枚方市議会議員 ばんしょう映仁です。
2023年6月23日に行いました令和5年6月定例月議会の一般質問の項目3をまとめました。
現在の学校環境では、子どもたちが自己有用感を持てていない!?
学校を少々間違ったことを言ってもいい心理的に安全な場所に!
現在の学校環境では、子どもたちが自己有用感を持てていない!?
学校を少々間違ったことを言ってもいい心理的に安全な場所に!
3月31日の文部科学省通知「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策について(通称:COCOLOプラン)」
一般質問では、毎回のように、不登校児童生徒への支援についての話をしてきた。昨年の9月定例月議会の一般質問では、昨年6月10日の『不登校に関する調査研究協力者会議報告書~今後の不登校児童生徒への学習機会と支援の在り方について~」について』という文部科学省通知を受けての本市の対応状況、今後の取り組みについての考え方を聞いてきた。
今回は、今年3月31日の文部科学省通知「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策について(通称:COCOLOプラン)」から私の気になることについての状況、今後の取り組みの考え方について聞きたい。
このCOCOLOプランは、近年、不登校児童生徒数が増加し続け、令和3年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」では、不登校児童生徒数が、小・中学校合わせて全国で約24.5万人に上り過去最高となっており、かつ90日以上の不登校であるにもかかわらず、学校内外の専門機関等で相談・指導等を受けられていない小・中学生が4.6万人になっており、これは喫緊の課題だという認識のもと、取りまとめられたとのこと。
本市の不登校児童生徒数も約1000人となっており、増加の一途となっているということで、同様に本市教育委員会としても喫緊の課題として取り組みを進めていると認識している。
さて、このCOCOLOプランは、「不登校により学びにアクセスできない子供たちをゼロにすること」を目指し、
- 不登校児童生徒が学びたいと思った時に学べる環境の整備
- 不登校児童生徒の保護者への支援
- 早期発見・早期支援のための福祉部局と教育委員会との連携強化
- 学校の風土の「見える化」
という4つの項目で構成されている。
まず1.不登校児童生徒が学びたいと思った時に学べる環境の整備では、(1)不登校特例校の設置、(2)校内教育支援センター(スペシャルサポートルーム等)の設置と続きます。これらは昨年の一般質問でもお聞きした際には、庁内の「不登校対策検討会議」の中で協議していくとの答弁があった。
COCOLOプランの目指す「不登校により学びにアクセスできない子供たちをゼロにする」どのように進めているのか?
今回の質問では、そのようなハード面というより、むしろ本質的なところをお聞きしたいと思います。COCOLOプランの目指すところである「不登校により学びにアクセスできない子供たちをゼロにする」ために現在本市では、どのような支援を進め、今後どのような取り組みを考えているのか?
多様な不登校支援のあり方について発信
本市における不登校児童・生徒への学びの保障については、昨年度、民間支援団体等との連携も踏まえた「不登校支援ガイド」「不登校児童・生徒を支援する民間施設に関するガイドライン」を策定し、新たな施設の紹介も含め、市のHPやブログ、市内小中学校や市内の他機関が集まる会議の場などで多様な不登校支援のあり方について発信し、不登校児童・生徒への支援に努めているところです。
適応指導教室「ルポ」にて、調理実習やグループ活動、プログラミングソフトなどICTも活用
また、適応指導教室「ルポ」において、調理実習やグループ活動などリアルな体験の場を設けるだけでなく、プログラミングソフトなどICTも活用することにより、多様な学びの場、居場所を確保しているところです。
メタバースの活用など民間との連携により「ルポ」の機能強化を目指す
今後、文部科学省のCOCOLO(ココロ)プランを踏まえながら、まずはルポに登録したものの登室に至らない児童・生徒等への支援を目的に、メタバースの活用、ICTの活用をすすめるとともに、NPOや民間支援団体との連携により民間のノウハウをルポのプログラムに取り入れるなど、ルポの機能強化をめざしてまいります。
選択肢を増やす取り組みに感謝する
メタバースの活用などルポの機能強化を目指していくとのこと。一つ一つ子どもたちの社会とつながる選択肢を増やす取り組みをしていることに感謝する。
とはいえ、今回の文科省通知を読むと、文部科学省は不登校特例校を分教室型も含め全国300校の設置を目指しているとのこと。また、この通知では既に「適応指導教室」という呼称はなくなった。これらの検討は進めていると先の議員への答弁にもあった。外形だけを整えるだけならば、意味はないが、全体の速度を上げて推進していくよう、再度強く要望する。
「安心して学べる学校づくり」をどのように進めるのか?
