初心者同志 -25ページ目

運の尽き。

私はクジ運がいい。


なにかに応募をする際、「あ、これは当たるな?」と思うことがあって、

そんなときは毎回、必ずといっていいほど当選する。


といっても、懸賞品マニアな人たちのように、応募できるものすべてを

手当たり次第に送ったりするわけではなく、ふと雑誌を読んでいたり、

街中を歩いていたりして、募集しているのを見かけたときに、ふと、


「あ、これは応募してみよう」


と思いつくのだ。


これ、応募したらきっと当たるぞ、と、なんだか不思議な、確信めいた

思いが、ふいに頭をよぎる。


ということは、これは〝クジ運がいい〟のではなく、〝勘がいい〟だけ

なのかも知れない。


子供のころからそんな〝応募したら当たる〟という出来事が私にはついて

回っていたので、つい最近まで、それがすごい事なんだという意識が

ほとんどなかった。


過去にはコカ・コーラの1等?の懸賞品だったミニコンポに当選したこと

もあったけれど、そのときもハガキは1枚しか出していなかったにも関わらず、

出す前から当選する予感があった。

他にも時計、ノート、お皿、などなど、子供のころから結構な数の懸賞品

をもらっている気がする。

一度、3万円相当のステーキ肉が送られてきたこともあった。


こういった話を周りの人にすると、驚かれると同時に、よく、


「自分の代わりに、年末の宝くじを買ってよ」


なんて、笑いながら冗談交じりに言われたり、ギャンブルに誘われたり

するんだけど、実際に宝くじやギャンブルに挑戦したことは自分の人生

の中でまだ、一度もない。


というのも、〝当たる予感〟というヤツが、それらからはまったく伝わって

こないからだ。


しょせん、私の持っている運のよさなんて、欲にかられてしまえば、簡単に

一瞬にして掻き消えてしまうものなのだろう。


もちろん、宝くじ売り場の前などをふと、通り過ぎるときに、「ああ!」と感じる

ときを、少し期待することもあるんだけど・・・・・・うーん、きっと、ないんだろうなぁ。


というわけで、ここまでは前フリ。


以上のことを覚えておいた上で、本題は、明日の記事につづく。



5万円パソコン。

5万円パソコン、というのが最近話題になっている、らしい。


海外ではすでに、主流の1つになっているという、このパソコン。


とはいえ、最近デスクトップを一新したばかりの私には関係のない話かな、

なんて思っていた矢先に、ずっと愛用してきた私のノートパソコンの方が、

タイミングよく(悪く?)故障!

主流に使うのはデスクトップパソコンなので、慌ててノートを改めて買い直す

必要なんてなかったはずなんだけど、ふと、


「うーむ、これはもしかして、何かの縁だろうか?」


なんて思ってしまったのが、運のツキ。


今話題の、Acerの【Aspire one】を迷いなく即決で、購入。


Acer02


うーむ・・・・・・。


価格は、なんと消費税込みでも5万円を切るという驚きの安さ。

もう、パソコンとは思えないなあ。

中にはお菓子でも詰まってるんじゃないだろうか。


Acer01


実際に手に持ってみると、これが軽い!

ちなみに大きさは、幅249×奥行170×高さ29mmで、重さは約1.1kg。


表面はキラキラとした光沢のある加工がされていて、安っぽさも皆無だ。

そのスペックはというと、USBポートが3つに、マイク端子、ヘッドホンジャック、

メモリカードスロットとついて、さらにHDDも120GBと大容量。

RGB出力、8.9インチの横長の液晶(SWXGA:1024×600ピクセル)、30万画素の

WEBカメラまでがディスプレイ上部にさりげなく装着されている。


うーん、やるな、5万円。


バッテリーはマニュアルによると、フル充電で3時間の動作が可能ということ

なので、多少差し引いても、2時間くらいは問題ないはず。

そして、最も重要といえるキーボードのさわり心地だけど、タッチ感がすごくいい!

