キャラ者
- 江口 寿史
- キャラ者 1 (1)
「これが江口スタイル」
たまにはマンガも紹介しようと思い立ち、何がいいかと考えあぐねていたのですが何故か江口 寿史の「キャラ者」になってしまいました。
すすめ!!パイレーツ やストップ!!ひばりくん! を小さい頃に知り、そのポップでスタイリッシュなギャグと絵柄にファンになったのは良いのですが、その後は連載休止・中止が相次ぐ迷走状態でいつしか存在を忘れていた江口 寿史氏。(ラッキーストライクとか、アニマル拳はその後どうなったのでしょうか??)
何年後かにふと立ち寄った本屋で見かけ、「江口 寿史の新作がまとまった形で読めるとはめずらしい。。」と思わず買ってしまったのがこの作品です。
相変わらずの珍妙なキャラとおしゃれかわいい絵柄、テンポの良いギャグ、後半にかけてのタイトルからの脱線と江口スタイル満載でとても楽しめました。
ただ今後は例のごとく続かないのだろうなと思い、また存在を忘れかけていたのですが、今回ブログを書くにあたってAmazonを検索しところ、なんと2巻まで出ていました。
さっそく注文してその後の江口氏の足跡をしのぼうと思いました(まだ死んだわけではありませんが。。)
江口 寿史
キャラ者―Comical youth story with puppets (第2巻)
| 難易度 | ★☆☆☆☆ |
| インパクト | ★★☆☆☆ |
| 泣ける度 | ★☆☆☆☆ |
| 笑える度 | ★★★★☆ |
| 怖い度 | ★☆☆☆☆ |
| 考えさせられる度 | ★☆☆☆☆ |
| 推定読了時間 | 30分 |
白い果実
- ジェフリー フォード, Jeffrey Ford, 山尾 悠子, 谷垣 暁美, 金原 瑞人
- 白い果実
「凡百を突き抜けた王道ファンタジー」
1998年に世界幻想文学大賞を受賞した作品です。久々にファンタジーの王道が何であるかを示してくれただけでなく、文学的格調をも備えたマスターピースと言える一冊です。
人相を科学して人の行動を解明する観相官という職業。クリスタルと珊瑚の理想都市。怪しげな科学や不老不死といった定番要素も惜しげも無く散りばめられ、聖書の寓話の様な神秘性を漂わせています。
またそれなりにボリュームのある作品ですが、細かい章立てと山尾悠子さんの見事な翻訳によって絶妙なリズム感で読み進める事ができます。
全三部作とのことですが、指輪物語 のように世紀を代表する幻想小説として歴史に残る可能性を秘めた作品だと思います。
| 難易度 | ★★★☆☆ |
| インパクト | ★★★★★ |
| 泣ける度 | ★★☆☆☆ |
| 笑える度 | ★☆☆☆☆ |
| 怖い度 | ★★☆☆☆ |
| 考えさせられる度 | ★★★☆☆ |
| 推定読了時間 | 6時間 |
堕落論 - 坂口 安吾
- 坂口 安吾
- 堕落論
「乱世の安吾の真骨頂」
前記事で堕落をテーマにしたのですが、「堕落と言えば坂口 安吾」と思い立ったので紹介する事にしました。
世が乱れると安吾が読まれると言われ、「乱世の安吾」といつしか呼ばれる(?)ようになった彼の代表作の一つです。
既存文学への挑戦者であり続け、荒廃し価値観が根底から奪われた戦後の日本で、積極的に「生きよ、堕ちよ」とうったえた彼の強靭なリアリズムは、空虚な「自分らしさ」論が氾濫する今こそ必要なのではないでしょうか?
政治不信、理解しがたい犯罪、企業の不祥事。乱れきった世の中に立ち向かう心構えとして安吾的堕落論は一つの解決策なのではと思います。
| 難易度 | ★★★☆☆ |
| インパクト | ★★★★☆ |
| 泣ける度 | ★★☆☆☆ |
| 笑える度 | ★☆☆☆☆ |
| 怖い度 | ★☆☆☆☆ |
| 考えさせられる度 | ★★★★☆ |
| 推定読了時間 | 4-5時間 |
アルカロイド・ラヴァーズ
- 星野 智幸
- アルカロイド・ラヴァーズ
「斬新な設定から紡ぎ出される堕落の美学」
最近読んだ本の中で特にひかれた物の一つがこのアルカロイドラヴァーズです。植物>動物という前提の下、堕落した植物は楽園から堕ちて、人としてより限定された価値の中で生きる事を定められます。
透明感がありながら官能的でもある不思議なリズムと雰囲気の中で、決して陳腐になることなく物語は展開され、文学としての完成度の高さを感じました。
恋愛に悩む人、疲れた人はこの本を読んで自分の価値観を問い直してみるのもいいのではないでしょうか?
