アート&ウッドチップス研究会

アート&ウッドチップス研究会

      Arts & WoodChips Study Group
アート&ウッドチップス研究会(AWC研)では、アート作品
とりわけウッドチップス造形を通して、アートセラピー
について体験と考察を深めていくことを目指しています!

2020年6月15日付けニューヨークタイムズ紙の記事で,アートセラピーの効果を示す内容が紹介されていました。原文はこちら

 

 


記事では,一人のペルー出身の75歳の男性クライエント,ワルター・エンリケ氏によるアートセラピーの体験が語られています。
アートセラピーが,コロナ・ウイルスのパンデミックがもたらしたひどい孤立感と孤独を癒すのに役立っているとのことです。
そのアートセラピーは,クイーンズ・ミュージアムthe Queens Museumというニューヨークの美術館が,メンタルヘルス改善のために提供しているものです。彼は,そのプログラムに参加しているのです。

彼は,コロナ・ウィルス・パンデミックで多くの友人や隣人を失ってしまいました。その精神的ダメージはとても大きく,それは,彼が,ペルーで警察官をしていた時,ゲリラと政府軍の武力衝突で7万人もの人が殺された現場に直面する体験もしているので,そのトラウマが残っている影響もあるのかもしれません。

エンリケ氏は話します。

「俺たちはもう以前のように出かけたり人生を楽しめなくなっている」
「だけど,アートが助けになって,過去の体験を記録して,ポジティブな体験をよみがえらせて苦しみや悲しみを乗り越えさせてくれる」

そのアートセラピー・プログラムは,毎週木曜日に,オンラインで提供されています。
エンリケ氏はその時間,ニューヨーク州リッチモンド・ヒルにある娘のアパートで,コンピューターに向かいます。
彼は,コンピューター画面を通じて,アートセラピストから促されて,母親や友人,病気を表す悪魔を表現します。自然と,ゴヤ(スペインの画家)風の表現になるようです。そうして,紙の上に表現されると,恐ろしさが軽減されるのです。(いっけん,これは不思議な現象です。なぜなら,紙の上に表現されたら,目の前に現れて,よけい怖さが倍増するのでは? と思えなくもないからです。これは,トラウマの強度という問題が関係してくると思います。その問題がクリアされ,安全な場所で行えば,心の中にうっ積した恐怖を吐き出して,気持ちを楽にする効果があると考えられます。そして,もっと重要なのは,次で行われる,他者との共有(シェアリング)です。)
参加者は,Zoomで,アート作品と,あわせて書いた詩を共有します。そして,パンデミック前と後の人生について語り合います。
エンリケ氏のアート作品はこちら(上記リンクの記事内で紹介されているもの)

エンリケ氏は話します。「このアートセラピープログラムの前は,とても孤独だった。だけど今は,アートを創るのを学べるのさ」と語り,プログラムで,自身の子どもの頃の生き生きとした感じを得られるといいます。

心理学者の知見も紹介されています。つまり,アートセラピーは,気分の改善や苦痛の軽減に,以前から効果が認められるものではあったが,これまで,美術館がアートセラピーに理解を示すことはほとんどなかったと。
しかし,このパンデミックの災禍だけでなく,警官の暴力と殺人,人種差別などが引き起こした精神的なダメージは極めて大きく,こうしたアートセラピーへの必要性が認められ,美術館のプログラムが提供されるようになったとのことです。

原文はこちら。

 

 


さて,日本では,どうでしょうか。

 

 

前回は,生まれたばかりの赤ん坊の時から,心には「防衛システム」がはたらいているというお話をしました。

 

その防衛(防御)システムは,安全が脅かされるような,極度のストレスにさらされたときにも,重要な働きをして,命を危機から守るように機能します。

 

ところが,その人にとって,受けたショックがあまりに強すぎたり,緊張や疲労が蓄積されていてこの防御システムがうまく機能しなかったりすると,防御システムが暴走あるいはフリーズしてしまいます。