88キーの日本語JISキーボードで、通常のキーボードの89%サイズということ

だけど、ノートにしてはとても打ちやすい。

ただ、本体が軽いので、いつもの勢いで打とうとするとパソコンが少し動いてしまう

ことがあるのが、気になったくらいかな。


というわけで、この5万円パソコンは申し分ないパソコンだ、と言いたいところ

なんだけど、実は、1つだけ不満がある。


それは、色。

これはパソコンだけではなく、家電製品全般について言えることだけど、

とにかく色の選択肢が少なすぎると思うのだ。


私は本来は、赤が、それも深いレンガ色のような赤色が好きなのだけど、家電で

この色のバリエーションを見かけることはほとんどない。


かといって、白や黒はさすがにもう、飽きちゃったしなあ。


ということで、仕方なく今回も青にしてみたんだけど、ああ、やっぱり赤のパソコンが欲しい。

それも、できることなら深い赤色がいい!


それにしても、こんなこと、なんだか前にもあったような・・・・・・。

と、ふと、考えていて思い出した。


これだ!


Acer&DS02


ああ、そろそろ青に逃げるのはやめたほうがいいかも知れない。

じゃないと、部屋の中が変な兄弟ばかりになっちゃうぞ!


Acer&DS01


なんて思っていたあるとき、すごい知らせが私のところにやってきたのだった・・・・・・。


なぜか次回につづく。


【夢で逢えたら】レビュー [2] 。

【第002回】

1989年.4月29日放送

構成作家:廣岡豊・和泉光晴・藤沢めぐみ・清水東

    〝〝時間となかよしになりたい!〟〟


【夢で逢えたら】の放送が始まった89年という年は、番組の人気と共に、

ダウンタウン、ウッチャンナンチャンという2組のお笑いコンビが自分たちの

レギュラー番組を、続々と増やしていくことになる時期とも重なっている。

それぞれに自分たちの冠番組を持ち、共に【笑っていいとも!】のレギュラー

にも選ばれるなど、どんどんと多忙になっていくきっかけとなった年である。


当然、プライベートな時間もなかなかとれなかったようで、後に当時のこと

を語る際は、必ずといっていいほど、スタジオを往復するだけで終わってし

まう日々のことや、休みがほとんどなかった、辛かった、などということが

本人たちの口からもよく語られることになった。

そんな彼らが『時間と仲良しになりたい!』と、切実な本音とも思えるよう

なテーマで披露していくショートコントは、本人たちの心象を反映しているか

のように、非常にストレートで直接的なメッセージが込められたものばかり

が集められる。

                       ✤

【時給2000円】は、最近はじめたバイトが「たったの時給2000円なの」

と友人(清水)に不満をぶつける、世間知らずな女子大生(野沢)のコント。

なにそれ、辞めちゃえばいいじゃない!と、友人の女子大生も、同調して

憤るが、そうアドバイスされた本人も本人で、

「そうなの、仕送りも毎月30万円だし・・・・・・」

それを聞いた友人は、

「あなたって・・・・・・、意外と苦学生ね」


【あと10分】は、目覚ましを止めて「あと10分だけ・・・」と、2度寝をする

のが何よりも好きな夫(南原)が、起きる3時間も前に時計を鳴るように

セットして、何度も鳴らせては、セットし直し、「あと10分だけ・・・」と眠るが、

それにすべて付き合わなければいけない妻(野沢)が、目覚ましを止める

たびにキレて「うるさくて眠れないでしょ!」と怒ると、夫もそのたびに、

「あと、2時間50分も楽しめるだろっ!」

「あと、2時間40分も楽しめるだろっ!」

「あと、2時間30分も楽しめるだろっ!」

と、どんどん腹立たしげに、どんどん早口にやり返していく。

どこまでやり続けるかは本人たちに完全に任されているらしい、この応酬

は、しかし辞めどきが一向に見つからず、気がつくと、2人ともどう噛まず

に自分のセリフを言い切るかのチャレンジになりつつも、どこまでもつづく。

                        ✤ 

さらにコントは、まだバスが来ていないのか、それともすでに行った後な

のかわからず、ついつい何度も心配で時刻表見てしまう人の前を横切り

ながら、俳人の松本が再び俳句とともに皮肉る、【バス停にて・・・】

遅れてきた彼女(野沢)が「待った?」と訊くと、彼氏(内村)が「今、来た

とこなんだよ」、それを聞いて、「えー、私、時間にルーズな人、嫌い」

無情な感想を口にする【待ち合わせ】とつづき、関東ローカル放送時代に

人気を得た、あの人気コントがついに全国に初披露される。


【買い物のコツ】とタイトルがつけられたこのコントは、当時でもすでに懐か

しい、ちゃぶ台が1つ置かれただけの小さな居間が舞台。

腹を空かせて帰ってくるだろう父ちゃんのために、夕食を用意して静かに

