たまふの書物語まりふ -23ページ目

609 魔法使いルーフィ

日本の神様は、たくさんいて
八百万、なんて言われているように

もともと割と、民主主義である(笑)。


みんなでまとまった神様。


西洋は、割とひとりの神様だったりする。


アジアンもそうで、仏様とか
キリスト様とか。


それが、日本は
なぜか仏様も神様も、キリスト様も


いっぱい居ていい、と言う和やかな国なので(笑)


そこで、国際会議を11月にすれば
喧嘩にならない、と言う面白い提案(笑)。



最近は、勝手に神様を名乗って独裁したい人間が、その八百万の頂点だ、なんて主張するけれど

その時点で俗物決定(笑)つまり神様ではないのだ。


いろんな人々の幸せを願うのが神様、なんだから。


だから、地震が起きたのは信心不足、なんて言う神様も偽物である(笑)。



幸せを願う心に、多い少ないはないのだから。

国際会議は、そういう議題もあって(笑)
11月に。






なので、ほかの国には神様がいなくなるので
神無月、なんて言われている。




神様だから、空飛んで来るから
一月かかるのだろうか(笑)。





この国の神様も、日本まで行かないとならない(笑)。


人間のフリをして、飛行機に乗って行こうか、なんて


いたずらっぽい神様でもある(笑)。

608 魔法使いルーフィ

同じころ、神様は

そんな、地上の様子を微笑ましく感じながら

(笑もちろん、風呂場を見ている訳でもない。神様は生き物じゃないので、女湯を覗く趣味もない)



こないだ思った、アメリカの神様への話を

メールしていた(笑)。


from kamisama@heaven.com ;
to god@heaven.am;

こないだの話だけど、やっぱし
この国のひとの幸せをなんとかせんとな、と思う。










いかにも簡単なメール(笑)


キーボードが苦手らしい。






すぐ、返事が来る。





Re;こないだの話



それはそうかと思う。アメリカは自由の国だけど


放任と言うのも良くないとは思う。

人間の欲望は限りない。

想像を、今はこのメールを送れるインターネットみたいに

手元でいくらでも検索できるし

頼みもしないのに、売り込んでくる。



そういう環境の違いもあるから、心
が乱されるんだな。



それは、アメリカだけの話じゃないから


11月、神無月に

日本で国際会議があるから、出雲大社で。


そこで、みんなで話するといいだろう。





ーーーーーと、アメリカの神様はそういう。


伝統的には、アメリカは自由の国だけど

キリストさんが神様。



でも、キリストさんは全国チェーン(笑)だから


どうも、違うひとみたい。

607 魔法使いルーフィ

「もう11時か」naomiは、お風呂から出て

国鉄マークのタオル、昨日
寝台で貰ったそれで、肩を拭いながら。


均整の取れたスタイルは、美しく
ミロの彫刻のようで

妙に扇情的な感じはしない。



美と言うのは、そういうものかもしれない。






「今晩、どことまるのー?」なんて


れーみぃは、アジアンらしく
よく弾む声で。



なんだか、可愛らしいイラストの
大きめバスタオルを使っている。



色白で、naomiよりは小柄だけど


平均的な女の子らしい感じ。



それだけに、愛らしく
頼られたら、守ってあげられそう、そんな感じ。





「乗務員宿泊所に泊まれば?おじいちゃんの家に来てもいいけど、こんな時間だし。おばあちゃん寝ちゃってるから」リサは



国鉄職員っぽい。。(笑)