次に、COCOLOプランの4.学校の風土の「見える化」について聞く。学校の風土と欠席日数の関連を示す調査結果があり、「安心して学べる学校づくり」を進めていくことが示されている。このことについて、本市ではどのような考え方で取り組みを進めていくのか?
学校を「『みんなが安心して学べる』場所にする」ことについて、すべての児童・生徒に対して「子どもたちがそれぞれの良さや持ち味を活かし、活躍できるわかりやすい授業づくり」「全ての子どもたちが心地よい空間で安心して学べる魅力のある学校づくり」「いじめ等を許さない安全安心な居場所づくり」が大切であるということを各学校に周知徹底を図っている。
具体的には、Hirakata授業スタンダードによって、教師主体の一斉授業からの脱却をめざした授業改善や、人権感覚を高めるための研修の受講推奨など、各学校で具体的な取組を進めるよう指示している。
児童・生徒が主体的に校則等の見直しに参画する取組を進めている
また、児童・生徒が主体的に校則等の見直しに参画する取組をNPOと連携して進めている。こうした取組を実施することにより、児童・生徒が主体的に学校作りに参画することができ、このことにより児童・生徒の自己有用感が高まり、「安全安心な居場所づくり」に繋がり、学校が「『みんなが安心して学べる』場所」となるものと考えている。
不登校児童・生徒は増加し続けている!
不登校児童・生徒は増加し続けています。改めて言いますが、彼ら彼女らは現状の学校生活にNO!を突きつけている訳です。
現在の学校環境では、子どもたちが自己有用感を持てていない!?
学校の風土改善の取り組みの考え方をお聞きして、現在の学校環境では、子どもたちが自己有用感を持てていないのではないかという課題認識を持っていると理解しました。自分の頭で考え、発言し、議論して、みんなの利益なる合意を得ていく。このようなある意味、面倒くさいことではありますが、民主主義の基礎となる非常に重要なプロセスが軽視されてきたのだと思います。もちろん、私たちの学生時代もきっとそうだったんだろうと思いますが、それが一層進んで、ここまで来てしまっているのだろうと考えます。
学校を少々間違ったことを言ってもいい心理的に安全な場所に!
学校も教員も保護者も社会も変わらないといけない時代なんだと改めて思います。学校とはどのような場所かの定義から、もう一度みんなの考えを合わせていかねばならないと思います。そこをもう一度合わせずに、このまま進めば、ますます現場の教員はどうしていいか分からず、自分の頭で考えなくなります。自分の頭で考えない教員が自分の頭で考える子供を育てられるわけがありません。また、教育委員会のつくる標語には、「現場が主体的に」「のびのびと」という言葉が多くある一方で、「見逃さない」「許さない」など現場が萎縮する言葉が散見されます。できることなら、児童生徒も教員も、学校を少々間違ったことを言ってもいい心理的に安全な場所にしてほしいと思っています。今後はそういった考え方を強めて、各校を支援していただきたいと要望しておきます。
「異なる他者と共に生きる力を育む」ために何ができるのか。
私としては、今後も不登校ということを通じて、子どもたちの本質的な「生きる力」である、「異なる他者と共に生きる力を育む」ために何ができるのか、今後も皆様とともに考え続けていきたいと思います。
【2022年12月15日 一般質問】
少しずつでもつながりが持てるまち、一人ひとりが自尊心、自己肯定感がもてる社会を、みんなで考えていきたい。
【2022年11月25日 教育子育て委員協議会】
【2022年9月15日 一般質問】
市が不登校児童生徒の「支援ガイド」の作成したことは一歩前進!
これからも、子どもたち自らの選択肢を増やす取り組みを!
【2022年6月20日 一般質問】
昨年度の不登校児童生徒は871名。増加傾向が加速!
まずは、不登校児童生徒の選択肢をガイドブックにまとめること!
【2022年3月15日 一般質問】
「すべての子どもにはそれぞれの居場所がこの社会には必ずある」ことも伝えて!
「子どもたちの選択肢を増やすこと」が喫緊の課題。
【2021年12月17日 一般質問】
不登校は予断を許さない状況。教育委員会はICTを活用した新しい選択肢を!
今回の質問は、「不登校支援」。不登校児童・生徒は増加し続けています。私としては、今後も不登校ということを通じて、「異なる他者と共に生きる力を育む」ために何ができるのか、今後も皆様とともに考え続けていきたいと思います。今も未来も枚方を笑顔に!