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キュレルのクリームって、どんな保湿剤?


こんにちは。橋本です。


乾燥性敏感肌を考えた保湿剤、キュレル


肌の弱い人なら、一度はその名前を聞いたことがあるかもしれないですね。


キュレルは、セラミド機能成分が配合されていることで有名なスキンケアブランドです。


今日は、保湿クリームの「キュレル」がどんなものか、ざっくりとまとめておきたいと思います。


キュレルクリーム:パッケージ


 


乾燥性敏感肌を考えたスキンケアブランド


キュレル(Curel)は、日用品・化粧品メーカーの花王が乾燥性敏感肌の方に向けて立ち上げたブランドです。


ブランドの製品ラインナップはとても広く、洗浄、保湿、美白ケア、UVケア、メイク用品まで、30種類以上のアイテムが揃っています。


その中でも、全身に使える保湿クリームとして販売されているのが、「キュレルクリーム」です。


キュレルシリーズ:製品ラインナップ


 


合成セラミド類似脂質を配合している


キュレルクリーム最大の特徴は、合成セラミド類似脂質(ごうせい・せらみど・るいじししつ)を配合していること。


なんだか難しい名前の成分ですが、簡単にいえば、「セラミドのようなもの」を配合しているということですね。


セラミドは、肌の水分保持機能、バリア機能にとって、とても大きな役割を果たしています。


なぜ本物のセラミドを使わないかというと、本物のセラミドには「高価であること」と、「製品に溶かしにくい」という問題があったからなんですね。


参考記事:

セラミドの保湿剤が広まらない理由とは?


本物のセラミドは高価なので、多く配合するとそれだけ保湿剤も高価になってしまうのが問題になります。


そこで、キュレルクリームには、「セラミドのようなもの」を配合して、その問題を解決しています。


雑誌などでは、よく擬似セラミド(ぎじ・せらみど)なんて呼ばれることもあります。


魚釣りに使う、本物のエサに似せた「ルアー」のことを、疑似餌(ぎじえ)と呼ぶように、擬似(ぎじ)というのは「本物に似せたもの」のこと。


製造販売メーカーの花王は、このことを「セラミド機能成分を配合」とうたっています。


じつは、セラミドが肌のバリア機能にとって、とても大きな役割をしている、バリア機能そのものとなっているのを、あきらかにしたのも花王による研究なんですね。


ですが、合成セラミド類似脂質は、天然のセラミドではないので、パッケージの成分表示に「セラミド」と表示することができません。


実際にキュレルクリームに配合されているのは、


ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミド

長鎖二塩基酸ビス3-メトキシプロピルアミド


この2つです。


長すぎて、ちょっと名前が覚え切れないですね。目がチカチカします(苦笑)。


花王は、セラミドの分子構造を解析して、分子設計や合成方法を工夫することで、セラミドのような働きをする脂質を合成したわけです。


でも問題は、「セラミドに似ていれば、どんなものでも肌にいい」とは限らないことです。


その点、キュレルクリームに使われている合成セラミド類似脂質は、肌のバリア機能に効果があることが、臨床試験を含めた複数の論文で報告されています。


また、キュレルクリームには、肌のセラミド合成をうながすといわれる、ユーカリエキスも配合されています。


 


価格が手頃な保湿剤


セラミド配合の保湿剤というと、通常は値段が高めです。


高くならないようにすると、セラミドの配合量を少なくするしかなありません。


それでは、期待できる効果も少なくなるのもしかたありません。


つまり、セラミドが原料として高いことに問題があるわけです。


キュレルは、この問題を合成セラミド類似脂質を使うことでクリアしています。


天然セラミド合成バイオセラミドは、いろいろ工夫をしても、どうしても割高になってしまいます。


それに比べ、キュレルに使われている合成セラミド類似脂質は、コストが安くおさえられているため、価格が手頃になっているんですね。


90gで、店頭で買うと、だいたい1個1,500円くらいです。


キュレルクリーム:中身


 


病院では処方してもらえない


キュレルは、ドラッグストアなどの量販店でも広く流通しています。


価格も手頃で、お店でも手軽に買えるキュレル。


そのため普段のスキンケアにも取り入れやすいアイテムです。


ただし、キュレルクリームは、病院では処方してもらえません。


というのも、病院で処方される治療薬として認可されるには、大規模多施設のランダム化比較試験で効果を確認できていないといけないからです。


残念ながら今のところ、キュレルクリームは、大規模多施設の比較試験まではおこなわれていません。


小規模な比較試験では、いくつか効果が認められる報告がされています。


キュレルクリーム:テクスチャ


 


軽い力でよくのび、肌によくなじむ


肝心の使い心地はどうかというと。


感触にとろみがあり、適度にゆるさのあるクリームです。


塗り心地は軽く、肌にスッとのび、よくなじむため、使用感にすぐれています。


内容量も90gと、比較的多めで、広い範囲に塗りやすく、顔だけでなく、全身に使うことができます。


敏感肌向けということで無香料です。


それにもかかわらず、くせのある匂いがないというのも、キュレルクリームのいいところですね。


キュレルクリーム:塗った感じ


 


油中水型(w/oタイプ)のクリ-ム


「のびがいい、さらっとしたクリームだと、保湿力が弱いのではないか?」


そう思われやすいですが、キュレルクリームは、肌にフタをする力は強いほうです。


なぜかというと、キュレルクリームは、油中水型(w/oタイプ)のクリ-ムだから。


さっぱり系のクリームにするとなると、普通はこの逆の、水中油型(o/wタイプ)になります。


水中油型だと、油分が水分で包まれているので、水ですぐに洗い流すことができ、使用感もさっぱりします。


その代わり、デメリットとして、肌にフタをする力は比較的弱くなってしまいます。


フタをする力が弱いということは、肌の水分が逃げやすくなるんですね。


反対に、キュレルクリームのような油中水型(w/oタイプ)のクリ-ムだと、肌をフタする力が強めで、保湿力も高まるわけです。


油中水型(w/o)と水中油型(o/w)の違いについてはこちら:
   ⇒ クリームの「しっとりタイプ」「さっぱりタイプ」の違い、わかりますか?


ただそう聞くと、「ベタつくのがいやだな」と敬遠(けいえん)されがちですが、意外と最初の塗り心地は、さっぱりしています。


「本当に油中水型か?」と思わせるぐらいに工夫されています。


しかし、時間が経つにしたがって、人によっては、もともと皮脂の分泌が多い部分でベタつきが強く感じられてくるかもしれません。


この油中水型(w/oタイプ)を保湿力が高いとしてメリットと受け取るか、ベタつくとしてデメリットと受け取るか。


それも、キュレルクリームを使うか、使わないかの、人それぞれの基準になるのかなと思います。


肌に炎症がある場合は使えない


1つ注意点として、原則的にキュレルクリームは、肌に湿疹や赤みなど、炎症がおきている部分には使用できません。


炎症がおきている肌に塗ってしまうと、症状を悪化させてしまう可能性があるからです。


乾燥の強い、荒れた肌では、肌の内部で炎症がおきているケースもあるので注意が必要です。


炎症がある場合は適切に薬を使い、保湿剤はプロペトなどワセリン系の肌に浸透しないものを、まずは試してみるほうが安全です。


 


 


 


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