GALLERY : THANK YOU FRIEND!のページ 楽曲解説  | “Mind Resolve” ~ この国の人間の心が どこまでも晴れわたる空のように澄みきる日は もう訪れないのだろうか‥
   
   
   THANK YOU FRIEND 
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1.BABY LOVE  3:39 
あの、幻のCD。その 一曲目は、
Tetsuya Itami とジョン・レノンが得意とするダブル・ヴォーカルが光る一撃! 
とくになにか珍しいことと感じられるリスナーも今の時代はもう少ないかも知れないが
歌詞にケータイ電話を持ち出してるのは、そのレコーディング当初、
8年ぶりに世に送り出す歌声として、今の時代に対する挨拶だったのだろうか? 
26年前の声量と歌唱力を疑わせるほどの、
あの頃以上にシャウトするヴォーカルに磨きをかけた男の歌がここにある。
今なお彼を知る者にとっては、
名曲『 Waw Say Tonight 』を想い起こさせるLOVE SONG。
しかし、その振り絞る声の輝きには、明るさだけが取柄だったかのような時代とはべつに
今日まで力強く生きた男の奥行きと逞しさが漲っている。
Tetsuya Itami はパワー全開。
このシンガーの心にあるエンジンが必要なときは常にオーヴァーホールされ、
いつでもカストロールのオイルの臭いをプンプンさせて走るレーシングカーのように
このままツアーへ出てもTUNING万全なのだろう。おそらく。
   
2.Yes !!!  2:47 
この曲の作詞作曲にあたった人物曰く
「エロ社長とYESマン達のコミカルなロックに仕上げた。
ちょっと民放では放送されそうにないな。
感じとしては、昔の曲で『MONKEY』という曲があるが、それに類似する。」
ということで、今このライナーを書いている小生としても
机の前の棚から、そのアルバム『手の平のダイヤモンド 1992年11月3日発売)を引っ張り出して
その6曲目にある、「MONKEY」を聴いてみた。
なるほど。
ストーンズの楽曲にも“MONKEY ”というのがあったが、
あちらは麻薬に溺れたジャンキーの俗語として歌われていた。
92年当初のその歌のロックスピリットに、それが掛けられていたかどうかは別として
アルバム『手の平のダイヤモンド 』の中では
毎日あくせく働き、過労死寸前まで仕事に追われる男の姿や
仕事の付き合いでも酒を楽しむどころか、酒の席を道具にして
働かなければならない男の宿命などを非常に判りやすい詞で歌い描かれていた。
Tetsuya Itamiの場合は、当時の日本経済を風刺するかのような赴きで
企業の猿回し。あるいは、群れを追われたボス猿のような意味合いで
そういう企業戦士のイメージを「MONKEY」としていたのかも知れない。
そして今回の『Yes !!!』という曲も、
曲の進行そのもののスタイル、歌詞の展開に類似点があることは頷ける。
しかし、そこには大きな違いもあった。
1992年作の「MONKEY」は雇われる側の姿を描いたモノであり、
2006年作の『Yes !!!』は経営者側のことを歌っている。
この間にはやはり、「バブル崩壊」という一時期の世間の騒ぎと、
その後の、企業と起業の闘争や絡み合いが覗える。
無論、Tetsuya Itami の純粋なファンにとっては、その二つの曲を聴き比べて
なにかを認識する必要もないのだが、
これはひとつに、ミュージシャン・Tetsuya Itamiでありながらも
かつては建築家の道へ進むことも考えていた人間・伊丹哲也が自ら、
その半生を通して垣間見た社会の断片。そして、
今後も大勢の者が、それぞれの人生に支払うべき代償が訪れることを予兆するような意味で
変わりゆく時代からの予告。ないしは景気回復を装う者達への警告なのかも知れない。
ただ、『Yes !!!』という曲そのもの、単純に子供には聴かせられないアダルトな部分もあるので
これは、2分47秒のコミカルなドラマとして、それなりの大人が聴くにとどめておくことにしたい。
   
