おばあさんを食べてしまったオオカミは
おばあさんになりすまし、
赤ずきんがやってくるのを待ちました。
ドアをノックする音
「トントン」
オオカミ
「誰だい？」
声
「私よ。赤ずきんよ。」
オオカミ
「おお、お入り。」
赤ずきん
「（小屋に入ってくる）こんにちは、おばあさん。」
オオカミ
「元気そうだね、赤ずきんや。」
赤ずきん
「ええ。
あら？おばあさん。」
オオカミ
「なんだい？」
赤ずきん
「おばあさんの耳はどうしてそんなに大きいの？」
オオカミ
「それはね、お前の声をよく聞くためだよ。」
赤ずきん
「じゃあ、おばあさんの目はどうしてそんなに大きいの？」
オオカミ
「それはね、お前の顔をよく見るためだよ。」
赤ずきん
「じゃあ、おばあさんの口はどうしてそんなに大きいの？」
オオカミ
「それはね、お前を食べるためだよーーー！！」
オオカミは赤ずきんをペロリとまる飲みしてしまいました。
オオカミ
「ふぅ。おいしかった。
さて、森に帰るかな。」
ドアをノックする音
「トントン」
オオカミ
「？」
ドアをノックする音
「トントン」
声
「・・・おばあさん。」
オオカミ
「・・・だ、誰だい？」
声
「私よ。赤ずきんよ。」
オオカミ
「ええっ？！（ベッドに入り、布団をかぶる。）・・・ど、どうぞ。お入り。」
赤ずきん２
「こんにちは。おばあさん。」
オオカミ
「あれ？赤ずきん・・・。さ、さっき確かに・・・」
赤ずきん２
「あら？おばあさん。」
オオカミ
「な、なんだい？」
赤ずきん２
「おばあさんの顔はどうしてそんなに青ざめているの。」
オオカミ
「そ、それはね、予期せぬ展開に驚いているからだよ。」
赤ずきん２
「そう。
じゃあ、おばあさんの耳はどうしてそんなに大きいの？」
オオカミ
「その質問もするんだね。
・・・お前の声をよく聞くためだよ。」
赤ずきん２
「じゃあ、おばあさんの目はどうしてそんなに大きいの？」
オオカミ
「・・・お前の顔をよく見るためだよ。」
赤ずきん２
「じゃあ、おばあさんの口はどうしてそんなに大きいの？」
オオカミ
「それはね、お前を食べるためだよーーー！！」
オオカミは赤ずきん２をペロリとまる飲みしてしまいました。
オオカミ
「ふぅ。・・・何で赤ずきんが２人も来たんだ？
さっきのが本物の赤ずきんだったとしたら、一人目は誰だったんだろう・・・
あれかな。赤ずきんは双子だったのかな。」
オオカミの中で赤ずきんは双子だったんだという結論に達しました。
ドアをノックする音
「トントン」
オオカミ
「？！」
声
「・・・おばあさん。」
オオカミ
「（ベッドに入り、布団をかぶる。）・・・だ、誰だい？」
声
「私よ。赤ずきんよ。」
オオカミ
「また？！」
赤ずきん３
「（入ってくる）あら？おばあさん。」
オオカミ
「な、何だい？」
赤ずきん３
「おばあさんの口はどうしてそんなに大きいの？」
オオカミ
「お前を食べるためだよー！」
オオカミはところどころ休憩を挟みつつ、
２０分かけて赤ずきん３をペロリとまる飲みしてしまいました。
オオカミ
「さすがに赤ずきん３人前はキツイ・・・
赤ずきんの前におばあさんも食べてるから４人前か。」
ドアをノックする音
「トントン」
赤ずきん４
「（部屋に入って来ながら）おばあさんの口はどうしてそんなに・・・」
オオカミ
「あー、もう、お前を食べるためだよー！」
オオカミはうんざりした表情で赤ずきん４をペロリとまる飲みしてしまいました。
雰囲気的には帰れま１０の後半に近い状態になってきました。
ドアをノックする音
「トントン」
オオカミ
「誰だい？」
赤ずきん５
「（部屋に入ってくる）赤ずきんよ。」
オオカミ
「まだ来るのかい？！」
赤ずきん５
「あら？おばあさんの口は・・・」
オオカミ
「ストップ！！今日はもうその質問はしないで！」
赤ずきん５
「えー、何で？」
オオカミ
「ワタシが限界だからだよ！！」
ドアをノックする音
「トントン」
オオカミ
「誰だい？」
赤ずきん６
「（部屋に入ってくる）赤ずきんよ。おばあさんの口は・・・」
オオカミ
「それ以上言うなぁ！！」
赤ずきん６
「何怒ってるの？」
赤ずきん５
「さっきから機嫌が悪いのよ。」
オオカミ
「君たち、どっちでもいいから空のタッパー持ってない？」
赤ずきん５
「持ってないわ。」
赤ずきん６
「おばあさんのお見舞いに、空のタッパー持参で来ないわよ。」
オオカミ
「とりあえず、今日はギブ。
明日また来て。
それまでにお腹空かせておくから。」
赤ずきん５
「わかったわ。
お母さんには何て言おう・・・（小屋を出る）」
赤ずきん６
「おばあさん、今日はギブって言ってたって伝えておきましょう。（小屋を出る）」
（翌日）
おばあさんの小屋では前日に運動をしてお腹を空かせたオオカミが赤ずきんを食べ続けていました。
赤ずきん２３
「（小屋に入ってくる）赤ずきんよ。おばあさんの口は・・・」
オオカミ
「食べるためだよー！（赤ずきん２３をまる飲みにする）
はい、次！」
ドアをノックする音
「トントン」
赤ずきん２４
「（小屋に入ってくる）赤ずきんよ。おばあさんの口は・・・」
オオカミ
「食べるためだよー！（赤ずきん２４をまる飲みにする）
はい！どんどん来て！まだ行けるよ！」
ドアをノックする音
「トントン」
赤ずきん２５
「（小屋に入ってくる）赤ずきんよ。おばあさんの口は・・・」
オオカミ
「食べるためだよー！（赤ずきん２５をまる飲みにする）
なんだろうね、このわんこ赤ずきん。
いくらでも食べ続けられるね。」
オオカミはこの日、赤ずきん５８人まる飲みという記録を残しました。
この記録は２０１３年５月現在、未だに破られていません。
後日、オオカミは雑誌のインタビューでこんな言葉を残しています。
Ｑ：あなたは何故、赤ずきんを食べ続けるのですか？
Ａ：それはね、そこに赤ずきんがいるからだよ。
【コント・セルフ・ライナーノーツ】
アクセス解析を見ると、「コント 赤ずきん」で検索して
このブログに来てくださる方が結構いらっしゃるので、
赤ずきんをテーマにまたコントを考えてみました。
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