待っていた息子(内村)。

今日は父ちゃん(浜田)の好物、冷奴も用意して自信満々だったが、帰宅

してきた父ちゃんは喜んでくれたのは最初だけで、席につくなりいつもより

多すぎるおかずに、途端に不審げな表情に。

お金を使いすぎじゃないか、と問い質すが、実は閉店間際のスーパーが、

商品を売りつくすために毎日値引きしていることを発見した息子は、今日

の商品はすべて閉店直前の6時50分頃に店にいって購入してきたもの

ばかりであることを告白。

だから、お金はかかってないよ、と胸を張るのだが、しかし、そんな彼の

決められている門限は6時。

「おのれ、6時回ってから家出て行くんかっ、ボケッ!」

と、今回もやっぱり激越した父に、でも、とうちゃんの為に・・・と、もっとも

な弁解を試みるも当然、逆効果。

「じゃかしい、ガタガタぬかすなっ!こらっ!」

「オマエ、罰として晩ゴハン抜きゾッ!」

ついに最後には馬乗りにまでなって、首まで絞められながら、

「餓死さらせっ!」

と、せっかく用意した冷奴まで投げつけられる始末。

健気な息子の気持が伝わる日は、いつか来るのだろうか。


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                       ✤

コーナー開始早々、「こないだは、みんなコケましたからね」と、松本が

自虐的にコメントせずにはいられないくらい、先行き不透明なスタートと

なってしまった、音楽コーナー【バッハスタジオのある町】

そんな不安な雰囲気が払拭できていない中、今週のゲストとしてやって

きた布施明は、登場してきたと思ったらセット裏に置いてあったらしい、

大道具さんの工作道具を持ってきてみたり、とつぜん自分の雑談をはじ

めてみたり、自信満々によくわからない駄洒落を言ってみたりと、かなり

の暴走気味で、メンバーもさすがに戸惑いを隠せない。


そんな彼の代表曲〔そっと おやすみ〕で今回はバラードに挑戦すること

になるが、歌い終わったあとに本人からアドバイスされる上手く歌うため

のコツは、毎回少しずつ違うためにまったく参考にならず。

しかし、どうやら今回のゲストには遠慮がいらないらしい、と分かってき

たメンバーは、ついに浜田を先頭にして、容赦ないツッコミをノリノリで

いれだして、最後には大スターの首まで締めだすなど、結果的に第1回

に比べると、かなりワキあいあいな雰囲気に包まれたのだった。


【熱血宅配ボーイ南原二郎 トラブルファイル】も、第1回に引き続き、

まだまだコーナーとして形になりきれていない印象が窺える。

彼らはコーヒーの宅配が仕事になっているだけに、物語の重要な事件

も、必ずその配達先で起きることになるのだが、実は、心臓が悪くて、

仕事の効率が一向に上がらないムラさん(内村)、みんなにちゃんと目

をかけている優しい店長(清水)、電話がコールする時間の電気代さえ

惜しむ金儲け主義の社長(浜田)、その社長に何かと苦言される役回り

になる新人店員の野沢、そして真面目すぎる故にそんな個性的なキャラ

クターたちの中で、もっとも浮いた存在へと押しやられている、主役の

南原と、実は店内で展開されるシットコムのほうが、ずっとテンポがよく

て面白いという矛盾をはらんでいる。

結果、どうしても配達にいったとたんに物語はテンポが失われるという

弱点をさらすのだが、番組も出演者も黙ってそれを享受するつもりは

なく、このシットコムの進化はまさにこれから始まることになる。


エンディングトークでは、ゲストとしてやってきて、好き放題に暴れて帰

っていった布施明についての話題に集中。

「テレビで見ていた頃を思うと、あんなにドツいたりできるとは・・・・・・」と、

野沢がメンバーの思いを代弁するように語り、みんなもうなずく。

話題が今回のテーマ、『時間と仲良しになりたい』に移ると、そんな貴重

な時間を無駄につかっていたメンバーが1人いる、と清水が暴露。収録

中にセットのベッドで眠っていた南原を、早速メンバー総出で批判する。

こういうときの結束力は見事なもので、スタッフもしっかりと撮影していた

その場面をそこに挟みこみ、出演者とスタッフの番組作りに対する意図

が、決っしてが揺らいでいないことを証明している。


最後、浜田の「今日はこのへんで、さようならー!」は、番組最後の挨拶

として決め言葉になるのだが、カメラがひいて全員を写すショットになり、

そのまま終わろうとするとした間際、松本がひとこと、

「見ないヤツは、死刑なのだっ」

とアニメのキャラクターのセリフを、第1回に続いてポツリと言ったことで、

このひとことコーナーが今後もずっと定例化していくことになろうとは、

このときはまだ、松本自身も気づいていない。





                


