一番好きな曲を弾く事にした。
ボウイには好きな曲がすっごく沢山あったんですけども、一曲弾けた事だしもうこうなったら一番好きな曲にチャレンジしようと思いました。頂上作戦です。
作戦名「常松をオトす大作戦」です。

あ~カッコいい!
ボウイのメンバーの中で私が一番好きな松井常松さんが最もフューチャーされる曲、その曲がやはり一番好きなのです。
その曲の名は「Working Man」です。
「働くおじさん」とかじゃありません。「Working Man」なのです。
松井さんがソロになってからのPVですが、Working Manを弾いてはります。
よかったらちょっと観てみてくださいね。
ね~、カッコいいでしょ?シビれるでしょ?
ということでこの曲の中盤の有名な「ベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベプベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベ」のとこを弾くことにしました。
あ、今の中に1こ「プ」が混ざっています。見つけたら2億ツネマツあげます。1ツネマツはだいたい50マコトぐらいです。
さあ、ピックを買うぞ!ということで聖地大阪は梅田、かっぱ横町の高架下ナカイ楽器に突撃です。
その日は若干リッチだったのでラーメンこたんでミソラーメンを食べて行きました。
「すいません、松井常松さんのピックください」
「う~んごめんね、松井モデルは置いてないんです」
そっか、ピックには◯◯モデルってのがあるのか。
「じゃあボウイをするのでそのピックをください」
「ボウイだったら固めがいいね~、ハイこれどうぞ」
という事で私が初めて買ったピックはおにぎり型ではなく、黒くてデッカい正三角形のピックだったのです。
わしゃサンタナか。
帰って弾き始めましたが曲の練習というより、何というかもう筋トレです筋トレ。リズムもグルーブもなんもあったもんじゃありません。
でもとにかく弾き続けました。
作戦名「常松をオトす大作戦」です。

あ~カッコいい!
ボウイのメンバーの中で私が一番好きな松井常松さんが最もフューチャーされる曲、その曲がやはり一番好きなのです。
その曲の名は「Working Man」です。
「働くおじさん」とかじゃありません。「Working Man」なのです。
松井さんがソロになってからのPVですが、Working Manを弾いてはります。
よかったらちょっと観てみてくださいね。
ね~、カッコいいでしょ?シビれるでしょ?
ということでこの曲の中盤の有名な「ベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベプベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベベ」のとこを弾くことにしました。
あ、今の中に1こ「プ」が混ざっています。見つけたら2億ツネマツあげます。1ツネマツはだいたい50マコトぐらいです。
さあ、ピックを買うぞ!ということで聖地大阪は梅田、かっぱ横町の高架下ナカイ楽器に突撃です。
その日は若干リッチだったのでラーメンこたんでミソラーメンを食べて行きました。
「すいません、松井常松さんのピックください」
「う~んごめんね、松井モデルは置いてないんです」
そっか、ピックには◯◯モデルってのがあるのか。
「じゃあボウイをするのでそのピックをください」
「ボウイだったら固めがいいね~、ハイこれどうぞ」
という事で私が初めて買ったピックはおにぎり型ではなく、黒くてデッカい正三角形のピックだったのです。
わしゃサンタナか。
帰って弾き始めましたが曲の練習というより、何というかもう筋トレです筋トレ。リズムもグルーブもなんもあったもんじゃありません。
でもとにかく弾き続けました。
ビリーブは弾けたのか!?
さあいよいよボウイの名曲「ビリーブ」と対決です。そんなにお気に入りの曲じゃないけど。
とりあえず一曲弾けるようになるのが先決でしょう。
さて弾けるのか!?
これがね、意外と一日で弾けるようになったのです!
基本「ベーンベベーン、ベーンベベーン、モケーレムベンベ、ベーンベベーン」
の繰り返しなのですよ。たしかA弦の3フレット、5フレット、E弦の開放やったんちゃうかな。
その日から毎日このバラードばっかし弾いてました。
たぶんその当時の私は鈴木雅之さんぐらいバラードだったと思います。
あんまりしつこく弾くので親父に
「おいげんた、もうええんちゃうか?父ちゃん仕事から帰ってきて毎日ソレ聞かされて気が滅入るやん」
など言われ、
「何をこのクソジジー!息子のがんばってることを素直に称える気にはならんのか!」
と言い返し、
「ほっほー、父ちゃんにそんなクチを聞けるようになったとはげんた君も偉くなったものですね。では500円はいりませんね。自分で稼いでください」
と言われ、
「お父ちゃんすみませんでした。勘弁してください」
と謝るのでした。
何日かに一回いただける500円は私のライフラインだったのです。
ということでこの曲はクリアです。
次はやかましい曲に挑戦です。
とりあえず一曲弾けるようになるのが先決でしょう。
さて弾けるのか!?
