青空を羽ばたくためにVOL.9
【家族の形(機能不全家族)】
今日のお題は、
1 神様と私の中の子供の心
2 割れたグラス
3 機能不全家族
4 毒になる親とは
5 毒親の親もまた毒親
SAKUCHINです。
心に傷を負い、鳥かごに囚われてしまったあなたが、もう一度青空を自由に羽ばたいている未来を信じて、このシリーズを書いています。
では、よろしくお願いします。
前回は、大人の女性のイジメの傾向についてのお話でした。
人は弱い生き物です。特に女性は生物学的に弱く、グループを形成することで子供を守り育んできたという歴史があります。
それは愛情ホルモンと呼ばれるオキシトシンの影響が大きくグループを形成した時により分泌量が増えると言われています。
結果、イジメる側の人が圧倒的に多いという事実が、わが国の民族的な歴史なのです。
前回の記事はこちらから↓
鳥かごを抜け出して、青空を羽ばたくために
そして私自身も同調圧力に弱く、イジメの加害者になり易いという日本人の遺伝子を引き継いでいるということを忘れずに、他者への共感・自己の価値観の保持・共同体感覚の醸成・コミュニケーションスキルの向上や感情の制御など人間の行動や心理を理解できるような考えを持つということが大切だと思っています。
今回は、家族の形(機能不全家族)について考えてみようと思います。
いわゆる『毒親』をテーマにしたお話です。
今日の結論は、
『必ずしも毒親を許す必要はない』
ということです。
もし、あなた自身あるいはあなたの大切な人が心に大きな傷を負ってしまっているのなら、このお話が回復への一歩になることを願っています。
神様と私の中の子どもの心
あなたは、神様に奪われた命の数を考えたことがありますか?
神は天上より我々を見て、あらゆる事に対して裁きを下してきました。
神は、人に優しい必要はないし、公平でも良心に従っているわけでも無く、その裁きは時に不条理そのものでした。
いつ何時、神様の怒りに触れるかわからない世の中で、人は心の中に「恐怖の種」を植え付けられ、生け贄という形で神の怒りを鎮める行為も歴史上繰り返されて来ました。
神は、生存するための全てであり
唯一自分を愛してくれる存在であり
外界から自分を守ってくれる存在であり
住む場所や食べ物などの恵みを与えてくれる。
だから、私は神なくして自分が生きのびる手立てのないことを理解していました...
子供にとって、唯一の神
それが
親
例え、親(神)が間違っていたとしても、子供の私は、疑う事すら考えられず。親はいつも正しいと信じて行動している限り守られていると感じることさえ出来たのです。
ただ現実の世界は神話の世界と違い
私は成長して自我に目覚め、自分の価値観を確立する中で親に反抗してきました。
始まりは3歳頃までの「イヤイヤ期」です。
小学校中学年
そして思春期
子供が成長して親から離れていくプロセスは思春期にピークを迎えますが、大概の親はいくばくかの怒りの感情を抑えて子どもの成長を見守ることができます。
ただ世の中には
心が不健康で
子供の成長のためのプロセスを自分への攻撃と捉え
子供を従わせて、親に対する依存度を高める
毒になる親
がいるのです。
そして神から発せられる言葉は
「あなたのため」
困ったことに本人すら本気でそう思っているのです。
ただ実際は、あなたを自立させないためにあなたの心を挫いているだけ。しかし、本人がそれを認める事はありません。
神様の様に天上でふんぞり返っている毒親を地上に引きずり下ろして、親は自分と同じただの人であるということをあなた自身が自覚しなければ、毒親から解放されることは無いと思うのです。
割れたグラス
父親が職場で上司からのパワハラに苦しんでいるとしましょう。
それは理不尽極まりなく、自分のせいでないとしても言い返す事は出来ようがありません。
そして、怒りの感情は家庭の中で
夫は妻にぶつけ
妻は子供にわめきちらし
子供は犬を蹴飛ばし
犬は外にいる猫を追いかけまわす
人は、ネガティブな感情をより弱いものにぶつける弱い生き物なんです。
父親は仕事をやめ
失業手当で酒を飲み
母親はパートに出る
子供は酔っ払った父親の世話を強いられ
やがては母親は精神的に壊れていく
父に家族を支える経済力は無く
母は子供に愛情を注ぐ余裕はない