                  【夢で逢えたら】全放送レビュー中 》》

【夢で逢えたら】レビュー [1] 。

【第001回】

1989年.4月22日放送

構成作家:廣岡豊・和泉光晴・藤沢めぐみ・清水東

   〝〝これだから、おNEWてウレシイッ!〟〟


午前2時放送から、土曜の深夜11時へと出世を果たした【夢で逢えたら】

しかし、これまでの人気は、あくまでも関東ローカルで放送されていた中

でのみ得られていた人気であり、ついに全国放送として放送が開始され

る今、まだまだ出演者である彼らは、新しく始まった新人芸人の深夜番組

という、挑戦者の立場から何1つ変わっていないことは間違いない。


しかし番組は、そんな新人芸人たちに前代未聞、破格といってもいい、

オープニングを用意する。

当時のプロデューサー佐藤義和は新たに始まる【夢で逢えたら】に対し、

お笑い番組を成功させるには、若い人たちの支持こそが絶対に必要で

あるとし、そのために〝徹底的なアートの追求〟を番組の重要なテーマ

にしようとスタッフに提案。

結果的に番組は、ニューヨークからアートディレクターを招き、豪華な

衣装、豪華なセットを用意したのみならず、すでに当時、絶大な人気を

得ていたサザンオールスターズから番組の為に楽曲の提供までもして

もらうことに成功する。


そうして完成したオープニングは、1つ屋根の下で同居をしているらしい

出演者たちが、寝巻き姿のまま、次々と眠たげな表情で階下におりて

きて、テレビの前に集まってみると、そのブラウン管の中ではサザンが

〔女神達の情歌〕を演奏している、という、まるでミュージシャンのPVの

ような映像に。


出演者たちが番組のエンディングトークで、「すごい時間と、すごいお金

がかかってる」と半ば呆れるように語るほどの、深夜番組とは到底思え

ない華々しいオープニングとなり、まるで午前2時に放送されていた頃

のどこまでも地味で質素だった番組の幻影を、一瞬にしてかき消して

しまうほどの豪華さと艶やかさの中で、新番組【夢で逢えたら】は、つい

にスタートする。


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                    ✤

新婚旅行先で初夜を迎えるも、それまでに9年間も付き合っていた為に、

すでに新しさなど何もないカップル(南原、野沢)が、醒めたように会話を

交わしていく【新婚旅行】を始め、昼休みにお気に入りのイケメン選手の

名前を挙げあうOL(清水・野沢)に、「野球は巨人だろっ!」と腹をたてる

中年男性(内村)に、「・・・誰よ、ソレ?」と、怪訝な顔をして怪しむという

【新しい野球フリーク達】、いつまでも新装開店の看板を掲げたままの

パチンコ店を、俳人の姿をした松本が俳句をしたためる様のように一筆

してチクリと皮肉る【新装開店】と、わずか30秒にも満たないショートコント

が立て続けに披露され、番組は相変わらずのテンポのよさと隙のなさを

見せつける。


【祈りなさい】は、自分のこれまでの行いを、悔い改めようとやってきた

青年(内村)に、聖書から言葉を引用して話をしようとするも、ついつい

無駄な話ばかり長くなってしまう神父さん(松本)のコント。

