604 魔法使いルーフィ | たまふの書物語まりふ

604 魔法使いルーフィ

男湯は、おじさんとミシェルが
のーんびりと、温泉につかっていた。


男同士だから、気遣いをする事もなく、賑やかでもなく。




「おじさんは、どうして国鉄に入ったの?」


そんな事をミシェルは聞く。




「おじいちゃんがいたしな。他にこれといって」と

おじさんは、言う。



本当はカメラが好きなので、写真やさんを
しても良かった、とは言うものの


田舎なので、そういうもので


生きていくのは難しい、そういう事。




「人間は、なんで生きてるんだろね、おじさん」と

ミシェルは、中学生らしい尋ねをする。



おじさんは、にこにこして「なんで、って言うか


もう生きてるから、そう考える頭があるんだべ」と



ひいじいちゃんが

お坊さんだから



おじさんは、、さっすがに達観だ。



生きる事に意味はないけれど


前の世代が、生きて来たから
次の世代が残った。



その程度の理由はあるけど



もっと具体的な目的は、別にない。




せいぜい、恋して愛するのが目的。



そんなところだろう。