「お父さん、もうお酒を飲まないで」
グラスが飛んできて粉々になる。
高イビキで父親が眠るその部屋で泣きながら、少女が割れたグラスを片付けている。
少女は「お父さんは辛いからお酒を飲んでしまう。私がもっと良い子にならなければいけないんだ」と考えてしまう。
もはや、家族内の役割は破綻している。
こんな風に本来、家族のそれぞれが果たすべき役割が破綻している家庭を「機能不全家族」と言います。
そして、この出来事で割れてしまったものはガラスのグラスだけではなく、
子供達の心もなのです。
彼女は、自分のいる家庭の姿を普通として自己のアイディンティを形作ってしまいます。それが割れたグラスの意味するところであり、異常な状態を正常な状態であると認知を歪ませて大人になってしまうのです。
アルコール依存の親のもとで育った子供が大人になり、自分自身がアルコール依存になったり、アルコール依存の人を配偶者にすることも、それはその空間が子供の頃から慣れ親しんだ環境だからなのです。
これが、機能不全家族の中で成長することの危うさなのです。
機能不全家族
家族を構成する人には、
父親には父親の
母親には母親の
子供には子供の
それぞれの役目があります。
その役目が破綻している家庭を機能不全家族と言い、その原因となっている親を毒親と言います。
子供が安心して伸び伸びと成長できる場所が家庭ですが、毒親は、虐待・育児放棄・家庭不和・貧困・過干渉や無関心など様々ことで子供を傷つけます。
これらはとてもわかりやすく、子供自身も大人になるにつれ親が毒親であった事に気がつくでしょう。
少し、わかりにくいですが
より問題の根が深い例を挙げてみます。
これはマインドコントロールに近く、直接的な暴力やネグレクト等に劣らない毒親のパターンです。
それは「あなたのために言っているのよ」と言い、全てを否定する親のことです。
残酷なほど子供を傷つける言葉を投げつけながら表面上は親として正しい事をしていると見せかける。
そして、被害にあった子供は、大人になってもその毒に気がつかないのです。
親にとって子供の成長は喜び以外の何ものでもない事ですが、加齢とともに女性としての自信を少なくする母親は美しい大人になる娘に対して、歳をとり力を無くす父親は逞しく育った息子に対して「こころが不健康な親」は脅威を感じ、成長する子供を侮辱し嫌味を言ったり嘲る事によって弱い子供のままに止めようとするのです。
こんな親のもとで育った子供は、何らかなことで親を超える成功を手にした時、素直に喜べずに上手く行けば行くほど辛い気持ちになってしまうのです。
結果、自分自身に限界を設定して成功しないことで心の平穏を保とうとして、何かをする・挑戦するという
勇気を失ってしまうのです。
「どうせ無理なんだから」
「辞めておきなさい」
「あなたのために言っているのよ」
親の不安を子供の勇気を挫くことで
和らげようとする事も
毒なのです。
世の中には、親の毒に心を傷つけられていた事に気が付かずに、苦しんでいる人も多いと思うのです。
毒になる親とは
例えば、毒になる親の一つの種類として、自己愛がとても強い人がいます。
それは、心の問題として
「自己愛性パーソナリティ障害」と呼ばれているものです。
自己愛性パーソナリティ障害(Narcissistic Personality Disorder)は、自己愛の過剰な傾向や優越感、他人への共感や関心の欠如などが特徴的なパーソナリティ障害です。
自己評価が非常に高く、他人からの称賛や賞賛を求める傾向があります。彼らは自分自身を魅力的で特別な存在と捉え、他人からの注目や賞賛を得ることに執着します。
一方で、他人との関係においては、自己中心的で利己的な行動を取ることがあり、他人を利用したり自分の利益のために他人を傷つけることもあります。
また、他人の感情やニーズに対して無関心であるため、他人との関係がうまくいきません。
自分は常に正しいと認識している為、自分(親)に非があったとしても絶対に謝罪することはありません。
彼らから発せられる言葉があるとすれば
「私が謝ればいいんでしょ」程度のもの
結果、親として子供に共感できず
自分自身の課題(問題)を子供の責任にすり替え
自分の不安の為に子供に干渉します。