あまりに関係ない話ばかりされるので、さすがに我慢できなくなった青年

が立ち上がって文句を言いだすと、なぜか神父のほうが逆ギレ。

慌てて、「わかりました、ちゃんと話をききますよ・・・」と青年が折れると、

神父は機嫌を取り戻し、「ほんなら、さっきの話からもっぺんするわ・・・」


1人で延々と長ゼリフを言うことになる様子が何故かおかしいこのコント

は、後に松本が、カンペなしで長ゼリフに挑戦する番組の代表的なコント、

ディレクター田沼に繋がることになる。

                    ✤  

【バッハスタジオのある町】は、今回から新しく始まった音楽コーナー。

55歳の町長(浜田)は、寂れた町内を再び活気あるものにする為、町内

にある小さなレコーディングスタジオをそのシンボルにすることを企み、

『町興し委員会』を結成。

目標は大きく、「ヤングアイドルと稲作の町!」

としたものの、とにかく、まずは若者の気持ちがわからないと、ということ

で、どんなツテがあったのか、本物のアイドルを連れてきたという町長が

早速みんなに紹介したのは、【夢で逢えたら】にとって記念すべき最初

の本格的なゲストとなった、荻野目洋子であった。

その代表曲〔ダンシングヒーロー〕を、本人の目の前で1人ずつ歌ってみ

ることになるが、初の大物ゲストの登場に、トップバッターとして唄った

松本は思いがけず真面目に唄ってしまい、「珍しく」(浜田)、緊張している

ことを見透かされ、自信満々にトリとして登場した南原は、まるでプロ

のミュージシャンのごとく振る舞い、スタジオに流す音楽のボリュームを

上げるよう要求までしてその場を盛り上げるものの、いざ唄い始めてみる

と、声がまったくと言っていいほど出ず、「ドロ沼の第1歩を踏みだした」

と、早速自ら、反省会をはじめる始末。

【ヤマタノオロチ合唱団】の際の音楽経験は一切生かされず、ゲストとの

やり取りもどこかチグハグで、このコーナーの今後に一抹の不安を残す

スタートとなる。


連続シットコムドラマ、【熱血宅配ボーイ南原二郎 トラブルファイル】

宅配コーヒー店、という今ではどんな商売なのか非常に想像がつきにくい、

営業所を舞台にした物語。

どうやら注文の電話を受けると、営業所で淹れたコーヒーをポットなどに

つめて配達する職業のようだが、まるで欧州のようにコーヒースタンドが

あちこちに乱立している今の日本の現状からすると、いくら当時がバブル

経済の最中にあったとはいえ、本当にこれが職業として成立していたの

だろうか、と、余計な心配を抱いてしまうくらいのマイナーさ。


コントの内容は、新人で未熟な青年役の南原が主役を務め、そこに加え

て、人気キャラのムラさん(内村)、カタコトの日本語を使い、予想のつか

ない動きで傍若無人なボブ(松本)、金にうるさい金満社長(浜田)と、それ

ぞれが、既にあるべきポジションにきっちりと収まり、内村のナレーション、

松本がきっかけとなって始まる予測のつかないアドリブの応酬と、これま

でに培われてきたシットコムの連携が見事にいかされた構成。


さらに、南原が配達先として訪れたテレビ局には、関東のローカルの頃に

放送された、【バックステージの人々】で登場していたキャラクターたち

までが再登場し、贅沢に物語の第1回を盛り上げた。