これがね、意外と一日で弾けるようになったのです!
基本「ベーンベベーン、ベーンベベーン、モケーレムベンベ、ベーンベベーン」
の繰り返しなのですよ。たしかA弦の3フレット、5フレット、E弦の開放やったんちゃうかな。
その日から毎日このバラードばっかし弾いてました。
たぶんその当時の私は鈴木雅之さんぐらいバラードだったと思います。
あんまりしつこく弾くので親父に
「おいげんた、もうええんちゃうか?父ちゃん仕事から帰ってきて毎日ソレ聞かされて気が滅入るやん」
など言われ、
「何をこのクソジジー!息子のがんばってることを素直に称える気にはならんのか!」
と言い返し、
「ほっほー、父ちゃんにそんなクチを聞けるようになったとはげんた君も偉くなったものですね。では500円はいりませんね。自分で稼いでください」
と言われ、
「お父ちゃんすみませんでした。勘弁してください」
と謝るのでした。
何日かに一回いただける500円は私のライフラインだったのです。
ということでこの曲はクリアです。
次はやかましい曲に挑戦です。
ベースで一番最初に弾けるようになった曲。

これはボウイはボウイでもデビッド・ボウイなんですけどね。
私たぶん昔この人にダイエーの4階でカツアゲされてますね。
バービーボーイズはまだ無理だと悟った私、再びボウイに戻るわけであります。
「弾くのムリだからボウイ」というのではなく、「浮気したらダメだからボウイ」なのでありますあくまで。
今度はボウイのスコアを持ってる人探しです。
が、簡単に見つかりました。例のコワいキッスのポスターのお兄ちゃんです。
「おぅ、また来たか。まあ上がったれや」
「ういっす、失礼しますっす」
やっぱりキッスのポスター貼ってあります。果たしてこんな人が持ってるんでしょうか。
「お前の探してるんコレやろ?」
うおっ!それだ!その歯車みたいなやつビデオと一緒だ。
「そうっす、コレっす」
「ほな貸したるわ、持ってったらんかい」
ここでハイ、と借りると大概返す時に
「おぅお前ココんとこ折れ曲がってるやろがい」とかなんとか言われてだいたい2~3発小突かれる事になるので、
「いえっス、ありがたいですが今コピーしてきますんで少しお時間下さいっす」
とやんわり断ります。
「ほうか、ほな待っといたる。行けや」
「ハイっす、失礼しますっす!」
とダッシュでコピーしに行くことにしました。
そのコピーなんですがね、今はコンビニ行けばなんぼでもコピー機あるんですけど昔は中々無くてね、コピー屋さんっていうのがあったんですよ。
ということでコピー屋さんまでチャリンコで猛ダッシュです。
たしか私がゲームをしに通ってた関大前という所にあったハズだ。
ゲームセンターのチャレンジャーのとこらへんにあったハズだ。
ダッシュで行くんですが、そこはアップダウンの多い場所でねえ。
当時私のチャリンコはハンドルがカマキリタイプで、しかも角度が付けてあって(当時はそれがカッコいいと思っていた)登りはもんのすごくシンドいんです。
ハアハアいって漕ぎながら、どの1曲にしようかってずっと思ってました。
スコア全部コピーするお金なんてないですからね。ほな買うわっちゅう話しですもんね。
「やっぱハアハアあれだなハアハア、好きな曲よりも簡単そうな曲にしようハアハア、決めた!ビリーブだハアハア」
ビリーブって曲はですね、いわゆるバラードでビデオ見ててもなんだかみんな大人しいというか、弾くのラクチンそうな感じがしたんです。
コピー屋さんのオバチャンにやりかた教えてもらってコピーします。
そしてダッシュで戻ります。
そして途中で引き返します。
スコア忘れてます。
無事戻りました。
「ういっす、スコアありがとやしたっす!」
「お、なかなか早いやんけ。まあこれからも何かあったらいつでも俺に相談せいよ」
と先輩のヤンキー達がいつも使う言葉を頂戴し、
「ありがとござっす!失礼しまっす!」
と家に帰ったのでありました。
あとは弾けるようになるまで練習するのみであります。
バービーボーイズ発見。
さて、今度のクエストは「バービーボーイズを知ってる人を探す」です。
今まで頭の中はプロレスとマンガしかなかったのでほとんど話しをした事なかったんですが、音楽に興味を持ち出したので話しをするようになった奴が同級生にいました。
まずはそいつに尋ねます。