それが,1か月以上続くと,トラウマ(PTSD)となります。

つまり,命が脅かされるような危険を感じたときに,生じる反応がひと月以上続く状態です。

 

トラウマ(trauma)という言葉は,心的外傷のことですが,トラウマを引き起こすような状況は,具体的には,戦争,災害,大事故,犯罪被害などがその条件になります。

 

したがって,トラウマ(PTSD)とは,生命の危険にさらされるような事態に襲われたときのストレスが,その後も引き続き影響を与え続ける特殊な後遺症です。(森,2005)

 

この後遺症は,心のはたらきに3つの重大な問題を引き起こします。

(1)記憶,(2)覚醒水準,(3)意識,の3つです。(滝川,2016)

 

まず一つめの(1)記憶の問題ですが,心には,トラウマをもたらした出来事が,なまなましい感覚をもっていつまでもよみがえってきます。

この心のはたらきは,本来は,ふたたび危機に陥りそうな同様の状況をなるべくはやく回避するために,トラウマをもたらした状況を記憶に焼き付けるものです。

つまり,トラウマをもたらすような危機的な状況に類した場面や,その状況につながる刺激に出会うと,それを引き金に記憶が自動的によみがえって,警鐘を鳴らすセキュリティシステムなのです。(滝川,2016)

この記憶のセキュリティシステムが,過剰にはたらいて,トラウマ(PTSD)として症状が現れたものが,「フラッシュバック」と「回避」です。

 

二つめの(2)覚醒水準の問題ですが,これは,心が,トラウマをもたらした状況に対して,覚醒水準を高くしたり,低くしたりして,自らを守ろうとすることに由来します。

覚醒水準が高くなる反応は,心が感度を上げて,注意力を高め,反応性も亢進させて,少しでも素早く対処行動を実行する防衛システムによるものです。

覚醒水準を低くする反応は,心が感度を鈍らせて,注意力や現実感を低下させ,反応性も低くして,一種の麻痺状態になって危機をやりすごそうとする防衛システムによるものです。

本来であれば,危機的な状況が過ぎ去れば,こうした覚醒水準のコントロールによる防衛システムは役目を終えて,通常の意識レベルに戻るわけですが,あまりに危機的な状況が深刻であると,覚醒水準のコントロールに異常をきたしてしまい,危機が通り過ぎた後でも,心に影響を残し続ける状態が起こります。そうなると,日常生活の中で,心の覚醒水準が異常に高いままでハイテンション,過敏,多動,興奮などがあったり,低いままで注意力の鈍さ,意欲や活力の低下,いつもぼんやり,さらに抑うつ状態であったりすることが発生します。

 

三つめの(3)意識の問題ですが,危機的状況に直面した心は,過酷な体験から自分を防御するために,その体験と自分を切り離してしまうことで対処することがあります。この切り離しは精神医学では「解離」とよばれる現象です。

この意識の切り離しも,本来は,危機的な状況に対する防御システムなのですが,危機的な状況が深刻であるほど,強力に作用して,危機が過ぎ去った後でも,そのはたらきが日常生活にも影響をあたえ,その後遺症が持続してしまことがあります。すると,何が起こるかというと,ある瞬間の記憶がすっぽりと抜け落ちてしまったり(解離性健忘),突然に行方不明になってしまったり(解離性遁走),ということが起こります。

 

以上でみたように,トラウマ(心的外傷)は,命を脅かすような危機的状況によりもたらされますが,もとはといえば,心が自分を守るための3つの防衛反応が過剰に作用したまま,持続してしまっていることによります。それが,今回のブログのサブタイトルに,あえて,トラウマ反応という造語を使った理由です。

 

いずれにしても,心のケアを行っていくにあたっては,トラウマが症状として出現したものは,本来は,危機的状況において生き延びるため防衛システム必死の反応であることを理解しておく必要があります。

 

こうしたトラウマに対するアートセラピーのアプローチも,さまざま考えられています。

 

 

アートセラピーでのコラージュ作品

 

参考文献

滝川一廣(2016).こどものための精神医学.医学書院.

