初心者同志 -23ページ目

【街】ヒストリー(その6) しおり編。

【〔街〕ヒストリー】、前回までの詳細はこちらから。

【〔街〕ヒストリー(その1) 父親編。】

【〔街〕ヒストリー(その2) 読書編。】

【〔街〕ヒストリー(その3) 他人編。】

【〔街〕ヒストリー(その4) ノベル編。】

【〔街〕ヒストリー(その5) 記事編。】



サウンドノベル【街】では、ゲーム中、物語を読み進めていく中で、

時折、複数の選択肢が表示され、その中のひとつを選ぶ場面がある。


それによって物語が分岐したりするわけだけど、そのとき選んだ

選択肢によっては、物語は思わぬ方向に進んでしまい、

主人公が〝本来であればたどり着くはずの物語〟から脇道へと逸れて、

ゲームの中でいう、バッドエンドになってしまうことがある。


この場合、どうするか。


ゲームでは、これまでに過ごしてきた物語内であれば、

主人公たちが過ごした時間を指定をしてあげると、その時間の最初まで

自由に戻ることができるようになっているので、そこからやり直すのもいい。


でも、【街】の場合、時間という大雑把な区切りとは別に、

自分の好きな場所に、記録を保存しておくことができる機能があって、

それをゲーム中では〝しおりを挟む〟と呼ぶ。


私は、このセガサターンで発売された【街】の、

しおりを挟む、という行為と、言葉の響きが、とても好きだ。


私は、本を読んでいるときも、実はしおりを挟む瞬間が

とても好きだったりする。


ここまで読んだぞ、という達成感。

しばらく、この物語と別れるんだ、という寂寥感。

色々な感情がよぎりながら、しおりを本に挟む。


ゲームをしていると、自分のとって、とても思い出深い、

決定的な瞬間というのは、誰にも訪れる。

RPGであれば、強く記憶に残ったイベントシーンであったり、

アクションゲームだったら、難しいステージをクリアしたときだったり、

難解なパズルを見事に解いたときであったり。


そんなとき、ふと、


「ここで、このゲームにしおりを挟めたらいいのに」


と思うことがある。


ゲームなんだから、セーブ機能があるじゃないか、と言われて

しまいそうだけど、セーブしたデータを読み込んでやり直すのと、

自分が挟んでおいたしおりをとって、そこからもう一度始めるのとでは、

少し違う気がする。


それはきっと、ほとんどが、ただの気分的なものなんだろうけど、

それでもいい。


ゲームにも、気分は必要だと思うからだ。


だから、【街】に登場する、しおりのシステムが私はとても気に入っている。



⑦に、つづく。


machi06

私はゆっくり遊ぶ人間だから、参加はできなかったけれど、

当時はこんなキャンペーンがありました。

【街】ヒストリー(その5) 記事編。

【〔街〕ヒストリー】、前回までの詳細はこちらから。

【〔街〕ヒストリー(その1) 父親編。】

【〔街〕ヒストリー(その2) 読書編。】

【〔街〕ヒストリー(その3) 他人編。】

【〔街〕ヒストリー(その4) ノベル編。】



広辞苑などで、わからない言葉を調べているとき、

探しているその途中で、興味ある言葉を見つけてしまって、

ついつい気になって、その言葉のことも一緒に調べてしまう

なんてことが、よくある。


これが、まだ本の辞書を使っている場合はいいのだけど、

〝電子辞書〟なんかだったりすると、もう、終わりがない。


手軽に調べたい言葉が見つけ出せるので、気が付くと、

知らない言葉や、気になった言葉を、延々と調べていたりする。

なんてったって、日本語というのは、もう無限のように存在している。

調べても、調べても、読んでも、読んでも、終わりがくることなんて

絶対にない。


うーん、これほど、読み応えのある本もないかも知れないな。


そう思ってから、ちょっと反省した。

さすがに、ちょっと貧乏臭いかなぁ・・・・・・。


サウンドノベル【街】にもそんな、〝どこまでも読める〟楽しさがある。

読むことが好きな人間にとって、それはとてもたまらない魅力だった。


そういえば、あまりにも楽しくて、その当時の【街】のことを扱った、

ゲーム雑誌の記事を切り取って、たくさん集めたりもしてたっけ。


うーむ、考えてみると、そんなことをしたのは、

あとにも先にも、このゲームが最初で最後だった。


それくらい、愛しくて仕方がないゲームだったんだろうな、と思う。



⑥に、つづく。


machi05

【街】フリークであれば、きっと知らない人はいない〝街の掲示板〟

全連載分が、今もずっと、大切にとってある。

カルドセプト。

サウンドノベル【〔街〕ヒストリー】、前回までの詳細はこちらから。

【〔街〕ヒストリー(その1) 父親編。】

【〔街〕ヒストリー(その2) 読書編。】

【〔街〕ヒストリー(その3) 他人編。】

【〔街〕ヒストリー(その4) ノベル編。】


今回は【街】からは、ちょっと脇道の、

【〔街〕ヒストリー 番外編。】


セガサターンといえば、私にとっては【街】と共に、

絶対忘れられないのが、これ。


caldcept01

【カルドセプト】


当時は、学校の友達と一緒に、カードを全て集めるまで遊びました。

で、そのカルドセプトとは─────?


