労働者の権利主張は、ほどほどがいい！？

８月３１日、台風１０号が関東に迫る中、静岡県某所に向かった。

翌日９月１日の朝から、購入したホテルの運営引継ぎがあるからだ。

よりによって、このタイミングで台風とは。。

いつもなら現場スタッフに引継ぎを任せ、僕はいかないことが多いのだが

今回ばかりはそうもいかない。

そのホテルは、人の問題を抱えているからだ。

さて、、東名高速の雨がハンパない。

台風に向かっていくのだから当然だ。

厚木で通行止めになり、下道に降りるとトラックが渋滞しており

通常の２倍、６時間かかって現地に着いた。

引継ぎスタッフが借りた家に泊めてもらい、翌日を迎えた。

　
※ホテル前

朝１０時、前オーナーが来て、引継ぎが始まる。

すでに８月中に何度かやり取りしているので、この日は精算機内の現金など最後の確認。

経営者同士の関係は良好だから、今後も質問できるから難しいことはない。

問題は、スタッフの雇用の引継ぎだ。

物件購入で価格の折り合いがつき、資料を見せてもらった時点から違和感を感じた。

このホテル、人件費率が高い上に、給与条件がやたらと細かいのだ。

基本給は当然あるのだが、その他に土日祝手当、職務手当、休憩手当、資格手当、通勤手当

深夜手当、残業手当、休日手当、大入手当、皆勤手当、精勤手当。

こんなの見たことがない。

特に、皆勤や精勤は、元のシフト表と見比べないといけない。

３０人以上もいるのだから、計算が大変だ。

前オーナーの要望でスタッフの面接は８月中にやっており、その初日の立ち会って驚いた。

スタッフが労働条件のチェックが細かく、権利主張が強いのだ。

「有給はどうなってますか？何日貰えますか？」

「〇〇手当は、どうなるのですか？」

こりゃ、大変だ。。

オーナーが嫌になって売却したのか分からないが、その可能性もあるな。

スタッフがここまで条件に細かいのは初めてだ。

そんなこともあり、初日は自ら行った方がいい、と思っていた。

中でも、特にハンパない人が２人。

どうしたものか、なるようになるさ、と思っていた矢先

「こんなものが出回っているみたいです」

とプリントアウトされた紙を渡された。

Ａ４用紙にビッシリ４枚。

新しい運営会社、つまり弊社とどう対峙するか、について書かれていた。

（おいおい、俺たちは敵か？）

前にやり取りしたことが録音されていたらしく、僕らにどう対応したらいいか、

マニュアル化されている。

こんなモンスターがいたのか。。

「これは、オーナーにどうにかしてほしいです」

と現場を回すのにつれてきた２人に言われる。

「わかったよ、やるよ」

嫌な役目だが、こういうのは上に立つ者の役目。

結論としては、１人にはやめてもらう、ことになったが、

もう１人は違う形で残ってもらうことにした。

労働者が自身の権利を守るために、労働条件の改善を求めることは当然の権利だ。

しかし、過度な権利主張が与える影響については考えたほうがいい。

長期的に考えると、結果的に労働者自身にとっても不利益をもたらす可能性があるからだ。

次回、それについて書こう。