森茂起(2005).トラウマの発見.講談社.

前回まで,アートセラピーは,心のケアに関わる,
ひとつの心理療法だということをお伝えしてきました。

人の心に関わるということは,心のはたらきの特性を知っておく必要があります。

人はストレスにされされたとき,自分の心を守るために,いろいろな方法を使います。

その中で,心の特性として有名なものが,精神分析の用語で,

心の「防衛メカニズム」です。

(「防衛機制」とよく言われます)

例えば,イソップ物語の中で,キツネが高い場所のブドウを取れずに悔(くや)しがる場面で,
「どうせあんな高い所のブドウは,酸っぱいに決まってるサ」とブドウにケチをつけて,諦(あきら)めます。
これは,実は防衛メカニズムのひとつで,「合理化」と言われるものです。
つまり,ここでキツネは,満たされなかった欲求に対して,諦めるのに理屈をつけて,心の中から欲求を解消させようとしています。

甘いおいしいブドウだったら,場所が高くて届かず食べられないのは,とても悔しいですね。

でも,それが酸っぱいブドウだったら,食べられなくても,それほどには悔しくないですよね。
こうして,理屈をつけて,悔しさの程度を低くするわけです。すると,心は少し楽になります。

ですから,防衛メカニズムは,心の葛藤を多少なりとも,楽にします。

こうした心の防衛メカニズムは,赤ん坊のときから動き始め,生涯を通じて,はたらいています。これは,誰でも使っているものです。

しかし,赤ん坊の頃のものと,それ以降の大きくなってからのものとでは,種類が異なってきます。

赤ん坊のときの心の防衛メカニズムで有名なものに,分裂,というものがあります。

分裂,というと,なんだか,赤ん坊がそんなことをするのか,と思ってしまいますが,ようは,2つに分けることです。

どのように2つにわけるのかと言うと,良いものと,悪いもの,この2つに分けます。

赤ん坊にとって,まだ周りの世界は,未知のものばかりです。

赤ん坊は,自分を守るために,自分の周りにあるものを,自分にとって,良いものと,悪いものの2つに,分けます。

良いものは,近づけて自分のものにしますが,悪いものは,遠ざけて身近な他の人(多くの場合,母親)に担ってもらいます。

こうして赤ん坊は,自分の栄養を取り入れて,その一方で,外敵から守ることができるわけです。

赤ん坊の頃には,細かい分け方は難しいですから,単純に,2つに分けてしまうわけです。

さらに半年過ぎて,良いものの中にも悪い部分があるし,悪いものの中にも良い部分があるし,というふうに,
ひとつの対象の両側面を見ることができるようになりますが,赤ん坊の最初から,それは難しいのです。

しかし,この分裂のはたらきが,のちに物事を識別して理解していく基礎になります。

大人になってからでも,危険な状況にでくわしたり,心の調子がくずれたり,傷ついたりすると,
心にとって,緊急に危険を回避する必要性が高くなり,この分裂の防衛メカニズムが,またはたらきはじめます。

あまりにショックが大きいと,対象を分割しないで,自分の心を分割してしまうことさえ起きます。

つまり,赤ん坊の頃のこうした心の防衛メカニズムを知っておくことが,大人の心を知る上でも,とても重要になってきます。



アートセラピーでのコラージュ作品

参考文献
関則雄(2016).臨床アートセラピー 理論と実践.日本評論社.
松木邦裕(1996).対象関係論を学ぶ―クライン派精神分析入門.岩崎学術出版社.
中島義明他(編集)(1999).心理学辞典.有斐閣.
メラニー・クライン(小此木啓吾・岩崎徹也・責任編訳)(1985).メラニー・クライン著作集4.妄想的・分裂的世界.誠信書房.

