ラストラブ -11ページ目

彼②

身体の相性、大人の恋愛になるほどそれはとても重要だと思う。

彼と付き合う前、私にはヒロというセフレがいた。

もちろん彼も既婚者で、彼の望む付き合いは、心も、体の相性が

合うセックスパートナーが欲しいというものだった。

だから私は大人の恋愛というより、セックスフレンドだと思うことにした。

ヒロは、50代で社会をリタイヤし家にいて家の事と孫の面倒をみるという

隠居生活をしていた。


それでも、ヒロの性への欲求はとても強かった。その歳になるまで

愛人、もしくはセフレを欠かせたことはなかったそうだ。

ヒロはそんな遍歴を包み隠さず私に言った。

「ぼくは、嘘がつけないんだ」

そう言うのは簡単だけれど、聞く方はいい気がしない。

結局、別れるまで私は彼の過去の女に嫉妬し、振り回されていた。

一番、頭にきたのは彼があるHなチャットで、そこで出会った女に

熱を上げ、生活援助が欲しいと言われ、30万円を持ってその女に渡したそうだ。

その後、女の彼氏が現れ、別れることになったそうだ。美人局・・・?

私はそう思ったが、彼は本気で愛してたのでそうだとは思ってない。

本当に、バカ男で性欲しかない男。そんなヒロを私は全く愛せなかった。

ヒロもそうであったように、私もヒロは性欲の捌け口として付き合っていた。


ただひとつヒロに感謝するのは、その別れ方だった。

ヒロは私からの別れのメールをいとも簡単に承諾してくれた。

綺麗に別れることが、男の価値を高めるものだと改めて知った。

大人の恋愛は、綺麗に別れらせてこそ本物なのかもしれない。

それに比べ、正志との別れは最悪だった。一方的に着信拒否、

いらない女はメールと共に、ゴミ箱にポイだ。


そうして、私はヒロと別れた。不器用な私には何人もセフレを持つこと

なんてできない。

今の彼でさえ、私の事をどう思っているのかはわからない。

そして、その先もわからない。いつ終わるかもわからない。

けれど、私がいまの彼にどうしようもなく惹かれているのは事実だった。






彼①


doraibu


まるで夢を見ているような、秋の日だった。

私は、彼のスポーツカーの助手席にいた。彼とはまだ知り合ったばかり。

50歳を少し過ぎた彼だが、遊び心のある人で、最近買った車は

オープンカーだ。スイッチひとつで車の屋根が開くと思わず歓声を上げた。

「映画みたいだね」と彼は笑った。

抜けるような秋の青空、そして風を切って走るのは

とても気持ちがいい。


彼とは3回目のデート。彼とはあるサイトで9月に出会った。

何でも彼は自営業のいわば社長だった。

けれど、まだ彼の本名は聞いていない。商売柄、名前を出せないの

だろうと私は思っていたのだが。


数回のメールで、会う約束をしたのは、現実の彼を早く知りたかったから。

いくらメールで仲良くなったと言えども、実際会って幻滅したら終わる。

初めてあったとき、私は彼をずいぶん年上だと思ったけれど

それは彼が髪を染めていないせいで、男も50を過ぎれば当然白髪になる。

それに商売柄、渋めの背広を着てたからだった。

背が高く、普段からジムで鍛えているという彼は細身で

すらっと見えた。白髪以外、彼に嫌悪感はなく、どちらかというと

好意を持った。


待ち合わせ場所から車で移動する。最初の彼の車はベンツだった。

もともとメールで既に仲良くなっていたのだから、

彼と口づけを交わしたのは、自然の流れだった。

そのあと迷わず、私は彼に抱かれた。


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あなたとなら

身も心も

溶けそうな時間(とき)を

過ごせる

だから

また欲張りになる

あなたを独占するつもりはないけれど

たった少しの時間をあなたと

あなたと・・・・

一緒に過ごしたいだけ



新しい道②

そうして私は、講座(相談員)を受講することなった。
一年間はカウンセリングに必要な授業を受ける。
受講生同士親睦を深めるため、早いうちに、宿泊研修を受ける。
そこで、みんなどうして相談員をしたいのかを知ることになる。
不幸は、自分だけではないのだ。
もちろん、私は過去のことは話さなかった。
自分の浮気がもとで、精神病院に幽閉されたなんて
とても言えるわけはない。
傍目では、わからない不幸を今更物語ってなんになるのだろう。
もしも、私に実際に会ったらそんな影はみじんもないだろう。
はじめて会った人の第一印象は、明るくて楽しい人・・・それが私なのだ。


そこで、何名か歳の近い友達が出来た。これで、養成講座はより楽しいもの
になった。講座が終わると、お茶をしたり、早めに来てはランチをしたり。
同じ、目的をもった人が集まると友達作りは早いものになる。
趣味が同じで親しくなるようなものだった。
講座のカリキュラムは、有名大学の教授などがボランティアで
教えてくれる。

家庭の事情で大学の進学を諦めた私にとってそれは

まるでキャンパスに通うようなものだった。


まだ、その頃は相談の内容がどのようなものだか見当はつかなかった。

人は人に言えぬ悩みを抱えて生きている。それがこんなにドロドロとして

人間本来が持つ、性欲と愛欲に塗れているなんて。