3.エンヤコラ  4:13 
S&Gという云い方で、そのグループがどんなグループなのかを想像して判る人は
今の若い世代には少ないかも知れないが、
この曲は、ポール・サイモン の新曲なのか? 
というほどの雰囲気も持っている。
今回、Tetsuya Itami オフィシャル・ウェヴサイト
GALLERY
THANK YOU FRIEND ! のページ から紹介させてもらっている楽曲については
前述と重複するかも知れないが、当初は販売用CDとして製作されたモノがほとんどである。
その経緯や、なぜにサイトのみの公開へ至ったのかの理由は、ここでは省略させてもらうが
それらの詳細を今さらながら誰に尋ねることも必要ないほど、
昨年(2006年11月27日)のCD製作中断は、ご本人自らの決断によるものであり、
「風のように消える歌を歌って生きる」という言葉は今もファンの胸に残っていることだろう。
私的な解釈になって申し訳ないが、その時期に製作された楽曲のすべてが
今こうして堂々たる姿でインターネット上へ公開されている、そのひとつには、
Tetsuya Itami というミュージシャンの、プロのアーティストとしての覚悟には
「数字や計算の世界からの逸脱…」という問題もあり、それを克服するまでの“現在”もあるに違いない。
ファンとしては、そういうTetsuya Itami の太っ腹で、
正直なところにも惚れて今日に至っている事実もある。
またこれも、Tetsuya Itami の歌に今日はじめて触れる人にとってはどうでもいいことかも知れないが
この、『エンヤコラ』という曲に限ることなく、
このページ の曲目をクリックして
リアルプレーヤーが立ちあがった時のファイル名に、「MIX」というタグが付けられている。
これは、ほかのページで紹介されている数々の曲には、あまりないことなのだが
要するに、製作者側にとっては、特別にスタジオ録音されたモノと
自宅録音された楽曲に区別があるということなのだろう。
そして今これを書いている小生としては、その「MIX」のファイル名に、
ある悟りの瞬間までは、ファンに向けてのCD作成に熱を入れていたアーティストの心意気を感じている。
曲の解説の前置きが(いつものごとく?)長くなってはしまったが、
要するに、MIXということは、幾つかのパターンやテイクで演奏された物を
そのままダイレクトに録音処理されたモノではなく
何度か聞き返されてミックスダウンという処理をほどこされていることになる。
そもそも、レコーディング用にスタジオで収録される音というのはLIVE演奏とは違って
楽器で演奏されるパートとヴォーカルやコーラスのパートが、
それぞれの担当ミュージシャン(プレーヤーやシンガー)によって個々に録音される場合と
そういうバンド編成が、メンバーの掛け声などにより一斉に一発録りされるというスタイル…などがある。
それらを更にプレイバックしてからの録音処理がミックスダウンということになるわけだが

そういう意味で、この『エンヤコラ』という曲も、コーラスの部分で、
かなり手の込んだ処理が施されていると思われる。
Tetsuya Itami というアーティストは、スティーリー・ダンやピンク・フロイドでもなく
そのスタジオ収録の現場では独りだけの演奏と録音作業だったわけだが
その収録作業の合間、やはり自身が語っていた内容
『エンヤコラ 』はジョギングしながら思いついた。
「汗は明日の力となる」と歌い、「…となる」と歌う。
「…」は、聞いてのお楽しみだ。
俺はそれを無機質に歌った。そして日本人ではなく外人のように歌ったつもりだ。

というコメントがあった。
いつだったか、
「歌うことは俺の生業ではなく、生涯の仕事である」と云われていたこととは別に
趣味で、息子さんとのジョギングやゴルフ練習場での弾撃ちについては、
既に ご存知のファンもいることだろう。
Tetsuya Itami は48歳にして、清々しい朝の街並みを走りゆくシンガーソング・ファイターでもある。
そんな日常の中で作られたらしきこの曲には
かつて甲斐バンドが「ビューティフル・エナジー」という曲をヒットさせた時代には関係なく
人ひとりが、金色の汗を輝かせながら、しなやかに風の中を走って生きる姿が描かれている。
またそれは、単に一人の父親が自分の子供の成長や
その命への励ましを歌にしたということでもない。
そういうありふれた日本の演歌っぽい歌に仕上げることも
Tetsuya Itamiには可能なのかも知れないが
26年間の歳月…いや、それ以上の時を経て育まれ、培われた音楽人生では
そうは問屋が卸さない。
Tetsuya Itamiは、この曲を優しくしっとりと歌っているようでも
実は4分間強の全編にわたり、常にどこまでも「風」をイメージさせることを惜しまず、
その丁寧なギター伴奏には、ひたすらに地の上を走るスニーカーが
いつしか虹の上へ駈けあがるかのごとく、いうなれば、
自由な空の下の、ニューヨーク・セントラルパークでジョギングを楽しむ人々の姿を脳裏に浮かばせる…
あの巧みなミックスダウンが施されたコーラスパートの効果と相まって
そういう出来に仕上っている曲と云えよう。
   
   
   
   以下、編集中の内容も含め、楽曲紹介の一部 
   
4.四回戦ボーイ  http://ameblo.jp/badlife/entry-10024024436.html
   
5.見上げれば晴天  http://ameblo.jp/badlife/entry-10023230233.html
   
6.凹垂れ  http://ameblo.jp/badlife/entry-10023021689.html
   
7.手帳  http://ameblo.jp/badlife/entry-10022966149.html
   
8. 流木 【編集中 / 近日公開】 
   
9.女とトンガリブーツ  http://ameblo.jp/badlife/entry-10038497375.html  new! 
               http://ameblo.jp/badlife/entry-10024589175.html
   
10.君と風と洗濯物 http://ameblo.jp/badlife/entry-10039679717.html