「な~、あのなバービーボーイズってバンド知ってるか?」
「うん知ってるよ、それよりげんたよくそんなバンド知ってるな~。誰が好きなん?」
「ん?そりゃもちろんみんなやがな。」
「キョウコさん可愛いよな~」
「お、おぅ、キョウコさん可愛いな」
バンドスコアに名前は書いてあったのですが、「杏子」という漢字が読めなくて私は「アンコさん」と呼んでいたのです。
なんか果物のアンズの字に似てるなあと思って。
とにかく早くも知ってる奴を見つけました。
あとは音源を借りるだけです。
しかしバカにされるのはシャクです。あくまで知ってる風に、スマートに事を運ばなければなりません。
とりあえずスコアの表紙のイメージを伝えます。
「あのな、お前あのアルバム持ってる?あのなんか黒くて全員集合してるやつ」
「持ってるで、ブラックリストやろ?」
「おぅそうそうブラックリスト」
ほっほぅ、ブラックリストというのだな。ブラックリストという本の名前かと思ってたぜ。
「そのブラックリストのな、どの曲が一番好き?」
「そやな~、好きなんいっぱいあるけどやっぱ負けるもんかは好きやな」
「おお!やっぱりか!俺も好きやねん、負けるもんか」
はい課題曲決定。
「ほんでな、負けるもんかまた聴きたいなあって思って家探しててんけど、なくしたんか知らんけど全然出てこうへんねん。負けるもんかええ曲やしまた聴きたいねんけどな~」
「ええで、家にあるからダビングしてあげるわ」
はいクエスト完了。
完璧です。完璧すぎます。華麗にミッションコンプリート。
几帳面な野郎なので早速次の日に持ってきてくれました。
几帳面なのでハイポジに入れててくれました。爪も折ってくれてました。
「ありがとな!今度ボウイのライブ録ってきたるわな」
早速家に帰って聴いてみます。「負けるもんか」スコアにありました。
うん、確かに負けるも~んか♪、負けるも~んか♪いうてます。
3ハイ!で弾こうとしますが一向に弾けません。目がタブ譜に追いついていきません。
こりゃムリやな、俺にはまだまだ弾けんな。そう思いました。
エンリケさんスゴいな、と思いました。でもこの時点では誰がエンリケさんかは分かりません。
まあいい、タブ譜の読み方は分かった。あとは最初に丸々一曲弾けそうな曲を見つけよう。負けるもんかはまだダメだ。
一週間後ぐらいにお返しにボウイのテープを持って行きました。
ラジカセのマイクでライブの音声を録ったやつです。
一本80円のファッションテープでした。
人生なにがあるか分からんもんで、昔ひょんなことからエンリケさんと対バンさせてもらったことがありました。
そのあとのロックバーの打ち上げでVIPルームに呼んでもらいました。
私はうれしくって当時の事をエンリケさんに話しました。エンリケさんはニッコリしながらウンウンって聞いてくれました。
最後にサインをしてくれた後、私の肩をポンポンって叩いて
「そのまま行けよ、キープロッキンだぜ!」
って言ってくれました。
なので今でもキープロッキンしてます。
今まで頭の中はプロレスとマンガしかなかったのでほとんど話しをした事なかったんですが、音楽に興味を持ち出したので話しをするようになった奴が同級生にいました。
まずはそいつに尋ねます。
「な~、あのなバービーボーイズってバンド知ってるか?」
「うん知ってるよ、それよりげんたよくそんなバンド知ってるな~。誰が好きなん?」
「ん?そりゃもちろんみんなやがな。」
「キョウコさん可愛いよな~」
「お、おぅ、キョウコさん可愛いな」
バンドスコアに名前は書いてあったのですが、「杏子」という漢字が読めなくて私は「アンコさん」と呼んでいたのです。
なんか果物のアンズの字に似てるなあと思って。
とにかく早くも知ってる奴を見つけました。
あとは音源を借りるだけです。
しかしバカにされるのはシャクです。あくまで知ってる風に、スマートに事を運ばなければなりません。
とりあえずスコアの表紙のイメージを伝えます。
「あのな、お前あのアルバム持ってる?あのなんか黒くて全員集合してるやつ」
「持ってるで、ブラックリストやろ?」
「おぅそうそうブラックリスト」
ほっほぅ、ブラックリストというのだな。ブラックリストという本の名前かと思ってたぜ。
「そのブラックリストのな、どの曲が一番好き?」