ようやく緊急事態宣言の全面解除がみえてきたようですが,その後の影響が懸念されます。

 

今回は,アートセラピーの2つの流れについて考えてみたいと思います。

 

アートセラピーに様々な立場や考え方があることの一つの要因に,
アートセラピーそのものの持っている2つの側面に由来するものがあります。
 

その2つの側面とは,
(1)アートそのものの持つ治療効果を用いるか,
(2)アートに表現された心の内的世界を治療に用いるか,

その考え方の違いになります。

(1)では,アート作品を創るプロセスそのものに,治療効果があると考えます。
つまり,そのプロセスの葛藤と問題解決の方法が,現実の心の問題解決に作用すると考えます。
そこでは,芸術作品のもつ構図,配色,バランスなどに対する美的感覚がフルに生かされます。
そして,素材に自分自身の体でタッチ(触れて)し,その質感をその時その場でじっくりゆっくり味わうことがもたらす効果は,マインドフルネスのもたらす効果にも匹敵するでしょう。さらに,作品を創り上げる効果は,達成感やコントロール感をもたらすでしょう。

(2)では,アート作品には,制作者の心の内的世界が映し出されると考えます。つまり,心の中の世界が,目の前に物体化されるのです。そのことによって,今まで漠然と考えていた気持ちや感覚が,目の前に現れてきます。創った人は,もう一人の自分自身と向き合い対話することができます。そして,その作品を通じて,他の人と対話することができます。つまり,アート作品を媒介にして,心の中を言葉にして他の人と交流するきっかけとなります。このことを安全な空間で行うことにより,自己への気づきが得られ,自己認識,自己洞察が深まり,自己受容が高まります。今まではっきりしなかった自分の気持ちを,よりはっきりと人に伝えられるきっかけにもなるでしょう。

(1)の立場は,「治療としてのアート」の側面に立脚したアートセラピーとされます。
(2)の立場は,「アート心理療法」の側面に立脚したアートセラピーとされます。

このどちらに基づいてアートセラピーを行っていくのかは,それを行うアートセラピストの背景に大きく依存します。
つまり,芸術を主に学んできた人は,「治療としてのアート」に立脚したアートセラピーを行っていくことになるでしょうし,心理療法を主に学んできた人は,「アート心理療法」に立脚したアートセラピーを行っていくことになるでしょう。

しかし,実際にアートセラピーを行っていくうえでは,両方の要素が不可分に混ざり合って,効果をもたらします。

つまり,実際に行われる場合には,はっきりと区別できるわけではないのです。
そこから,様々な立場のアートセラピーが生まれ,それらの関係がより分かりにくくなる要因ともなるのでしょう。

もちろん,クライエントの求めるものにより,どちらに立脚して進めていくかが決まってくる面が大きいでしょう。

しかし,大まかに言って,(1)に立脚するか,(2)に立脚するかで,その方法や進め方などが2つに分かれてくるようです。

参考文献
関則雄(2016).臨床アートセラピー 理論と実践.日本評論社

こんにちは。
 

このブログの管理人は,ふだんは,内科併設の精神科病院で常勤の作業療法士として,
精神科と内科の患者様に運動療法を提供しています。
したがいまして,フルタイムの仕事を抱えており,その他にも,
心理療法の専門的セミナーなど各種参加していて,
忙しさにかまけて,なかなかアップできず,もうしわけありません。

このブログは,アート&ウッドチップス・ワークの研究会ですが,
ひろく心理精神的苦痛に苦しむ人への支援・治療に関連することとして,
精神科での運動療法の臨床実践のこと,心理療法の専門的なこと,精神疾患のことなど
個人情報や企業内情報に抵触しない範囲で,お伝えすることも考えています。

さて,休眠から覚めてアップした前回では,
アートセラピー心理療法のひとつであることを確認しました。

つまり,アートセラピーとは,「心のケア」を行う「療法」なので,
心理療法の一つの方法と考えられるということでした。
さらに踏み込んで言えば,「心のトリートメント」(治療)とはどう違うのか,

