「代替案」←何と読みますか? | 伝わる・喜ばれる文章講座

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「前回の企画の代替案を作りました」

 

この「代替案」という言葉、どのように読みますか?

 

1.だいがえあん

2.だいたいあん

 

1のように「だいがえ」と読んでいる人も多いはずです。

「ずっと『だいがえ』と読んできた」という人もいるのではないでしょうか。

 

正しい読み方は「2」「だいたいあん」です。

 

なぜ「だいがえ」という読み方が広まっているのでしょうか。

理由は2つ考えられます。

 

1つめの理由として、「替」は「振替」「住み替え」のように「かえ」と読む言葉が多いことが挙げられます。

「たい」と読むパターンとしては「交替」などがありますが、これ以外の言葉となると「かえ」と読むことのほうが多いでしょう。

そのため「代替」の「替」も「かえ」と読んでいるのだと推測できます。

 

もう1つの理由として、「だいたい」という言葉が「大体」と紛らわしいことが挙げられます。

「大体案」という言葉はありませんので、「代替案」と意味を取り違えることはまずあり得ないのですが、「いい加減な印象を与えたくない」と考える人がいることは想像できます。

 

実際、業界によっては「だいがえ」という読み方が一般的に使われているケースも見られるようです。

この場合は、あえて「だいたい」という読み方を避けていると考えられます。

 

正しい読み方は「だいたい」ですので、とくに事情がなければ「だいたい」と読むようにしましょう。

 

ちなみに「代替案」と似た言葉に「代案」があります。

「だいあん」と読み、代わりの案という意味です。

代替案と代案はほぼ同じ意味ですが、「代替案」はすでに発表・提出されている案について使われ、「代案」は発表・提出されているかどうかに関わらず使われるという違いがあります。

 

「たいあん」と読むのは「対案」で、「代案」とは意味が異なります。

「対案」は「対」という漢字から分かるように、元の案に反対する案という意味で使われます。

単に「代わり」の案ではなく、対立する関係にあるという点がポイントです。

 

整理すると、

  • 「代替」は「だいたい」と読む
  • 「代替案」はすでに発表・提出済の案に対して用いる
  • 「代案」は発表・提出されているか否かによらず用いる
  • 「対案」は元の案に反対の立場の案に用いる

となります。

 

まとめて覚えておくと、誤用を防ぐのに役立ちそうですね。