以前書いた「犬目線」の感想より。

 

シナの5人きょうだい
というお話をご存知ですか?
人並み外れた特技で5人の兄弟が窮地を脱するお話です

 

というわけで、今回のお題は「シナの5人兄弟」です。

 

今回のお題はダックビルさんからいただきました。

 

ダックビルさん、ありがとうございます。

 


 

これは特殊な能力を持つ5人の兄弟のものがたり。

長男は海の水を飲みほすことができた。
次男は鉄のように固い首を持っていた。
三男はどこまでも足をのばすことができた。
四男は火の中でも自由に行動できた。
そして、五男はいつまでも息をとめておくことができた。


(暗闇の部屋)


長男
「はい・・・。はい・・・。

 何時くらいになりそうですか?

 ・・・もう少しで復旧する。

 わかりました。待ちます。

 はい、失礼します。」

次男
「・・・なんだって?」

長男
「今、この辺り一帯が停電しているらしい。

 でも、復旧の目処はついていて、もう少しで直るそうだ。」

三男
「よかった・・・。」

長男
「よし、明日の練習をしよう。」

四男
「え、この暗闇の中で?」

長男
「復旧までの時間がもったいない。

 明日が成功するか失敗するかは今日の追い込みにかかってるんだ・・・!」

五男
「兄さん、本気だね。」

長男
「本気だよ。

 よし。では、明日の合コンの練習を再開しまーす。」

次男三男四男五男
「いえーい!」

長男
「まずは自己紹介からー。」

次男三男四男五男
「わー。」

長男
「えー、長男です。

 特技は海の水を飲みほすことです。

 推し海はカスピ海です。」

拍手
「パチパチパチパチ。」

次男
「次男です。

 鉄のように固い首が自慢です。

 好きな慣用句は『首を長くして待つ』。

 嫌いな慣用句は『首が回らない』。

 使ってみたい慣用句は『首を洗って待ってろ』です。」

拍手
「パチパチパチパチ。」

三男
「三男です。

 どこまでも足をのばせる足が自慢です。

 兄弟の中で一番高身長です。」

拍手
「パチパチパチパチ。」

四男
「四男です。

 火の中でも自由に行動できます。

 好きな曜日は火曜日。

 好きな俳優は火野正平。

 好きなダルマは火だるまです。」

拍手
「パチパチパチパチ。」

五男
「五男です。

 いつまでも息をとめておくことができます。

 今年まだ息を吸っていません。」

拍手
「パチパチパチパチ。」

六男
「六男です。

 兄弟の中で一番力持ちです。

 最近の自慢は武井壮が僕のことを『師匠』と呼んだことです。」

拍手
「パチパチパチパチ。」

長男
「よし、自己紹介は完璧だな。」

次男
「・・・兄さん。」

長男
「ん?」

次男
「・・・今、一人多くなかった?」

長男
「ん?多かったか?」

三男
「今、6人が自己紹介したぞ。」

長男
「本当か?

