「身入りのいい仕事」←どこが間違っている? | 伝わる・喜ばれる文章講座

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収入がしっかりと入ってくる仕事のことを「みいりのいい仕事」と言うことがあります。

この「みいり」という言葉、漢字ではどう書きますか?

 

正解は「実入り」です。

「身入り」と間違えやすいので注意が必要です。

 

「実入り」とは、穀物などの実が成熟することや、実の入り具合のことを指します。

つまり「実入りがいい」とは、実がぎっしり詰まった穀物のように、しっかりと収入が見込めるという意味なのですね。

 

では、なぜ「身入り」という間違いをしがちなのでしょうか。

「実」と「身」はどちらも「み」と読むから、という理由が考えられますが、それだけではないようです。

 

「身入り」という字面は、「自分の体の一部となる」つまり「自分のものになる」という意味を連想させます。

働いた分が自分の収入になる、という意味で「身」に「入る」というわけです。

しかし、実際には「身入り」という言葉は存在しません

「実」と「身」を間違えているだけで、「実入り」とは別に「身入り」という言葉も使われるわけではないのです。

 

ちなみに、古くは「身入」という言葉が使われていました。

「みいれ」と読み、紙入れや財布のことを指します。

ただ、現代では「財布」と呼ぶのが一般的ですので、「身入」という言葉はすっかり廃れてしまったといえるでしょう。

もちろん「実入り」とも関係ありません。

 

話を戻すと、「実入り」は穀物の実の入り具合のことです。

「実入りのいい仕事」と言う場合、「しっかりと実の詰まった仕事」という意味で「収入がしっかりと入る仕事」を表します。

実がぎっしりと入った果物などをイメージしておくと「身入り」と間違えることがなくなるでしょう。