『あなたの事が心配なの』
と言いながら、子供の未来への挑戦を潰すのです。
こんな親に育てられた子供は、自尊心や自己肯定感が低く、他の人の意見に流されやすい傾向があります。
大人になった後も過度な自己責任、自己否定、難しい人間関係、依存性、感情のコントロールの困難などの特徴を持つ人が少なくありません。
毒親の親もまた毒親
注意しなければならない事が一つあります。
それは、家族というシステムの中で毒親として存在している親にも親が存在していると言う事。
暖かく愛情にあふれた家庭で育った子供が毒親になる可能性は低いと言う事です。
つまり、毒親のその親も毒親だった可能性は極めて高く、あなたの親が毒親だった場合、もっと以前の世代に責任があると言う事なのです。
そして、この脈々と引き継がれてきた毒の家系は、どこかで断ち切らない限り、今後も何世代と引き継がれることになります。
ただし
もしあなたが、今なお虐待(身体的・心理的・性的・ネグレクト等)を受けている場合は直ちに専門家の助けが必要です。
多くの人たちが自力で解決しようとした結果(我慢して抱え込むことも含め)
トラウマを抱えて生きる苦しみから逃れられなくなっているのが現実なのです。
性犯罪としての時効が成立した後でも、あなたのPTSDなどへの民事訴訟が可能な場合もあります。
アルコールや薬物への依存がある場合は、先ずその治療を優先させてください。
幼い頃の記憶を掘り起こすことはとても辛く、乗り越えるためには一時的な精神症状の悪化が顕著だからです。
(自己受容するためには覚悟が必要です。)
ここで大切なのは、かならずしも復讐する必要は無いですが
『許す必要も無い』
ということです。
もしあなが、あなたを虐待した親を許すことができたとしましょう。
正しくは「毒親を許す」と心に決めたということですが、
一時的に気持ちは晴れやかになり楽になるでしょう。
しかし、実際にあなたに行った罪が存在しなかったわけでは無く、
その罪の責任はあなたが負うことになります。
許すこととは、謝罪があって初めて成立する行為であり、それもなくあなたがただ許すだけでは、事実に蓋をして隠しているに過ぎないのです。
隠れた怒りや悲しみの感情は、さらにあなたの心を蝕んでしまうのです。
漫画家・作家の歌川たいじさんの壮絶な半生を描いた
『母さんがどんなに僕を嫌いでも』では、母親が亡くなる前に謝罪と感謝の言葉を残すとことで、毒親を許すことのできた稀有な例だと思います。
毒親は、謝らない
だから
激しい怒りと深い悲しみの感情と対峙して、本来の責任を負うべき毒親にのもとに返すことが
「毒になる親の支配」から開放されるために必要なのです。
もしあなたが心に傷を負った直後であるならすぐに誰かに助けを求めてほしい。
まだ鳥かごの扉は開いています。
しかし、やがて鍵がかりあなたは鳥かごに囚われてしまいます。
でも、これだけは信じて欲しい。
あなたの価値はあなた自身が決めるのです。
人生の意味はあなたが与えるのです。
明確な答えは無いとしても態度・行動・言動・表現・癖・野心・習慣・人格など、あらゆる行動があなたの人生に意味を与え、意味と合致していきます。
大丈夫。
必ずまた大空を羽ばたける様になるから自分を信じて。
今日は、機能不全家族とその原因(毒になる親)について考えてみました。
本来子どもが安心して伸び伸びと成長できる場所が家庭です。
毒親は、虐待・育児放棄・家庭不和・貧困・過干渉や無関心など様々なことで子供を傷つけます。
幼いあなたは、無意識のうちに親は正しく自分が間違っているという「思い込み」の中で、自己のアイデンティティを確立してしまいました。
その認知の歪みを治すことは可能ですが痛みを伴います。これまでの価値観を一度壊さなければならないからです。
時間をかけてゆっくり、向かい合っていきましょう。
次回のお話は、
私の親は毒になる親だったのか?
『毒になる親とは』
をお待ち下さい。
もし、あなた自身あるいはあなたの大切な人が心に大きな傷を負ってしまっているのなら、このお話が回復への一歩になることを願っています。
最後まで読んでいただき
ありがとうございます。
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