全員揃ってのエンディングは、まるで番組全体の華々しさを象徴するか

のように、ヨーロッパのオープンカフェのようなお洒落なセットをバックに、

全員で落ち着いて座りながらのトーク。

「豪華なセットと豪華な衣装で、この番組をお洒落にやっていきたい」

と、とりあえず浜田がメンバーの気持ちを代弁するように意気込みを語っ

てみるも、野沢の、

「やってることは変わらないけどね」

の言葉に、思わず全員がうなずいてしまう。


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そもそもは、『新しいお笑いの形を模索するシミュレーション』として始まっ

たという【夢で逢えたら】だが、すでに番組はそんな作り手側の構想から

1人立ちし、完成された1つの番組としての歩みを始めている。

1989年の4月、多くの人たちが新入生、新入社員として新しい人生を始

めたこの時期に、この番組も新しいお笑いの時代をここにスタートさせた。





                


                  【夢で逢えたら】全放送レビュー中 》》

そういえば関東ローカル ⑤

【第021回】

1989年.3月24日放送

構成作家:廣岡豊・和泉光晴・藤沢めぐみ

    〝〝結婚式ってオモシロイ!〟〟


ダウンタウンの2人が揃って食中毒でお休み、と言いながら、実は仮病

であったり、その為に急遽、翌週の番組冒頭では、緊急討論会と称して

2人の糾弾が行われ、「もう休みません」と言ったものの、その翌週に

今度は浜田が痔の手術のために1人収録に出られなくなる、などという、

当時らしい、ゆったりしたハプニングはありながらも、深夜2時という放送

時間にずっと視聴率6%をキープしつづけるまでになっている、関東の

ローカル番組、【夢で逢えたら】


1日に20本近いショートコントを撮影し、クッションのダンスもヘロヘロに

なりながら収録、ダウンタウンにとっては更に金曜の深夜に大阪の番組

が終わってすぐ東京へ行き、翌日収録を済ませてすぐまた戻る、という、

ハードなスケジュールの中での撮影であり、片や、ウッチャンナンチャン

にとっては、ほぼ初めてといっていいレギュラーだった、この番組。


翌週にスタジオにお客を入れて開催される、【キャラクター祭ファンの集い】

が、そんなこの番組の最終回となるのを控えて、この日がスタジオコント

を披露する通常の形としての最終回になった。

                     ✤

オープニングはついに最後までやりきった、相変わらずの全員で歌いな

がらの登場シーンだが、歌はユーミンではなく、第15回放送から始まっ

た番組オリジナルの曲、【夢で逢えたら】

出演者たちの唄う姿にも、確実に変化は現れていて、まるで感情を置き

忘れたような無表情な顔はすでになく、それぞれに出来る限りの笑顔で

あったり、変なダンスだったりを披露しながら、なんとかバラエティ番組ら

しイ雰囲気を出そう、という努力が見られる登場になっているが、それは

それで違和感を感じるのは、彼らがこれまで、この番組を通して生粋の

芸人らしい能力を、発揮して見せてきたからなのかもしれない。

                     

