こどもの病気・トラブル対処法 -14ページ目

予防接種(3) スケジュールの立て方

予防接種の受け損ねがないように、接種のスケジュールをきちんと立てましょう。


【スケジュールの組み方のポイント】


集団接種を優先

BCGやポリオなど、集団接種で接種の日時が決められているものなどは、一度受け損なうと次に接種できるのはずいぶん先になってしまうこともあります。
まずは集団接種の日時を確認して、スケジュールに組み込みましょう。
接種の日に向けて体調を整えておくことも大切です。

とくにBCGは公費で受けられる接種期間が短いので気を付けましょう。

また、ポリオの予防接種は多くの自治体で春か秋にしか実施しません。
下痢をしていると予防接種の効果がおちるため、重い下痢を伴う感染症が流行しやすい季節を避けるためです。
接種の機会が少ないので、なるべく早めに受けましょう。


重症になりやすい病気を優先

次に、定期接種の中でもかかると重症になる恐れがある病気の予防接種を優先します。
0歳代ではBCG、DPT、1歳代ではMRを最優先にしましょう。


季節性や流行を考慮

冬に流行するインフルエンザは10~11月中に3~4週間の間隔をあけて2回接種するのが理想です。
遅くとも12月中旬までには接種を済ませましょう。

任意接種は一般的に水ぼうそう、おたふくかぜの順に受けることが多いですが、周囲で感染症が流行している場合は、その感染症の予防接種を最優先にします。


ワクチンの接種期間に注意

BCG、ポリオなどの生ワクチンは接種後27日間は次の予防接種が受けられません。
インフルエンザ、DPTなどの不活化ワクチンとトキソイドは6日以上の間隔をあける必要があります。

流行などの関係で数種類の予防接種を急いで受けたいときは、接種間隔の短い不活化ワクチンの予防接種を先に受けると良いでしょう。

DPTなど複数回受けるワクチンは、次の接種までの期間にも注意しましょう。


迷ったときや受け損ねたときは小児科医に相談

予防接種のスケジュールは複雑で、流行なども考慮しなくてはならず、自分ではうまく予定を立てられない方も多いでしょう。
また、きちんとスケジュールを立てていても、赤ちゃんの体調などで予定通りにいかないこともあります。

そんな場合は病気の流行や赤ちゃんの体質などを把握しているかかりつけ医に相談する方法もあります。
医師と相談しながら、子供の予防接種を受け漏れのないように計画しましょう。


【予防接種のスケジュール例】


就学前に受けたい予防接種

月齢・年齢受けたいワクチン
2ヵ月~6カ月ヒブ4~8週間の間隔をあけて3回、●小児肺炎球菌4週間以上あけて3回
3ヵ月頃DPTⅠ期1回目、○BCG
4~9ヵ月頃DPTⅠ期2~3回目、○ポリオ1回目
10ヵ月~ポリオ2回目
1歳頃MR1期
1歳~1歳3カ月小児肺炎球菌追加1回
1歳1ヵ月頃~水ぼうそう、○おたふくかぜ
1歳6ヵ月頃DPTⅠ期追加、●ヒブ追加1回
3歳頃日本脳炎Ⅰ期初回を1~4週おきに2回
4歳頃日本脳炎Ⅰ期追加
5歳頃MR2期

赤字は定期接種、青字は任意接種です。
※○は生ワクチン(接種後、中27日以上空ける)、●は不活化ワクチンまたはトキソイド(接種後、中6日以上空ける)です。
※ヒブ、小児肺炎球菌は他ワクチンと同時接種が可能です。
※流行状況に応じてインフルエンザの接種を組み込んでください。
※流行があった時は、かかりつけ医と優先順位や接種時期を相談してください。