登場人物のように恋人に毒を盛るのはいただけませんが。。
| 難易度 | ★★☆☆☆ |
| インパクト | ★★★☆☆ |
| 泣ける度 | ★★☆☆☆ |
| 笑える度 | ★☆☆☆☆ |
| 怖い度 | ★★☆☆☆ |
| 考えさせられる度 | ★★★☆☆ |
| 推定読了時間 | 4-5時間 |
百年の孤独
- G. ガルシア=マルケス, Gabriel Garc´ia M´arques, 鼓 直
- 百年の孤独
「圧倒的筆力で迫るラテンアメリカ的神話」
ラテンアメリカつながりという事で、ボルヘスの次はマルケスを紹介したいと思います。
マルケスはコロンビア出身、1982年にノーベル文学賞を受賞しています。
百年の孤独は世界的ベストセラーとなった彼の代表作です。
マコンドという村におけるブエンディア一族の100年に渡る栄華盛衰を、ラテンアメリカの歴史と寓話を織り交ぜながら語る大作であり、20世紀を代表する一冊と言えると思います。
ただそこはさすがにラテンアメリカ。この一族はとにかく近親相姦や不貞が多く、また直情的で、にも関わらず行動力があり余っているため勢いで革命まで起こす輩も現れます。
そんなあらすじで、世界的ベストセラー?と疑いたくもなるかもしれませんが、実直なまでの構成力と時おり織り交ぜられる神秘的な出来事の魅力に一気に読まされてしまう不思議な魔力を持った一冊です。
読み終わると祭りの後の静けさのような感覚に襲われます。是非実際に試して見てください。
| 難易度 | ★★★☆☆ |
| インパクト | ★★★★★ |
| 泣ける度 | ★★☆☆☆ |
| 笑える度 | ★★☆☆☆ |
| 怖い度 | ★☆☆☆☆ |
| 考えさせられる度 | ★★★★☆ |
| 推定読了時間 | 8-10時間 |
ボルヘス 伝奇集
- J.L. ボルヘス, 鼓 直
- 伝奇集
「世界の真実に切り込むボルヘス流千夜一夜」
栄えある最初の作品は、ブログタイトル「バベルの図書館」が収録されているボルヘスの伝奇集です。
アルゼンチンを代表する現代作家ボルヘスの17の短編が収められ、彼の代表作といえるバベルの図書館や円環の廃墟なども含まれています。
上記の気難しそうなおじさんがボルヘスその人ですが、その顔に負けず作品もかなり気難しく少々とっつきにく面があるのも事実です。
ですが、ラテンアメリカ的でありながら古今のあらゆる題材 (哲学、宗教、寓話)を料理する手腕は緻密ですばらしく、何度も読み返すとその幻想的な世界に引き込まれる事は確実です。
時代の変化に影響されない碩学の力を堪能できる一冊と言えると思います。
| 難易度 | ★★★★☆ |
| インパクト | ★★★★☆ |
| 泣ける度 | ★☆☆☆☆ |
| 笑える度 | ★☆☆☆☆ |
| 怖い度 | ★★☆☆☆ |
| 考えさせられる度 | ★★★★★ |
| 推定読了時間 | 10時間 |
バベルの図書館
自分の読んだ本を体系的に整理したいという事は本好きならば一度は誰でも考える事だと思います。そうした目的のためにブログというのは非常に有益だと思い、このブログを始める事にしました。
本の趣味は千差万別。同じ作品でも人によってとらえ方は異なるかと思います。そうした様々な人の意見を聞けることもブログの楽しみの一つです。
タイトルのバベルの図書館はJ.Lボルヘスの短編の一つです。この神秘的な名前の図書館は殆ど無限の蔵書を誇り、この世の過去・未来全ての情報が記されているそうです。
私も出来る限り自分の読んだ本の記録を残し、自分なりのバベルの図書館が作れればという思いから、このタイトルを選びました。(ボルヘスのバベルの図書館は蔵書の膨大さ故に混乱をきたしていますが、私の図書館は整然といきたいと思っています)。