ラストラブ -30ページ目
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壊れていく私

私たちは、それから1年余り関係が続いていた。
付き合っていたと書きたいところだが、当時の私たちは
愛の言葉も掛け合わなかったし、普通の恋人のようにあまり
デートもしなかった。
ただ会って抱き合うだけの関係だったように思う。
彼の家で一日、ただセックスだけをしていたこともあった。
それでも私は、彼に好きだと言う言葉だけをあの最中に何度か
叫んでいたようだ。


そんな時、あの先輩から電話があった。
先輩は田舎で元気に暮らしていた。そして私は彼の話を聞いてしまった。

彼は先輩が好きだったのだ。

私と付き合いながらも先輩の家まで行ったのだそうだ。
「ストーカーみたいで嫌だったわ」
その言葉を聞いて私の中で何かが壊れていった。
ショックだった。
やっぱりただの遊びだったのか・・・。


私は、彼に怒りをぶつけたのだ。
彼は
「お前がそんなことを言うなんて思わなかった。うっとうしい、別れよう」
と、あっさり別れを言い渡したのだ。

私は目の前が真っ暗になった。別れをするために言ったんじゃない、
わたしだけを見てほしかっただけなのに・・・。
私は泣いた・・・辛かった・・・。そして死んでしまいたいと思った。
いっそ気が狂ってしまいたいとさえ思った。


気が付くと私は、踏み切りの前にたっていた。生気を失いふらふらと
遮断機のなかに入ろうとした。その時だった。
「なにすんねん!危ないやろ! 」
知らない人に手を捕まえられたのだ。
私はお礼も言わず、そのまま電車に乗り実家に帰ったのだ。

突然の帰省に驚いたものの、何か嫌なことがあったんだろうと思い
会社に電話をかけて一週間休むと言ってくれたのだ。
私は数日を何も言わず泣いてばかりいた。そして母が頼んでくれ
職場に復帰することが出来た。


そして、私は彼に手紙をだした。
付き合ってくれなんて言わない、ただのセフレで良いと・・・。
そして何回も手紙を出した。まるで嫌がらせのように・・。
あまりのしつこさに彼もあきらめたのか、
それからまた会うようになった。

そして、それが私が壊れていく始まりでもあった。

はじめての恋人

もう何十年まえになるが、私は高校を卒業し、親元を離れ

寮生活をしながらある銀行で働いていた。

はじめての仕事、寮生活に戸惑いながらもやさしいO先輩の指導でなんとか頑張っていた。
先輩は、一つ年上の女性だったが、私をたいへん可愛がってくれた。

職場から寮に至るまでの面倒をすべて見てもらったのだ。


その先輩がある日突然行方不明になった。

寮の管理人、それに支店長は憤慨したいへんな騒ぎになった。
結局、彼女は実家に戻っていたのだけど、そのまま会社を辞めた。
その時私はまだ就職してから2ヶ月しかたってなくて
仕事もまったくわかってなかったし、それ以上に彼女がいなくなった
ショックもあり、そうとう落ち込んでしまった。


そんな時、寮に一本の電話がかかった。
それが彼と出会うきっかけになろうとは、思ってもみなかった。
電話に出ると、彼が先輩のことを聞きたがっていた。
先輩と彼は知り合いだったのだ。わたしは会って話しを
する約束をしたのだ。
待ち合わせをした喫茶店に向かい、彼と初めて会った。
はじめて会ったと言うのに、何故か話ははずんだ。

当時の私は田舎から出てきたばかり、

まったくさえない娘だと言うのに
彼はどこか危険な香りがした。どこか影のある眼差し。
そして、その帰りだった。何気なく歩いていたら

彼がキスをしてきたのだ。
私はなにがなんだか分らなくなるほど驚いてしまった。
何故なら、今までさえない私は、恋愛など無縁で
もちろん、男性とつきあった経験もほとんどなく
キスもしたことは無かったのだ。そしてまた会う約束をした。

私はその出会いだけで、彼を好きになってしまったのだ。


それから、私たちは会うようになった。

彼の家は職場の近くにあったので、家によく行くようになった。
でもそれは裏口から、家人の目を盗んでのことだが・・・。
彼の家にいたのは祖母と兄弟だけで、両親はすでに他界して
いなかった。そんな恵まれない家庭に育った彼を
慈しむ心が、また私の恋心を煽っていく。

そして出会って1ヵ月後に、彼の家で私は処女を失った。
着ていた、カーディガンを真っ赤に染めて・・・。
痛みを感じなかったのかと言うとうそになるかもしれないが
はじめて愛する人と肌を重ねたことがただ、ただ嬉しかった。
こうして私は、すべてを彼を委ねた。18歳の夏だった・・。


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目次

ラストラブ~永遠の愛から最後の愛へ

◆目 次◆


・第1話はじめての恋人 ・第2話壊れていく私 ・第3話変貌~悪女へ

・第4話短すぎた憧れの恋愛 ・第5話悪女になった私
・第6話22歳の別れ

・第7話夫との出会い 第8話婚約後揺れる心 ・第9話結婚生活の影

・第10話出産 ・第11話夫の浮気 ・第12話元彼との再会

・第13話流れゆく歳月 ・第14話取り戻した彼への想い

・第15話奇病・眼球突出 ・第16話秋の日のデート ・第17話永遠を誓って

第18話最後の逢瀬

第19話転落の扉 第20話危険な男第21話彼の手中に
・第22話破滅の恋 ・第23話細い糸 ・第24話不安定な恋人

・第25話からっぽの愛 ・第26話彷徨う心 ・第27話ネットの恋人
・第28話待つ女 ・第29話嫉妬 ・第30話苦しみの始まり

・第31話壊れゆく心 ・第32話 ・第33話かすかな記憶 ・第34話七夕の願い

・第35話幽閉という名の地獄①

・幽閉という名の地獄(退院後の日記より)

・第36話復帰 ・第37話着信拒否 ・第38話再生能力 ・第39話心のリハビリ

・第40話消えた貴方 ・第41話新しい道 第42話新しい道②

・第43話ヒロとの出会い ・第44話ミオパチーの疑い ・第45話病気の宣告

・第46話筋ジフトロフィー

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