【子供の予防接種】

1 予防接種の基礎知識
2 予防接種の種類
3 スケジュールの立て方
4 BCG
5 DPT(3種混合)
6 ポリオ
7 MR (麻しん風しん)
8 日本脳炎
9 おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)
10 水ぼうそう(水疱瘡、水痘)
11 Hib (b型インフルエンザ菌)
12 インフルエンザ
13 B型肝炎
14 小児用肺炎球菌ワクチン


予防接種の必需品 母子手帳ケース
  
  

予防接種(2) 予防接種の種類

【予防接種の種類】


ワクチンの種類

ワクチンは作り方によって3つの種類に分けられます。
ワクチンの種類によって次の予防接種までに空けなければならない期間が変わってくるので注意しましょう。

【生ワクチン】

生きた病原体の病原性を弱めて作られたワクチンです。
接種によって病気に軽く感染させて免疫を作ります。

十分な免疫が付くまでに時間がかかるため、接種後、別の予防接種を受けるには27日以上間隔をあける必要があります。


【不活化ワクチン】

病原体を殺し、免疫をつくるのに必要な成分だけを取り出して病原性をなくしたワクチンです。
免疫を付けるのに複数回の接種が必要です。

接種してから年数が経過すると免疫力が低下するため、一定の間隔で追加接種を受ける必要があります。
別の予防接種までに6日以上の間隔を空けます。


【トキソイド】

細菌が作る毒素を取り出し、その毒性を弱めて作られたワクチンです。

基本的には不活化ワクチンと同じで、複数回の接種が必要です。
別の予防接種までに6日以上の間隔を空けます。


就学前に受ける定期接種

それぞれ名前をクリックすると詳しい説明ページが開きます。

【BCG】
結核の予防接種。生ワクチン。

【DPT(3種混合)】
ジフテリア、百日咳、破傷風の混合予防接種。トキソイド(不活化ワクチン)。

【ポリオ】
急性灰白髄炎の予防接種。生ワクチン。注射ではなく、ワクチンを口から飲む経口接種。

【MR (麻しん風しん)】
はしか(麻疹)と風疹の混合ワクチン。生ワクチン。

【日本脳炎】
不活化ワクチン。2009年から新ワクチンの使用が認められ、2010年度より積極的勧奨を再開。


就学前の主な任意接種

【おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)】
生ワクチン。

【水ぼうそう(水疱瘡、水痘)】
生ワクチン。感染後でも接種可能。

【ヒブ (Hib、b型インフルエンザ菌)】
インフルエンザ菌による髄膜炎、喉頭蓋炎などを予防。不活化ワクチン。

【インフルエンザ】
不活化ワクチン。毎年10月頃から接種可能。

【B型肝炎】
不活化ワクチン。生後時から接種可能。

小児用肺炎球菌ワクチン
小児の肺炎球菌による髄膜炎などを予防。不活化ワクチン。2010年から接種可能に。


詳しい説明はリンク先で。


【子供の予防接種】

1 予防接種の基礎知識
2 予防接種の種類
3 スケジュールの立て方
4 BCG
5 DPT(3種混合)
6 ポリオ
7 MR (麻しん風しん)
8 日本脳炎
9 おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)
10 水ぼうそう(水疱瘡、水痘)
11 Hib (b型インフルエンザ菌)
12 インフルエンザ
13 B型肝炎
14 小児用肺炎球菌ワクチン


予防接種の必需品 母子手帳ケース
  
  

予防接種(1) 予防接種の基礎知識

赤ちゃんがお母さんからもらった病気に対する抵抗力(免疫)は、生後3カ月頃から自然に失われて行きます。
免疫がなくなる時期は病気によって違いますが、この時期を過ぎると赤ちゃんは自分で免疫をつくって病気を予防する必要があります。

また、子供は発育とともに外出の機会も多くなり、感染症にかかる可能性も高くなります。
予防接種は赤ちゃんが病気に対する免疫をつくるのを助けるためのものです。

予防接種を受けることで、重篤化することの多い子供の感染症を予防し、その感染症が社会で流行することを防ぎます。


子供の予防接種は種類が多く、定期接種のものや任意接種、スケジュールなど分かりにくいことも多いです。
接種時期や受けられるものをしっかり確認し、接種漏れのないようにしてあげましょう。
 

