8歳のフラヴィアは、両親やおばのスーザンと住んでいる。遠くに行っていたスーザンの恋人のスティーヴが帰ってくる。フラヴィアもスティーヴが大好きである。
フラヴィアには秘密だが、スティーヴは刑務所に入っていて仮釈放になったもの。半年間問題がなければ、そのまま釈放となる。
母ヘレンは妊娠しており、父ジョセフは仕事がうまくいっていない。スティーヴはジョゼフに「金を貸す」と言ったが自分も持っているわけではない。また昔の悪い仲間から誘われている。
フラヴィアは、ヘレンから「膝まづいている牛は幸運の印」と教えてもらい、牛を探しに出かけた。そこへスティーヴが悪い仲間と一緒にやってきた。
製作:1948年、監督:ロイ・ローランド
■ はじめに
◆ 登場人物
フラヴィア・ミルズ(マーガレット・オブライエン) 八歳の女の子
ジョセフ・ミルズ(ワーナー・アンダーソン) フラヴィアの父親、ヴァイオリン教師
ヘレン・ミルズ(フィリス・サクスター) フラヴィアの母親
スーザン・ブラッテン(アンジェラ・ランズベリー) フラヴィアのおばさん、同居
スティーヴ・アボット(ジョージ・マーフィ) スーザンの恋人
マック(リス・ウィリアムズ) 街頭で新聞を売っている、盲目
アル・パーカー(バリー・ネルソン) スティーヴが前に勤めていた会社の管理職
場所はニューヨーク、時代は1936年。
■ あらすじ
◆ フラヴィア
フラヴィアは、両親およびおばさんのスーザンと住んでいる。父親のジョセフはヴァイオリンを教えている。母親のヘレンは妊娠している。もう出産が近い。
フラヴィアは十番街をローラースケートで、自分の庭のように走り回っている。
盲目の新聞売りマックと仲が良く、トラックで運ばれてきた新聞を受け取ってマックのところに持って行ったりしている。
またしばらく他へ行っていたスティーヴが戻ってくる。スーザンの恋人。スティーヴが戻ってきたら、二人の結婚式をさせようと思っている。
◆ スティーヴが戻ってきた
スティーヴが戻ってきた。フラヴィアは駅に迎えに行ってスティーヴに抱き着いた。
スティーヴはフラヴィアの家に来てスーザンと会った。スーザンは「私の気持ちは変わっていない」と言った。しかしスティーヴは下を向いて「気が進まなくなった。僕はもう普通の男じゃない」と答えた。
ここで警察の人間が入ってきて、スティーヴに「昔の仲間とかかわるな」と警告した。
フラヴィアには秘密だが、スティーヴは刑務所に入っていて、仮釈放で出てきた。半年間問題がなければ、そのまま釈放となる。ただし仮釈放中は、他の場所に行ってはいけないことになっている。このことはフラヴィア以外は知っている。
さて、ここでフラヴィアが入ってきたが、雰囲気が違うので戸惑ってしまう。
スティーヴは、前に勤めていたタクシー会社に行った。営業所の責任者が変わっていて、元の同僚のアルが責任者になっていた。
アルはスティーヴに「運転の仕事はできない。洗車の仕事」と言った。アルはスティーヴに嫌がらせをしているわけではない。それとこれが大事なところだが、アルは前からスーザンが好きで「プロポーズした」とのこと。
◆ ネズミ捕り
スティーヴ、スーザン、ヘレンがフラヴィアの前で話をしている。スティーヴが洗車係をすると聞いて、フラヴィアは「金があればタクシーを買える」と言う。
ここでヘレンは「願えばネズミが金に変わる」という話をする。もちろんヘレンはおとぎ話として言ったのだが、フラヴィアは本気にした。
夜、こっそりと、箱を持ってきてネズミ捕りを作った。
次の日、フラヴィアはその箱を倉庫の中のレンガの壁の中に仕掛けた。
◆ ブロックのパーティ
スティーヴが仕事をしているときにスーザンが訪ねてきて「ブロックのパーティの司会をしてほしい」とお願いした。スティーヴは、自分の現在状況を鑑みて、司会の話を断った。注、「ブロック」とは、住んでいる一帯のこと。
パーティが開かれた。ダンスパーティが開かれ、スーザンはスティーヴやアルとダンスをした。
そしてフラヴィアがみんなの前で演説した。アメリカの歴史を引用した素晴らしい演説で、みんなは大拍手。
◆ マックの金が盗まれた
バーティが開かれているときもマックは新聞を売っていた。
不良少年が二人、マックが目が見えないことに目をつけて、新聞の売り上げを奪った。
そして、それを倉庫の中に持ち込んで、フラヴィアが設置したネズミ捕りの箱に隠した。
フラヴィアは、ネズミ捕りの箱を調べに行って、金が入っているのを見て大喜び。
家に帰って、さらネズミ捕りの箱を作ろうとした。
