こどもの病気・トラブル対処法 -13ページ目

予防接種(6) ポリオ

【ポリオの予防接種】定期接種

【ワクチンの種類】
生ワクチン。Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ型の3タイプのポリオワクチンが混ざっています。

【接種方法】
経口投与。赤ちゃんの口にスポイトでワクチンを入れて飲ませます。

【接種時期・回数】
18ヶ月までに2回。
3ヶ月~7歳6カ月までに2回接種することになっていますが、3カ月~18カ月に2回受けることが推奨されています。
南アジアやアフリカなどの海外の流行地域での生活を予定している人は3回の接種が必要です。


予防する病気

ポリオウイルスの感染でおこるポリオ(急性灰白髄炎、小児まひ)を予防します。
ごく軽症なら発熱で済みますが、重症になると手足に麻痺が残ったり、呼吸困難で死亡する場合もあります。

日本での自然感染はなくなりましたが、海外では流行している地域もあり、日本人が渡航中にポリオに感染したり、国内にポリオウイルスが入ってくる可能性はあります。

経口投与のため下痢のときは効果が弱まるので、下痢を伴う感染症の流行する夏と冬を避け、春と秋に集団接種をおこなう自治体が多いようです。
接種日が限られているので、受け損ねないようにしましょう。


接種の注意点

ひどい下痢をしているとワクチンの効果が弱まります。
また吐き気や咳のひどい場合も接種を見合わせることがあります。

年2回の集団接種をおこなう市区町村が多いので、受け損ねないように体調を整えておきましょう。

接種後に吐くとワクチンが体に入りません。
接種前後30分間は授乳や飲食は控えさせましょう。


接種後の注意点

ポリオワクチンを飲んですぐに吐かないよう、接種後30分間の授乳や飲食は控えましょう。
また、ポリオのウイルスがほかの場所に付くのを防ぐため、赤ちゃんがおもちゃなどを舐めたり指しゃぶりをしないように注意しましょう。

接種後1カ月程度はワクチンウイルスがウンチの中に混じって排泄されます。
免疫のない家族がウイルスに接触することで感染する可能性があるので、接種後1カ月くらいはうんちの始末に気を付けて、手を良く洗いましょう。


副反応と受診の目安

まれに発熱や下痢がおこることがありますが、心配はいりません。

400万~500万人に1人の割合で、手足に麻痺がおこることがあります。
手足を動かしにくそうにしている、動きが鈍い、首や背中がこわばるなどの症状がでたらすぐに受診しましょう。

また、家族にも同じようなマヒ症状が見られた場合はすぐに受診し、赤ちゃんがポリオワクチンを接種したことを説明しましょう。


【子供の予防接種】

1 予防接種の基礎知識
2 予防接種の種類
3 スケジュールの立て方
4 BCG
5 DPT(3種混合)
6 ポリオ
7 MR (麻しん風しん)
8 日本脳炎
9 おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)
10 水ぼうそう(水疱瘡、水痘)
11 Hib (b型インフルエンザ菌)
12 インフルエンザ
13 B型肝炎
14 小児用肺炎球菌ワクチン


予防接種の必需品 母子手帳ケース
  
  

予防接種(5) DPT(三種混合)

【DPT(三種混合)の予防接種】定期接種

【ワクチンの種類】
不活化ワクチンとトキソイドの3種混合ワクチン。
Ⅰ期はDPT(混合ワクチン)
Ⅱ期にはDT(トキソイド)を接種。

【接種方法】
皮下注射。赤ちゃんの上腕に皮下注射します。

【接種時期・回数】
Ⅰ期、Ⅱ期あわせて5回接種。
Ⅰ期は3~7歳6カ月までに合計4回接種します。
3ヶ月~1歳までに、間隔を3~8週間空けて3回、さらに3回目の接種から半年~1年半後に追加接種を受けるのが理想的です。
Ⅱ期は11~12歳頃に1回接種します。


予防する病気

ジフテリア(D)、百日咳(P)、破傷風(T)を予防します。

ジフテリアは38度以上の熱と犬の遠吠えの様な咳が特徴で、のどの痛みや嘔吐の症状もあります。

百日せきは風邪のような症状ではじまりますが、熱は出ず、咳がひどくなり顔を真っ赤にしてせき込むようになります。
咳のあと急に息を吸い込むのでひゅーひゅーと笛を吹くような音がでます。