※予防接種を受けたからと言って、絶対にその病気に感染しないとは言いきれません。

接種することによってその病気に対する抵抗力(免疫)をつけ、発症する確率を下げたり、感染したとしても重症化を防ぐ役割をするものです。
また、そのときの体調によっては免疫ができないこともあります。
免疫ができたかどうかを知りたい時は、血液検査で血中の抗体を測定する方法もあります。


【予防接種の基礎知識】


定期接種と任意接種

【定期接種】

国が推奨する予防接種で、受けられる年齢や期間が決まっています。
親は受けさせるようにする義務があります。

各自治体が実施し、基本的には無料。
自治体から接種の通知が届きますが、決められた期間内に受けられないと自費での接種になるので注意が必要です。

万が一健康被害が出た場合、救済制度もあります。

BCG、DPT、ポリオ、MRなど。


【任意接種】

接種を希望する人が費用を自己負担して受ける予防接種です。
種類によっては一部助成金を出してくれる自治体もあります。

対象期間内に受けられなかった定期予防接種も任意接種になります。

保育園などに預ける際は接種を義務付けられる場合もあります。
感染すると重症になったり重い後遺症を残す可能性があるものもあるので、かかりつけ医と相談しながらなるべく早めに受けましょう。

おたふくかぜ、水ぼうそう、インフルエンザ、ヒブなど。


集団接種と個別接種

【集団接種】

接種に適した月齢になったら、市区町村ごとに決められた日時・場所に集まって受ける予防接種です。
自治体によっては通知がない場合もあるので、自治体の広報誌などをこまめにチェックしておきましょう。

BCGやポリオは集団接種で行うところが多いようです。


【個別接種】

小児科などで、個人で依頼して受ける予防接種です。
定められた期間内なら、赤ちゃんの体調を考慮して日程が決められます。
病院によっては予約が必要になる場合があるので事前に確認しましょう。

かかりつけ医で接種するのがおすすめですが、かかりつけ医がまだ決まってない場合は、この機会にめぼしい小児科をまわって良い病院を探すのもいいかもしれません。


予防接種の副反応

副反応とは、ワクチンに体が反応して起こる症状のうち、予期していなかったものをいいます。
接種箇所の腫れ、痛み、じんましん、発熱の他、まれにショック症状や熱性けいれんを起こすこともあります。

大半は症状も軽く、数日で回復しますが、接種前に出やすい反応や受診の目安を知っておくことが大切です。

予防接種の接種後30分は強い副反応が出る可能性があるので、接種した施設内か、すぐに戻れる場所にいましょう。
また接種後は人ごみに連れて行かないようにし、激しい運動は避けます。
入浴時は接種部位を強くこすらないようにしましょう。


予防接種を受け損ねたら

定期接種で決められた接種時期を過ぎると任意接種になり、自費で受けることになります。
集団接種では日時や場所が限られているので、わからないときや指定日に受けられない場合の対応などは、市区町村の窓口に問い合わせてみましょう。

子供が産まれたらなるべく早めに予防接種のスケジュール、自治体からの通知の有無を確認しておくと安心です。

数回続けて受ける必要のある予防接種で規定より間隔が開いてしまった場合は、ワクチンによって対応が変わります。
まずは小児科医に相談してみましょう。


【子供の予防接種】

1 予防接種の基礎知識
2 予防接種の種類
3 スケジュールの立て方
4 BCG
5 DPT(3種混合)
6 ポリオ
7 MR (麻しん風しん)
8 日本脳炎
9 おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)
10 水ぼうそう(水疱瘡、水痘)
11 Hib (b型インフルエンザ菌)
12 インフルエンザ
13 B型肝炎
14 小児用肺炎球菌ワクチン


予防接種の必需品 母子手帳ケース