慣れてるんだろう。




「入れてくれるの?」めぐ。




うん、いつでも入れるの。24時間営業だし。



急に、列車が止まった時とかに備えて、って


リサはさすがにおじいちゃんの子。

606 魔法使いルーフィ

でも、それが大事ってことに
若いミシェルはまだ気づかない。

前の世代、親たちも恋して


愛して。



次の世代を遺すのは、生き物の本質。
誰に教わらなくても持っている。


でも。


子供を育くむのは、人間社会では
愛である。


技術も文化も必要な事だ。


そうして、おじさんもおじいちゃんに
育てられてきたのだし


同じように、リサやミシェルも

育てられてきた。


だから、鉄道の仕事をしている
おじいちゃん、おじさん。


その生き方が記憶に残って


リサやミシェルが生きていく。




それが、生きていく、って事。



おんなじふうに、炭坑で働いていた
トム・ジョーンズの力強い歌を聞いていた
おじいちゃん。



それが、記憶に残って


リサは、イギリスのロックで
おじいちゃんの風景を連想したり。


記憶ってそんなもので。


素敵なもの。

604 魔法使いルーフィ

男湯は、おじさんとミシェルが
のーんびりと、温泉につかっていた。


男同士だから、気遣いをする事もなく、賑やかでもなく。




「おじさんは、どうして国鉄に入ったの?」


そんな事をミシェルは聞く。




「おじいちゃんがいたしな。他にこれといって」と

おじさんは、言う。



本当はカメラが好きなので、写真やさんを
しても良かった、とは言うものの


田舎なので、そういうもので


生きていくのは難しい、そういう事。




「人間は、なんで生きてるんだろね、おじさん」と

ミシェルは、中学生らしい尋ねをする。



おじさんは、にこにこして「なんで、って言うか


もう生きてるから、そう考える頭があるんだべ」と



ひいじいちゃんが

お坊さんだから



おじさんは、、さっすがに達観だ。



生きる事に意味はないけれど


前の世代が、生きて来たから
次の世代が残った。



その程度の理由はあるけど



もっと具体的な目的は、別にない。




せいぜい、恋して愛するのが目的。



そんなところだろう。

603 魔法使いルーフィ

そう、誰でも記憶が積み重なって
行動の様式が決まるけど

ずっと、幼い頃
自分が経験した事って、夢の中と


少し似てて。


まだ、自分の見方が決まってないから

積み重ねは、直接心に入ってて



それが後で、性格になったりする。


コンピュータなら、OSを作ってる時に

プログラムを作る人の考え方が影響したり。



ハードウェアの扱いが決まってしまったり。




そんな感じに近い。



スマートフォンでも、iOSやandroid、
それに似せたlinux、いろいろで


似ていても、それぞれ性格が違ったり。



人間は、自分で経験して学習するから

もう少し、自由さがある。




もちろん、神様がしたように


記憶を変えたり

めぐや、魔法使いたちがしてるように
時間旅行をして、過去の自分を変えてしまえば

その、性格を変える事もできるから

神様は、この世界の人々を、争いから救った。


人々の数が増えれば、当然に争う事も増えるんだけど。








リサは、ふと

お風呂場で、温泉に浸かってて


おじいちゃんの事を思い出してて。





「そう、トム・ジョーンズ!」と

独り言を大きな声で言ったので、

naomiも驚いて、(笑)。





「あの、イギリスの歌手の?」と、めぐが言う、。





「ダイナミックだよね」れーみぃ。





そうか、と
リサはひとり合点。



自分が、駅前でイギリスのロックを聞いて
懐かしい、と思って



悩み事が吹っ飛んでしまったのも。



おじいちゃんの好きな、トム・ジョーンズに

似てる、力強いイギリスの歌だったから。





リサの音楽好きは、おじいちゃんの趣味だったんだ。

602 魔法使いルーフィ

その、リサの回想は
ひょっとすると、ミシェルの言った事を
リサが伝え聞いた、イメージだったかもしれなくて。


そういう事、幼い記憶にはあったりする。

ずっとずっと昔の事、リサとミシェルのふたりが
おじいちゃんのところへ遊びに来た夏休み。


夜行列車で着いた朝、おじさんとミシェルは
一緒に、このお風呂へ。


たぶん、リサは
ひとりで、こちら側のお風呂場にいたの
だろう。


たぶん、エレメンタリースクールの
最高学年くらいだったハズだから
リサは、こちら側だったろう。




リサ自身が、もっと幼い頃に


夜行列車で、ここに旅した事もあるハズ
なのだけれど。


そんな、昔の記憶は

残念な事に、はっきり覚えてはいない。


でも、そういう頃の記憶が
ずっと、その後の生き方に影響したりするもので


それは、例え話で言えば

コンピュータの基本ソフトの構造が

アプリケーションの動作を抑制するようなものだ。



andoroidが、リアルタイムOSでないから
DTMアプリケーションが作れなかったり
するように。

601 魔法使いルーフィ

女の子同士だと、どうして
こんなに、あけすけなんだろな、って

みんな、お互いに思ってるに違いないと

めぐは、思いながら


お風呂、温泉の湯舟から



空を見上げようと思っても



そこは、構内のお風呂場だから


目隠し代わりの片板硝子に

刻まれた模様の向こうに、ぼんやりと

夜の駅、構内を照らす照明が見えるだけ。




湿った木枠、錆びた木ねじ。



どこか、石炭がらの匂いがするような

古い駅には、独特の風情がある。



リサは、朧げに記憶がある。



この、お風呂場から
同じ景色を見上げたような思い出。




ひとりで、お風呂に入ったのかな?


それとも、おじいちゃんと一緒に
男湯に入ったのかな、なんて



想像して、ちょっと恥ずかしくなった(笑)。


幼い自分のヌードが、男たちに
見られていたのかな、と(笑)。

600 魔法使いルーフィ

「でも、男の子ってどうしてこんなとこに
さわりたがるんだろ」って

リサは、お風呂につかりながら


めぐの方へ、微笑みながら。




その言葉を聞いて、めぐは
忘れていたルーフィの事を思い出す




そういえば、あの人は

わたしの胸にふれた、はじめての男の人。


なんて、思いながら

見ずからの胸を、撫でてみたり。



「でも、あれねー。ミシェルも
お姉ちゃんのおっぱいにさわりたがったんじゃない、ちっちゃい頃」って
れーみぃは、にこにこしながら。



「そんな事ないけど、だって」と、リサが言うと



naomiは「いまは、めぐのにさわりたいんじゃない?」と、綺麗なメゾで言う。



ちょっといたずらっぽく。



リサは「違うよ。ミシェルはまだ子供だもん。愛して貰いたいのよ。」



その言葉に、めぐは思う。


ほかの男の子みたいに、生物的な行動で
女の子に近づいてるんじゃなくて

ミシェルは、愛して欲しいんだな。


なんて。



でも、それだけに。



重い要求だな、なんて思う。




ルーフィさんみたいに、軽く
つきあいはじめてくれた方がいいのにな、なんて


思ったり。

599 魔法使いルーフィー

めぐは、お風呂、大きな湯舟につかりながら
旅を回送する。


なんとなく、忙しかったけど


気が晴れたような、そんな気持ち。


リサにしても、旅の果て
駅前で、ロックを聞いたから

気が晴れた。



その事を、気づいてるのかどうか


ゆっくり、お風呂につかっている。




時々、旅に出ると


楽になれるってのは


普段の暮らしが、人間にとって

面倒なもので



いろいろ、変な約束事や


生きていくためのキマリごとが


めぐたち、若いひとには




ちょっと、向いていないような

そんな事もあって。




リサにしてみれば、これからの未来に
期待してたのに



外国のせいで、希望がなくなりそうな
心配ごとが起きたり。



そんな、変なおとなたちの
考えた事が、煩わしくなった。

リサの、ほんとの気持ちは
そんなところだったのかもしれなくて。




それで、若者のこころの叫びみたいな
ロックの音楽が、こころを解放した。