皆さま、こんにちは！
今日は昨年の12月に訪れた
豊橋鉄道渥美線・植田（うえた）駅の訪問記です。
まずはこの画像をご覧くださいませ。
この風景を見て、
植田駅がありふれた無人駅だと思ったら大間違いですの。
豊橋市西部に戦時中、豊橋海軍航空隊基地が造られまして、
そこに物資を輸送するための専用線が
ここを拠点（始点）に計画されてたのです。
そんな歴史を持つ植田駅はどのような駅だったのか？
古い航空写真を見ながら探ってみましたよ。
まずは植田駅の歴史から。
植田駅は豊橋鉄道の前身である渥美電鉄の手により
大正13年に開設された駅でした。
現在は無人駅ですけど昭和44年までは駅員配置駅だったらしく。
それじゃ駅舎はどこにあったの？と思いましたら、
昭和50年撮影の航空写真にその答えがありましたよ。
駅の南側（画像の下側）に駅舎が写っているのがわかりますかね？
構内踏切の手前側に写る建物です。
現在はホームの出入口となってるこの辺りに
昔は駅舎があったみたいですね。
白い倉庫の裏側に駅便（駅の便所）がありますけど、
航空写真には写ってませんので
駅舎と代替に建てられたモノで間違いないでしょう。
こちらが植田駅のホーム、
列車の行き違いが可能な相対式ホーム２面２線構造でした。
駅の東側には植田変電所があります。
こちらの変電所ですけど、渥美線が開通した大正13年から
93年間も姿を変えることなく使用されてるんですって。
こんなんだったら、もっと入念に見ておくべきでした。
さてさて、冒頭に書いた
植田駅と海軍飛行場とを結ぶ専用線のことです。
専用線の行く先は豊橋海軍航空隊基地で、
昭和14年に着工、昭和18年に完成した飛行場でした。
ここに物資を輸送するために計画された専用線でしたが、
戦況の悪化から飛行場は完成直後から機能を停止、
専用線も未成のままで工事が中断されたそうで。
工事の中断前には専用線の路盤が完成していたとのことで、
昭和21年に撮影された航空写真をチェックしたのですが…
ホントだ、ありましたわ。
緑線が渥美線の本線、赤線が未成の専用線でした。
伊勢湾方向にまっすぐ路盤が伸びているのがわかります。
２線が分岐している箇所をズームアップしたのがこちらでした。
未成で終わった専用線ですけど、多くの箇所が後に道路に転用された模様。
驚いたのは、植田駅近くの南陵中学校の校庭にも転用されてたことです。
南陵中の皆さん！
皆さんの学校の校庭に未成線が眠ってますぜ！
これを調べるだけで夏休みの自由研究は完成ですから。
せっかくなので、
未成の専用線が伸びていた方向に歩いてみることにしました。
専用線は三河田原駅方向に伸びる予定でしたので、この方向を直進。
渥美線に西側に沿うように歩道がありますので
ここをまっすぐ歩いてゆきます。
なんとなく気になってたのですが、この歩道って
専用線に充てるための用地だったのではないでしょうかね？
歩道は本線と専用線の分岐点まで続いてました。
右手の雑木林に果物が生ってました。
さすがミカンの名産地・渥美半島です。
歩道の先に素盞鳴神社がありましたが…
その手前側にある空地に注目。
空地が不自然なカタチであるのが見えますよね。
矢印の先が駅から続く歩道の終端でした。
この空地はおそらく専用線の用地だったのだと思います。
おそらく専用線はカーブしながら手前に曲がって来てたのでは？
…以上、植田駅は探れば探るほど楽しそうな駅でした。
こうして古い航空写真と現在の様子を対比するのが
面白くて止められない自分。
未成線や廃線跡が絡んできたら魅力はマシマシでした。
それにしても、こんな魅力的なスポットが無人駅にあったとは…
渥美線、なかなか手強いっす！
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植田駅（平成29年12月30日）
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