#2のコントですが、独立しているので、

#1を読んでいなくても楽しめます。

 

ちなみに、#1はこちら


 

(崖に刑事たちが立っている)


刑事
「みなさん。お集まりいただきありがとうございます。」

石丸
「何ですか、こんなところに呼び出して。」

秋本
「私、これから娘を保育園に迎えに行かないといけないんです。」

サスケ
「拙者も用事があるから早くしてほしいでござる。」

刑事
「では、単刀直入に言いましょう。
 今回の殺人事件の犯人は・・・この中にいます!」

石丸
「えっ!」

秋本
「この中に?!」

サスケ
「・・・だ、誰でござるか?!」

刑事
「では、1つずつ謎解きをしていきましょう。」

石丸
「はい。」

刑事
「まず、事件があった時刻の直前、
 被害者の部屋の近くは沢山の使用人が歩いていましたが、誰もあなたたちを見ていない。」

石丸
「そうだ。
 一瞬だけチャンスがあったみたいだが、そんな一瞬ではアイツの部屋に入り込むことは不可能だ!」

刑事
「それが1つだけ方法があるんです。」

秋本
「どんな方法が?」

刑事
「池ですよ。」

石丸
「池?」

刑事
「庭の池の中に隠れていたんです。
 あそこなら、一瞬の隙を突いて被害者の部屋に入ることは可能です。」

石丸
「確かに・・・。」

秋本
「でも、池の中にずっと隠れていたら、息が続かないはず・・・。」

刑事
「実はあの時、使用人の一人が池から出ている竹筒を目撃しています。」

石丸
「竹筒?」

刑事
「近づいてみたところ、すーすー言っていたそうです。」

秋本
「まさか、その竹筒で・・・。」

刑事
「はい。息をしていたんです。」

石丸
「そんな忍者みたいな・・・。」

サスケ
「・・・。」

刑事
「では、次です。
 凶器の話をしましょう。」

石丸
「まだ、凶器は見つかってなかったはずだが・・・。」

刑事
「はい。
 しかし、先ほど屋敷のゴミ箱で見つけました(凶器の入った袋を取り出す)。」

秋本
「(凶器を見て)これは・・・?」

刑事
「手裏剣です。」

石丸
「手裏剣・・・!?」

刑事
「はい。被害者の血液反応も出ました。
 これが凶器です。」

石丸
「そんな忍者みたいな・・・。」

サスケ
「・・・。」

秋本
「でも、確か現場は密室だったはず!」

石丸
「そ、そうだ。
 密室の謎は解けたのか?」

刑事
「解けました。」

秋本
「・・・解けたんですか?」

石丸
「でも、現場の窓やドアは全部内側から鍵がかかっていた!
 外に出るのは不可能だ!」

刑事
「それが可能なんです。」

秋本
「どうやって・・・?」

刑事
「我々が現場に踏み込んだとき、実は犯人もあの部屋にいたんです。」

石丸
「そんな・・・!
 あのとき部屋には我々しかいなかったはず!」

刑事
「サスケさん。」

サスケ
「な!何でござるか?!」

刑事
「あの時、現場にいらっしゃいましたね。」

サスケ
「・・・な、何を言ってるでござるか?!
 拙者はいなかったでござるよ!」

秋本
「そうよ。
 事件があった時、サスケさんは部屋で巻物を読んでいたって。」

石丸
「そうだ。
 使用人も証言してる。」

刑事
「分身の術です。」

石丸
「分身の術・・・?」

刑事
「使用人が見たのはサスケさんの分身だったのです。」

サスケ
「し、証拠はあるでござるか?!」

刑事
(3人にタブレットの写真を見せる)

