ラストラブ -14ページ目

復帰

退院後、夫は人が変ったように優しくなっていた。
以前のように、酒を飲んで怒鳴ったりしなくなり
子供たちにも優しく接するようになった。

夫は私が入院中に、会社の配置換えがあり
事務方に変わっていた。
以前のような現場での仕事ではないので、
飲んで帰ることもなくなっていた。


ただ持って生まれた性格は変わるものではないので、
私に対する接し方を変えたのかもしれない。
まるで、新婚生活に戻ったように、夫は私に接してくれた。

それにより、私の精神は次第に安定し
あれほど憎んでいた夫を愛するようになっていた。


私が精神を壊した一因となった、インターネットへは
しばらく繋がなかったが、冬になり精神が安定したのを機に
再開してもらった。


私が以前に入っていたコミニティにshionというハンドルネームで
戻りたかったが、同じハンドルのログメッセージまで同じ人がいて
戻りたくても戻れない状態になっていた。

顔の見えないネットの世界では、そんなことは日常茶飯事に起こっている。
仕方なく私はあやめのハンドルで、そのコミニティに戻った。
けれども、JUNのページには怖くて行けなかった。


~当時のブログより~


むしろ

これのほうが

よかったのですよ

どちらにしても

忘れなくちゃいけない想いなんですから

それに

わたしには

記憶がないのですから

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あの夏の日

わたしは精神病を発病し

記憶が無くなったのです




記憶(退院後の日記より)

記憶・・・

その言葉を聞いただけで

息苦しくなり

胸が痛くなった

それは経験したものだけが知る

心の病気・・・

いや頭の病気かもしれない

そして

かすかに残る記憶より

発狂していく妻を見ている夫は

どんな気持ちだったのだろう・・・


精神病の原因は、脳細胞の損傷などの外的要因や身体疾患が原因で
心の働きがおかしくなる場合と、頑張りすぎて心が脳に無理な仕事を
させすぎたりした結果、器官としての脳がダウンする場合とがあります。
後者の場合、心の病という側面に加えて、「脳のコンディションを崩した」と
いう側面が忘れられがちです。
心理的ストレスが原因で胃潰瘍になったのだから、心理療法だけで胃潰瘍を治す
という人はいません。胃の修復のための抗潰瘍剤などが必要であるように、
精神病においても、まずは精神科、心療内科等で診てもらうこと、
適切な薬事療法を受け、「脳のコンディション」を整えることも大切です。

統合失調症をはじめとする精神疾患は他の疾病同様、だれもがかかりうる病気です。
とりわけ、統合失調症の罹患率は約1パーセント、
つまり、100人に一人が人生のなかで一度は罹りうる病です。

幽閉という名の地獄(8)

私はもうすぐ冬が来るという11月、退院の日を迎えた。
夏から秋への長い3か月だった。


とにかくここを出たい一心で、私は食事は残さず食べ
体重も人並みに戻していた。


入院費用は、夫の両親が負担してくれていた。
精神病が治ったのか、治らなかったのか、はた目ではわからない。


入院中、お掃除のおばさんと話をしたときも、


あなたは、まともなんやから、はよここを出ないと
みんなと同じようになってしまうで・・・


そう言った。


精神科というところ、退院してもまた戻ってくる人が多い。
結局、自宅に帰ると寂しくなって精神がおかしくなる。
もちろん家族の無理解もある。

白井さんは、娘時代から入退院を繰り返し、ほとんど
一生を精神科で過ごしている。
実際、そんな人もたくさんいた。
彼女らが望む幸せは普通に社会復帰して、普通に恋愛し
普通に結婚することだった。
けれど、精神の病気に至ってはそれが難しい。世間の偏見もある。

精神の病気になって、婚約を破棄された人、離婚された人。
いとも簡単に、女の幸せでさえもぎ取られてしまうのだ。


退院後、まだ精神が安定してない私は、よく夫を責めた。


どうして、あんな所に閉じ込めたの?
お陰で、私は精神障害者になってしまった・・・


いつもの夫婦喧嘩と違ったのは、以前なら夫が酒を飲み、
暴言を吐くのだが、退院後は私の方からだった。


~退院後のブログより~


これは悪夢だと

あなたは

壁に何度も何度も

頭を打ち付けた


わたしはただ

呆然と立ち尽くした


それはわたしという

あなたの妻が


「きちがい」と言う


おそろしい

病気になったから