 よし、点呼を取るぞ。」

次男三男四男五男
「はい。」

長男
「番号!1!」

次男
「2!」

三男
「3!」

四男
「4!」

五男
「5!」

六男
「6!」

長男
「ニセモノがいるぞー!」

六男
「やばい!」

足音
「ドタドタドタドタ!バタン!!」

長男
「逃したか・・・!」

次男
「どうやって入り込んだんだ。」

長男
「よし、とりあえず練習を続けよう。」

三男
「次は何の練習を?」

長男
「エピソードトークだ。」

四男
「エピソードトーク?」

長男
「これだけの能力を持った兄弟だ。

 変わったエピソードの1つや2つ、持ってるだろう?」

五男
「確かに。」

四男
「俺、火が平気ということで、小学生の頃のあだ名が『赤ピクミン』でした。」

三男
「俺、身体測定で毎年微妙に身長を変えるイタズラをしてたら、

 小学六年生のときに『お子さんの成長の件について』という名目で

 両親が学校に呼び出されたことがあります。」

長男
「水を飲み干せる人間あるあるとして有名なのが、

 飲み会の一発芸コーナーで毎回海を飲まされることです。

 あ、ちなみに、アトランティスが一瞬見えたところでやめると盛り上がります。」

次男
「俺、首が鉄のように硬いのですが、首にマグネットでメモを貼られることがあります。

 冷蔵庫みたいな扱いです。」

五男
「俺、いつまでも息を止められるということで、湖の底で息を止める芸が好評です。

 以前、その芸を披露していたら、長男も同じ湖で芸をしていて水を飲み干してしまい、

 底で息を止めていた俺の姿が徐々に見えてきたことがあります。」

長男
「あー、あったなぁ。

 俺、泉の神を見つけたかと思ったもん。

 もしくは、見つけてはいけないものを見てしまったかと思った。

 今となってはいい思い出だけどね。」

五男
「俺は根に持ってるけど・・・。」

長男
「こ、これで全員言ったかな。」

六男
「まだ、俺が・・・。」

長男
「はい、どうぞ。」

六男
「これは俺が体育館裏でライオンとサシの戦いをした時の話なんだけど・・・」

次男
「兄さん!」

長男
「ん?」

次男
「部外者がいる!」

長男
「またかよ!番号!1!」

次男
「2!」

三男
「3!」

四男
「4!」

五男
「5!」

六男
「6!やばい!」

足音
「ドタドタドタドタ!バタン!!」

次男
「くそっ!逃げ足の速い奴め・・・!」

長男
「次にニセモノが現れた時は全員で戦おう。」

三男
「戦うって・・・」

長男
「俺たちの特殊能力があれば一発だ。」

五男
「でも、俺、水の中で息を止めることしかできない・・・。」

長男
「あ、俺は水を飲み干すことしかできないな・・・。」

三男
「俺は足を自由に伸ばせるけど・・・。」

長男
「うーん・・・。使えるかなぁ・・・。」

四男
「俺、火の中でも平気。」

五男
「よし。相手が火を吐いてきたら、四男に防いでもらおう。」

四男
「火を吐いたらね。」

長男
「あとは・・・」

次男
「いや、俺は首が鉄のように硬いだけだから・・・。」

三男
「次男の首をニセモノの後頭部にぶつければいいんじゃないかな・・・。」

次男
「いや、俺を大理石の灰皿扱いしないで。」

長男
「よし。持ってみよう。」

次男
「いや、ちょっと待って・・・!」

三男
「どう持ったらいいんだ・・・?」

四男
「うわ、持ちにくい・・・!」

長男
「お前、持ちにくいよ!!」

次男
「俺、元々持つようにできてないんだよ!」

三男
「首根っこ持てばいいんじゃない?」

長男
「いや、これから首で殴ろうとしてるのに、首根っこ持ったら殴りにくいだろ?」

三男
「確かに。」

次男
「何だよ、この会話。」

長男
「とりあえず、持ちやすいポジションを探そう。」

次男
「ち、ちょっとやめろよ!」

三男
「こうか?こうか?」

次男
「ちょっとやめろ!くすぐったいから!」

四男
「こうか?こうかな?」

次男
「やめろ!ははは!くすぐったい!!ははは!」

六男
「こちょこちょこちょこちょ!!」

次男
「兄さん!ニセモノがいる!」

長男
「番号!」

六男
「6!やばい!」

足音
「ドタドタドタドタ!バタン!!」

四男
「くそぉ!次男を持つタイミングすらなかった・・・。」

五男
「明かり、まだつかないのかよ。」

長男
「ちょっと電話してみる。」

六男
「(機械っぽく)おかけになった電話番号は・・・」

次男
「兄さん!」

長男
「番号!」

六男
「やばい!」

足音
「ドタドタドタドタ!バタン!!」

次男
「くそぉ、また逃げた。」

四男
「油断も隙もないなぁ。」

長男
「あ、もしもし。

 まだ電気はつきませんか?

 あ、もう順次つくはず?

 わかりました。ありがとうございます。」

次男
「順次点くって?」

長男
「あぁ。」

五男
「あ、周りの家はもう点いてる。」

長男
「よし、電気を点けてみよう。」

三男
「点けまーす。」

長男次男四男五男
「はーい。」

三男
「はい!」


(明かりが点く。ひと部屋の中にものすごい数の人間がいる)


六男たち
「やばい!」

足音
「ドタドタドタドタ!バタン!!」

長男
「(外に向かって)何だ!お前たちの目的は何だ!」

四男
「俺たちは負けないからな!」

三男
「俺たちの力を思い知れ!」

五男
「絶対に正体を暴いてやる!」

次男
「首を洗って待ってろ!

 あ・・・、言えた・・・。」

長男三男四男五男
「おぉー・・・。」

 

 

 

 

【コント・セルフ・ライナーノーツ】

僕自身がこの物語のことを知らなかったので、まずネットで検索して、冒頭の5人の特技だけ調べ、そこから話を広げていきました。

そして、元ネタを知らない人でも楽しめるように、設定は全然関係ないものを当てはめて作った感じです。

 

【上演メモ】

人数:6人以上

長男

次男

三男

四男

五男

六男たち

 

所要時間:5分~6分
上演難易度:★★★★☆
備考:最後の明かりがつくまでの間は真っ暗でものがたりが展開していきます。

誰が喋っているかわかるように声が特徴的な人が演じる必要があります。それこそ、声優さん向けのコントかも・・・。

 

【過去コントを5本チョイスしました。こちらもどうぞ。】

【コント】スナイパー
【コント】カガミよ、カガミ。
【お題コント】取り調べ
【コント】ウィリアム・テル ~エピソード0~
【コント】自由研究

 

 

 

【お題募集中】

お題コントのお題を募集しています。

採用の際には、ささやかながら、当ブログから採用者様のブログへのリンクを張らせていただきます。

・内容によっては、ご期待に沿えないこともございます。

・お題をいただいてから、公開までに数か月かかることがあります。

・公開までにアメブロを退会された場合、公開を見送る場合があります。

 

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