サイコロをふってボード上のマスを進みながら、

止まったマスを自分の領地にしていき、

相手がその領地に止まった場合はお金(魔力G)を徴収、

一定金額を集めて先にゴールまで戻った人が勝ちという、

単純明快なコンピューターボードゲーム。


モノポリーのようなゲーム、といえば想像がしやすいけれど、

実は、そこにファンタジーの世界観と、250種類を越える、

様々な効果を持ったカードが関わり、相手の領地を奪ったり、奪い返したり、

と最後の最後に大逆転が起きたりもする、とても白熱するゲーム。


つい先日、新しく発売されたのが、そのDS版。


とりあえず、昔取った杵柄でストーリーモードを1敗もすることなく、

ストレートで一気にクリア。

このとき、4つある属性のうち、地属性のカードはわずか4枚しか

集まらず・・・・・・。


ストーリーの最後のボス、バルテアスと、主人公のライバル、ゼネスの

コンピューター2人と戦うことになる、ストーリーモードの最終戦。


70ターン目で、ついに目標金額の10000Gに到達した私は、

あとはゴールをするのみ。

相手のプレイヤーは、2位の最後のボス、バルテアスが、

まだ、9000Gにわずかに足らない金額で、2位。

主人公のライバルキャラ(?)ゼネスが、2000Gで大きく離れて、3位。


「ふふ、勝ったな」

なんて思っていたら、ライバルキャラ(怒!)ゼネスが、

最後のボス、バルテアスの高額な領地に2回も連続で止まり、

大量のGを与えてしまい、なんと、一気にボスまでが10000点に到達!


しかも、こんなときに限って、私のサイコロは「2」「1」と、

立て続けに最小の数字を出して、ゴールに近づけず。

うーん、しかも、ゴールまでまだ、ちょっと遠い。

このままでは、バルテアスに先にゴールされてしまう・・・・・・。


ちなみに、このマップのその時点でのプレー時間は、1時間30分。


ま、負けたくない・・・・・。


そこで、決断。

ゴールを目指す前に、すぐ目の前にあった、バルテアスの高額な領地を

奪い取り、相手の総金額を減らす作戦に。


相手の領地に突撃!


結果・・・・・・成功!!

次のターン、バルテアスはゴールにたどり着いたものの、

総金額が10000Gに足りなかったため、クリアならず。

次のターン。

私のサイコロは、「3」

・・・・・・ゴールならず。


その次でターンで、ようやくゴール。

ふう、ヒヤヒヤの勝利。


GOAL02

エンディングのムービーとスタッフロールを眺めながら、ふと、

昔の経験が活きるのって、私の場合、ゲームだけだなあ、と思い、

ちょっと落ち込む・・・・・・。

【街】ヒストリー(その4) ノベル編。

【〔街〕ヒストリー】、前回までの詳細はこちらから。

【〔街〕ヒストリー(その1) 父親編。】

【〔街〕ヒストリー(その2) 読書編。】

【〔街〕ヒストリー(その3) 他人編。】



サウンドノベル【街】を遊んでいると、ときどき、文章の中に

教科書に蛍光ペンでアンダーラインをひいたかのような、

色が変化している箇所が現れる。


それを見つけたら、その部分をすぐさまクリック!


