ペイル・セインツ/The Comforts of Madness
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ペイル・セインツ/狂気のやすらぎ
1990年リリースの1stアルバム。
イアン・マスターズ(Vo.b)を中心にした3人編成で、
ジャンル的にはシューゲイザーでしょうか。
しかし、他のシューゲイザー系のバンドとは、
一線を画したような印象があります。
アルバム・タイトルにもありますが、
どこか狂気が宿っているような、不可思議な音世界は、
ちょっと他のバンドでは見られない独特のものでした。
このバンドを評する際によく言われる、
まるで少年聖歌隊のような神聖さと、
か細さを持ったイアン・マスターズのヴォーカルと、
グレアム・ナイスミス(G)によるノコギリ・ギター。
そんな危ういバランスの上に成り立っていたバンドですが、
その危うさが結実したのが今作。
しかし、この絶妙な危うさは、今作以降新たに加入した女性メンバー、
メリエルが入ったことによって、
(少なくとも私の中では)脆くも崩れ去りました。
その2ndアルバム「イン・リボン」以降はまた改めて書きますが、
そのことによって今作の価値が上昇したのもまた事実でしょう。
デビュー・シングルにして名曲「サイト・オブ・ユー」を始め、
見事なまでに少しのブレも無い、一貫した音世界の今作。
官能的なメロディに気持ちよくさせられながらも、
徐々にスピードを上げていく様や、曲間のSE等、
どこか‘怖さ’を感じさせる、不穏なムードも漂う奇跡的な名作。
4ADからのリリースというのも納得です。
パワー・オブ・ドリームズ/Immigrants,Emigrants & Me
パワー・オブ・ドリームズ
/Immigrants,Emigrants & Me
1990年リリースの1stアルバム。
「アイルランドの恐るべき10代」という触れ込みでデビューしたこのバンド、
今では再評価のきざしも全くなく、忘れ去られているようですが、
かなり好きなバンドでした。
クレイグ(G,Vo)とキース(ds)のウォーカー兄弟を中心に結成され、
今作では全員が10代の3人編成でした。
クレイグの声質や、純粋無垢で真っ当なロック、ということで、
初期のU2を思わせます。不器用なところも含めて。
マッドチェスターやシューゲイザー真っ盛りの時代に、
あまりにも真っ直ぐなギター・ロックでデビュー、
という時代に恵まれなかった不遇なバンドですが、
(だからこそ逆に光った、というのもありますが)
清々しさと切なさを併せ持ったヴォーカルとメロディ、疾走感は、
ギター・ロック、ギター・ポップ好きならばたまらないバンドで、
今作と2ndアルバムは今でも名作だと思います。
歌詞に見られる、やはり10代ならではの攻撃性と絶望感は、
青い、といってしまえばそれまでですが、
だからこそ色褪せない魅力が詰まっています。
「ステイ」、「ブリング・ユー・ダウン」、
「マイ・アヴェレッジ・デイ」は名曲。
ザ・ストーン・ローゼズ/Elephant Stone
ザ・ストーン・ローゼズ/エレファント・ストーン
1988年リリースの、シルヴァートーン移籍後初となるシングル。
前作「サリー・シナモン 」ではまだ5人編成でしたが、
ここからはマニ(b)が加入し、黄金のラインナップになりました。
何よりもローゼズにしか出せない独自のグルーヴ感、
これが初めて鳴らされたのがこのシングルで、
ローゼズ神話の本格的な幕開けになった曲でもあります。
雷鳴のごとく鳴り響くギターから始まり、
どんどんと登りつめて行くような高揚感、
それでいて後味爽やか、
何回でも聴きたくなる名曲です。
それまではほぼ無名に近かったローゼズ、今作も、
プロデューサーがニュー・オーダーのピーター・フック、
ということで、むしろそちらの方で話題になっていました。
そしてミックスには後に1stアルバムを手がけるジョン・レッキー。
今となっては、ジョン・レッキーの力が大きかったのかも、という思いも。
余談ですが、1989年に発売された1stアルバム、
当時私は、日本盤が待ちきれず、輸入盤で買いましたが、
この曲はイギリス盤には未収録で、
アメリカ盤に収録(3曲目)されていたので、
アメリカ盤を買いましたが、今では当たり前に収録されていますね。
しかしヴァージョンによって3曲目だったり、
6曲めに収録されているものがあります。
どういうことなんでしょう、よくわかりません・・
ちなみに今作からしばらく続く、
ジョン・スクワイアによるペンキぶちまけジャケット、
これは現代美術の巨匠、
ジャクソン・ポロック、からの影響のようです。