という問題もあるでしょうが,ここではこれ以上踏み込みません。


ともかく,アートセラピーの上の目的を実践するためには,その方法が必要になりますが,
「アート」セラピーという方法の面から考えれば,
アートを使う一定の知識と技術が必要ですし,
その方法を実践するアート「セラピスト」のトレーニングには,
心理療法のトレーニングが不可欠になると考えられます。

なぜなら,繰り返しになりますが,
アートセラピーは,心理療法のひとつの方法だからです。
つまり,心理療法もアートセラピーも,人の心のセラピー(治療)に携(たずさ)わるからです。

さて,そこで,今回は,さらに,理論と実践の中身をもう一段分類したいと思います。

歴史的に振り返れば,
アートセラピーにも歴史があり,
心理療法にも歴史があります。

原点に戻って考える上では,それぞれの歴史を考える必要があるのではないでしょうか。

その上で,
理論と実践を考える上で,

理論においては,
 アートセラピーの理論
 心理療法の理論

実践においては,
 アートセラピー実践
 心理療法の実践

このように,分けて考えることで,より深く,明確に考えることができるのではないでしょうか。

ここで,よく混乱のもとになるのが,アートセラピーを,
心理療法における心理検査(風景構成法,バウムテスト,家族画など)と
混同して考えてしまう考え方があります。

違います。アートセラピーは,心理検査ではありません
つまり,アートセラピーの目的は,心理査定ではありません。
ただし,心理検査は,クライエントの心の状態を知り(心理査定),
心理療法/支援に生かされるものです。
また,心理検査実施と結果の伝達において,
クライエントとセラピストの相互の交流が生まれ,
共感・受容のきっかけになることも考えられます。
 

しかし,この両者(アートセラピーと心理検査)を混同して考えてしまうのは,
それぞれの歴史を踏まえて,
理論と実践を考えていないことから生じる誤解ではないかと思われます。

アートセラピーは,心理療法の一種なのですが,こうした混同を避けるためには,
一度,原点に戻って,両者を分けて,
理論と実践を考える必要があるのではないかと思います。



参考文献
関則雄(2016).臨床アートセラピー 理論と実践.日本評論社

 

かなりご無沙汰してしまいました。

現在のパンデミックの影響が,今後のアートセラピーや心理療法の実践にも大きな影響を及ぼすことは間違いないのではないでしょうか。


ここで,アートセラピーだけではなく,なんで心理療法なの? という方もいらっしゃると思いますが,

 

少しご辛抱いただいて,お付き合いいただければと思います。


また,日本の感染対策についても言いたいこともたくさんありますが,ここでは述べません。

本当にご無沙汰していたこともあり,何回かにわたり,アートセラピーについて基本から再考し,今後の活動・研究の可能性について考えたいと思います。

そもそも論として,アートセラピーの定義からみてみたいと思います。

アートセラピーの定義とは:

絵を描いたり,コラージュを制作したり,粘土やさまざまな立体素材を用いて「自己表現」を行い,それらの作品を通して自分の「思い」や「感情」を表現し,さまざまな「心のケア」を行っていく「療法」のことです(関,2016,p.1,括弧は引用者)

その際最も重要なのは,以下の点でしょう。

アートセラピーは,「治療を受ける」「癒される」という受身の療法ではなく,本人が癒しの主体であるという,人間復権の能動的な治療法である(関,2016,p.2)