番組最初のショートコント【一生の記念】は、これが3回目の登場となる、

タキシーズ。

実は元々はまったく違う内容の台本で、タキシードを着た4人が、これから

パーティーに向かうのかな、と見せかけて、実はただのビラ配りをしている

アルバイトだった、というだけのコントだったものを、収録時に、揃って同じ

タキシードを着ている姿があまりに面白いので、これを芸人にしてしまおう、

とその場のノリで〝コントそのものを出演者たちで変えてしまった〟という

驚くようなエピソードが、新年最初の放送となった総集編の際に明かされて

いたが、そんなことを聞いたあとでも、見ている側からは、まるで最初から

完璧に構成されていたとしか思えないくらいの、完璧なキャラクター性と、

連携をみせるコントになっている。


さあ本番、とステージがあるらしい固定されたカメラの外に飛び出していき、

音声だけで漫才が繰り広げられたあと、大きな拍手に送られて帰ってくる

タキシーズ。

やり切った満足感を顔に滲ませていたかと思いきや、ステージ脇に戻って

きたとたん、失望に近い雰囲気となって全員で重苦しい反省会に突入。

どうやら思ったほどウケがよくなかったらしく、サブやん(内村)は、

「だから新ネタやろうって言ったじゃないか」と白熱し、雪之丞(松本)は、

「オレ、とんちきトリオから誘われてるんだけど・・・」と衝撃の告白をして

メンバーを騒然とさせるが、結局はみんな、時間が迫っている次の営業

へと、粛々と揃って移動を開始することになる。


【なんやとォー!!】は、ついに番組の最多出場を果たしたキャラクターと

なってしまった浴衣兄弟。

いつものように揺るぎない接客態度をとりつづけるホテルのボーイ(内村)

に、今回もクレームをしつづけるのかと思いきや、その途中でとつぜん、

疲れたように兄貴(松本)は首をふり、あきらめたように帰りだし、見守って

いたスタジオのスタッフはもちろん、弟分(浜田)までが、困惑のあまり、

堪えきれずに笑いだす。

「兄貴がそんなことじゃ困りますよっ!」

と、最初はなんとか必死に、元の進行通りに話を戻そうとする浜田だが、

いや、あかん、もう潮時や。と、ついに浴衣まで脱ぎばじめる松本を見て、

自身もそのアドリブに早速、追従。

ただ1人、それでも超然とした態度を崩さずにいた内村に、自分の浴衣を

着せて、

「跡目はコイツや」と、松本。

「その跡目はワシに継がせてくださいよっ!」と、浜田。

強引にスーツの上から浴衣を着せられ、さすがに冷静な表情でいられなく

なった内村は、

「狐につままれたようだ・・・・・・」

と、浴衣兄弟のいつもの言葉をとっさに用いることで、見事、自分に突然

託された、オチの役割を果たしてみせる。


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                     ✤    

こちらも最終回となった、【ヤマタノオロチ合唱団】

オープニングも含め、なぜコント番組に音楽?と最初は疑問ばかりだった

このコーナーだが、番組が回を重ねて出演者たちが、コントの中に登場する

人物たちをキャラクター性を濃くさせて演じはじめると同時に、じつは全員

の素の表情を見ることができる貴重な機会となっていることに気がつく。


音楽コーナーより、そのあとの弁当が気になってやる気のない松本。

実はコントよりも、音楽コーナーのほうがも実力を発揮できるため、

常に笑いなしで本気に取り組む、清水。

最終回ということで、本当に感動して、ちょっと泣きそうになる野沢。

本気で取り組むのに、なぜかミスの多い南原。

ミスをしていないのに、なぜか必ず責められる、いじられやすい内村。

浜田はそれらに丁寧にツッコミを入れていき、的確に責めたてていくこと

で笑いを生みだし、コント番組内の1コーナーとして、見事にこのコーナー

を成立させきった。

                       

【熱血記者 南原一郎事件ファイル】は、第1回放送時には、シットコムの

主役に抜擢されたことで、1人だけスタジオのいり時間が1時間早いこと

を囃したてられ、いずれは【ナンチャンと、夢で逢えたら】になるんじゃない?

とまで言われた南原だが、最終回となった今では、難しいセリフを毎回

噛んでしまう姿が認知され、あえて難しい演技を押しつけられて失敗を

待望されるという、実は1番のいじられ位置に。

しかし全体を見ると、それによってコント自体はまとまりを見せていること

がわかり、それもメンバーがごく自然に、それぞれの立ち位置を見つけ、

コントとしてのバランスを求めていった結果なのだということがわかる。


そんなメンバーの結束力と、自らのポジションを瞬時に察知して、明確に

存在感を発揮していく構成力は、土曜11時へと番組が移行したあとも、

確実に活かされていくことになる。

後に、伝説とまで呼ばれることになる番組、【夢で逢えたら】の始まりである。





                


                  【夢で逢えたら】全放送レビュー中 》》