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親水軟膏ってどんな感じ?


こんにちは。橋本です。


皮膚科で古くから使われている、「親水軟膏」という保湿剤。


個人的な意見では、「このネーミングでは、ちょっと実物がイメージしにくくない?」って思ったりもします。


そこで、「親水軟膏」が実際はどんなものなのか。特徴をみていきたいと思います。


親水軟膏:外観


「親水軟膏」は軟膏ではない?


いわゆる「軟膏」といわれるものは、ベースが油分のみです。


そういう意味では、親水軟膏は、「軟膏」ではありません。


油分と水分の混ざり合った「クリーム」をベースにしてできているのが、親水軟膏。


保湿剤を「軟膏」と「クリーム」にわけるなら、親水軟膏は「クリーム」のほうにあたります。


肌に塗りこむとスッと消えるような感触がある、バニシングクリームといわれるタイプ。


その典型例が、親水軟膏です。


さらっとした使い心地のクリーム


保湿クリームには、「しっとりタイプ」と「さっぱりタイプ」の2種類があります。


その2種類でいうと、親水軟膏は、「さっぱりタイプ」のクリームにあたります。


テクスチャーは、白くてフワフワと柔らかく、生クリームを硬くホイップした感じ。


塗ったあと、さらさらする使い心地のよさがあります。


親水軟膏:中身


さっぱりしているのにフタをする能力が高い


親水軟膏の最大のメリット。


それは、さっぱりしているのにフタをする能力が高いことです。


親水軟膏の成分の4分の1は、白色ワセリン。


ほかのクリームで、ここまでのワセリン量を配合しているものは、そう見つかりません。


そういう意味では、肌の外へ水分が蒸発しないようにする性質、カンタンにいうと「フタ系」の保湿剤です。


肌内部で水を抱える働きを期待できる保湿成分としては、プロピレングリコールが配合されています。


が、これは保水力をアップさせるというより、白色ワセリンとのバランス、使用感などを重視して配合されているような感じです。


親水軟膏に手を加えるときは


「手作り保湿剤のベースとして、親水軟膏を利用していますよー」という話も、ときどき耳にします。


しかし、親水軟膏に手を加える場合には、少し注意が必要です。


どうしてかというと、親水軟膏には、界面活性剤が配合されているからです。


この界面活性剤には、成分の浸透を強める働きがあります。


たとえば、アロマオイル(精油)をそのまま塗るよりも、親水軟膏に混ぜたほうがよく浸透することが考えられます。


つまり、親水軟膏に混ぜる量によっては、予想外の作用、強い作用がおこってしまう可能性があるわけです。


そのため、親水軟膏にほかの成分を加えるときは、加えたもものによって、肌に大きな変化が出ないかを、慎重に見極めながら試す必要があるんですね。


ほかの成分を加えるなら、「まずは少量で様子をみる」のが安全です。


肌に合うか、たしかめながら


親水軟膏には、防腐剤の目的として、パラベンが使われています。


パラベンは、旧表示指定成分にリストアップされ、体質によっては、皮膚トラブルが出る可能性もあります。


しかし、親水軟膏に使われているパラベンの量では、刺激は少ないとみられ、パラベンの種類も比較的、安全といわれているものが使われています。


親水軟膏に限った話ではないですが、子どもには、肌に合うかどうか、たしかめながら使うのがベストですね。


さっぱりとしつつも、肌の水分を逃さない保湿クリームを探しているなら、親水軟膏の使い心地を体験してみるのもいいと思います。


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