「そやな~、好きなんいっぱいあるけどやっぱ負けるもんかは好きやな」
「おお!やっぱりか!俺も好きやねん、負けるもんか」
はい課題曲決定。
「ほんでな、負けるもんかまた聴きたいなあって思って家探しててんけど、なくしたんか知らんけど全然出てこうへんねん。負けるもんかええ曲やしまた聴きたいねんけどな~」
「ええで、家にあるからダビングしてあげるわ」
はいクエスト完了。
完璧です。完璧すぎます。華麗にミッションコンプリート。
几帳面な野郎なので早速次の日に持ってきてくれました。
几帳面なのでハイポジに入れててくれました。爪も折ってくれてました。
「ありがとな!今度ボウイのライブ録ってきたるわな」
早速家に帰って聴いてみます。「負けるもんか」スコアにありました。
うん、確かに負けるも~んか♪、負けるも~んか♪いうてます。
3ハイ!で弾こうとしますが一向に弾けません。目がタブ譜に追いついていきません。
こりゃムリやな、俺にはまだまだ弾けんな。そう思いました。
エンリケさんスゴいな、と思いました。でもこの時点では誰がエンリケさんかは分かりません。
まあいい、タブ譜の読み方は分かった。あとは最初に丸々一曲弾けそうな曲を見つけよう。負けるもんかはまだダメだ。
一週間後ぐらいにお返しにボウイのテープを持って行きました。
ラジカセのマイクでライブの音声を録ったやつです。
一本80円のファッションテープでした。
人生なにがあるか分からんもんで、昔ひょんなことからエンリケさんと対バンさせてもらったことがありました。
そのあとのロックバーの打ち上げでVIPルームに呼んでもらいました。
私はうれしくって当時の事をエンリケさんに話しました。エンリケさんはニッコリしながらウンウンって聞いてくれました。
最後にサインをしてくれた後、私の肩をポンポンって叩いて
「そのまま行けよ、キープロッキンだぜ!」
って言ってくれました。
なので今でもキープロッキンしてます。
ベースを買ってそれから。
ということで無事めでたくベースをゲットいたしました。
それからは毎日家にダッシュで帰って友達にダビングしてもらったボウイのビデオを観ながら一心不乱にかきむしってました。
あ、余談ですが我が家にビデオなんつー洒落たものなんぞありませんでしたので、それもまたチャチャッと左官屋さんで買いました。
すでにVHSが勝っていたのでベータと迷う必要はありませんでした。
もうずっと観てました。親父に「またコレ見てるんか」と呆れ顔で言われ、「うっさい!父ちゃんこそ飽きもせず毎日お酒のみやがって!」なんてクダリがありながらずっと観てました。
ほんでね、ちょっとベース弾くの飽きてきました。
なぜならずっと開放弦をジャカジャカしてただけだったからです。どこを押さえたらどうなる、とか全然知りませんでした。
これはマズいな。このままでは必死こいて買ったベースに飽きてしまう。どうにかならんもんかな。
そう思いました。
そして私はちっちゃい頃周りの大人から「神童」と呼ばれるくらい頭のいい子だったので、解決策を思いつきました。
そうだ、ベースの勉強をしよう、と。
早速梅田のナカイ楽器に行きました。
店員さんに
「あの、ベースの勉強をしたいのでそんな本をください」
と言いました。
そしたら
「お!勉強するんか。そしたらまずバンドのコピーからがいいんちゃうかな」
と言ってバンドのスコアを選んでくれました。
なぜだかバービーボーイズでした。
でも私はそもそもその時ボウイしか知らなかったので、たぶん音楽の先生達が集まったバンドだと思い、買って帰りました。
家に帰って開けてみましたがチンプンカンプンです。
タブ譜の読み方を知らないのです。
今思えばあの店員さん、単にバービーボーイズのファンやったんちゃうかな?、と思います。
せっかく買ったんやからもったいない、どうにかして覚えたる!ということで友達にあたってもらい、友達の友達の兄ちゃんがバンドやってるらしいという情報を得ました。
そして菓子折りを持っておじゃましに行きました。
「人様のとこにうかがう時は菓子折りぐらい持っていけ」と親父にシバかれた事があるので、そういうとこはちゃんとしてました。さすが神童ですね。
「おうお前か、まあ入れや」
情報ソースがヤンキー関係ばっかだったので、お兄ちゃんももちろんヤンキーです。