石丸秋本
「(タブレットを見て)これは・・・?」

刑事
「サスケさんの使用済みの分身です。
 屋敷の倉庫のすみっこで体育座りで泣いているのを発見しました。」

サスケ
「こ、こんなのは証拠にならないでござる!
 それに、さっきの密室の謎だって解けてないでござる!」

刑事
「もう解けてるんです。
 あの時、現場にはあなたもいたんです。」

サスケ
「何を言ってるでござるか!」

刑事
「(タブレットの画像を見せる)現場の写真です。」

サスケ
「それが何でござるか?」

刑事
「ここだけ、壁紙の色が違います。」

石丸
「確かに。」

刑事
「あなたは大きな壁紙の模様が描かれた布を広げて、

 その後ろに隠れていたんです!」

サスケ
「推測でござる!証拠がないでござるよ!」

刑事
「証拠はあります。」

サスケ
「・・・え?」

刑事
「この布を横から撮った写真です!(タブレットの画像を見せる)」

石丸
「サスケさんが布を広げて後ろに隠れてる!」

秋本
「なんてドヤ顔!恥ずかしっ!!」

サスケ
「も、もはやこれまで(倒れこむ)。」

刑事
「・・・あなたの最大のミスは

 現場の壁紙と用意した布の柄が全然違ってたことです。」

サスケ
「・・・バレてないと思ったでござる。」

刑事
「石垣の柄は内装には使いません。」

サスケ
「石垣は万能ではなかったでござるか・・・。」

刑事
「思い返してみると、現場に踏み込んだとき、
 部屋には被害者の死体と壁の前に大きな布を広げたあなたがいた・・・
 それを見て、最初、ふざけてんのかなと思いました。
 しかし、あなたは真剣だった。」

サスケ
「いつだって忍法を使う時は真剣でござる。」

刑事
「その後、いくら話しかけても反応しないから、
 話しかけちゃいけない人だと判断しました。」

サスケ
「10分くらい拙者に話しかけ続けてたでござるね。
 でも、あの時は反応するわけにいかなかったでござるよ。」

刑事
「今にして思えば、あのときあなたを捕まえていれば、
 その後にあなたが犯した7つの忌まわしい連続殺人事件は起こりませんでした。
 それが非常に悔やまれます。」

サスケ
「そういう意味ではシラを切り通してよかったでござる。」

刑事
「では、いきましょうか。」

サスケ
(パトカーに向かう)

石丸秋本
「サスケさん!!」

サスケ
「(ゆっくり振り返り)・・・達者で暮らすでござる。」

石丸秋本
「サスケさん・・・。」

サスケ
「♪さぁ、眠りなさい~(歌いながらパトカーへ)」

刑事
「あ、歌わなくて大丈夫です。」



ナレーター
「次回、プレミアムフライデーサスペンス劇場!
 参勤交代刑事2!
 カゴから出ずに犯人を推理する風変わりな刑事再び!!」

参勤交代刑事
「この事件、参勤交代が終わる頃までに解決してみせる!」

ナレーター
「事件に仕組まれた巧妙なナゾ!」

参勤交代刑事
「(カゴの中で)まさかあのダイイングメッセージの意味は・・・。
 (前のめりになり)うわっと!
 (外に向かって)ちょっと!急に止まらないで!!」

ナレーター
「参勤交代刑事の頭脳が冴え渡る!!」

参勤交代刑事
「(カゴの中で)うーん・・・、考えがまとまらない・・・!
 (外に向かって)『下に下に』うるさい!!」

ナレーター
「小泉孝太郎主演・参勤交代刑事2!

 ご期待ください!!」

 

 

 

 

【コント・セルフ・ライナーノーツ】

明らかに怪しい人間が1人いる中でいつも通り謎解きをする流れを作ってみました。

「最初、ふざけてんのかと思いました」のセリフがお気に入りです。

ちなみに、石丸は石丸謙二郎さん。秋本は秋本奈緒美さんから来ています。

 

【上演メモ】

人数:6人

刑事

サスケ

石丸

秋本

ナレーター

参勤交代刑事

 

所要時間:5分~6分
上演難易度:★★☆☆☆
備考:最後の次回予告のシーンは本編とは独立しているので、まるごとカットでも問題ありません。

サスケの分身のシーンはタブレットを見せる方針で書きましたが、分身役の人を舞台上に上げるのも手です。

敢えて、全然似ていない人を出して、「今にして思えば、全然似てなかった」と言わせるなどのアレンジも可能かと。

 

【過去コントを5本チョイスしました。こちらもどうぞ。】

【コント】神様との別れ
【コント】寄せ書き
【コント】アリババと40人の盗賊#2
【コント】赤ずきんちゃんが聞く#2
【コント】ワタシの大切な人#2

 

 

 

【お題募集中】

お題コントのお題を募集しています。

採用の際には、ささやかながら、当ブログから採用者様のブログへのリンクを張らせていただきます。

・内容によっては、ご期待に沿えないこともございます。

・お題をいただいてから、公開までに数か月かかることがあります。

・公開までにアメブロを退会された場合、公開を見送る場合があります。

 

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