#2のコントですが、独立しているので、

#1を読んでいなくても楽しめます。

 

ちなみに、#1はこちら


 

あかり
「お父さん、お母さん、紹介するね。
 今、お付き合いさせていただいている葛西健太郎さん。」

健太郎
「(周りをキョロキョロ見ながら)・・・あ、葛西です。
 よろしくお願いします。」

あかりの父
「健太郎くんか。よろしく。
 あかりの父です。」

あかりの母
「母です。」

健太郎
「(周りをキョロキョロ見ながら)・・・あ、よろしくお願いします。」

あかり
「もう3年くらいお付き合いさせていただいてるの。
 (健太郎を見て)ね。」

健太郎
「(周りをキョロキョロ見ながら)・・・あ、はい。そうです。」

あかり
「どうしたの、健太郎。
 何をキョロキョロしてるの?」

健太郎
「いや、あの、えーと・・・。
 ちょっと質問いいですか?」

あかりの父
「どうぞ。」

健太郎
「ここが自宅ということでいいですか?」

あかりの父
「ええ。ここに住んでるが。」

健太郎
「いや、でも、ここ・・・、観覧車ですよね?」

あかりの父
「・・・。」

あかりの母
「・・・。」

あかり
「・・・。」

あかりの父
「・・・ええ。観覧車ですよ。」

健太郎
「え、観覧車って住めるんですか?」

あかりの父
「住めるよ。30年ローンで。」

健太郎
「ローン組んで買ったんだ・・・。」

あかりの父
「検索してたら、たまたま空いてたんだ。
 穴場でしょ?」

健太郎
「穴場・・・?穴場・・・。まぁ、はい。」

あかりの父
「あ、すみません。お茶も出さずに。」

健太郎
「いえ、お構いなく。」

あかりの父
「ほら、母さん。お茶を。」

あかりの母
「そうね。
 ちょっとお茶を取りに行ってきます。」

あかりの父
「気をつけてな。」

あかりの母
(観覧車のドアを開ける)

