そういえば関東ローカル ⑤ | 初心者同志

そういえば関東ローカル ⑤

【第021回】

1989年.3月24日放送

構成作家:廣岡豊・和泉光晴・藤沢めぐみ

    〝〝結婚式ってオモシロイ!〟〟


ダウンタウンの2人が揃って食中毒でお休み、と言いながら、実は仮病

であったり、その為に急遽、翌週の番組冒頭では、緊急討論会と称して

2人の糾弾が行われ、「もう休みません」と言ったものの、その翌週に

今度は浜田が痔の手術のために1人収録に出られなくなる、などという、

当時らしい、ゆったりしたハプニングはありながらも、深夜2時という放送

時間にずっと視聴率6%をキープしつづけるまでになっている、関東の

ローカル番組、【夢で逢えたら】


1日に20本近いショートコントを撮影し、クッションのダンスもヘロヘロに

なりながら収録、ダウンタウンにとっては更に金曜の深夜に大阪の番組

が終わってすぐ東京へ行き、翌日収録を済ませてすぐまた戻る、という、

ハードなスケジュールの中での撮影であり、片や、ウッチャンナンチャン

にとっては、ほぼ初めてといっていいレギュラーだった、この番組。


翌週にスタジオにお客を入れて開催される、【キャラクター祭ファンの集い】

が、そんなこの番組の最終回となるのを控えて、この日がスタジオコント

を披露する通常の形としての最終回になった。

                     ✤

オープニングはついに最後までやりきった、相変わらずの全員で歌いな

がらの登場シーンだが、歌はユーミンではなく、第15回放送から始まっ

た番組オリジナルの曲、【夢で逢えたら】

出演者たちの唄う姿にも、確実に変化は現れていて、まるで感情を置き

忘れたような無表情な顔はすでになく、それぞれに出来る限りの笑顔で

あったり、変なダンスだったりを披露しながら、なんとかバラエティ番組ら

しイ雰囲気を出そう、という努力が見られる登場になっているが、それは

それで違和感を感じるのは、彼らがこれまで、この番組を通して生粋の

芸人らしい能力を、発揮して見せてきたからなのかもしれない。

                     

番組最初のショートコント【一生の記念】は、これが3回目の登場となる、

タキシーズ。

実は元々はまったく違う内容の台本で、タキシードを着た4人が、これから

パーティーに向かうのかな、と見せかけて、実はただのビラ配りをしている

アルバイトだった、というだけのコントだったものを、収録時に、揃って同じ

タキシードを着ている姿があまりに面白いので、これを芸人にしてしまおう、

とその場のノリで〝コントそのものを出演者たちで変えてしまった〟という

驚くようなエピソードが、新年最初の放送となった総集編の際に明かされて

いたが、そんなことを聞いたあとでも、見ている側からは、まるで最初から

完璧に構成されていたとしか思えないくらいの、完璧なキャラクター性と、

連携をみせるコントになっている。


さあ本番、とステージがあるらしい固定されたカメラの外に飛び出していき、

音声だけで漫才が繰り広げられたあと、大きな拍手に送られて帰ってくる

タキシーズ。

やり切った満足感を顔に滲ませていたかと思いきや、ステージ脇に戻って

きたとたん、失望に近い雰囲気となって全員で重苦しい反省会に突入。

どうやら思ったほどウケがよくなかったらしく、サブやん(内村)は、

「だから新ネタやろうって言ったじゃないか」と白熱し、雪之丞(松本)は、

「オレ、とんちきトリオから誘われてるんだけど・・・」と衝撃の告白をして

メンバーを騒然とさせるが、結局はみんな、時間が迫っている次の営業

へと、粛々と揃って移動を開始することになる。


【なんやとォー!!】は、ついに番組の最多出場を果たしたキャラクターと

なってしまった浴衣兄弟。

いつものように揺るぎない接客態度をとりつづけるホテルのボーイ(内村)

に、今回もクレームをしつづけるのかと思いきや、その途中でとつぜん、

疲れたように兄貴(松本)は首をふり、あきらめたように帰りだし、見守って

いたスタジオのスタッフはもちろん、弟分(浜田)までが、困惑のあまり、

堪えきれずに笑いだす。

「兄貴がそんなことじゃ困りますよっ!」

と、最初はなんとか必死に、元の進行通りに話を戻そうとする浜田だが、

いや、あかん、もう潮時や。と、ついに浴衣まで脱ぎばじめる松本を見て、

自身もそのアドリブに早速、追従。

ただ1人、それでも超然とした態度を崩さずにいた内村に、自分の浴衣を

着せて、

「跡目はコイツや」と、松本。

「その跡目はワシに継がせてくださいよっ!」と、浜田。

強引にスーツの上から浴衣を着せられ、さすがに冷静な表情でいられなく

なった内村は、

「狐につままれたようだ・・・・・・」

と、浴衣兄弟のいつもの言葉をとっさに用いることで、見事、自分に突然

託された、オチの役割を果たしてみせる。


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                     ✤    

こちらも最終回となった、【ヤマタノオロチ合唱団】

オープニングも含め、なぜコント番組に音楽?と最初は疑問ばかりだった

このコーナーだが、番組が回を重ねて出演者たちが、コントの中に登場する

人物たちをキャラクター性を濃くさせて演じはじめると同時に、じつは全員

の素の表情を見ることができる貴重な機会となっていることに気がつく。


音楽コーナーより、そのあとの弁当が気になってやる気のない松本。

実はコントよりも、音楽コーナーのほうがも実力を発揮できるため、

常に笑いなしで本気に取り組む、清水。

最終回ということで、本当に感動して、ちょっと泣きそうになる野沢。

本気で取り組むのに、なぜかミスの多い南原。

ミスをしていないのに、なぜか必ず責められる、いじられやすい内村。

浜田はそれらに丁寧にツッコミを入れていき、的確に責めたてていくこと

で笑いを生みだし、コント番組内の1コーナーとして、見事にこのコーナー

を成立させきった。

                       

【熱血記者 南原一郎事件ファイル】は、第1回放送時には、シットコムの

主役に抜擢されたことで、1人だけスタジオのいり時間が1時間早いこと

を囃したてられ、いずれは【ナンチャンと、夢で逢えたら】になるんじゃない?

とまで言われた南原だが、最終回となった今では、難しいセリフを毎回

噛んでしまう姿が認知され、あえて難しい演技を押しつけられて失敗を

待望されるという、実は1番のいじられ位置に。

しかし全体を見ると、それによってコント自体はまとまりを見せていること

がわかり、それもメンバーがごく自然に、それぞれの立ち位置を見つけ、

コントとしてのバランスを求めていった結果なのだということがわかる。


そんなメンバーの結束力と、自らのポジションを瞬時に察知して、明確に

存在感を発揮していく構成力は、土曜11時へと番組が移行したあとも、

確実に活かされていくことになる。

後に、伝説とまで呼ばれることになる番組、【夢で逢えたら】の始まりである。





                


                  【夢で逢えたら】全放送レビュー中 》》