彼②
身体の相性、大人の恋愛になるほどそれはとても重要だと思う。
彼と付き合う前、私にはヒロというセフレがいた。
もちろん彼も既婚者で、彼の望む付き合いは、心も、体の相性が
合うセックスパートナーが欲しいというものだった。
だから私は大人の恋愛というより、セックスフレンドだと思うことにした。
ヒロは、50代で社会をリタイヤし家にいて家の事と孫の面倒をみるという
隠居生活をしていた。
それでも、ヒロの性への欲求はとても強かった。その歳になるまで
愛人、もしくはセフレを欠かせたことはなかったそうだ。
ヒロはそんな遍歴を包み隠さず私に言った。
「ぼくは、嘘がつけないんだ」
そう言うのは簡単だけれど、聞く方はいい気がしない。
結局、別れるまで私は彼の過去の女に嫉妬し、振り回されていた。
一番、頭にきたのは彼があるHなチャットで、そこで出会った女に
熱を上げ、生活援助が欲しいと言われ、30万円を持ってその女に渡したそうだ。
その後、女の彼氏が現れ、別れることになったそうだ。美人局・・・?
私はそう思ったが、彼は本気で愛してたのでそうだとは思ってない。
本当に、バカ男で性欲しかない男。そんなヒロを私は全く愛せなかった。
ヒロもそうであったように、私もヒロは性欲の捌け口として付き合っていた。
ただひとつヒロに感謝するのは、その別れ方だった。
ヒロは私からの別れのメールをいとも簡単に承諾してくれた。
綺麗に別れることが、男の価値を高めるものだと改めて知った。
大人の恋愛は、綺麗に別れらせてこそ本物なのかもしれない。
それに比べ、正志との別れは最悪だった。一方的に着信拒否、
いらない女はメールと共に、ゴミ箱にポイだ。
そうして、私はヒロと別れた。不器用な私には何人もセフレを持つこと
なんてできない。
今の彼でさえ、私の事をどう思っているのかはわからない。
そして、その先もわからない。いつ終わるかもわからない。
けれど、私がいまの彼にどうしようもなく惹かれているのは事実だった。