なぜなら、それこそが、この【街】の根幹に関わる重要なシステム、

通称、〝TIP〟と呼ばれるものだからだ。


そもそも、サウンドノベルと呼ばれるゲームは、【街】が発売された

時点でも、すでに他にも様々なタイトルがたくさん発売されていた。

にもかかわらず、この【街】だけが特別な作品となった、決定的に大きな

理由のひとつこそが、この〝TIP〟の存在だったのだ。


画面に表示された文章を、読みながら進めていく、【街】というゲーム。

その文章は基本的にはすべて、白色で表示されている。


そんな中、時折、文章の中に、緑色と水色に変化している言葉が現れる。


この2つは、それぞれその言葉が特別な意味を持っていることを告げている。


緑色は、このゲームの物語に関係している人物や、出来事に関連したもの。

水色は、この現実の世界で、一般的に存在する言葉や事象について。


それぞれをクリックすることでテレビ画面は、色が変化していた言葉の部分を、

詳しく解説するページに変わるのだ。


イメージが湧かないかも知れない。

つまり、こんな感じだ。


━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─


高峰綾 はその日、急いでいた。

頭の中では、いくつもの反省材料が、故障した回転寿司の機械 に乗せられた

皿のように、すごい速さで次々とよぎっていく。

ああ、やっぱり、あのとき、寝てたらよかった。

そろそろ眠ろうか、と思ったとき、偶然つけたままになっていたテレビから

海外ドラマ の聞きなれたオープニング曲が流れてきたのだ。

もうすでに、DVDでレンタルをしてまで見たドラマだったのに、見始めたら、

ついつい最後まで見てしまった のだ。


それに、あの目覚まし時計。

もう、買い換えようと思ってたのに。

最近ずっと調子が悪くて、そろそろ替えどきかな、と思いながら、

次の給料日まで、次のボーナス までは、なんて思っているうちに、結局

買い換えずに今日まで過ぎてしまった。

それにしても、こんな大切なときに故障して鳴らないこともないのに。


お湯の出ないシャワー、底をついていた苺ジャム 、のりが悪いファンデーション・・・・・・。


ふと、足元がもつれて転びそうになり、彼女は慌ててバッグを肩にあげ、

前を見た。

いつも朝の早い彼女には、人の姿が多い朝の渋谷は不思議な光景だった。

みんなの出勤時間て、いつもだいたい、これくらいなのかな。

そのとき、ふいに背後から、鋭い忠告の声とともに人影が覆いかぶさってきた。

慌てて彼女が身を翻すのと、大きな体をした柔道服姿の男 が、衝突する

すれすれでそのすぐ横を走り抜けていくのが同時だった。

文句を言おうとすぐに顔を上げたときには、もう男の姿はなかった。

いったい、なんなの・・・・。

急いでいるのは、1人じゃないっていうのに。

自分の服装が乱れていないか気にしながら、視線が目の前に広がる

朝の光景を捉えると、彼女の手はぴたりと止まった。

街を行き交う人たちにじっと視線を注ぎながら、彼女は思った。

急いでいるのは、1人じゃない。

うん、そうだ。
自分だけが、なんて思うのはよそう。

もしかしたら、この人たちの中には、私なんかよりも

ずっと深刻な問題を抱えている人 だって、いるかも知れない。


さっきの男だって、なにか大切な問題を抱えていたのかも知れないし。

それに、少なくとも、朝のスタートだけはみんなに平等なんだ。

視線の先で信号の色が一斉に変わり、スクランブル交差点 に人が進みはじめた。

高峰綾は、逸る心を抑えながら、ゆっくりと自分もその交差点に向かって歩き始めた。


━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─



ずっと、こんなサウンドノベルっぽいことを書いてみたかった。

大好きなゲームだからこそ、憧れていたのである。


もちろんそれが、どんなに大変ことなのか、想像もしていなかった。

後先考えない性格が災いしたのである。


サウンドノベル【街】の面白さは、読む楽しさだ。

〝TIP〟のことを含めて、ゲームでありながら、どこまでも

〝読んで楽しむ〟ことのみを、ゲームの中で追求している。


だから今も、この【街】を越えるようなサウンドノベルは出てない。

と、私は心から思うのだ。



⑤に、つづく。


machi04

なんでもない通行人にまで、物語がある小説。

うーん、楽しいな。

【街】ヒストリー(その3) 他人編。

【〔街〕ヒストリー】、前回までの詳細はこちらから。

【〔街〕ヒストリー(その1) 父親編。】

【〔街〕ヒストリー(その2) 読書編。】



サウンドノベル【街】は、〝ゲームで遊ぶ小説〟という表現が

1番、ピッタリと来るかもしれない。


ゲーム内の物語は、すべて小説のように文章で描かれていて、

プレイヤーは、テレビ画面に表示される、その文章を読みながら、

ゲームを進めていく。


ゲームの舞台は、渋谷という、現実に存在する街。


最初の画面に表示されているのは、8人の主人公だ。

プレイヤーはそのうちの1人を選んで、物語を読み進めていく。


面白いのは、その8人は誰から選んでも、同じ時間から始まること。


つまり、8人の主人公からなる、8つの物語は、

すべて同じ街の、同じ時間から始まるのだ。


10月11日、午前10時。

8人の主人公たちの物語がそれぞれにスタートする。


■1人の刑事は、いつものように街を巡回中、オーロラビジョンに

  爆破予告が映し出されるのを偶然、目撃する。


■1人の女性は、大好きな彼氏に「痩せろ」と言われ、

  ムチャなダイエットにチャレンジすることを強いられることになる。


■謎の組織から脅迫されている大学生。


■女性から妊娠を告げられる、高校生。


■新作が書けずに追い詰められ、眠れない日々を過ごす、売れっ子作家。


■外国の軍隊にいて、帰国したばかりの傭兵。


■街でドラマを撮影中の、気の弱い役者。


■その役者とそっくりの顔をもった、気の強い、元ヤクザ。


1つの街のなかで、それぞれの物語をスタートさせる主人公たち。


彼らはもちろん、お互いの存在は知る由もないのだけど、

同じ街、同じ時間にいる彼らだから、ときにはすれ違い、

ときには大きく関わりあっていきながら、物語は進んでいくことに

なるのである。


ちょっと、想像してみる。


ふと、街を歩いていて、自分のすぐ横を、

すごい勢いで慌てたように走っていく、1人の男性がいたとする。


「いったい、何をそんなに急いでいるんだろう?」


あなたは、きっとそう思うだろう。


でも、現実の世界で、あなたがその理由を知ることはきっと、ない。


サウンドノベル【街】は、そんな、自分の横を通り過ぎていく、

〝なんでもない登場人物たちの物語〟を、どこまでも追いかけられる、

街の住人たちの物語なのだ。



④に、つづく、


machi03

〝すべてがここにある!〟せいなのか、本は異様に大きい。