スティーヴが入ってきた。「マックの金が盗まれた」。フラヴィアが持っていた金を見て「札の縛り方がマックと同じ」と指摘した。
フラヴィアはヘレンに「ネズミが金に変わるって言ったよね」と言うが、スティーヴは「それはおとぎ話」。
フラヴィアは家を飛び出した。
◆ スティーヴが悪事に誘われる
スティーヴは、フラヴィアへのプレゼントとしてローラースケートを買いに質屋に来た。
そこでフラヴィアの父親のジョセフに会った。仕事道具のヴァイオリンを質に入れようとしている。ジョセフは、仕事がなくなったらしい。
スティーヴはジョセフを制して自分が金を貸すと言った。ジョセフは質入れを止めた。しかしスティーヴも金を持っているわけではない。
スティーヴは、昔の「仲間」のところに出かけた。「200ドル貸してくれ」。
しかし「そんな金はない」と言われて「次の仕事」に誘われた。
◆ フラヴィアは、スティーブのことを知った
ヘレンは妊娠中なので、フラヴィアに頼んで薬を買いに行ってもらうことにした。
フラヴィアは金を入れてある箱を戸棚の上から取ろうとした。その時に隣にあった陶器の牛の貯金箱が床に落ちた。
フラヴィアは「貯金箱が壊れた」と思ったのだが、ヘレンは「これは牛が膝まづいている像なの」と言って、牛の足が折れたのではないことを説明した。そして「牛が膝まづくのは幸運の印」と教えた。
フラヴィアは薬を買って、戻る途中でスティーヴのところに寄った。少し話をして、その場を離れたが、買った薬を置いてきてしまったのを思い出した。スティーヴのところに戻った。
そこには警察の人が来ていて、スティーヴと話していた。フラヴィアは立ち聞きする。
帰って、その話をヘレンにした。「スティーヴに何があったのか教えて」「誰かのためを思って真実を言わないこともある」。
フラヴィアは部屋を飛び出した。ヘレンは追いかけたが、階段から落ちた。
◆ フラヴィアは牛を探しに行く
ヘレンが階段から落ちた。スーザンが来て、医者を呼んだ。フラヴィアは部屋の外で待っている。
医者が帰って、スーザンはフラヴィアに「赤ん坊は救えた、後は神に祈るのみ」と医者の言葉を説明した。
フラヴィアは、棚の上の牛の貯金箱を見た。そして「膝まづいた牛」を探しに出かけた。
フラヴィアはマックのところに行って聞いた。マックは「家畜の飼育場に」と答えた。フラヴィアは走った。
◆ 牛が膝まづいた
フラヴィアは家畜の飼育場に来た。注、でも操車場みたいなところ。
そこには、スティーヴが、他の二人と一緒にいた。スティーヴは「仲間」に誘われて悪いことをしようとしているところだった。
スティーヴに「牛を探して、お母さんを助ける」と言うと、スティーヴは「ネズミは金に変わったか?」と指摘した。
他の二人がスティーヴを急かせると、スティーヴは二人に断って別れた。注、その二人は後で警官に逮捕された。
飼育場の係員が来た。フラヴィアがお願いすると、係員は貨車の扉を開けてみせた。
牛が座っている。そのまま動かない。スティーヴは「帰ろう」と言う。フラヴィアが粘っていると、牛が立ち上がり、そして前足を折って膝まづいた。それを見てフラヴィアはヘレンのために祈った。
◆ ヘレンが治った
フラヴィアはスティーヴと一緒に戻ってきた。スーザンの顔が明るくなっている。ヘレンはよくなったとのこと。
そしてジョセフが「新しい仕事が見つかった」と入ってきた。
そこでブロックの委員からフラヴィアにローラースケートのプレセント。そしてスティーヴからもローラースケート。さらに訪ねてきたマックもローラースケート。注、もともとフラヴィアはローラースケートを持っていた。ストーリーでは示されないが、フラヴィアはローラースケートをなくしたことになっているらしい。
そしてスティーヴはスーザンに「この町からは出ていかない」と告げた。
■ 出演作
◆ アンジェラ・ランズベリー
(1944)ガス燈/Gaslight
(1944)緑園の天使/National Velvet
(1949)サムソンとデリラ/Samson and Delilah
(1948)十番街の天使/Tenth Avenue Angel
(1962)影なき狙撃者/The Manchurian Candidate
(1965)偉大な生涯の物語/The Greatest Story Ever Told
(1956)A Life at Stake
(1956)俺を殺せ/Please Murder Me
(1945)ドリアン・グレイの肖像/The Picture of Dorian Gray
(1952)カリブの反乱/Mutiny