アートセラピーが治療法である,という点についても,さまざまな議論がありましょうが,ここでは上記のスタンスをとります。

さて,どんな治療法にも,理論と実践の両輪が必要とされますが,
アートセラピーもその例外ではありません。

理論に基づいて実践が行われ,行われた実践に基づいて理論が再構築されていく,
その往復運動により,理論と実践の双方が進化/深化していくこととなりましょう。

そこで,そのアートセラピーの理論と実践の中身について考えたいのですが,
その前に,アートセラピーが心理療法と深いつながりがあることを確認しておきたいと思います。

ここでもう一度,アートセラピーの定義を見てください。
アートセラピーとは,短く言えば,アート作品の制作・表現を通じて,「心のケア」を行う「療法」でしたね。そう,アートセラピーの目的は,「心のケア」なのです。狭く言えば,アート制作は目的ではないのです。

アートセラピーとは,「心のケア」を行う「療法」,つまり,心理療法の一つの方法と考えられるのです。

 


参考文献
関則雄(2016).臨床アートセラピー 理論と実践.日本評論社.

「臨床アートセラピー 理論と実践」

 

 

 

 

ウッドチップスワークショップ第1回目を開催しました!!

参加者の自己紹介の後、

まずは、そもそもアートセラピーってなんですか?
そして、ウッドチップスとはどのような特徴があるの?
というような説明から始まりました。

アートセラピーとは一言で言えば、アートを用いて自分の無意識・潜在意識に出会い、気づき・癒し・自己成長などがもたらされるセラピーといえるでしょうか。

ウッドチップスは、そのアートセラピーのいろいろある素材のひとつということになります。素材は硬いので、ボンドを使って積み木のように簡単に立体造形できて、とても構成的です。でも、投影的な意味もあり、制作者の心の中や自我イメージが映し出されます。


制作前には、机の上にいっぱい広げられたいろいろな形・素材のウッドチップスから各自一つ選んで、ひとり一人ウッドチップのご紹介!
$アート&ウッドチップス研究会


いま選んだそのウッドチップと、他のウッドチップスを組み合わせ、小さな板を土台にして、自分の作品を作っていきます。制作時間は約1時間30分。みなさん制作に集中。あっという間でした。

完成した作品が一堂に並んだ様子はこんな感じ。
$アート&ウッドチップス研究会


ここからいよいよシェアリング

各自ひとりずつ自分の作品や、制作中に起こったことなどについてお話します。
これが深い深い。
どんどん話が深まっていきます。

参加者に書いて頂いたアンケートには、参加して有意義だった、説明はわかりやすかったとご回答いただきました。また、ウッドチップスの奥の深さが感じられた、楽しかった、またぜひ参加したいと、記入されていました。

はい、またぜひ開催したいです!!
「ウッドチップス・ワークショップ」開催

―― その導入方法と制作体験 ――

 アートセラピーではさまざまな素材を用いますが、今回はウッドチップスという、いろいろな形の小さな木片を用いて、立体造形を作る方法のご紹介と制作体験をします。

 ウッドチップスは比較的扱いやすく、ボンドを使って簡単に構成ができ、子どもから高齢者まで楽しんで制作することができ、さらには精神科等の医療現場でも導入しやすい造形素材です。同時にウッドチップスは、投影的要素も持っており、出来上がった作品を通して投影された自己イメージから気づきや発見も起こります。

 当日は、素材の特徴、導入の方法、制作体験、シェアリングなどを行います。

 子どものカウンセリング、デイケア、精神科の臨床現場、あるいは老人福祉施設等でアートワークを行っている方、これからアートセラピーの導入を考えている方、関心のある方などの参加をお待ちしています。


■日 時:2013年6月9日(日)13:00~17:30

■講座スタッフ:アート&ウッドチップス研究会
 (精神科作業療法士、精神科デイケア看護師、元小学校教員他)

■定 員:15名

■参加費:一般3,500円 (材料費込み)
      会員3,000円 (材料費込み)

■参加対象:臨床でアートセラピーを実施している方、
      これからアートセラピーの導入を考えている方

■申込方法:①お名前 ②住所 ③連絡できる電話番号 ④所属/職種を書き、下記メールアドレスまで送信してください。受理のご連絡とお振込み先をご案内いたします。


一般社団法人 日本クリエイティブ・アーツセラピー・センター
e-mail:arts@carol.ocn.ne.jp
Tel/Fax:042-505-5121

ウッドチップス研究会


■会場:前原暫定集会施設 会議室(小金井市役所前)地図
    (東京都小金井市前原町3-33-27)
    最寄駅:JR中央線・武蔵小金井駅南口 徒歩10分
先日、日本クリエイティブ・アーツセラピー・センター
アートセラピスト養成コース2月の講座が2日間開かれました!

