心のリハビリ
精神科の通院も半年に一度になり、前とほとんど変わらぬ生活が
できるようになった。
そんなとき知人が仕事をしてみないか?と言ってくれた。
事務所のお掃除と電話番と簡単な事務が
出来れば良いという。
私は、少し不安があったものの、精神病を隠して
そこの事務所で働くことにした。
社長と社長の息子だけの不動産仲介の小さな事務所だった。
甲状腺の病気と、精神病で2年間闘病した私だったが
仕事をすれば、すぐに感は戻った。
働き初めてたったの2日目、義父が脳梗塞で倒れ入院した。
そのため、義母が介護のため家で同居することになった。
義父の一大事ということで、私は同居を快く承諾した。
記憶がないと言う事は、わだかまりさえ、忘れていることだった。
私が精神を壊していた時、義母にはかなりひどい事をされていたらしい。
私が暴れると殴る、殴られては何度か気を失ったりしたらしい。
義母にとって私は、息子を不幸にするやっかいな嫁でしかなかった。
実家の母から聞いた話は、精神病の嫁は要らない、治らなければ
実家に帰すとまで言っていたらしい。
それでも私は、義母と同居し義父が退院するまでの
約一年間、献身的に尽くした。
私が職場復帰し、親との同居をしたことが
あとから考えると、心のリハビリになっていた。
精神病になったから、働けない、親の介護ができない、
そんな風に思うと、未来はどんどん無くなっていく。
もしも、仕事や親の介護で精神が不安定になったなら
すぐに止めればいいのだ。先の心配ばかりすると、良い事はない。
こうして私は、精神しょうがい者ではなくなった。
再生能力
2006年冬。
ネットの世界に戻った私は、また詩をブログで書き始めた。
JUNとは、まだ同じコミニティにいる訳だから
彼の詩を見かけることがあった。
私は、思い切って彼のページを訪問した。
私と同じ時期に作ったブログはなくなり、新しくアメブロで
彼は詩を書いていた。私がアメブロでこの物語を書き始めたのも
もしかしたら、ここでJUNに再会できるかもしれない、そう思ったからだ。
JUNの詩のブログは、相変わらず女性の詩人さんが来て
また愛の詩を書いていた。
彼が、ネットというバーチャルの世界で恋をするのは
私と出会うまえからの事だ。
リアルではないから、言葉遊びを楽しむ、リアルでは
ないから簡単に恋ができる。
私はその事を理解できなかったから、精神を壊したのだ。
最初からネットの恋など、そんなものだとわかっていたら
こんな惨事にはならなかった。
それでも、彼のページをみて不快感はあった。
彼が、今も女性の詩人さんのブログを行き来しているのを
みて、こんな句を書いた。
★恋夢想 彷徨う影に 君をみる
★サボテンの 赤き蕾を また落とす
★好きだよと 漂う君の 悲しき夜
★棘とさす きみの恋うた 閉じる夜
★君の声 聞こえるような 窓明かり
★ふれてみる 君の心は まだ熱い?
★遠い恋 近くなるのも 風まかせ
★閉じ込めた 想いは静か 流れゆく
彼は私のログを見つけたらしいが、自分から付けることはなかった。
そんな時、彼からメールが来た。
彼から送られてきた、梅の花一輪。
梅の花が咲いたよ・・・と、短いメールだった。
私は、何事も無かったように、ありがとうと返信した。
☆手の中の 桃色の花 君便り
☆梅の花 香りは遠き 君の街
☆おやすみの メール打つ日が 懐かしい
☆言葉だけ 抱いて眠る夜 君いずこ
☆春雷に 震える心 君探し
☆追わないよ 終わった恋は 冷たくて
☆きみからの メールうけとり ほっとする
☆がんばれと言う 君が居る 幸せも
それからJUNからのメールは無かったが、彼の様子は
HPやブログで知ることができたので、私から連絡することはなかった。
ただ、彼があやめと言うハンドルより、shionのハンドルを気に入っていたので
新しくブログを作った。彼がいつか見に来るであろう、そう確信して。
再生能力 2006-03
今日は精神科の診察日。
精神病はほとんど良くなり、通院も来月からなくなる。
去年は
♪人生いろいろと、歌えるほどいろんな出来事があった。
自分でも悩み、苦しみ、もう立ち上がれないかと思ったが、
なんとか普通に生きている。
ほんと、不思議な生き物だ。わたしは(笑)
着信拒否
精神が安定したのか、それともあの閉じ込められの
恐怖からか
私は、もう二度とネットであろうが、リアルであろうが
不倫の恋という過ちを犯さないと心に誓った。
ただひとつ気がかりなのは雅人のことだった。
あれから、奥さんとは上手くいっているのだろうか・・・
ふと気になり、携帯を手にした。
本当は、あの夏の日、雅人のメルアドを消すつもりだったが
途中で夫に携帯を渡したので、まだアドレス帳に残っていた。
元気ですか、あれから私は入院していました・・・
つい、魔が差しそのメールを送ってしまったが
メールはすぐに戻ってきた。雅人は着信拒否をしていた。
少し驚いたが、恋の終わりはそんなものかと、確信した。
あんな痛い男とは、もう関わらない方がよい、
そんな気持ちが働いた。
もう雅人とは、出会うこともないだろう。その時は、そう思った。
けれども数年後、私は雅人とある掲示板で偶然にも再会してしまう。
私はハンドルを変えてあったので、あやめだとはわからない。
ただ、彼は私と最初出会ったときのように
すぐに自分のメルアドを教えてきた。
しかも、あの、私が着信拒否されているアドレスにだ。
やはり、そんな男だったのか・・・私は失望した。
あれほど、愛を語ったのに・・それは、彼がゲームとして
楽しむ恋愛の行程でしかないのだ。
浮気を繰り返す男の恋愛周期は短い。
最初の出会いの瞬間のあのドキドキ感を、幾度も味わいたいのだ。
一人の女をいつまでも愛することはない。
そして、そんな男と関わってしまった自分が情けなくて
仕方がなかった。
もう二度と、誰も愛さない
私の冷たい心はここで確立した。
■グットバイ■
わたしと出会って
あなたは何も変わらなかった
あなたと出会って
わたしは
どんどん落ちていった
あなたを恨むわけじゃないけど
そんなあなたに恋した自分が
情けなかった