ペイル・セインツ/The Comforts of Madness | 極彩色音楽箱

ペイル・セインツ/The Comforts of Madness

The Comforts of Madness

ペイル・セインツ/狂気のやすらぎ

1990年リリースの1stアルバム。


イアン・マスターズ(Vo.b)を中心にした3人編成で、

ジャンル的にはシューゲイザーでしょうか。

しかし、他のシューゲイザー系のバンドとは、

一線を画したような印象があります。


アルバム・タイトルにもありますが、

どこか狂気が宿っているような、不可思議な音世界は、

ちょっと他のバンドでは見られない独特のものでした。


このバンドを評する際によく言われる、

まるで少年聖歌隊のような神聖さと、

か細さを持ったイアン・マスターズのヴォーカルと、

グレアム・ナイスミス(G)によるノコギリ・ギター。

そんな危ういバランスの上に成り立っていたバンドですが、

その危うさが結実したのが今作。


しかし、この絶妙な危うさは、今作以降新たに加入した女性メンバー、

メリエルが入ったことによって、

(少なくとも私の中では)脆くも崩れ去りました。

その2ndアルバム「イン・リボン」以降はまた改めて書きますが、

そのことによって今作の価値が上昇したのもまた事実でしょう。


デビュー・シングルにして名曲「サイト・オブ・ユー」を始め、

見事なまでに少しのブレも無い、一貫した音世界の今作。


官能的なメロディに気持ちよくさせられながらも、

徐々にスピードを上げていく様や、曲間のSE等、

どこか‘怖さ’を感じさせる、不穏なムードも漂う奇跡的な名作。


4ADからのリリースというのも納得です。

ぺい