin' down to Golders Green in my limousineWell, I'm goin' down to Golders Green in my limousine