破傷風は筋肉の硬直で口が開かなくなったり、けいれんを起こすなどの症状があります。
土の中にいる菌が、傷口から体内に入ることによって感染します。


いずれも乳幼児がかかると死に至ることのある危険な病気です。
受けれる月齢になったら早めの受診を心がけましょう。


接種の注意点

近年百日せきが全国的に流行しているので、3カ月になったら早めに受診しましょう。
Ⅰ期の合間にBCGやポリオを受けることもできるので、できればBCGよりも優先します。

2回以上の接種で免疫がつきます。
回数が多いので受け忘れがないように気を付けましょう。

途中で間隔が開いてしまった時は保健センターかかかりつけ医に相談しましょう。


接種後の注意点

ごくまれに37.5度程度の熱がでる場合もありますが、通常は高熱にならないので心配はありません。

また、多くの赤ちゃんに、接種した部位が腫れたり、しこりになったりする反応が見られます。
この反応は回数を重ねるたびに多く見られるようになり、特に3回目の接種後は約半数の赤ちゃんに見られます。

腫れやしこりは数か月ほどで自然に小さくなります。


副反応と受診の目安

肘の先までパンパンになるほど腫れてしまった場合や腫れた部分を痛がる時、38度以上の高熱、機嫌がひどく悪いなどが見られたら受診しましょう。


【子供の予防接種】

1 予防接種の基礎知識
2 予防接種の種類
3 スケジュールの立て方
4 BCG
5 DPT(3種混合)
6 ポリオ
7 MR (麻しん風しん)
8 日本脳炎
9 おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)
10 水ぼうそう(水疱瘡、水痘)
11 Hib (b型インフルエンザ菌)
12 インフルエンザ
13 B型肝炎
14 小児用肺炎球菌ワクチン


予防接種の必需品 母子手帳ケース
  
  

予防接種(4) BCG

【BCGの予防接種】定期接種

【ワクチンの種類】
生ワクチン。ウシ型結核菌を弱毒化して作られています。

【接種方法】
スタンプ方式。赤ちゃんの上腕部に、管針法というスタンプ方式で接種します。

【接種時期・回数】
6カ月未満に1回。
3~5ヶ月に受けるのが理想です。


予防する病気

生後すぐでもかかる結核を予防します。

結核はお母さんから免疫がもらえないため、生まれたばかりの赤ちゃんでもかかります。
主な症状は発熱やせき、食欲不振などですが、赤ちゃんは咳がでないこともあるため発症に気付かないこともあります。

また赤ちゃんがかかると重症になりやすく、死にいたることもあります。
治ったとしても難聴や脳神経麻痺、水頭症などの後遺症が残ることが多い怖い病気です。


接種の注意点

0ヶ月から受けられますが、3カ月頃からの接種がおすすめです。
6ヶ月未満までと接種できる期間が短いため、優先的に摂取します。

3~4ヶ月ごろの検診時に集団接種することが多いようです。
事前に予定を確認して、体調を整えておきましょう。

当日に発熱などで受け損なった場合は次回の接種日を相談しましょう。


接種後の注意点

接種部位が乾く前に触ると、ワクチン液がほかの部位に付くことがあります。
10分ほどで乾くので、それまでは日陰で触らないように注意し、接種部位が乾いてから服を着せます。

アレルギー反応が起きたときのために、接種後30分間は会場内で待機しましょう。

通常は2~3週間後に接種痕がぽつぽつと腫れ、膿を持つこともありますが、1~2ヶ月後には自然に治ります。
包帯をしたり絆創膏などをはると治りが遅くなったり菌が繁殖したりするのでやめましょう。

接種後10日以内に赤く腫れて膿んでしまったら、ワクチンの接種前から結核菌に感染していた可能性があります。
これはコッホ現象と呼ばれ、通常2週間から4週間後に症状が治まります。

家族から感染した疑いもあるため、家族も一緒にすぐに受診しましょう。


副反応と受診の目安

約200人にひとりの割合で、接種した側のわきの下のリンパ節がはれることがありますが、通常は自然に治ります。
接種痕が化膿して3カ月たっても治らない、膿がひどい、首の脇やわきの下が大きく腫れて痛がる、コッホ現象が疑われるときは、受診しましょう。


【子供の予防接種】

1 予防接種の基礎知識
2 予防接種の種類
3 スケジュールの立て方
4 BCG
5 DPT(3種混合)
6 ポリオ
7 MR (麻しん風しん)
8 日本脳炎
9 おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)
10 水ぼうそう(水疱瘡、水痘)
11 Hib (b型インフルエンザ菌)
12 インフルエンザ
13 B型肝炎
14 小児用肺炎球菌ワクチン


予防接種の必需品 母子手帳ケース