健太郎
「え、え、え、何ですか?
 何をする気ですか?!」

あかりの母
「台所、3号機なんです。」

健太郎
「え、ここから3号機に移動するんですか?!」

あかりの母
「はい。パイプ伝いに。」

健太郎
「いやいやいや、かなり高さありますよ。」

あかりの母
「大丈夫です。近いんで。
 少々お待ちくださいね。(外に飛び出して行く)」

健太郎
「え、ちょっとお母さん!!」

あかりの父
「大丈夫だ。母さんも慣れたもんだから。」

健太郎
「(外を見ながら)すごい・・・。体操選手みたい・・・。」

あかりの父
「もう長年住んでるからね。」

健太郎
「これが日常なんですか?」

あかりの父
「うん。」

健太郎
「日常なんだ・・・。」

あかり
「あ、私の部屋は5号機なの。
 (外を指差して)ほら、あそこに見えるやつ。」

健太郎
「遠いなぁ。
 ・・・考えてみれば、以前、デートで『観覧車乗ろう』って言ったときにあまり乗り気じゃない感じだったけど、今、納得した。」

あかりの母
「(飛び込んでくる)はい、お茶でーす!」

健太郎
「お母さん、大丈夫ですか?」

あかりの母
「大丈夫ですよ。
 今、拭くものお持ちしますね。」

健太郎
「はい、ビショビショなんで。
 ・・・ちなみに、どうして観覧車に住もうと思ったんですか?」

あかりの父
「いや、こちらが提示した条件にぴったりだったから。」

健太郎
「条件?」

あかりの父
「日当たり良好。」

健太郎
「まぁ、そうですけど。」

あかりの父
「見晴らしがいい。」

健太郎
「まぁ、そうですけど。」

あかりの父
「丸部屋。」

健太郎
「角部屋みたいなものですか?」

あかりの父
「ただねぇ、電気代が毎月すごい額になる・・・。」

健太郎
「そりゃなりますよ。
 観覧車を動かす電力ですから。」

あかりの父
「でも、洗濯物はよく乾くぞ。
 なぁ、母さん。」

あかりの母
「えぇ。今日も13号機から15号機に家族の布団を干してます。」

あかり
「近所の人からは『よく布団が干してある観覧車』って言われるの。」

健太郎
「そりゃ言われるよ。
 僕も観覧車に布団干してあったら間違いなく二度見するもん。」

あかりの父
「健太郎くん、お腹空いてないか?」

健太郎
「そうですね・・・。
 (部屋を見回して)あれ、時計ないんですね。」

あかりの父
「あ、時計か。母さん、ドローン。」

あかりの母
「はいはい。今飛ばします。(観覧車のドアを開ける)」

健太郎
「ん、ん、ん?何するんですか?」

あかりの母
「今何時か確認しますから。
 はい、ドローン発進!」

あかりの父
「(モニターを見ながらドローンを操作しながら)もうちょっとで時間わかるから。」

健太郎
「えーと、ごめんなさい。何をしてるんですか?」

あかり
「この観覧車自体が大きな時計になっているの。」

健太郎
「あぁ、1秒ずつ電飾が灯っていくやつね。」

あかり
「だから、時間を見る時はドローンを飛ばして、外から時間を確認するの。」

あかりの父
「『せっかく観覧車が時計になってるなら、時計買わなくていいじゃん』って気づいてな。」

あかりの母
「時計代がもったいないですからね。節約の一環です。」

健太郎
「・・・うん。
 でも、ドローン代の方が時計の何倍も値段かかりますよね。」

あかりの父
「・・・。」

あかりの母
「・・・。」

あかり
「・・・。」

あかりの父
「・・・だまされた!」

健太郎
「誰も騙してませんよ。
 ただの自滅です。」

あかりの父
「それにしても、あかりに彼氏かぁ。
 これはおじいちゃんとおばあちゃんに報告だな。」

健太郎
「おじいちゃんとおばあちゃん?」

あかり
「うん。もう2人とも亡くなってるんだけど、茨城にお墓があるの。」

健太郎
「そうなんだ。」

あかり
「何号機だっけ?」

あかりの母
「4号機。」

健太郎
「・・・え、お墓も観覧車の中にあるんですか?」

あかりの父
「検索してたら、たまたま空いてたんだ。」

健太郎
「なんで検索の範囲に観覧車が入ってるんですか。
 抜かないと、検索条件から。」

あかりの母
「安かったのよ。」

健太郎
「100歩譲って観覧車にお墓があるとしましょう。
 たまたまそのお墓のあるゴンドラに乗っちゃったお客さんはずーっとお墓と一緒に一周回るんですよね?」

あかりの父
「『レアゴンドラだ』って言われてその遊園地の人気スポットになってるそうだ。
 乗った観覧車がお墓の観覧車だと、お客さんは『やった!ツイてる!』って言うらしい。」

健太郎
「いや、まあ、確かに憑いてそうですけど・・・。」

あかりの父
「そういえば健太郎くん。
 君はどこに住んでるんだ?」

健太郎
「あぁ、ここから見えると思いますよ。(下を見る)」

あかりの父
「んん?(一緒に下を見る)」

健太郎
「(下を指差し)あぁ、あのジェットコースターです。」

あかりの父
「もしかして、先頭で食事中の2人は?」

健太郎
「うちの父と母です。」

あかりの父
「晩御飯、ブチまけてるな。」

健太郎
「生まれてからずっとジェットコースターで暮らしてましたけど、観覧車で暮らす人もいるんですね。」

 

 

 

 

 

 

 

【コント・セルフ・ライナーノーツ】

以前から観覧車で何か作れないかなぁと考えていました。

『観覧車に住んでいる人』という設定だけではうまく話をつなげられず、結婚相手が観覧車に住んでいるという設定にしました。

 

【上演メモ】

人数:4人

健太郎

あかり

あかりの父

あかりの母

 

所要時間:4分~5分
上演難易度:★★☆☆☆
備考:ゴンドラの外で起きていることはセリフでフォローして、舞台上ではゴンドラでの中で起きていることを表現する形になると思います。

観覧車の中という設定なので、すごく狭い範囲の芝居になるでしょうね。

 

【過去コントを5本チョイスしました。こちらもどうぞ。】

【お題コント】シナの5人兄弟
【コント】モナリザ
【コント】マーメイド
【コント】鬼が島の戦い
【コント】黄門さまのおさばき#3

 

 

 

【お題募集中】

お題コントのお題を募集しています。

採用の際には、ささやかながら、当ブログから採用者様のブログへのリンクを張らせていただきます。

・内容によっては、ご期待に沿えないこともございます。

・お題をいただいてから、公開までに数か月かかることがあります。

・公開までにアメブロを退会された場合、公開を見送る場合があります。

 

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