初日は、参加者一人一人の簡単なチェックインで、いまの気分を話した後、では、ということになり、「今の気分」をテーマに絵を描きました。

そして輪になってシェアリング。

$アート&ウッドチップス研究会

不思議な共時性も起こり、話が深まっていきました。

*******

次に、今日の制作ワークである「さまざまな素材」を使って、1時間かけて作品を作りました。
テーマは、「私の○○○」です。


完成した作品を並べて、皆でシェアリング。

$アート&ウッドチップス研究会

$アート&ウッドチップス研究会


それぞれの作品は、次の写真です。
こうしてみると、どれもとってもユニークで不思議でかわいい作品ですね。

$アート&ウッドチップス研究会

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********
2日目は、パーソナリティ理論の勉強です。
今回は、ボウルビーの「母と子のアタッチメント(愛着)----心の安全基地」と、
    マーラーの「乳幼児の心理的誕生」でした。

参加者が課題文献を読んで、レジュメにまとめて、発表します。
まとめるのもたいへんだけど、発表もドキドキです。

そして、今回最後のワークは、「私の安全基地」をテーマに絵を描き、シェアリングタイム!

$アート&ウッドチップス研究会
今回は久しぶりの活動でしたが、残念ながら参加者は2名でした。
たっぷりと近況報告をしたあと、ウォーミングアップ!
ウッドチップス制作に入りました。出来上がった作品からイメージを膨らませクレヨン画を描きました。

そしてシェアリングを行い、最近の出来事との繋がりや感じたことなど話し合うことができました。

さらに、その絵から続けてもう一枚描いてシェアリング。連続して描くことで問題の焦点化や新たなテーマがみつかりそうな、そんな効果を感じることが出来ました。(Y&T)


*************** 第6回アート&ウッドチップス研究会 *****************

1 日 時   2012年11月4日(日)  午後

2 会 場   武蔵小金井

3 参加者   2名 

4 概 要
(1)近況報告
(2)ウオーミングアップ  ストレッチ
(3)準 備        持ち寄ったウッドチップスを机等に準備
(4)ワーク        ウッドチップス作品の制作 
(5)クレヨン画
(6)シェアリング     作品を囲んで最近の出来事との繋がりや感じたことなど
(7)クレヨン画      さらにもう一枚描いて、シェアリング
(7)記 録        1人1人の造形作品を、デジカメに記録

5 その他
(1)今後日程  未定    新年会をかねて集まろう!という方向性


********* 今回、制作したウッドチップス作品です ****************
作品A正面
$アート&ウッドチップス研究会-作品A正面
作品A裏面
$アート&ウッドチップス研究会-作品A裏面

$アート&ウッドチップス研究会

$アート&ウッドチップス研究会

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作品B正面
$アート&ウッドチップス研究会-作品B正面
作品B裏面
$アート&ウッドチップス研究会-作品B裏面

$アート&ウッドチップス研究会

$アート&ウッドチップス研究会




************* 管理人編集後記 **************

 いよいよ臨床アートセラピー養成コースが本格始動!という感じで、先日そのコース2回目の2日連続講座がありました。次回の3回目では管理人の発表(クラインの対象関係論について)もありますので、その準備もあったり、その他なんだかんだで貧乏暇なしって感じで、やる事が増えるほど、興味が拡散し(現実逃避)、ますます集中できず(自爆)、ますます時間が足りなくなる悪循環に頭の先までどぼん(゜o゜)。なんとかせねば。。。(S)