「すいませんッス、失礼しまッス」
入ってドン引きました。ああ帰りたい、と思いました。
壁一面に貼ってるポスターなんですが、みんなコワい化粧をしてるのです。
クチから血を流してる人とかもいます。
キッスのポスターだったんですけども。
ものすごいショックで夢にも出てきたのを憶えてます。
「おぅええか、タブ譜っちゅうのはな、ここ4本線引いてあるやろ?ほんでなここに数字書いてあるやろ。そやからここで4弦の5フレット押さえたらええっちゅうこっちゃ」
フレット?って思いましたがコワいので一刻も早く帰りたくて
「ありがとうございまッス、失礼しまっす!」
と帰ってきました。
早速やってみます。二小節ほど暗記して弾いてみました。
でも何弾いてんだか自分でも全然分からない。
そりゃそうです、その曲聴いたことないからフレーズとかリズムとかが全然分からんのです。
こりゃマズいな、と思いました。ベースおもんなくなるぞ、と。
そしてバービーボーイズを知ってる人間を探していったのです。
それからは毎日家にダッシュで帰って友達にダビングしてもらったボウイのビデオを観ながら一心不乱にかきむしってました。
あ、余談ですが我が家にビデオなんつー洒落たものなんぞありませんでしたので、それもまたチャチャッと左官屋さんで買いました。
すでにVHSが勝っていたのでベータと迷う必要はありませんでした。
もうずっと観てました。親父に「またコレ見てるんか」と呆れ顔で言われ、「うっさい!父ちゃんこそ飽きもせず毎日お酒のみやがって!」なんてクダリがありながらずっと観てました。
ほんでね、ちょっとベース弾くの飽きてきました。
なぜならずっと開放弦をジャカジャカしてただけだったからです。どこを押さえたらどうなる、とか全然知りませんでした。
これはマズいな。このままでは必死こいて買ったベースに飽きてしまう。どうにかならんもんかな。
そう思いました。
そして私はちっちゃい頃周りの大人から「神童」と呼ばれるくらい頭のいい子だったので、解決策を思いつきました。
そうだ、ベースの勉強をしよう、と。
早速梅田のナカイ楽器に行きました。
店員さんに
「あの、ベースの勉強をしたいのでそんな本をください」
と言いました。
そしたら
「お!勉強するんか。そしたらまずバンドのコピーからがいいんちゃうかな」
と言ってバンドのスコアを選んでくれました。
なぜだかバービーボーイズでした。
でも私はそもそもその時ボウイしか知らなかったので、たぶん音楽の先生達が集まったバンドだと思い、買って帰りました。
家に帰って開けてみましたがチンプンカンプンです。
タブ譜の読み方を知らないのです。
今思えばあの店員さん、単にバービーボーイズのファンやったんちゃうかな?、と思います。
せっかく買ったんやからもったいない、どうにかして覚えたる!ということで友達にあたってもらい、友達の友達の兄ちゃんがバンドやってるらしいという情報を得ました。
そして菓子折りを持っておじゃましに行きました。
「人様のとこにうかがう時は菓子折りぐらい持っていけ」と親父にシバかれた事があるので、そういうとこはちゃんとしてました。さすが神童ですね。
「おうお前か、まあ入れや」
情報ソースがヤンキー関係ばっかだったので、お兄ちゃんももちろんヤンキーです。
「すいませんッス、失礼しまッス」
入ってドン引きました。ああ帰りたい、と思いました。
壁一面に貼ってるポスターなんですが、みんなコワい化粧をしてるのです。
クチから血を流してる人とかもいます。
キッスのポスターだったんですけども。
ものすごいショックで夢にも出てきたのを憶えてます。
「おぅええか、タブ譜っちゅうのはな、ここ4本線引いてあるやろ?ほんでなここに数字書いてあるやろ。そやからここで4弦の5フレット押さえたらええっちゅうこっちゃ」
フレット?って思いましたがコワいので一刻も早く帰りたくて
「ありがとうございまッス、失礼しまっす!」
と帰ってきました。
早速やってみます。二小節ほど暗記して弾いてみました。
でも何弾いてんだか自分でも全然分からない。
そりゃそうです、その曲聴いたことないからフレーズとかリズムとかが全然分からんのです。
こりゃマズいな、と思いました。ベースおもんなくなるぞ、と。
そしてバービーボーイズを知ってる人間を探していったのです。